事業承継は税理士に相談すべき?親族内承継、M&A別の役割

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事業承継は自社のみでは対応しきれない部分もあります。特に税金にまつわる内容については、税理士に相談するとよいでしょう。事業承継について相談できる税理士の探し方や、具体的にどのような支援を受けられるかについても紹介します。

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1.会社の引き継ぎを成功させる秘訣

1.会社の引き継ぎを成功させる秘訣

後継者へスムーズに会社を引き継ぐには、できるだけ早いタイミングで準備を始めるとよいでしょう。このとき税理士に相談すれば、経営状況を把握しつつ、制度活用のアドバイスも受けられます。

1-1.早い段階から準備に取り組む

事業承継には時間がかかります。中には後継者の育成を始めてから実際に引き継ぐまで、10年以上かけている会社もあるほどです。そのため、できるだけ早いうちから準備を始めましょう。

後継者が会社を引き継ぐ際には、贈与税や相続税の納税が発生します。自社株が高額であれば、納税資金を用意したり、税金の負担を軽減できる制度の活用を検討したりしなければいけません。

複雑な税金については、自社だけでは対応が難しく、専門家や公的機関の協力を得ながら進める部分もあるでしょう。そのため直前になってから準備を始めると、十分な取り組みができず、会社を後継者に引き継げない事態も起こり得ます。

参考:事業承継に必須のスケジュール作成。いつ、どんなことを実施するのか

1-2.税理士に相談するメリット

制度が複雑で難しい部分もある事業承継については、税理士へ相談するとよいでしょう。日頃からやり取りがあり、会社の経営状況についても知っている顧問税理士であれば、安心して相談できます。

税務の専門家のため、税制や融資制度の活用についてもアドバイスを受けられます。ただし税理士だからといって、必ずしも事業承継に詳しいわけではありません。

事業承継が顧問税理士の得意分野ではないなら、事業承継に詳しい税理士を探すとよいでしょう。顧問税理士にはこれまで通り決算申告といった業務を任せ、事業承継に関しては専門の税理士に依頼できます。

2.相談先はどのように探す?

2.相談先はどのように探す?

相談先としてふさわしい税理士は、どのように探すとよいのでしょうか?候補をいくつかあげたら、十分な知識や経験を持っているかどうか、料金体系は自社に合っているかなどを確認します。

2-1.紹介やインターネットで探す

税理士を探すときには、『紹介』や『インターネット』がおすすめです。商工会議所に相談し紹介してもらえるケースもありますが、事業承継に詳しい税理士は全体に占める割合が小さいため、地域によっては見つからない可能性もあります。

そこで『税理士紹介会社』の無料紹介サービスを利用してもよいでしょう。求める条件に適した税理士の紹介を受けられます

インターネットで探すと、事業承継を専門としている税理士のウェブサイトがたくさん見つかります。税理士によってはSNSで情報発信しているケースもあるでしょう。

事務所の特徴や口コミを調べておけば、自社に合う税理士に依頼しやすいはずです。

2-2.事業承継の専門的知識、実務経験があるか

相談する税理士を探すときには、事業承継に関する専門知識や実務経験の有無を確認しましょう。事業承継にまつわる課題を解決するには、税法だけでなく会社法や民法についても精通していなければいけないからです。

たくさんの経験を積んでいる税理士ほど、ミスなく的確なサポートができるでしょう。これまでにどれだけ事業承継の案件を手掛けてきたかは、ウェブサイトや問い合わせによって確認できます。

事業承継に特化している『税理士法人チェスター』であれば、必要な専門知識と経験を備えた人材がグループ内に200名以上在籍しています。会社法やM&Aに精通しているため、会社の状況に合わせた支援を受けられるでしょう。

