【相続税を早見表で簡単チェック!】概算の相続税額を計算可能
タグ: #相続税の計算この記事をご覧の皆さんは、「相続税はいくら課税されるの?」とお悩みではないでしょうか。
相続税は遺産総額が基礎控除額を上回った場合にのみ課税される税金で、課税対象額が多ければ税率もアップする累進課税となります。
ただ、相続税の計算式は複雑なため、実際に皆さんが相続税額を計算するのは難しいかと思います。
そこで今回は、税理士法人チェスターが「相続税の早見表」を作成しました!
この相続税の早見表をチェックしていただければ、誰でも簡単に概算の相続税額を確認していただけますのでご利用ください。
目次 [閉じる]
1.相続税額は「遺産総額」と「法定相続人」で決まる
相続税の早見表を確認する前に、まずは「遺産総額(相続財産)」と「法定相続人」を理解しておきましょう。
この2つの考え方を間違えてしまうと、相続税の早見表の相続税額に大きなズレが出てきてしまいますのでご注意ください。
なお、遺産総額や法定相続人の基礎をしっかり理解されている方は、この章を読み飛ばしてください。
1-1.遺産総額(相続財産)とは
遺産総額(相続財産)は、被相続人が亡くなった日に所有していた「プラスの財産(預貯金や不動産など)」を単純に足すだけではなく、「正味の遺産総額」を計算する必要があります。
正味の遺産総額は、「相続時精算課税による贈与財産」や「相続開始前3年以内の贈与財産」を足し、「債務や未払金」「非課税財産(生命保険金の非課税枠など)」「葬儀費用」などを差し引いて計算します。
なお、小規模宅地等の特例を適用させる方は、特例適用後の宅地等(土地や敷地権)の評価額で遺産総額を計算してください。
少しイメージし辛いと思うので、以下の遺産総額の計算方法の流れをまとめたイラストをご参照ください。
(上記の「相続開始前3年以内の贈与財産」の「3年以内」は、令和9年以降の相続から段階的に「7年以内」まで延長されます。)
正味の遺産総額が多ければ多いほど、相続税の課税対象額も多くなり、相続税額が上がります。
遺産の考え方について、詳しくは「相続財産とは。絶対に知っておきたい相続財産の定義と具体例」をご覧ください。
1-2.法定相続人とは
法定相続人とは、民法で定められた「遺産を相続する権利がある人」のことです。
「実際に財産を取得するか否か(相続放棄を含む)」は関係ありませんので、まずは被相続人の法定相続人が「誰なのか」と「何人いるのか」を明確にしてください。
なお、遺言書によって財産を取得する受遺者は、法定相続人の人数にカウントしません。
以下は法定相続人の関係図となるので、参考にしてください。
常に法定相続人 | 配偶者 |
第一順位 | 子供(亡くなっている場合は孫) |
第二順位 | 父母(亡くなっている場合は祖父母) |
第三順位 | 兄弟姉妹(亡くなっている場合は甥姪) |
法定相続人の人数は、相続税が課税されるか否かが決まる、相続税の基礎控除の計算式でも用います(基礎控除額については後述します)。
法定相続人の人数が多ければ多いほど、相続税の基礎控除額も多くなるため、結果的に相続税額が低くなります。
法定相続人の考え方について、詳しくは「法定相続分は相続人の家族構成でこんなに変わる!【ケース別で解説】」をご覧ください。
2.相続税の早見表で概算の相続税額をチェック
概算にはなりますが、相続税の早見表を2種類作成しました。
①法定相続人が「配偶者」と「子供」の場合
②法定相続人が「子供のみ」の場合
被相続人に配偶者や子供がおらず、法定相続人が「両親のみ(第二順位)」や「兄弟姉妹のみ(第三順位)」の場合は、相続税の早見表の「②子供のみ」をご利用いただけます。
この他、家族構成によっては、法定相続人が「配偶者と両親」や「配偶者と兄弟姉妹」といったケースもあるかと思います。
この章でご紹介する相続税の早見表に該当しない方は、税理士法人チェスターが無料公開している「相続税計算シミュレーション」をご利用頂ければ、概算の相続税額をシミュレーションしていただけます。
2-1.相続税の早見表~配偶者と子供の場合~
