事業承継の税理士費用の目安。料金体系の違い、業務内容を解説

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事業承継に関する業務を税理士に依頼すると、費用はどのくらいかかるのでしょうか?依頼できるのは、自社株対策や相続税の試算・補助金の申請などさまざまです。何を依頼するかによって費用が異なるため、業務内容と費用を見ていきましょう。

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1.事業承継に必要な手続きはさまざま

1.事業承継に必要な手続きはさまざま

事業承継時の手続きは、経営者と後継者の関係や、用いる手法によってさまざまです。まずは親族内承継を例に、どのような手続きが必要か紹介します。自社のみでは対応しきれない手続きもあるため、専門家の活用も検討が必要です。

1-1.親族内承継の手続きの例

経営者の子どもなどの親族に事業承継する『親族内承継』では、株式の相続で事業承継するケースが多いでしょう。このとき経営の安定をはかるには、全ての株式を後継者が引き継がなければいけません。

そのためには、後継者に株式を相続するという内容で経営者が遺言書を作成し、他の相続人の了承を得るとよいでしょう。他の相続人の了承がなければ、最低限受け取れる財産を請求する『遺留分侵害額請求』の可能性があります

また遺言書がなければ、株式も含め相続は法定相続分で行われるのが原則です。そのため、後継者が全ての株式を取得できないかもしれません。

後継者の株式取得を確実にするため、生前贈与によって引き継ぐケースもあるでしょう。生前贈与の場合、取締役会か株主総会の承認が必要です。

参考:遺留分侵害額請求(遺留分減殺請求)とは?計算方法・時効・手続きの流れ

1-2.必要に応じて専門家を活用する

親族内承継で必要な手続きを実施するだけであれば、自社のみで対応できるかもしれません。しかし実際に進めていくと、税金の計算が必要な点に加え、税負担を軽減したいと感じる場合もあるでしょう。

このようなときには、税理士に依頼するのがおすすめです。事業承継についての知識と実績が豊富な税理士に依頼すれば、あらかじめどのくらいの税金がかかり、対策によってどのくらい負担を減らせるか試算できます。

もちろん相続税の申告についても依頼が可能です。また事業承継にあたり、法務や労務の観点からもアドバイスが必要になるかもしれません。そのため税理士だけでなく、弁護士や社会保険労務士などへも必要に応じて依頼しましょう

参考:事業承継の相談ができる専門家とは。選ぶときのポイントなどを解説

2.税理士報酬の特徴

2.税理士報酬の特徴

税理士に依頼する際には報酬を支払います。報酬は事務所ごとに設定されているため、依頼先の料金体系に合わせて仕払いましょう。費用の目安も紹介します。

2-1.事務所ごとに料金体系が異なる

かつて税理士には報酬規定が設けられており、どのくらいの費用がかかるか目安が分かりやすい状態でした。しかし現在は撤廃されているため、基準となる金額はありません。

事務所ごとに個別に設定されている料金体系に則って支払います。料金が複雑にならないようセット料金を提示している事務所もあれば、必要な業務のみを選んで依頼しやすいよう細かく料金を定めている事務所もあります。

依頼内容によっては、料金表に記載されている金額だけでなく追加報酬が必要です。

2-2.費用の目安

費用の目安は依頼する業務によります。事業承継に必要なさまざまな手続きや申請について丸ごと依頼するなら、『300万円』というように比較的高額な料金設定です。

一方、特定の業務のみを依頼するなら、『10~30万円』が目安です。中には、事業承継に関する顧問契約を結ぶ形態の事務所もあります。月に1回ペースの面談と分析・対策の協議を行い、顧問報酬は『月10~15万円』が目安です。

どの料金体系の事務所を選んだ場合でも、費用に見合った効果が得られるかを基準に考えます。

3.税理士への相談、初動調査費用の目安

3.税理士への相談、初動調査費用の目安

正式な依頼前の相談や、事業承継にまつわるごく簡単な相談、状況把握のための相談など、『初動調査』にはどのくらい費用がかかるのでしょうか?業務ごとに発生する費用を確認します。

3-1.相談費用

税理士に依頼する場合の流れは、おおまかに以下の通りです。

  1. 電話やメールで申し込みする
  2. 税理士に相談し相談内容に応じたサービスの提案を受ける
  3. 契約する場合は契約書を締結する

2の初回相談は、無料で行っている事務所も多い業務です。ただし全ての事務所が無料というわけではありません。有料の場合は、30分『5,000円』ほどで設定している事務所が大半です。

『税理士法人チェスター』の初回相談は、売上高10億円以上もしくは純資産3億円以上であれば無料で受けられます。また出張対応は、売上高や純資産に応じて交通費無料のエリアが設定されています。

