会社の跡継ぎがいない場合の対策を確認。存続に重要な磨き上げも解説

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会社の跡継ぎがいない場合、経営者はまず何に取り組むとよいのでしょうか?跡継ぎを探すための重要なポイントや、引き継ぎの方法を確認します。また、どうしても跡継ぎを見つけられなかった場合の廃業についても見ていきましょう。

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1.跡継ぎがいない会社は多い

跡継ぎがいないという会社は少なくありません。現時点で跡継ぎがいない場合、会社はどうすればよいのでしょうか?跡継ぎがいない代表的な理由とともに紹介します。

1-1.60代でも約半数は跡継ぎ不在

『2021年版 中小企業白書』によると、跡継ぎがいない会社の割合は以下の通りで、経営者が60代の会社でも、約半数は跡継ぎがいないそうです

  • 60代:48.2%
  • 70代:38.6%
  • 80代以上:31.8%

跡継ぎがいない会社は、経営者の年齢が上がってもゼロになることはありません。割合は減りますが、経営者がどの世代であっても、跡継ぎ不在の会社が一定程度存在しているのがわかります。

参考:2021年版 中小企業白書|第3章 事業承継を通じた企業の成長・発展とM&Aによる経営資源の有効活用

1-2.跡継ぎがいない理由は?

かつては、経営者の子どもが当たり前に家業を継ぐ時代もありました。しかし現在では価値観の変化に伴い、必ずしも親の会社を子どもが継ぐとは限りません

子どもが自分で選んだ仕事に打ち込んでいる場合もあれば、経営者が「子どもには好きなことをやってほしい」と跡継ぎになることを望まないケースもあります。

衰退していく業種のため、引き継がず自分の代で廃業しようと考えている経営者もいますが、経営者が会社の継続を望んでいるのであれば、何らかの対策が必要です。子どもに会社を引き継げないなら、早いタイミングで跡継ぎを探す必要があるでしょう。

1-3.跡継ぎがいない場合にできることは?

会社を残していくことを望んでいるのであれば、以下のいずれかの方法で次世代へ引き継がなければいけません。

  • 親族内承継
  • 社内承継
  • 第三者承継
  • 株式公開(IPO)

子どもへ引き継ぐ親族内承継では跡継ぎがいないなら、会社の役員や従業員に引き継ぐ社内承継や、M&Aを実施して第三者へ売却し引き継ぐ第三者承継も視野に入れましょう

またIPOを行い株式上場することで、後継者不在の問題を解決できるかもしれません。

参考:後継者不足を理由に廃業はもったいない。M&A検討で可能性は広がる

2.会社を残すには磨き上げが重要

自分が引退した後も会社を残したいと考えているなら、会社の磨き上げを行いましょう。子どもや従業員・第三者などが「継ぎたい」と自ら希望するような、魅力ある会社づくりがポイントです。

2-1.競争力を高める

競合他社との競争力が高まれば、業界でより大きなシェアを獲得できるでしょう。競争力を高めるのに必要なのは、強みと弱みの把握です。

ほかにはない技術が自社にあるなら、その技術が強みになります。技術をフル活用した商品やサービスを開発するとよいでしょう。技術そのものを他社へ提供するというような展開の仕方を考えてもよいかもしれません。

同時に弱みの改善も実施します。技術はあるけれど販路が不十分なら、営業力を強化し、販路の拡充に力を入れると成果が期待できます。

参考:中小企業に注目される第三者承継。会社売却で得られるものとは

2-2.会社の経営体制を整える

経営体制の整備も欠かせません。例えば役職者の職務権限は明確になっているでしょうか?指揮系統がうまく整っていないと現場が混乱し、従業員は役職者に振り回される感覚に陥りがちです。

風通しの良好な環境を整備し従業員のモチベーションを高く保つためにも、誰に何をどこまで任せるのか、はっきりさせなければいけません。

あわせてマニュアルの整備も重要です。何をどのようにすればよいのか、誰でもわかるようになっていれば、社内のさまざまな仕事がスムーズに回り始めます。

さらに不要な在庫や資産などの処分も実施し、無駄をなくすとよいでしょう。

2-3.経営状態を改善する

体制を整えたら経営状態の改善にも取り組みます。改善するには現状の正確な把握が欠かせません。そこで、財務状況を確認できる資料の用意に加え、中長期的な事業計画書や経営計画書なども作成しましょう。

