M&Aのメリットを細かく紹介。M&Aによる相乗効果や節税効果とは

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M&Aは売り手・買い手ともにメリットがある方法です。売り手であれば後継者がいないことへの対策が可能で、買い手側は事業開始に必要なものをまとめて手に入れられます。ほかにも相乗効果や節税効果など、さまざまなメリットを見ていきましょう。

この記事の目次

1.M&Aについて知ろう

M&Aについて知ろう

かつてはM&Aというと敵対的買収と同義のように考えられていましたが、現在では友好的買収も広く知られるようになりました。M&Aのさまざまなメリットを知るために、まずは基本的な知識を解説します。

1-1.M&Aは中小企業や個人でも一般的になった

以前は大企業に対する敵対的買収が話題になったこともありましたが、現在ではM&Aへのネガティブな印象は薄れてきているようです。企業の発展や存続のために積極的に活用する仕組みと認知している人も少なくありません。

中小企業や個人など規模の小さなM&Aも増加傾向です。中小企業基盤整備機構が運営する『事業引継ぎ支援センター』では、事業承継の手段としてM&Aの仲介も実施しています。

2019年度には成約件数が『1176件』と、初めて1000件を超えました。このように小規模な案件が増えており、一般的な取引の一つになっています。

参考:令和元年度 事業引継ぎ支援事業に係る相談及び事業引継ぎ実績について|中小企業基盤整備機構

1-2.メリットを得るにはスキーム作成が重要

ただしM&Aを実行すれば必ずメリットを得られるわけではありません。メリットのあるM&Aを行うには、スキームの選択がポイントです。

スキームとはM&Aの手法のことで、『株式譲渡』や『事業譲渡』などが代表的です。どの手法を選ぶかによって、引き継げる範囲・費用・税金などが異なります。

取引する事業や企業の状況に合わせて適切なスキーム選ぶことが重要です。例えば許認可の必要な事業を引き継ぐには、会社を丸ごと承継する株式譲渡を検討するのがよいでしょう。

しかし多額の負債がある・不採算事業があるといったケースでは、引き継ぐ対象を選択できる事業譲渡の方がスムーズに契約できる可能性があります。

1-3.身近なM&Aの事例を紹介

M&Aの事例として、生活に密着した身近な企業である『イオン』を紹介します。スーパーが主力事業のイオンは、コンビニの台頭といった影響を受け、1990年代は売上が減少し続けていました。

そこで大手ドラッグストアを運営している『ウエルシアホールディングス』を、M&Aにより子会社化します。ドラッグストア事業との相乗効果を狙ったM&Aです

例えばイオンの電子マネーや店舗を、ウエルシアの医療・介護事業と組み合わせる展開も考えられています。ドラッグストア事業をイオングループ全体の中核事業と位置づけた結果、売上は増加中です。

2.会社にとってのメリット

会社にとってのメリット

売り手の会社が得られるメリットには、会社の成長や主力事業への集中が挙げられます。どちらのメリットも、今ある事業を大きくしていける可能性を持っているのが共通点です。

2-1.経営を託し会社を成長させられる

中小企業は資本力が小さく、思ったように成長できないことがあります。『設備投資をしたい』『技術を生かした商品開発をしたい』と計画しても、思うように資金が集められないかもしれません。

そのようなタイミングで資本力のある大手企業の傘下に入るM&Aを実施すれば、成長を妨げていた資本力の問題が解消されます。会社の成長に注力できるため、大きく発展できるでしょう。

現時点で赤字の会社であっても、技術力・顧客・店舗網などの強みがあれば、M&Aが成立する可能性は十分あります

2-2.事業譲渡の場合、主力事業に集中できる

会社を存続させるための戦略として『選択と集中』が注目されています。多種多様な事業を展開している場合、中には採算の取れていない部門もあるでしょう。

そんなときは会社にとって主力事業であるコア事業に資源を集中させ、それ以外のノンコア事業を切り離す戦略が有効です。ノンコア事業を切り離す手段の一つとして、事業譲渡によるM&Aがあります。