事業承継コンサルティングなら税理士法人チェスター

参考:事業承継の相談ができる専門家とは。選ぶときのポイントなどを解説

2-3.料金体系を確認する

依頼するときの料金は、自社株の評価や相続税のシミュレーションなどの初動費用が『10~30万円』、事業承継税制の活用のサポートを受けるのに『100万円』ほどが目安です。

ただし料金体系は事務所ごとに異なります。そのため相談先の候補を見つけたら、料金体系を比較するのがおすすめです。

単に料金の高低のみで比べるのではなく、対応の良し悪しや請け負っている業務の範囲なども確認しましょう。

参考:事業承継で発生する費用の目安。税金や手数料負担を抑えるには

3.準備段階における税理士の役割

3.準備段階における税理士の役割

事業承継の準備をしている段階で税理士へ依頼する場合、自社の株価の計算・経営資源の把握・遺産分割のシミュレーションなどを依頼できます。それぞれどのような役割を果たすのでしょうか?

3-1.自社株の税務上の評価額を計算

準備段階では自社株の『評価額』を把握しましょう。自社株の評価額は、後継者選びをする上で重要な点であり、税金対策の方法を検討する際にも必要な情報です。しかし株式の評価額の算出方法は複雑で、自社内での対応は難しいでしょう。

例えば第三者への売買であれば、『DCF法』『時価純資産法』『類似会社比準価額方式』などが用いられますが、子どもをはじめ親族への承継であれば『財産評価基本通達』をもとに算出します。

どの評価方法を用いるのか、正しく選ぶためにも専門知識が必要です。税理士に依頼すれば、評価額を適切に算出できるでしょう

参考:企業価値の計算方法と注意点。企業の価値を決める要素とは

3-2.経営資源の把握、分析

税理士に依頼すれば、経営状況を客観的に把握・分析することも可能です。業績・資産・負債・従業員・株主などの項目ごとに、具体的に自社の強みや弱みを把握できれば、経営状況の改善に役立てられます。

このとき、企業の健康診断ツールである『ローカルベンチマーク』を利用するとよいでしょう。一見分かりにくい財務情報も、ローカルベンチマークを使うと分かりやすく整理できます。

またそのほかの情報について、税理士とともに作成する中で、共通認識を形成できるのもポイントです。加えて今後の会社の目標や経営改善についても検討できます。

現状について整理し、将来の計画もできるローカルベンチマークは、金融機関へ資金繰りの相談をする際にも利用可能です。

3-3.遺産分割シミュレーション

子どもなどの親族へ事業承継する場合、後継者は遺産分割を経て相続で自社株を引き継ぐケースが多いでしょう。中小企業の経営者が保有する資産のほとんどは自社株式です。

そのため後継者に株式を集中させ経営の安定を図るには、財産のほとんどを後継者に引き継がなければいけません。しかしほかに相続人がいる場合、不公平な遺産分割に納得しないというケースもあるでしょう

このような事態を想定し、あらかじめどのような対応ができるか考えておくのも、税理士の役割です。例えば後継者以外の相続人に分割する財産をどれだけ用意すればよいか検討します。

また相続税の算出と、納税資金の調達方法の検討も、税理士に任せられる仕事です。

参考:遺産分割のトラブルを回避するための注意点を専門家が一挙解説

4.税負担軽減に関する支援が受けられる

4.税負担軽減に関する支援が受けられる

税金の負担を抑えながら事業承継をしたいなら、税理士のサポートを受けるのがおすすめです。『自社株対策』や『事業承継税制』の申請、『M&A手法』の検討を依頼することで、事業承継を進めやすくなるでしょう。

4-1.自社株対策

株価が高い状態のままでは、後継者の負担する贈与税や相続税が高くなってしまいます。中小企業の多くは非上場企業のため、株価が高くても市場で株式を取引できず換金できません。