まずは法定相続人が「配偶者」と「子供」の場合の、相続税の早見表をご紹介します。
こちらの相続税の早見表は、配偶者が法定相続分を相続したと仮定し、「配偶者控除(配偶者の税額軽減)」という特例を適用させた後の、相続税の総額を記載しています(配偶者控除の詳細については後述します)。
よって、以下の早見表内に記載されている金額は、「子供全員に対する相続税の総額(配偶者は相続税0円)」となるためご注意ください。
※法定相続分「配偶者1/2」「子供1/2」で分割したと仮定
※「配偶者控除」を適用させた場合の相続税の総額
※「障害者控除」や「未成年者控除」などの税額控除は考慮せず
<相続税の早見表の見方>
例えば、被相続人の遺産総額が「1億円」で、法定相続人は「配偶者と子供4人」の場合、早見表内に記載されている相続税額は225万円です。
この225万円は「子供4人に対する相続税の総額」となるため、実際に子供が納税する相続税額を求めるには、225万円を子供の実際の分割割合で按分する必要があります。
なお、配偶者は配偶者控除の適用で相続税0円となりますが、相続税の申告義務はありますので失念しないようご注意ください。
2-2.相続税の早見表~子供のみの場合~
次に、法定相続人が「子供のみ」の場合の、相続税の早見表をご紹介します。
以下の早見表内に記載されている相続税額は、「子供全員に対する相続税の総額」となるためご注意ください。
なお、被相続人に配偶者や子供がおらず、「両親のみ(第二順位)」「兄弟姉妹のみ(第三順位)」の場合も、以下の相続税早見表をご利用いただけます。
※法定相続分で分割したと仮定
※「障害者控除」や「未成年者控除」などの税額控除は考慮せず
※第三順位の法定相続人(兄弟姉妹)における相続税の2割加算は考慮せず
<相続税の早見表の見方>
例えば、遺産総額1億円で法定相続人が「子供3人」の場合、早見表内に記載されている相続税額は630万円です。
この630万円は「子供3人に対する相続税の総額」となるため、子供1人あたりの納税額は、630万円を実際の分割割合で按分して計算する必要があります。
仮に3人が「均等に遺産を分割する」とした場合は「630万円÷3人」となるので、子供1人あたりの納税額は210万円です。
3.相続税の早見表の金額の違いは「配偶者控除」の有無
相続税の早見表では「①配偶者と子供の場合」と「②子供のみの場合」をご紹介しましたが、この2種類の早見表の違いは「配偶者の有無」です。
「①配偶者と子供の場合」の早見表では、配偶者が法定相続分(1/2)を相続したと仮定し、「配偶者控除(配偶者の税額軽減)」という特例を適用した後の相続税額をご紹介しました。
つまり、「①配偶者と子供の場合」の早見表では、配偶者が相続する分は相続税が0円として計算されているため、2種類の早見表の相続税額に大きな違いがあるのです。
3-1.相続税の配偶者控除とは
相続税の配偶者控除とは、夫婦間で財産を相続する場合、配偶者が相続した財産のうち、課税対象となるものの価額が「1.6億円もしくは法定相続分」までであれば、配偶者は相続税が非課税になる特例のことです。
配偶者控除を適用させれば、配偶者は相続税が0円になるケースがほとんどと言えるでしょう。
配偶者の法定相続分は、他の法定相続人の順位によって変動します。
配偶者の 法定相続分 | その他の相続人の 法定相続分 | |
配偶者と第一順位(子供) | 1/2 | 1/2 |
配偶者と第二順位(両親) | 2/3 | 1/3 |
配偶者と第三順位(兄弟姉妹) | 3/4 | 1/4 |
配偶者のみ(※) | 配偶者の法定相続分は100% |
※被相続人に子供がおらず、両親も祖父母も既に亡くなっていて、一人っ子だった場合
先述しましたが、配偶者控除の適用によって配偶者の相続税が0円になっても、配偶者には相続税の申告義務がありますので失念しないようご注意ください。
3-2.配偶者控除は二次相続を見据えた上で適用を
相続税の配偶者控除は大きな節税効果がある特例ですが、二次相続を見据えた上で適用させないと、子供が納税する相続税額が大きくなる可能性があるので注意が必要です。