事業承継コンサルティングなら税理士法人チェスター

3-2.事業承継の簡単な相談をしたい場合

事業承継に関する簡単な相談であれば、以下の公的機関を利用すると無料です。

よろず支援拠点は経営に関する相談窓口のため、資金繰り・労務・雇用その他の経営に関する課題だけでなく、事業承継に関する相談もできます。

一方、事業承継・引継ぎ支援センターは、事業承継に特化しているのが特徴です。第三者承継を実施する場合には、買い手とのマッチングについても相談できます。

3-3.自社の状況を把握するための費用

さまざまな手続きを始める前に、自社の状況把握も欠かせません。正しく状況を知ることで、自社の強み・弱みを把握できます。課題を洗い出し、対策も可能です。

経営者や後継者・社内環境などの基礎分析は『2万円以上』、簡易的なデューデリジェンスは『8万円以上』で実施しているケースが多いでしょう。

『税理士法人チェスター』では、簡易的な自社株評価を含む事業承継簡易診断サービスを行っています。費用は『10万円』ほどです。

参考:M&Aにおけるデューデリジェンスの役割。調査項目や進め方を知る

事業承継コンサルティングなら税理士法人チェスター

4.自社株対策と引き継ぎに関する業務

4.自社株対策と引き継ぎに関する業務

株価が高過ぎると、後継者の負担する税額や対価が高額になりがちです。そこで事業承継時には、株価を下げる自社株対策も行われます。加えて株式を後継者に引き継ぐ手続きも必要です。これらの業務にかかる費用を確認します。

4-1.自社株の価値を評価する

自社株対策を行うには、まず株価を調べなければいけません。中小企業であれば『15~20万円』で価値評価を依頼できるでしょう。簡易評価であれば『10万円』ほどです。また土地や営業権の評価は、追加報酬が必要な事務所もあります。

価値評価を依頼するには、以下の資料の提出が必要です。

  • 法人税申告書3期分
  • 決算書
  • 勘定科目内訳明細書
  • 株主名簿
  • 不動産の固定資産税評価額

参考:「類似業種比準方式」による非上場株式の評価を分かりやすく解説

4-2.株式移転の計画を立てる

株式の引き継ぎをどのように行うか、計画の立案も依頼できます。相続や贈与で移転するなら税金の負担が発生し、売却で移転するなら対価の支払いが発生します。どの方法でも、後継者の負担は大きなものです。

そのため自社株対策によって株価を下げ負担を軽減する方法や、必要な資金の調達方法などを計画します。適切な計画は会社の状況によって異なるため、専門的な知識を持つ税理士に依頼するのが有効です。

事業承継のプラン作成は『30万円以上』の費用がかかります。事務所によっては、コンサルティング料が1時間につき『3万円』必要なケースもあります。

参考:事業承継で株式を引き継ぐには?三つの主な方法と注意点を解説

5.相続税に関する業務

相続税に関する業務も税理士への依頼が可能です。相続税がいくらかかるか目安が分かる試算を依頼すれば、納税資金の準備に活用できます。スムーズに事業承継するための相続対策も実施しましょう。

また実際に発生した相続税の申告も、税理士に依頼するとミスなくスピーディーに完了できます。

5-1.相続税の試算

親族内承継の場合、相続によって発生する相続税の試算を依頼しておくとよいでしょう。あらかじめ相続税額の目安が分かっていれば、納税に向けて準備できます。

試算にかかる費用も事務所ごとに異なります。遺産総額が大きいほど報酬額も大きい傾向があり、事務所によっては以下のような報酬が必要です。

  • 1億円まで:11万円
  • 1~3億円:22万円
  • 3億円以上:33万円

参考:相続税計算シミュレーション!計算方法を知れば自分で計算できる

5-2.相続対策

試算した相続税額をもとに、税務対策のプラン作成も依頼しましょう。どのような対策があり、それによってどの程度の効果が出るかシミュレーションします。

複数の対策プランの提案を受け、自社の状況に合う方法を選びます。税金の負担軽減を目指すのはもちろん、スムーズな財産の引き継ぎや納税資金を確保する方法についても、サポートの依頼が可能です。

5-3.相続税の申告

実際に相続が発生したら、10カ月以内に相続税を申告し支払わなければいけません。申告に必要な書類の作成や税務署への申告も、税理士に依頼できる業務の一つです。

申告にかかる費用は、相続財産の総額をもとに定めている事務所が多いでしょう。ただし費用は事務所ごとに幅があります。相続財産の総額が1億円以下と同じでも、『25~100万円』の事務所もあれば、『30~40万円』の事務所もありさまざまです。