あらかじめ資金を用意できていれば問題なく支払えますが、中には納税のために借入をしなければいけない後継者もいるでしょう。

大きな負担をできるだけ小さく抑えるために、株価を下げる自社株対策が役立ちます。株式の評価額を下げるには、利益を減らす取り組みが有効です。

役員退職金・設備投資・特別配当などさまざまな方法があるため、自社に合う対策を税理士に相談するとよいでしょう。

参考:M&Aの際に行われる税金対策。株式譲渡、事業譲渡、会社分割を解説

4-2.事業承継税制の申請

税負担を軽減するために、贈与税・相続税の納税猶予や免除を受けられる事業承継税制の活用を考えている経営者もいるでしょう。ただし申請には多くの要件を満たさなければならず、手続きは煩雑です。

申請時点で要件を満たせていたとしても、いつの間にか要件から外れてしまい、納税義務が発生する事態も起こり得ます。複雑な制度を完璧に理解し、自社のみで対応するのは難しいため、活用するには税理士のサポートが欠かせません

参考:事業承継税制とは何か。活用できる人や納税猶予を受けるまでの流れ

4-3.第三者承継で使うM&A手法に関する助言

M&Aによる第三者への事業承継では、『株式譲渡』や『事業譲渡』など複数の手法から、自社と買い手の状況に合うものを選ばなければいけません。手法ごとに経営者や会社には異なる税金が課されるため、税理士からのアドバイスが役立ちます

株式譲渡であれば、譲渡益を得た経営者は、所得税や住民税などを負担しなければいけません。一方、事業譲渡の対価は会社の収益のため、法人税の課税対象です。

譲渡する資産に消費税の課税対象が含まれていれば、買い手が負担する消費税の納税も行います。税率が異なる複数の税金が課されるため、どの手法を選ぶのがよいか、自社のみで判断するのは難しいでしょう。

税務に精通している税理士なら、税金の負担を考慮し手法を提案できます。M&Aで用いられる代表的な手法については、以下の記事もぜひご覧ください。

M&Aの代表的な4つの手法

5.総合的なサポートを行う事務所も

税理士事務所によっては、買収資金の調達や事業承継後の体制作りもサポート範囲です。単に事業承継にまつわる税金の対策のみでなく、事業計画に合わせたサポートを受けられます。

5-1.後継者の買収資金調達の支援

役員や従業員への社内承継や第三者への承継は、株式の売却によって行われます。経営者が安く株式を売却すれば、後継者が用意する買収資金は少なくてよいでしょう

しかし時価との差額が贈与とみなされ贈与税が課税されるため、時価で売却するのが一般的です。そのため後継者は、多額の資金を用意しなければいけません。

資金調達に必要な手続きや、税務の支援を行っている税理士もいます。例えば『特別目的会社(SPC)』を作り、SPCで借入し株式を買収し子会社化する複雑な手法も、税理士のサポートにより実現が可能です。

5-2.事業承継後の経営体制を整備

経営体制を整備する上でも、税理士のサポートが役立つ場面が多々あります。整備には資産や負債の整理が必要です。加えて新たな設備の取得が必要なケースもあるでしょう。

新しい経営体制の確立までには、税金の控除やお得な制度を活用できる可能性もあります。税理士がいれば、経営体制の整備がスムーズに進みやすいはずです。

6.株式の引き継ぎで困ったら税理士に相談を

6.株式の引き継ぎで困ったら税理士に相談を

事業承継は株式の譲渡によって行われます。後継者への引き継ぎを意識し始めたら、できるだけ早い段階で準備に取り組みましょう。その際、税理士に相談して税務面の支援を受けると、必要な手続きを進めやすくなります。

自社株対策やM&A手法の検討によって、経営者や後継者の負担を抑えられるでしょう。加えて後継者の資金調達や経営体制の整備にも、税務面からアドバイスを得られます。

税理士を探すときには、事業承継の知識と経験が豊富なことを確認しましょう。『税理士法人チェスター』では、相続事業承継コンサルティング部の実務経験豊富な専任税理士が、お客様にとって最適な方法をご提案いたします。

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