オーナー経営者が知っておきたい事業承継の対策。M&Aの選択肢も

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オーナー経営者は、会社の所有者であり経営者でもあります。オーナー経営者が事業承継する際には、どのような点に注意が必要なのでしょうか?個人保証や株価などの対策、オーナー経営者が抱えがちな悩みの解消に役立つM&Aについても紹介します。

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1.オーナー経営者の特徴

1.オーナー経営者の特徴

会社の所有者かつ経営者でもあるオーナー経営者には、どのような特徴があるのでしょうか?基本的な知識を押さえた上で、サラリーマン経営者との違いも見ていきましょう。

1-1.所有と経営が一致

オーナー経営者は、創業時に自ら出資し、自社株式の50%超を保有しています。会社の事業を管理し目的を達成するための経営を行いつつ、会社を所有している状態です。

そのため第三者の株主に意見を求めることなく、素早い経営判断が可能です。その反面、経営の透明性が損なわれやすいのはデメリットといえます。適切な判断を下すため、常に意識し続けなければいけません。

1-2.サラリーマン経営者との違い

一方サラリーマン経営者が担っているのは、経営についての責任のみです。自らの資金は出資しておらず、株式を保有している場合でも、大半を取得しているわけではありません。

会社についての重要な決定は、会社の株式の大半を保有しているオーナーに決定権があります。サラリーマン経営者は経営者ではありますが、会社組織に関する重要事項の決定権はありません

オーナーが社内外の優秀な人材を雇い経営を任せているため、会社内での立場はオーナーの方が上です。

2.オーナー経営者に必要な事業承継対策

2.オーナー経営者に必要な事業承継対策

事業承継は、後継者への教育期間も含めると、10年ほどかかるケースもあります。加えてさまざまな対策も必要なため、早めの準備が欠かせません。オーナー経営者が実施すべき事業承継対策について解説します。

2-1.事業承継対策は先送りにされがち

オーナー経営者は自分の会社を大切にしており、日々の経営を優先しがちです。その結果、事業承継について考える余裕がなく、必要な対策が十分に行われていないケースが多くあります。

また事業承継に関する不安やプレッシャーから、具体的に考えることに対して抵抗があり、なかなか対策が進まない場合もあるでしょう。

事業承継の手続きは煩雑です。計画書の作成だけでも一苦労で、さまざまな制度を活用するなら、期日までにそろえるべき書類もあるでしょう。同時に後継者の育成にも取り組まなければいけません。

実際に事業承継できる状態を整えるには、5~10年はかかるでしょう。先送りにされがちですが、できるだけ早く取り組むことで、希望通りの事業承継ができます

参考:事業承継に必要な準備や引き継ぎ内容は?親族内承継、M&Aの違い

2-2.多くの経営者が苦労するのが後継者選び

事業承継の準備に取り掛かると、なかなか見つからないのが後継者です。かつては経営者の子どもといった親族が後継者となり、会社を継いでいました。

しかし昨今は、子どもには自分で選んだ仕事があり、会社を継ぐ意思がないケースも珍しくありません。また後継者を探したけれど適した人材に出会えなかったという経営者もいるでしょう。

後継者への事業承継を希望するなら、第三者に会社を売却し引き継いでもらうM&Aを利用する方法もあります。親族や従業員の中で後継者を見つけられなかったなら、外部の人材を探してみるのも一つの方法です。

経営者を目指す熱意ある人材を見つけられるかもしれません。

参考:後継者不足を理由に廃業はもったいない。M&A検討で可能性は広がる

2-3.個人保証がネックとなる

事業用の資金として金融機関から融資を受ける際に、オーナー経営者が会社の借入を連帯保証する『個人保証』を設けている場合があります。事業承継時、後継者は個人保証も引き継ぎます。

このときの審査により十分な返済能力がないと金融機関に判断されると、後継者は個人保証を引き受けられません。後継者に事業承継したにもかかわらず、経営者の個人保証はそのままという事態になりかねません。

そもそも、個人保証のリスクを負ってまで経営者になりたいと望む人は少ないでしょう。そのため個人保証の存在によって承継が進まないケースが頻発しています。

そこで政府では、商工中金で受ける融資の原則無保証化や、新たな信用保証制度の創設などを行っています。

2-4.事業承継に向けた資金の準備も必要

事業承継には『資金』の用意も欠かせません。事業承継は経営者から後継者へ株式を譲渡する形で行われます。会社の経営権や支配権を持つには、議決権のある株式の保有割合が重要です。

経営者が保有する株式をすべて譲渡しても、後継者の保有割合が2/3に満たないなら、ほかの株主に分散している株式を買収し集めておきましょう。このとき既存の株主から株式を買収するための資金が必要です。

また相続や贈与で株式を取得し事業承継する場合、後継者は相続税や贈与税を納めなければいけません。高額な税額を支払えるよう準備が必要です。

加えて後継者が会社を引き継ぐと、一時的に業績が悪化する可能性があります。資金繰りが難しくなるリスクに備えるための資金も欠かせません

3.株価の対策

3.株価の対策

相続や贈与で株式を後継者へ引き継ぐ場合、あらかじめ『株価』への対策を実施しましょう。何も対策せずに引き継いだ場合、株式によって引き継ぐ資産が莫大になり、税負担が大きく膨らんでしまいます。退職金を活用した対策法を確認しましょう。

3-1.自社株により相続税が高額に

自社株は高額になりがちな資産です。そのため相続や贈与で引き継ぐと、後継者は多額の税金を納めなければいけません。

しかし株式を上場していない中小企業の場合、株式を現金に替える方法がない状態です。ほかに換金できる資産を引き継いでいなければ、課された税金を納められず、会社の経営に影響を及ぼす可能性があります

