親族内承継を円滑に進める方法は?押さえておきたいポイントを解説

タグ:

子どもや孫など親族が会社を引き継ぐ親族内承継には、どのような特徴があるのでしょうか?親族内承継のメリットや注意点を確認しましょう。併せてスムーズに進めるための手順も紹介します。ポイントを押さえることで、円滑な事業承継の実現が可能です。

初回無料面談受付中事業承継・M&Aの無料相談はこちらから0120-418-507【受付時間】平日9時~20時 土曜9時~17時
初回無料面談受付中事業承継・M&Aの無料相談はこちらから0120-418-507【受付時間】平日9時~20時 土曜9時~17時

1. 親族内承継とは

1. 親族内承継とは

親族へ事業承継することを親族内承継といいます。中規模企業では減少傾向ですが、小規模企業では多くの事業者が親族内承継によって会社を後継者へ引き継いでいます。

1-1. 親族の誰かに事業承継を行うこと

経営者の親族に事業承継するのが親族内承継です。子どもや孫のほか、配偶者や子どもの配偶者・兄弟姉妹などが後継者に就いた場合も含まれます。

事業を営む経営者の姿を長年見てきている親族だからこそ、事業承継への心構えが自然と備わりやすいでしょう。ただし経営者としての資質が不足している親族が引き継いだ場合、トラブルに発展する可能性がある点には要注意です。

1-2. 小規模企業の事業承継の主流

親族内承継は小規模企業の事業承継においては、最も多く実施されている方法です。2017年の『中小企業白書』によると、後継者が決まっている小規模企業のうち、後継者が親族である割合は『90.3%』と多数を占めています。

中小企業全体で見ても、親族内承継は事業承継方法の多数派であり主流です。しかし徐々に割合は減少してきており、従業員や役員への社内承継や、外部の買い手へ売却する第三者承継の割合が高まりつつあります。

参考:2017年版「中小企業白書」|中小企業庁
参考:事業承継における親族内承継とは。スムーズな会社の引き継ぎ方

2. 親族内承継のメリット

2. 親族内承継のメリット

社内承継や第三者承継と比べ、親族内承継は早いタイミングで引き継ぎの準備を始められます。また事業承継の方法として主流のため、周囲の納得を得やすいでしょう。相続や贈与による事業承継を実施すれば、税負担を抑えやすい点もメリットです。

2-1. 早期に事業承継の準備が可能

親族内承継の場合、他の承継方法より早いタイミングで事業承継に向けた準備を始められます。会社が手掛けている事業についてはもちろん、経営者としての考え方についても、公私ともに一緒に過ごす中で伝わりやすいはずです。

余裕を持って準備ができるため、周囲との調整も少しずつ確実に進められます。例えば後継者が数年ずつ各部署の現場を経験すれば、従業員との関係性が築け支持を集めやすくなるでしょう。

また取引先や金融機関との関係性も築きやすくなるはずです。

2-2. 従業員や関係者の理解を得やすい

徐々に減少傾向にあるとはいえ、親族内承継が事業承継の既定路線になっている企業は少なくありません。先代も先々代も経営者の子どもだったということであれば、親族内承継だからと納得する関係者は多いでしょう。

従業員や取引先・金融機関など内外の関係者から納得を得られない場合、事業承継は円滑に進みません。場合によっては事業を継続できない事態も起こり得ます。

親族内承継であれば、社内はもちろん取引先や金融機関との取引も、円滑に引き継ぎやすいでしょう

2-3. 相続や贈与の制度による節税がしやすい

親族が後継者となり事業承継する場合、『相続』『贈与』『譲渡』のいずれかで行われるのが一般的です。親族内承継は早い段階で決まっているケースも多いため、複数の方法を検討しつつ、入念に準備できます

承継時の税負担を抑えるための生前贈与や自社株対策はもちろん、『事業承継税制』も活用しやすいでしょう。未上場の中小企業が利用できる制度で、贈与税や相続税納税の猶予や免除を受けられます。

満たすべき要件が多く複雑ではありますが、承継時の負担を大きく減らせる方法です。

参考:事業承継税制とは何か。活用できる人や納税猶予を受けるまでの流れ

3. 親族内承継の注意点

3. 親族内承継の注意点

早めに準備を始められ、周囲の理解を得やすく、節税もしやすい親族内承継ですが、必ずしもメリットばかりではありません。親族内に適した人材がいない可能性に加え、親族間のトラブルにも注意が必要です。会社の借入金に対する個人保証も課題といえます。