またこの金額は、最低限かかる基本報酬です。財産に土地や非上場株式が含まれている場合や、相続人が2人以上の場合には、追加で報酬の支払いが発生するかもしれません。

参考:相続税申告の税理士報酬・相場の実態と税理士選びのポイント

6.税制優遇措置や補助金に関する業務

6.税制優遇措置や補助金に関する業務

納税や専門家への依頼には、多額の資金が必要です。十分な資金を用意していれば問題ありませんが、不足すると負担が重くのしかかり、その後の経営に支障が出る可能性もあります。

そこで、事業承継に関する費用の猶予や補助を受けられる制度の利用を検討しましょう。要件が煩雑なため、自社で対応するのではなく、税理士に依頼した方が確実です。

6-1.事業承継税制の申請、アフターフォロー

経営者から贈与や相続で事業承継をした場合、後継者は『事業承継税制』を活用できるかもしれません。経営承継円滑化法における都道府県知事の認定を受け要件を満たすと、納税が猶予もしくは免除されます。

ただし複数の要件を満たし滞りなく手続きを行うのは、自社のみでは難しいでしょう。申請がうまくできなければ猶予を受けられず、仮に問題なく申請できたとしても、その後要件を満たさなくなると税金の一括納付が必要です。

ミスなく申請やその後の継続手続きを行うには、税理士への依頼が望ましいでしょう。依頼した場合にかかる費用の目安を紹介します。

  • 申請準備:約50万円
  • 申請手続き:約30万円
  • 継続届出書の作成・提出:約10万円

事業承継税制について詳しく知るには、以下もぜひご覧ください。

自社株式の生前贈与・相続税が無税になる事業承継税制の特例を徹底解説

参考:事業承継税制(贈与税・相続税の納税猶予及び免除制度)について|中小企業庁

6-2.事業承継補助金の申請書類作成支援

『事業承継補助金』は、M&Aで事業承継を行うときに、M&A支援機関登録制度に登録されたファイナンシャルアドバイザーや仲介会社を活用すると、400万円を上限に費用の1/2まで支援を受けられる補助金です。

申請書類の作成や提出をサポートしている税理士事務所もあります。申請の手間を省けますが、依頼するために必要な費用は『補助金申請額の3%』が目安です。

参考:令和4年度当初予算「事業承継・引継ぎ補助金」の公募要領を公表します|中小企業庁

7.第三者承継に関する業務

7.第三者承継に関する業務

親族への承継や、役員・従業員への承継ができない場合、M&Aによる第三者への事業承継を検討するケースが多いでしょう。第三者承継の実施時には、M&Aアドバイザリーの役割や利益に対する税務処理を税理士に依頼できます。

7-1.M&Aアドバイザリー

以下に挙げるM&Aアドバイザリーの業務を依頼できる税理士事務所もあります。M&Aの計画を立て、企業価値評価により提示する価格を決めるところから、最終的に株式を引き渡すところまでサポートする役割です。

  • M&Aのスケジューリング
  • 企業価値評価と価格に対するアドバイス
  • 採用する手法へのアドバイス
  • デューデリジェンス前の調査のサポート
  • 交渉へのアドバイス
  • 契約書へのアドバイス
  • 株式引き渡しのサポート

報酬は完全成功報酬を採用する事務所が多いでしょう。料金体系は、金額が大きくなるほど料率が下がる『レーマン方式』が主流です。取引規模によって報酬形態が異なる場合、1億円以下は定額で請求されるケースもあります。

参考:M&Aのアドバイザリー契約とは。仲介との違いや契約時の確認事項

7-2.売却益の税務処理

M&Aの売り手は対価を受け取ります。経営者名義の株式を売却した場合、経営者に所得税が課されるルールです。会社が保有していた株式の売却であれば、利益は会社が受け取るため、法人税の負担が増加します

できるだけ利益を多く残せるよう、税理士のアドバイスを活用するとよいでしょう。税金の申告や納税に関する手続きも依頼できます。

参考:M&Aの際に行われる税金対策。株式譲渡、事業譲渡、会社分割を解説

8.自社の課題を整理して相談しよう

8.自社の課題を整理して相談しよう

事業承継時に必要な手続きの中には、税理士に依頼できるものがたくさんあります。例えば、自社株対策・相続税の試算や申告・補助金の申請などです。

M&Aで第三者承継を実施する際は、税理士がM&Aアドバイザリーを担うケースもありますし、売却益にかかる税金に関するアドバイスや手続きも依頼できます。

ただし総合的なアドバイスを受けるには、数百万円程度の費用が必要です。まずは事業承継に関して、自社の抱える課題を明らかにしましょう。その上で事業承継に詳しい税理士に相談するのがおすすめです

『税理士法人チェスター』では、実務経験豊富な相続事業承継コンサルティング部の専任税理士が、お客様にとって最適な方法をご提案いたします。

事業承継コンサルティングなら税理士法人チェスター

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