セミリタイアのメリット、デメリット。貯蓄と目標設定が重要

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セミリタイアすると、どのような暮らしを送ることになるのでしょうか?メリット・デメリットを把握し、実際にセミリタイアを始める前にシミュレーションしておくとよいでしょう。今から始められる準備や、将来受け取れるお金なども紹介します。

1.セミリタイアの意味と目的

セミリタイアの意味と目的
生き方の選択肢としてセミリタイアが注目されています。どのような意味と目的があるのでしょうか?

1-1.働き方を変え、自分の時間や心の余裕を持つ

『半』や『準』という意味を持つ『セミ』と、引退を意味する『リタイア』を合わせたセミリタイアは、退職に準じた状態を表す言葉です。メインの仕事を退職し、非常勤・不定期就労・資産運用などの方法で稼ぎながら生活します。

セミリタイア後に想定される収入金額によっては、あらかじめまとまった貯金や資産を作っておくと安心です。経済的に会社から自立した状態で、たくさんの自由時間を持てるのも魅力といえます。

毎日忙しく働くスタイルとは異なる、心の余裕を持てる暮らし方です。

1-2.アーリーリタイアの一つ

セミリタイアは、メインの仕事を早期退職する『アーリーリタイア』の一種として考えられています。メインの仕事を退職後、収入を得つつも自由な時間を多く持てるのがセミリタイアです。

一方、完全に仕事をせず貯蓄や資産のみで生活する方法を、完全リタイアといいます。早期退職する年齢はさまざまですが、30~50代で退職し、リタイア後のライフスタイルへ移行するケースが多いでしょう。

2.セミリタイアの意味と目的

セミリタイアの意味と目的

自由な時間が増えるセミリタイアをする際には、その後の生活設計をしておくとよいでしょう。住む場所や仕事はもちろん、やりたいことについても考えておくと、充実した暮らしにつながります。

2-1.やりたいこと、生きがいが持てることは?

30~50代といった体力がある時期に自由な時間を持てるセミリタイアは、定年後では難しい夢をかなえられるかもしれません

「セミリタイアしてゆっくり過ごしたい」といった漠然とした目標ではなかなか行動に移せないでしょう。ゆっくり過ごす中で、何にチャレンジしたいのか、そのためには何が必要かについてまで考えます。

例えば、「趣味の家庭菜園を大きな規模で行い、自給自足に近い生活を送りたい」と目標を立てたら、そのために必要なものを洗い出します。その上で、時期を決めて一つずつ実行していくとよいでしょう。

2-2.どこに住む?

住む場所もポイントといえます。先の例のように自給自足生活を送るなら、ある程度の面積の畑がある土地を確保しなければいけません。都心よりは地方の方が現実的でしょう。

ただし地方で暮らした経験がない人は、地域特有の近所づきあいや風習になじめない可能性があります。旅行で訪れるのと住むのとでは、同じ場所でもまったく違う印象を抱くかもしれません。

快適な住環境であることはもちろん、近隣に程よく遊べる場所があることや、食が充実しているかもチェックしましょう。医療が整っている地域であることも、安心につながるポイントです。

さまざまな点からぴったりの転居先であることを確認し、住む場所を決定しましょう。

2-2-1.賃貸か、持ち家か?

どこに住むかを考えると同時に、賃貸・持ち家のどちらにするかも決めましょう。賃貸は、収支状況や家族構成に合わせた家選びができます。その時々の興味に応じて、好きな場所に引っ越しやすい自由度の高さも魅力です。

ただし、ずっと家賃を支払い続けなければいけない点はデメリットといえます。一方持ち家であれば、理想のライフスタイルを実現しやすいでしょう。

ペットを飼う・ガーデニングをする・庭でバーベキューパーティーをするといった楽しみ方もできます。しかし地域になじめない場合、ほかの場所へ引っ越そうと思っても気軽にはできません。

それぞれのメリット・デメリットを知った上で、暮らしに合う選択をしましょう

2-3.どんな仕事をする?