そろえた資料を指針とすれば、適切な経営判断に役立てられます。感覚的にとらえていたときとは異なる方針の方が適切だと、わかる場合もあるでしょう。

またこれらの資料は、後継者や買い手に自社の価値や魅力を示す際にも利用可能です。あらかじめ用意しておくことで、わかりやすく自社の魅力を伝えられます。

3.親族内承継

中小企業を存続させる場合、まずは親族内承継を検討するケースが多いでしょう。親族内承継は、どのような特徴のある引き継ぎ方法なのか解説します。

3-1.経営者の親族が跡継ぎとなる事業承継

親族内承継は、経営者の親族を跡継ぎにする事業承継の方法です。子どもや孫のほか、配偶者・兄弟姉妹などが跡継ぎになるケースもあるでしょう。

子どもが引き継ぐ場合には、幼いころから跡継ぎとして育てられ、徐々に経営者としての心構えや姿勢が形成されていく場合もあります。事業承継全体においては減りつつあるものの、中小企業に限定すると、現在でも主流の事業承継方法です。

3-2.親族内承継の特徴

幼いころから知っている経営者の子どもが親の跡を継ぐというケースは、従業員や取引先といった関係者から納得を得やすいのが特徴です。「この経営者の子どもなら信頼できる」というように、認めてもらいやすいでしょう。

後継者教育に時間をかけやすいのに加え、常日頃から経営者の考え方に触れているため、自然と経営理念や社風が身につきやすいのも特徴といえます。

ただし、必ずしも経営者向きの人材が親族内にいるとは限りません。事業承継を親族内承継に限定していると、次の世代で会社が立ち行かなくなる可能性もあります。

また、ほかの親族との間で、相続時に引き継ぐ財産の割合をめぐり、対立が発生するかもしれません。相続財産に関する対策も必要です。

参考:事業承継における親族内承継とは。スムーズな会社の引き継ぎ方

4.社内承継

子どもや孫など親族内に跡継ぎとなる人材がいない場合は、社内承継を検討するケースが多いでしょう。社内承継を実施する場合、どのようなメリットや注意点があるのでしょうか?

4-1.役員や従業員が跡継ぎとなる事業承継

社内承継で跡継ぎになるのは、会社の役員や従業員です。これまで自社の事業に携わってきた人材のため、会社や事業についてよく理解しています。

日ごろの仕事ぶりを見ている役員や従業員の中から跡継ぎを選ぶため、十分な能力のある人材を見極めやすいのも特徴です。

これまで会社で働き続けてきた人材のため、経営方針をそのまま引き継ぐケースが多いでしょう。大きく体制が変わらないため、他の従業員から受け入れられやすい承継方法です

4-2.社内承継の特徴

親族内だけでは経営者向きの人材が見つからない場合でも、社内まで範囲を広げると適切な人材を見つけやすいでしょう。経営者がよく知る相手に引き継げる安心感もあるはずです。

ただし資金力がハードルとなり、社内承継が難しい場合もあります。事業承継をする際には、経営者が持つ会社の株式を跡継ぎへ譲渡し、経営権を移転するケースが多いでしょう。

このとき役員や従業員が相手であれば、株式を売却するケースが多いため、多額の資金が必要です。また経営者の負う個人保証の引き継ぎを、資金力や経営力の不足を理由に金融機関が了承しない可能性もあります。

能力的には申し分ない人材がいても、スムーズな引き継ぎができないかもしれません。

参考:親族外承継と親族内承継におけるメリット・デメリット

5.第三者承継(M&A)

親族内にも社内にも跡継ぎが見つからない場合、近年は第三者承継を行うケースが増えています。より広い範囲で会社の引き継ぎ先を探せるため、自社に合う跡継ぎを見つけられる可能性が高まるでしょう。経営者が創業者利益を獲得できる方法でもあります。

5-1.買い手となる企業や個人へ売却する

第三者承継では買い手に自社を売却します。株式を売却し会社を丸ごと引き継ぐ『株式譲渡』や、事業の一部や全部を売却する『事業譲渡』が、中小企業の第三者承継における代表的な手法です。

買い手が企業であれば、承継後は買い手の傘下に入ることになります。また近年は中小企業のM&Aが増加傾向にあり、数百万円規模の案件が増えているため、個人が買い手となるケースも少なくありません。