3-1. 最適な後継者がいるとは限らない

優秀な経営者の親族だからといって、同じように経営者に向いているとは限りません。場合によっては後継者としてふさわしい人材が親族内にいないケースもあります。

十分な資質が備わっていない親族を後継者にすると、親族というだけで経営者になった人物と悪い評判が立つかもしれません。さらに、能力がなくても親族なら優遇される会社だと従業員が感じれば、優秀な社員が退職する可能性もあります。

たとえ親族であっても、経営者として十分な能力のある人材なのか十分に検討した上で、事業承継しなければいけません

3-2. 親族間のトラブルを防ぐ必要がある

親族内承継は、親族間の対立を生む可能性があります。例えば後継者となる親族のほかにも法定相続人がいる場合、後継者が引き継ぐ財産が、他の相続人が最低限引き継げる『遺留分』を侵害するかもしれません

不公平感からトラブルに発展する事態も考えられます。そのため後継者以外の相続人には、現金や不動産などを残すといった対策が必要です。

また事業承継時には、会社の借入金に対し経営者が負っている個人保証を後継者が引き継ぎます。会社の経営がうまくいかなくなれば、債務を後継者が負わなければいけません。

重い負担に対し、後継者の家族から親族内承継に反対意見が出る場合もあるでしょう。このような親族間の意見の対立が起こらないよう、日頃から関係性を築いておくことも重要です。

参考:企業オーナーの事業承継対策について専門の税理士が徹底解説

3-3. 個人保証をどうするか検討しておく

経営者が会社の借入金に対し個人保証を負っていると、その引き継ぎが原因で事業承継が滞る可能性があります。また会社の状況によっては、金融機関から個人保証の引き継ぎが許可されないケースもあるでしょう。

借入金があり個人保証を設定している場合には、どのように対策するか検討しておかなければいけません。中小企業の後継者不在にもつながる個人保証に対し、政府は『経営者保証ガイドライン』も制定しています。

要件を満たせば個人保証を解除できる可能性もあるため、事前に対策しておくとよいでしょう。

4. 親族内承継の進め方

4. 親族内承継の進め方

親族内承継を実施するには、まず後継者を選ばなければいけません。加えて後継者に、事業や経営者が担う役割を引き継ぎましょう。さらに内外の関係者へ説明し、理解を得ることも欠かせません。

4-1. 後継者の選定と引き継ぎ

まずは親族内で誰を後継者とするか決定しましょう。その上で事業を託せる人材となるよう、事業や経営についての教育を行います。

例えば社内の各部署の現場を経験させたり、経営者とともに取引先を訪れたりすれば、会社の事業について理解を深められるでしょう。加えて企業理念や経営者が持つノウハウも引き継ぎます。

教育に必要な期間は会社によって異なりますが、10年以上かけて引き継ぐケースもあるほど重要なポイントです。少なくとも5年間はかかると考え、計画的に引き継ぎましょう

同時に株式の承継も準備します。後継者が確実に株式を引き継ぎ、経営権を取得できるよう整えなければいけません。

4-2. 関係者へ周知し理解を得る

会社は社内外の関係者から協力を得ることで成り立っています。そのため親族内承継を実施する際には、従業員・取引先・金融機関などの関係者へ知らせ、理解を得なければいけません。

関係者の理解を得ることなく親族内承継を進めると、経営者の引退後に従業員が離職したり、取引先から契約を打ち切られたりする可能性があります。このような事態を避けるには、早い段階で後継者を周知しておくとよいでしょう。

また親族内で同意を得ておくことも重要です。意見の対立が起きたとき、株式が親族間で分散していると、事業承継を進められない事態も起こり得ます。

参考:事業承継に必須のスケジュール作成。いつ、どんなことを実施するのか

5. 親族内承継は事前準備が重要

5. 親族内承継は事前準備が重要

円滑に親族内承継を進めるには、事前準備が欠かせません。後継者を定めたら、早い段階で事業について理解し、経営者としての能力を発揮できるよう教育を始めましょう

財産をめぐり親族間でトラブルが発生しないよう、後継者が引き継ぐ株式や事業に必要な資産のほかに、他の相続人のための現金や不動産を用意しておくと不公平感を解消しやすいはずです。

また事業承継時の税負担を抑えるための自社株対策も欠かせません。加えて、事業承継税制といった制度の利用も検討しましょう。専門知識が必要な分野のため、税理士に相談するのが有効です。

税理士法人チェスターでは、相続事業承継コンサルティング部の実務経験豊富な専任税理士が、お客様にとって最適な方法をご提案いたします。

事業承継コンサルティングなら税理士法人チェスター

親族内承継・親族外承継のメリットとデメリットを解説する以下も、ぜひご覧ください。

親族外承継と親族内承継におけるメリット・デメリット

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。