事業譲渡を実施すれば、ノンコア事業にかかっていたコストから解放されます。加えて売却によって得た対価を、コア事業を成長させるための資金として活用できるでしょう。

3.廃業と比べた場合のメリット

廃業と比べた場合のメリット

後継者がいないことで廃業を考えている経営者もいるでしょう。M&Aを利用すれば、廃業にかかる費用が不要になり、従業員の雇用も継続できます。廃業の前に、まずはM&Aを検討するのも手です。

3-1.事業承継問題の解決策になり得る

少子高齢化に伴い、経営者の高齢化が進んでいます。加えて経営者が高齢の会社でも、後継者がいないケースは少なくありません。体調なども考慮し、廃業を考える経営者も多いでしょう。

中には、黒字であるにもかかわらず後継者がいないことを理由に、廃業を余儀なくされる会社もあります。そこで注目されているのが、M&Aによる事業承継です。

親族や従業員の中で後継者が見つからなくても、第三者へ会社を売却することで、引き継いでもらえる可能性があります。国としても後押ししている対策です。

引き継ぐときの税金を猶予する『事業承継税制』といった特例も設けられています

3-2.廃業コストがかからずに済む

M&Aによる事業承継を実施すれば廃業を免れるため『廃業コスト』がかかりません。会社を消滅させる手続きには、最低でも下記のような費用がかかります。

  • 解散の登記費用:3万円
  • 清算人の登記費用:9,000円
  • 清算結了の登記費用:2,000円
  • 官報公告の費用:3万3,000円

加えて事業用の店舗や事務所を借りているなら、原状回復費用が必要です。会社に債務があるなら、清算もしなければいけません。廃業手続きを専門家へ任せるならその費用も必要です。

廃業した結果、手元に残る資金はほとんどないというケースや、借入金の返済が残るケースもあります。

3-3.従業員の雇用を継続できる

廃業すると従業員は職場を失います。会社で働き続けたいと考えている従業員に、転職を強いることになるでしょう。

M&Aを株式譲渡で行う場合には、従業員の『雇用』を継続できます。経営者が買い手になったとしても、会社と従業員が交わした雇用契約は引き継がれるからです。

加えて中小企業のM&Aでは、従業員を技術やノウハウを持った重要な資産の一つと考えます。そのため従業員が働き続けることは、買い手にとってもメリットのあることなのです。

さらに最終的な契約書で、従業員の雇用継続に関する条項を設けておけば、M&A成立とともに解雇されることはありません。

4.M&Aで事業承継する社長にとっての利点

M&Aで事業承継する社長にとっての利点

事業承継をM&Aで行うと、社長はまとまった資金を手にしながら退職できるでしょう。個人保証から解放されれば、悠々自適に引退後の暮らしを楽しめるかもしれません。

4-1.まとまったお金が手に入る

株式譲渡でM&Aを実施すると、株式の売却による利益である『キャピタルゲイン』を得られます。社長個人が保有する株式を売却する手法のため、得られる利益は全て社長本人のものです。

売却益から株式の取得費用を差し引いた譲渡所得には課税されます。所得税15%・住民税5%の合計20%です。

まとまった現金を得られるため、社長の老後資金として用いるのもよいでしょう。十分な資金があれば、退職後の暮らしを充実させられます。

4-2.できるだけ現金を多く残せる

在庫を持つ事業を展開している場合、廃業よりもM&Aを選ぶ方が現金を多く残せます。廃業するときには在庫を安く買いたたかれるケースが多いからです。

会社がなくなると、商品購入後のメンテナンスや返品・交換などのアフターフォローもなくなるでしょう。その分、消費者の安心感が低下し売れない可能性があります。

場合によっては、原価より安い価格でしか買い取ってもらえないこともあるでしょう。一方、M&Aで会社や事業が存続する場合には、これまで同様のアフターフォローが可能です。

そのため適正価格で買い取ってもらいやすく、その分、多くの現金を残せます。

4-3.個人保証と担保から解放され引退できる

中小企業が金融機関から借り入れるときには、社長や家族が連帯保証人になるのが一般的です。社長の自宅や土地など個人資産を担保にするケースも多いでしょう。

株式譲渡によるM&Aで買い手が会社を引き継ぐと、負債も買い手に引き継がれます。社長やその家族が負っていた個人保証や担保保証は解除される仕組みです。

引退後に万が一会社が借入金を返済できなくなったとしても、社長が責任を負う必要はありません。

4-4.役員退職金の活用で節税も

株式譲渡をすると、社長は対価として現金を受け取れます。しかし合計20%の所得税と住民税が課税されるため、実際に受け取れるのは税額を差し引いた分のみです。

ここで、対価の一部を『役員退職金』として受け取る方法を活用します。役員退職金の支給であれば、退職所得控除を利用できることに加え、所得を半分にして計算する制度もあります。