参考:M&Aの際に行われる税金対策。株式譲渡、事業譲渡、会社分割を解説

5-2.第三者承継の特徴

盤石な経営基盤を持つ企業が買い手の場合、今より安定した環境で事業を継続できる可能性があります。場合によっては、従業員の待遇が現在より好条件になる可能性もあるでしょう。

引き継ぎ後も従業員の雇用や取引先との契約の継続を希望するなら、交渉の最初の段階でその意向を表明します。加えて契約書にも盛り込むことで、確実に継続されるでしょう。

経営者にとっては、売却による対価を得られるのもメリットです。引退後の資金として活用できます。ただし必ずしも買い手が現れるとは限りません。会社の状況によっては、買い手が見つからない可能性もあるでしょう。

契約にいたるまでの交渉や、事業の統合などに時間がかかるため、少なくとも1年間ほどは期間を見ておく必要があります。

M&Aの流れについて紹介している以下も、ぜひご覧ください。
事業・会社をM&Aで売却する基本的な流れ|税理士法人チェスター

6.株式公開(IPO)

長く続く会社へと成長させるため、株式公開を選ぶケースもあるでしょう。上場企業になることで、どのようなメリットを得られるのでしょうか?

6-1.証券取引所へ株式を上場する

IPO(Initial Public Offering)とも呼ばれる株式公開は、会社の株式を証券取引所へ上場することです。資金調達や優秀な人材の確保といった面でメリットがあります。

ただし、証券取引所が設ける厳しい基準をクリアしなければならない点に注意しましょう。上場へ向けた準備は数年がかりです。大きなメリットがある反面、相応の手間もかかる点を考慮して進める必要があります

6-2.株式公開の特徴

株式公開を行うと株式が市場で流通するため、株式の発行による資金調達が可能になります。また、経営者が個人で保有している株式を市場で売却し、資金を作ることも可能です。

大きな資金を調達しやすくなるため、事業規模の拡大や新規事業への進出がしやすくなるでしょう。また上場企業という信頼やネームバリューから、優秀な人材が集まりやすくなるのも特徴です。

優秀な人材を効果的に配置することで、組織的な経営体制を構築しやすくなるでしょう。中小企業にありがちな、経営者の能力に頼りきりの体制を脱却することで、次の経営者となる人材が見つかることも期待できます。

7.跡継ぎが見つからなければ廃業

紹介した方法に取り組んでも跡継ぎが見つからなければ、会社を廃業せざるを得ません。廃業のために必要な手続きや、廃業によって関係者にどのような影響を与えるのかを確認します。

7-1.廃業とは事業を終わらせること

廃業は、経営者が自発的に事業を終わらせることです。続けようと思えば続けられる状態である点が、倒産との違いです。会社の資産をお金に換え、負債があれば返済して清算します。具体的には以下の手続きが必要です。

  • 会社解散の登記
  • 清算人の登記
  • 官報公告
  • 債権者への通知
  • 債権の回収
  • 会社の資産の換金
  • 債務の支払い
  • 残った財産の分配
  • 株主総会での決算報告の承認
  • 確定申告(※解散時・清算結了時)
  • 清算結了登記

手続きには手間と時間、費用がかかります。弁護士・税理士・司法書士などへ相談し、可能な部分は代行も依頼すると、スムーズに進めやすいでしょう。

7-2.廃業の特徴

経営者が自らの意思で事業の終了を決定する廃業は、債務をすべて返済して清算できるのが特徴です。あらかじめ関係者へ伝えたうえで手続きを進められるため、迷惑をかける範囲を最小限に抑えられるでしょう。

ただし、会社がなくなれば従業員は仕事を失います。人によっては再就職が難しく、生活に影響が出るかもしれません。

また、長年続いた取引先との関係も、廃業を機になくなります。これまで築いてきた関係がゼロになるのは、廃業のデメリットといえるでしょう。

参考:事業承継できず廃業する際の注意点

8.跡継ぎがいないなら対策は早めに

跡継ぎがいない会社はたくさんあります。会社を今後も残したいと考えているなら、早めに跡継ぎを見つけるための対策が必要です

親族内や社内で見つからなければ、第三者承継を検討しましょう。会社の状況によっては、株式公開を目指した方がよいかもしれません。

それでも跡継ぎが見つからない場合には、廃業の手続きが必要です。複数の手続きが必要なため、弁護士・税理士・司法書士などへ相談すると、スムーズに進めやすいでしょう。

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