例えば、一次相続で父が亡くなった時、「配偶者控除で配偶者は相続税が0円なら、父の全財産を母が相続した方がお得」に思えます。
しかし、このような安易な考え方で配偶者控除を適用してしまうと、一次相続と二次相続における、トータルの子供の納税額が高くなってしまう可能性があるのです。
この理由は、二次相続では配偶者控除が適用できないだけではなく、法定相続人が1人減って基礎控除額が少なくなるためです。さらに、二次相続における遺産総額は「一次相続の財産+二次相続の財産」となって課税対象額が高額になることもあります。
「どうして子供が損をするのか?」という疑問点について、詳しくは「相続税の配偶者控除で1.6億円が無税!ただし子供にデメリットも?!」でシミュレーション例を元に解説しているので併せてご覧ください。
YouTube動画でも分かりやすく解説しておりますのでご覧ください。
4.相続税の早見表の元となる計算式
相続税の計算は複雑ですが、流れさえ掴めばご自分で相続税額を計算していただけます。
以下は、相続税の早見表の元となる、相続税の計算式の流れをイラストにまとめたものです。
この記事でご紹介した早見表の相続税額は、配偶者控除のみを適用させた、STEP4の納付税額の総額です。
配偶者以外の相続人に対する、障害者控除・未成年者控除・相次相続控除・2割加算などは考慮されておりません。
相続税の計算方法や税額について、詳しくは「相続税計算シミュレーション!計算方法を知れば自分で計算できる」をご覧ください。
相続人毎に適用できる税額控除について、詳しくは「知らないと損!6つの相続税の税額控除とその他の3つの控除」をご覧ください。
4-1.「遺産総額が基礎控除額以下」なら相続税は非課税
相続税の基礎控除とは、相続税法第15条で定められている控除のことで、相続税の課税対象額を計算する際に用います。
3,000万円+(600万円×法定相続人の人数)
「遺産総額が基礎控除額以下」の場合は相続税が非課税となり、相続税申告も不要です。
逆に「遺産総額が基礎控除額を超える」場合は相続税が課税され、法定申告期限までに相続税の申告手続きを完了させる義務があります。
例えば、法定相続人が3人であれば、基礎控除額は4,800万円となります。
仮に遺産総額が3,000万円であれば「遺産総額3,000万円<基礎控除額4,800万円」となるため、相続税は非課税で申告義務もありません。
相続税の基礎控除について、詳しくは「【相続税の基礎控除】計算式・相続税申告の要否・注意点も解説」をご覧ください。
5.相続税が課税されると判明!相続税に強い税理士に相談を
相続税の早見表に相続税額が記載してあった方は、相続税が課税される可能性が高いです。
また、配偶者控除を適用して相続税額が0円になるケースであっても、配偶者は相続税申告が必要となりますので、失念しないようご注意ください。
相続税の課税の有無に関わらず、相続税の申告義務がある方は、法定申告期限までに管轄の税務署に申告書類を提出する義務があります。
相続税の申告義務について、詳しくは「相続税の申告義務あり?なし?要否判定のポイントを解説」をご覧ください。
5-1.相続税に強い税理士に相談を
相続税の申告義務がある方は、相続税申告の依頼を見据えて、今すぐ相続税に強い税理士に相談されることをおすすめします。
相続税に強い税理士であれば、合法的に相続財産の評価額を減額できるだけではなく、相続税における各種特例の適用要件を完璧に把握しています。
分かりやすく言うと、相続税に強い税理士であれば、相続税の早見表に記載されていた金額よりも、大幅に相続税額を抑えられる可能性があるということです。
当サイトを運営している「税理士法人チェスター」は、年間2,373件以上の相続税申告実績を誇る、相続税専門の税理士法人です。
相続発生後のお客様であれば、初回面談は無料となりますので、まずは一度お気軽にお問合せください。
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