株式の譲渡所得への課税と比較して、税務面でのメリットが大きい方法です。売却価格によっては数百万円の節税につながります。

5.買い手にとってどんなメリットがある?

買い手にとってどんなメリットがある?

メリットを得られるのは売り手だけではありません。買い手にも相乗効果や節税などのメリットがあります。売り手にとっても買い手にとってもよい面があるwin-winの取引です。

5-1.事業の相乗効果が得られる

代表的なメリットは『相乗効果(シナジー効果)』を得られる点です。異なる企業や事業が一つになると、それまでになかった効果を得られる可能性があります。

最近では相乗効果を得るために実施されるM&Aが増えているほど、期待されている動きです。特に調剤薬局やIT・物流・ビルメンテナンス・不動産管理などは相乗効果を得やすい分野といえます。

代表的な相乗効果は下記の4種類です。

  • 販売シナジー:ブランドイメージによる売上アップや流通の仕組みによるコスト削減など
  • 生産シナジー:大量購入・工場の稼働率アップによるコスト削減など
  • 投資シナジー:投資面での相乗効果
  • 経営シナジー:経営ノウハウの共有による相乗効果

5-2.結果として節税になる場合もある

選択したスキームによっては、買収企業の繰越欠損金を引き継ぐことで『節税』できる可能性があります。繰越欠損金は7年間にわたり繰り越され、黒字と相殺可能です。そのため法人税額を抑えられます。

買い手企業の利益が多ければ、繰越欠損金を抱える企業とのM&Aは大きなメリットです。ただし税金逃れにならないよう、適用されるスキームは限定されています。

節税目的でM&Aを実施するのではなく、結果的に節税になる可能性があると考えるとよいでしょう。

5-3.余剰資金を活用できる

買い手が上場企業の場合には、余剰資金を持っている場合があります。使い道の決まっていない資金のことで、ただ手元に置いてあるだけの状態です。

M&Aは余剰資金を活用した投資にもなり得ます。高度な技術やノウハウを持つ小規模な企業を買収することで、将来的に大きな利益を得られるかもしれません。余剰資金を活用して、企業をさらに成長させられます。

6.さらなる事業の発展に向けた活用

さらなる事業の発展に向けた活用

M&Aを事業の発展のために活用する方法もあります。顧客や知名度・技術などを使いシナジー効果を起こすことで、1社のみの体制ではなし得なかった発展が可能になるかもしれません。

6-1.顧客の共有

売り手も買い手も、ともに顧客を抱えています。買収企業はどちらの顧客にも商品やサービスを提供可能です

売り手A社の商品と買い手B社の商品を合わせて顧客に販売すれば、『クロスセリング』という相乗効果を見込めます。例えば車用品を扱う会社が整備工場の会社を買収すれば、整備の顧客に対して車用品を販売できる可能性が高いでしょう。

また『アップセリング』という方法を利用することで、より単価が高い製品やサービスの購入につなげることも可能です。同ジャンルで異なる価格帯のアイテムを扱う会社を買収すれば、顧客へ提案できる幅が広がります。

6-2.知名度を活用できる

知名度の高い『ブランド』を活用することでも、シナジー効果が発生します。買い手企業のブランドを生かし、異業種のさまざまな事業を展開してもいいでしょう。例えば楽天が保有する『楽天〇〇』という多くの子会社が、この手法を活用しています。

また魅力的なブランドを持っている企業を買収し、買い手企業がそのブランドを使うケースもあります。ブランドを築くには戦略はもちろん時間が必要です。

M&Aを活用すれば、既に知名度があり販路も確保できているブランドを保有できるため効率的です。

6-3.優れた技術を取り入れ弱点を解消

買収した企業の技術を取り入れることで、会社の弱みを改善できます。これまでは考えられなかった新規開発も進められるかもしれません。

例えばIT技術のない製造業の企業がIT関連の企業を買収すれば、これまでにないIoT製品を作れるでしょう。社内になかった技術を取り入れられれば、シナジー効果によって開発が促進されるはずです。

