後継者のいない会社を買うメリットとは。重大なリスクも存在する?

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後継者のいない会社を買うメリットとは。重大なリスクも存在する?

後継者のいない会社を買うと、どのようなメリットがあるのでしょうか?同時に、買収することによる失敗のリスクも見ていきましょう。リスクの低減に役立つ売り手の探し方や相談先などのほか、必要な費用についても解説します。

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1.多くの会社で後継者が見つからない理由

後継者が見つからないのは、事業承継対策が後回しになっているからと考えられます。後継者の育成期間も考慮すると、事業承継には長い期間が必要です。そのため取り掛かるのが遅い場合、経営者が引退するタイミングで後継者がいない状況に陥りかねません。

1-1.事業承継対策の遅れ

事業承継の準備はできるだけ早く始めるのがポイントです。金融庁の調査によると、事業承継の課題として『後継者が見つからない』ことを挙げている会社は、全体の8.5%です。

経営者は「子どもが継いでくれるから大丈夫」と考えていても、子ども本人に事業承継する気がないケースもあります。価値観の変化により、親族内承継の割合は以前より減少傾向です。

また『後継者の経営能力が育っていない』ことも、全体の24.1%の会社が課題として抱えています。今後の経営を任せたい人材が社内にいる場合でも、引退のタイミングまでに十分な能力が身に付いていなければ任せられません。

見通しの甘さによる対策の遅れが、後継者問題につながります。

参考:会社の跡継ぎは誰が最適?後継者候補の選び方と育成方法
参考:企業アンケート調査の結果|金融庁

2.経営者の考え方が変化している?

2.経営者の考え方が変化している?

少子高齢化の進行に伴い、後継者問題に積極的に取り組む経営者が増えているようです。後継者の不在率が減少したという調査もあります。また後継者問題の解消に向けた公的支援が充実してきた点も、事業承継を積極的に考える経営者の増加に役立っていると考えられます。

2-1.後継者決定への関心が高まっている

長期にわたり、後継者が決まっている中小企業の割合は、低い状態で推移してきました。しかし経営者が引退を考え始める60~80代以上では、後継者不在率が低下しているという調査結果もあります

このような動きは、経営者の事業承継に対する関心の高まりにより生じていると考えられます。後継者不在が社会全体の問題として取り上げられ、若い世代や自社の事業に精通する役員に経営を任せたいと考える経営者が増えた結果といえるでしょう。

参考:後継者不足を理由に廃業はもったいない。M&A検討で可能性は広がる
参考:特別企画:全国企業「後継者不在率」動向調査(2021年)|帝国データバンク

2-2.後継者問題に対する公的支援が充実

ただし後継者に事業承継するのは、簡単なことではありません。自社のみで取り組んでいても、思うように進まないケースもあるでしょう。

特に親族内承継や社内承継ができない場合、後継者探しでつまずく事態もあるはずです。そのようなケースでも、『公的支援』の充実により、M&Aを活用した第三者承継の可能性が高まっています

M&Aを実施するには、専門的な知見が欠かせません。後継者問題に悩む経営者が相談しやすい環境が整うことで、廃業ではなく売却による第三者承継を選ぶ経営者が増えると考えられます。

そのため、かつてであれば買収の対象外だった会社も、対象会社の候補になるかもしれません。

参考:中小企業のうち後継者が決定している企業は12.5%、廃業を予定している企業は52.6% ~「中小企業の事業承継に関するインターネット調査(2019年調査)」結果から~|日本政策金融公庫 総合研究所

3.後継者のいない会社を買う意味

3.後継者のいない会社を買う意味

後継者のいない会社を買収すれば、新たな事業にリスクを抑えつつ参入できます。また、既存事業との相乗効果が期待できるのもメリットです。会社の買収によって得られるものについて見ていきましょう。

3-1.低リスクで新たな事業に参入できる

会社を買収すれば、事業に必要な設備・人材・技術・販売先など、必要なものは全てそろっています。事業は既に軌道に乗っているため、買収直後から収益化が可能です。

一方、新規事業を立ち上げる場合には、設備投資や人材の確保など先行投資が欠かせません。また全てを整えたとしても、収益化できない可能性もあり高リスクです。

リスクを抑えつつ新規事業を始められるのは、買収のメリットといえます。また会社がこれまで培ってきた優れた技術を継承し、次の世代へ伝えられるのも買収の特徴です。産業力の維持発展による社会貢献にも寄与できます。