そこで実施するのが、株価を引き下げるための対策です。

3-2.退職金の活用などで評価額を下げる

株式の評価額を下げるには『退職金』を活用するのが有効です。経営者は在籍年数が長いケースが多いため、それに応じて退職金も高額に設定されます。

この金額を実際に経営者へ支給し、会社の資産が減少すれば、自社株の株価を下げられます。ほかにも『遊休資産』の処分や、『設備投資』による特別償却の活用、高収益部門の『分社化』なども、株価を下げるのに役立つ方法です。

参考:生前退職金を活用した事業承継対策

4.株式の分散を防ぐ

4.株式の分散を防ぐ

株式がほかの株主に分散していると、素早く判断したい場面で株主に反対される可能性があります。現時点で分散している株式があるなら、できる限り後継者に集中させられるよう準備が必要です。

4-1.株式分散で起きる問題とは

議決権のある株式の保有割合は、会社の経営権や支配権に影響します。経営に関する決定を単独で実施するには50%超、会社に関するほぼすべての決定を単独で実施するには2/3以上の株式を保有していなければいけません

経営者以外に株主がおり、株式が分散していると、経営者の保有割合が低くなってしまうでしょう。経営方針を素早く決定したくても、ほかの株主の影響で思うように進まないかもしれません。

またM&Aでの事業承継を検討している場合、買い手は株式の100%取得を目指すケースが多いでしょう。分散した株式を集められない場合、M&Aが成立しない場合もあります。

4-2.後継者に株式を集中させるには

ほかの株主に分散している株式を後継者に集中させたいなら、まずは経営者が株式を買い取り集めましょう。株主が買い取りに協力的であれば、直接取引できます。

非協力的なら、少数株主から強制的に株式を取得できる『スクイーズアウト』を実行します。例えば、経営者が議決権のある株式を90%以上保有しているなら『特別支配株主による株式等売渡請求』で、株式の取得を目指せます。

参考:スクイーズアウトが用いられるケースとは。メリットや注意点も解説

子どもが後継者なら、相続で株式を承継するケースもあるでしょう。このとき後継者以外にも相続人がいると、均等に遺産分割されてしまい、株式の分散につながります。

そこで経営者は生前に遺言書を作成し、自社株式を後継者が、そのほかの資産をほかの相続人が引き継ぐよう指定しましょう。このとき、相続人が最低限請求できる『遺留分』を侵害しない割合に指定するのがポイントです。

『遺言書』と『遺留分』の関係については、以下もご覧ください。

遺言書の効力と遺留分の権利はどちらが優先?注意すべき点を解説 – 相続税の申告相談なら【税理士法人チェスター】

5.オーナー企業の悩みを解消するM&A

5.オーナー企業の悩みを解消するM&A

オーナー経営者が事業承継する場合、親族や従業員を後継者とする以外に、M&Aを実施する方法もあります。第三者へ経営権を譲るM&Aを実施することで、これまで会社になかった知見を取り入れられるかもしれません。

5-1.M&Aでは第三者に経営権を譲渡

長年経営を続け事業を軌道に乗せてきたオーナー経営者にとって、会社は大切な存在のはずです。親族や従業員による事業承継ができないからと、存続を諦める必要はありません。

第三者へ経営権を譲渡するM&Aを活用すれば、会社の廃業を避けられます。ただしM&Aで事業承継を実施するなら、買い手を探さなければいけません。

自社に合う買い手を広く探すには、『M&Aアドバイザー』や『事業承継・引継ぎ支援センター』の活用がおすすめです。

5-2.柔軟な意思決定が可能となる

M&Aによって事業承継を実施すると、社外から新たな経営者がやってくるケースが一般的です。そのためこれまでにない知識や経験・判断基準などが持ち込まれ、経営に関する意思決定が柔軟なものになりやすいでしょう

オーナー経営者の下では、会社内で大きな権限を持つ経営者の意思決定が重視されやすく、多様な意見が出てこない場合もあります。経営者個人のスキルや情報に偏った意思決定では、代わりがききません。

新たな経営者がやってくることで、このような事態を打破できるでしょう。

5-3.M&A後も一定期間会社に残る場合がある

経営者はM&Aを実施すると経営から退きます。しかしすぐに引退するわけではありません。買い手との取り決めにより、しばらくは経営者としての仕事を継続し、引き継ぎに協力します。

特に買い手が企業の場合は、M&A後の統合が成否を左右するといっても過言ではありません。そのため現経営者が一定期間会社に残り、統合プロセスに協力するよう、買い手から求められるケースもあります

大切な会社をうまく承継してもらい、従業員の職場を維持するためにも、重要な仕事です。

参考:ロックアップ条項の例と注意点。キーマン以外の従業員にも配慮を

6.十分に準備をして次世代にバトンを

6.十分に準備をして次世代にバトンを

自ら出資し会社の株式を保有しているオーナー経営者の多くは、経営を優先し事業承継の準備はそれほど行っていません。しかし事業承継には時間がかかるため、できるだけ早く対策を始める必要があります

高額な株価により相続税や贈与税が高額にならないよう調整が必要で、株式を後継者に集中できるようほかの株主からの買い取りも行わなければいけません。

十分な準備をすることで、安心して後継者に会社を引き継げます。また親族や従業員による事業承継が難しいなら、第三者に譲渡するM&Aも検討しましょう。

M&Aで株式を売却すると、利益に税金が課されます。税金については『税理士法人チェスター』への相談がおすすめです。

相続税の申告相談なら【税理士法人チェスター】

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