売り手・買い手が別々に取り組んでいたのでは不可能なスピードや質を実現することで、新しい商品やサービスの誕生が期待できます。

7.人的資源を買い成長させる目的のM&A

人的資源を買い成長させる目的のM&A

人材獲得の難易度はますます高まりつつあります。労働力が不足している企業や、優秀な従業員を求めている企業では、人的資源のためにM&Aを実行するケースも増加傾向です。

7-1.労働力不足の解消

労働力はさまざまな業界で不足しています。例えば建設業では人手が足りず、労働者が高齢化しているのが現状です。給与水準の見直しや処遇の改善・教育訓練の充実など、さまざまな取り組みが必要といわれています。

同様に人手が足りない企業では、労働力確保のためにM&Aを実施するケースが増えています。買収によって、ある程度の技術力や経験を持った人材を自社に取り込む方法です。

一から採用活動や新人教育を施す手間・コストを考えると、M&Aによる人材確保の方が効率的な状況も考えられるでしょう。

7-2.優秀な従業員の獲得

人材の育成には長い時間がかかります。社会人としての基本的なマナーという程度であれば、数カ月で済むかもしれません。しかし専門性の高い高度な技術や知識を身に付けた従業員の育成となると、数年がかりです。

その技術を持った優秀な従業員をすぐに獲得したいと考えているなら、採用後に教育するよりも、M&Aで優秀な従業員のいる企業を買収する方が近道といえます。時間をかけることなく優秀な人材の確保が可能です。

7-3.自社の社員を成長させる

社員を成長させるには、成長度合いに見合った活躍の場が必要です。しかし大企業の多くは既に事業が安定しており、急成長していく段階を経験できません。

そこでM&Aで今まさに成長中の企業を買収し、そこへ今後の活躍が期待される社員を投入します。買収した事業を成長させると同時に、社員もどんどん成長していくでしょう。

成長の場として企業を買収する場合には、取得する事業の持つ実績や課題をあらかじめよく分析しておくことが大切です。

8.スムーズな新規事業への参入

スムーズな新規事業への参入

新しく事業を立ち上げるには、長い時間と大きなコストがかかります。投資した資金を回収するまで数年間は利益が出ないどころか、マイナスというケースもあるでしょう。

既にある事業を買い取れば、利益を出すまでの時間を短縮でき、リスクを最小限に抑えた展開が可能です。

8-1.立ち上げまでの時間を買う

一から新規事業を開始するには、必要なものを全てそろえなければいけません。工場や店舗・オフィスなどの場所や、必要な機材のほか、そこで働く従業員も必要です。

M&Aで事業を取得すれば、買い手は事業を始めるのに必要なものを全て取得できます。販路や顧客が既にいる状態で、最初から利益を得られる場合もあるでしょう。

買収企業の選定や条件の交渉、M&A成立後の統合に向けた準備など、一から始めるのとは異なる大変さもあります。しかし少しでも早く事業を開始することにメリットがある状況なら、有効な手段です。

8-2.リスクを軽減する

異業種へのチャレンジは、一般的にリスクが高いと考えられています。ノウハウがなく、業界についても知識・経験がないからです。しかしM&Aを実施すれば、異業種への進出も比較的『低リスク』で叶います

既にその分野で事業を展開している企業を買収すれば、必要なものが全てある状態が手に入るのです。買い手企業が資本さえ投入すればよい結果が出る、といったケースもあるでしょう。

自社の持つ資源を把握し、それを的確に投下できれば、順調に拡大させられます。失敗するリスクを最小限に抑えつつ、新たな展開を目指せる方法です。

8-3.勝ち残りを賭けた海外進出も

市場で長期的に勝ち残るためには『海外進出』が不可欠といわれています。現時点では日本国内のみをターゲットとしているとしても、経営リソースが豊富な海外企業が市場へ参入すると競争に負ける可能性があるからです。