参考:会社買収の概要と進め方。メリットや失敗しないための対策などを解説

3-2.シナジー効果が得られる

既存事業との組み合わせで、2社の利益を単純に足した以上の成果を得られる『シナジー効果』を期待できるのも、会社を買収するメリットです。例えば、同業種の事業を展開している会社を買収すれば、スケールメリットを生かした経営ができます。

規模の拡大により、資金調達力の向上も期待できるでしょう。また異業種の会社の買収では、生産から販売までを自社で一貫してできるようになり、コスト削減に役立つかもしれません。

シナジー効果を得るために買収をするなら、あらかじめ戦略を立てる必要があります。自社が展開する事業との組み合わせで大きな成果を得られるのはどのような事業なのか、対象会社の条件を精査した上で進めていきましょう。

参考:M&Aのメリットを細かく紹介。M&Aによる相乗効果や節税効果とは

4.知っておきたい会社買収の失敗パターン

4.知っておきたい会社買収の失敗パターン

低リスクで事業展開ができる会社買収ですが、必ず成功するとは限りません。対象会社の調査が不十分なまま買収すると、後から簿外債務が見つかるケースもあります。経営統合がうまくいかなければ、従業員が退職する場合もあるでしょう。

4-1.簿外債務等の問題が発覚

買収の手続きが完了してから、『簿外債務』をはじめとする問題が判明し、思わぬ損失が発生するケースがあります。これらの問題には、買収前に対象会社に対して実施する詳細な調査『デューデリジェンス』で対策しましょう。

例えば簿外債務は、帳簿上には現れない債務です。そのため一見何も問題がないように見えます。そこで対象会社の責任者へ、簿外債務になり得る未払い残業代や退職給付引当金・債務保証などがないか、聞き取りが必要です。

デューデリジェンスの実施には、専門知識が欠かせません。法律に触れる恐れのある無理な節税を行っていないかといった、税務に関する問題の調査は『税理士法人チェスター』へ相談しましょう。

事業承継コンサルティングなら税理士法人チェスター

参考:簿外債務の種類や見つけ方。買い手と売り手それぞれの対策は?
参考:M&Aにおけるデューデリジェンスの役割。調査項目や進め方を知る

4-2.従業員の流出

従業員に対する説明が不十分なまま買収を行うと、待遇や環境の変化に不安を抱いた従業員が退職する可能性があります。会社にとって従業員は資産です。

特に高い技術力やノウハウを持つ従業員が会社を離れると、事業が立ち行かなくなる恐れもあります。そこで従業員が安心して働き続けられるよう、適切なタイミングで説明が必要です。

参考:買収された会社の末路。考えられる社員や買い手企業とのトラブルは?

5.売り手を探す手段・相談先

5.売り手を探す手段・相談先

買収による事業拡大や、新規事業への参入を計画しているなら、まずは売り手を探さなければいけません。売り手を探す際の代表的な相談先として、『M&Aの専門家』『M&Aマッチングサイト』『事業承継・引継ぎ支援センター』を紹介します。

5-1.M&Aの専門家

スムーズにM&Aを実施するには、手続きに関する知識や、業界の動向・ネットワークが欠かせません。これらを兼ね備えているのは、仲介会社といったM&Aの専門家です。

仲介会社に相談すれば、相談から契約成立まで一貫してサポートを依頼できます。業界事情についてもよく知っているため、安心して任せられる相談先です。

また買収により期待している効果について伝えておけば、幅広いネットワークから、条件に合致する売り手の紹介を受けられるでしょう。

参考:事業承継の相談ができる専門家とは。選ぶときのポイントなどを解説

5-2.M&Aマッチングサイト

M&Aマッチングサイトでも売り手探しが可能です。民間企業が運営しているサイトのほか、自治体や商工会議所が後継者問題の解消を目的に運営しているサイトもあります。

登録されている売り手の中から希望条件に合う会社を探すのはもちろん、買収したい会社について登録し提案を受けるのも可能です。中には、デューデリジェンスを依頼できるサイトや、資金について相談できるサイトもあります。