海外進出するとはいっても、現地で事業の立ち上げから実施するのは現実的ではありません。時間も手間もかかり、また日本とは異なる商習慣により競争に敗れる場合もしばしばです。

進出先で地域に合わせた事業を展開するには、海外企業のM&Aが有効といわれています。ただし単に買収するだけでなく、その後の統合プランまで綿密に立てることが重要です。

9.さまざまなコストを削減し、資金を生む

さまざまなコストを削減し、資金を生む

M&Aを実施すると、企業の規模が大きくなります。大きな企業はコストを削減しやすいのが特徴です。機能を集約することで営業所をまとめることもでき、大量仕入れによるコストカットもできるでしょう。

9-1.製品の製造単価を下げられる

製造業を営む企業がM&Aで規模を拡大すると、生産の規模が大きくなります。生産性がこれまでの2倍・3倍になれば、その分、製品一つあたりの価格は下げられるでしょう。

これは材料の仕入れコストが低下し、生産ラインが効率的になっているからです。大量に出荷できるとなれば、輸送にかかる費用も抑えられる可能性があります。

9-2.大量取引ができるようになり仕入価格が低下

企業を買収すると、仕入れを共通化できます。例えばスーパーを展開している企業がコンビニを買収すれば、扱う商品は似たようなものばかりです。そのため、これまでと同じ商品でも大量に発注できるようになります。

大量発注をすると『ボリューム・ディスカウント』が効き、割引価格で仕入れられます。その結果、仕入れにかかるコストを削減し、利益を増やすことにつながる方法です。

9-3.重複の解消、営業所の統合などでコスト削減

買収直後の統合が進んでいない状態では、人事・労務・経理など重複している部門が存在しています。管理システムや制度なども同様です。これらを一つに合わせることで、コストを削減できます。

またオフィスを統合すれば、賃料を減らせるでしょう。移転にコストがかかるものの、立地によっては数年かからず回収できる程度です。

オフィスが一つにまとまれば、事務機器や備品などを共有でき、電気代やメンテナンスにかかる費用も削減できます。全てを実施できれば、シンプルで無駄のない組織運営が可能です。

10.M&Aはメリットばかりではない点に注意

M&Aはメリットばかりではない点に注意

売り手にも買い手にもたくさんのメリットがあるM&Aですが、決してよい面ばかりではありません。実施する際には、リスクやデメリットを十分考慮することが大切です。

10-1.売り手にとってのリスク、デメリット

M&Aを実施すれば体制が変化します。それによって従業員の退職や、急激な業績低下がもたらされるかもしれません。想定しない出来事が起こると、売り手は裁判を起こされる可能性があります。

そのような事態を回避するためには、トップ面談で納得いくまで条件のすり合わせをすることが重要です。細部まで規定し適切な契約書を結ぶことで、トラブルへの発展を防げます。

そもそも買い手候補が見つからないケースもあります。仲介会社を利用したとしても、自社に合う買い手がすぐに見つかるとは限りません。いつまでに見つかると断定もできないのです。

買い手候補が出てきても、スケジュール通りに進まず、精神的に苦しい状況に陥る可能性もあります。

10-2.買い手にとってのリスク、デメリット

買い手のリスクとして代表的なのは『簿外債務』です。帳簿に載らない債務のため、デューデリジェンスで詳細な調査をしなければ分かりません。

調査が不十分なまま契約すると、簿外債務まで引き継いでいる可能性があります。必ず専門家に調査を依頼し、契約書では『表明保証の明記』によって、知らされた内容が正しいことを保証してもらうことが大切です。

また期待していたシナジー効果が得られず、『アナジー効果』により経営状況が悪化する可能性もあります。主なアナジー効果は、多角化経営の失敗・優秀な人材の流出・顧客離れなどです。

11.メリットを最大化できる方法を考えよう

メリットを最大化できる方法を考えよう

M&Aは、売り手にも買い手にもメリットがある取引という認識が広まってきています。中小企業や個人など小規模なM&Aも増加傾向です。

例えば後継者のいない中小企業であれば、M&Aによって後継者問題を解消できます。株式譲渡を実施すれば、社長は対価によりまとまった現金を受け取れるでしょう。

得られるメリットは、企業の置かれた状況や使用するスキームごとに異なります。自社に合う取引の実施が大切です。

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