マッチングサイトは、売り手より買い手が多い傾向です。好条件の売り手にアプローチするには、小まめな情報チェックが欠かせません

参考:M&A仲介サイトで小規模な事業の売買も可能。六つのサイトを紹介

5-3.事業承継・引継ぎ支援センター

国によって設置されている、事業承継・引継ぎ支援センターを活用するのもよいでしょう。各都道府県にあり、地域にネットワークのある機関のため、地元の会社を買収したいと考えている場合に向いています

無料で相談できるため、買収を検討し始めた際に、まず問い合わせるとよいでしょう。利用までの流れを東京都のケースで紹介します。

  1. 日本政策金融公庫へ問い合わせし面談する
  2. 日本政策金融公庫が事業承継・引継ぎ支援センターに推薦する
  3. 事業承継・引継ぎ支援センターと面談する
  4. 案件の紹介を受ける

6.会社の買収にかかる費用

6.会社の買収にかかる費用

会社を買うにはお金がかかります。小規模な会社であれば、中には少ない予算で買収できるケースもあるため注意深く見てみましょう。また売り手に支払う対価のほかに、仲介会社などM&Aの専門家や、弁護士・税理士などへ支払う費用も必要です。

6-1.後継者不在の会社には100万円程の案件も

後継者不在の会社には、さまざまな規模のものがあります。社長1人やごく少人数で営業している会社も珍しくありません。規模の小さな会社であれば、100万円前後で買収できるケースもあります

中には、債務の引き継ぎといった条件付きで、買収費用0円という会社もあるため、予算や条件を比較して希望に合う会社を探しましょう。

低コストで買収できる会社は、学習塾・サロン・飲食店・不動産会社・介護事業所などさまざまです。

6-2.専門家活用にかかる費用

買収するときには、対象会社に支払う費用のほか、『専門家活用』の費用も必要です。仲介会社へ支払う成功報酬は、レーマン方式で算出されるケースが多いでしょう。

ただし小規模な案件は、仲介会社では扱っていない場合や、扱っていても最低手数料が設定されており、割高なケースがある点に注意が必要です。

加えて、対象会社の調査であるデューデリジェンスを実施する際には、法務・財務・税務など必要な調査をそれぞれの分野の士業に依頼するため、弁護士や税理士などへの報酬もかかります。

『税理士法人チェスター』では、事前見積もりで提示した金額以上の費用は一切不要です。明確な料金設定のため安心して依頼できます。

参考:M&A会社への報酬はレーマン方式で計算が一般的。メリットは?

6-2-1.事業承継・引継ぎ補助金とは

仲介会社への手数料やデューデリジェンスの費用は、『事業承継・引継ぎ補助金』の対象になるかもしれません。受付期間中に申請すれば、600万円を上限に費用の2/3までの補助を受けられます

ただし補助の対象となるのは、M&A支援機関登録制度に登録されている仲介業者やファイナンシャルアドバイザー(FA)を利用した場合のみです。

参考:事業承継・引継ぎ補助金とは?種類や要件、活用方法、注意点など
参考:事業承継・引き継ぎ等補助金(専門家活用) | 令和3年度 補正予算 事業承継・引継ぎ補助金

7.ビジネス戦略に合致する案件を探そう

7.ビジネス戦略に合致する案件を探そう

事業承継対策の遅れにより、後継者のいない会社は、これまで廃業を選ぶケースもありました。しかし公的な支援が充実してきたことで、M&Aを活用した第三者による承継を目指す会社が増えています。

会社買収による事業拡大や新規事業の展開を計画している買い手にとっては、対象となる会社が増え、戦略に合わせた買収がしやすい状況といえるでしょう

ただし買収にはリスクもあります。中でも簿外債務のリスクに対しては、税理士に依頼し詳細な調査による対策が有効です。

税理士法人チェスターでは、豊富な実務経験を持つ相続事業承継コンサルティング部の専任税理士がお客様にとって最適な方法をご提案いたします。

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