セミリタイアでは貯蓄や資産も使いますが、同時に仕事をして収入を得るのも特徴です。理想の暮らしを実現するには、どのような仕事をするかもポイントといえます。

自由な時間を楽しみたいという人に人気があるのは、短期間に集中して稼げる『リゾートバイト』です。夏休み・冬休みなどリゾートが混み合う時期だけ、住み込みで働きます。

バイト期間中は基本的に生活費がかからないため、稼いだお金をそのまま貯められるのがメリットです。ウインタースポーツが趣味なら、冬のスキー場で働くのもよいでしょう。

3.セミリタイアに向けての準備

セミリタイアに向けての準備

将来の暮らし方としてセミリタイアを実行に移すなら、できるだけ早い段階で準備を始めるのがおすすめです。具体的にどのような準備が必要なのかチェックしましょう。

3-1.生活にかかる最低限の費用を計算する

収入を得ながら暮らすセミリタイアですが、退職前より減収となるケースが多いでしょう。そこで生活に必要な最低限の費用はいくらなのか、計算し把握します。

生活費の項目は下記が代表的です。項目ごとにどのくらい必要か計算すると、分かりやすいでしょう。

  • 税金
  • 保険料
  • 生活費
  • 医療費
  • 住宅費
  • 趣味費

政府の統計によると、世帯主年齢60歳以上の無職世帯は、全ての支出の合計である実支出が平均『26万5,890円』です。1年間で約319万円、60歳から80歳までの20年間で計算すると約6,381万円かかります。
参考:家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表|政府統計

3-1-1.予想外の出費も想定する

日々の暮らしに必要な費用だけでなく、予想外の出費についても考慮しましょう。家を購入した場合には、リフォーム費用が想定より高額になるかもしれません。

また地域によっては、暖房費や除雪費など、これまでの暮らしで意識していなかった費用が負担になる可能性もあります。予想外の出費をできるだけ減らすよう、事前のリサーチが重要です。

また年齢を重ねると体力や抵抗力が低下し、病気になりやすいでしょう。介護を受ける必要も出てくるかもしれません。サポートを受ける範囲によっては、老後資金が不足する可能性もあります。

3-2.十分な資金を用意して不安要素を取り除く

日々の暮らしに必要な費用や予想外の出費をまかなうには、十分な資金を用意する必要があります。資金が少な過ぎると、セミリタイアを続けられなくなるかもしれません。

十分な資金は人それぞれ異なります。セミリタイアを始める年齢や、年金の受給開始年齢などを考慮し決定しましょう。

またセミリタイア後の仕事で月30万円を安定して稼げる見込みがあるなら、老後資金のみで十分といえます。一方、毎月の収入がそれほど多くないなら、生活費の補填分もかかるため、より多くの資金が必要です。

ライフステージによっても必要な資金は異なります。今後の暮らしをイメージし、必要な資金を用意できれば、不安要素を取り除けるはずです。

4.これから受け取れるお金を把握する

これから受け取れるお金を把握する
セミリタイアの資金として利用できるのは、保有している預貯金だけではありません。これから受け取れるお金の種類をチェックし、どのくらいの金額を用意できるか確認すると参考になります。

4-1.早期優遇退職制度による割増退職金

定年より早い段階で退職しセミリタイアするときには『早期優遇退職制度』を利用するケースが多いでしょう。この制度を利用し退職すると『割増退職金』を受け取れます。

厚生労働省の調査によれば、大卒や大学院卒で勤続20年以上・45歳以上の人の退職金は下記の通りです。早期優遇退職制度を利用すると、自己都合退職の約1.5倍もの金額を受け取れると分かります

会社都合退職や定年退職よりも多い金額です。

  • 早期優遇:2,326万円
  • 定年:1,983万円
  • 会社都合:2,156万円
  • 自己都合:1,519万円

参考:平成30年就労条件総合調査 結果の概況「退職給付(一時金・年金)の支給実態」|厚生労働省

4-2.通常65歳から受け取る年金

『65歳』は一般的な年金の受給開始年齢です。国民年金なら満額で『6万5,075円』受け取れます(2021年4月時点)。夫婦2人なら『13万150円』です

また厚生年金の加入期間があれば、65歳より前に老齢厚生年金の特別支給を受けられます。ただし受給は年齢・性別によって異なり、1961年4月2日以降に生まれた男性と、1966年4月2日以降に生まれた女性は対象外です。

参考:令和3年4月分からの年金額等について|日本年金機構

参考:特別支給の老齢厚生年金|日本年金機構

4-3.親から贈与される、相続する財産

人によっては、親から『贈与』や『相続』で財産を受け取れるかもしれません。しかし親がどれだけ財産を持っているか、子どもへ残す計画を立てているかは分からないものです。

セミリタイアの計画やスムーズな手続きを目指すなら、親が元気なうちに財産について聞いておくとよいでしょう。加入している保険や年金による暮らしぶりについて質問してみると、把握できるかもしれません。

また相続により親の家を引き継いだなら、賃貸に出し家賃収入を得る方法を検討してもよいでしょう。住める状態の家であれば、リフォーム次第で十分収益を上げられる可能性があります。

定期的な収入源になれば、セミリタイアの暮らしを支える助けになるでしょう。

5.受け取れるお金だけに頼らず、自分で備える

受け取れるお金だけに頼らず、自分で備える
計算してみると、受け取れるお金だけで大きな金額になる人もいるでしょう。しかし安心してセミリタイアするなら、自分で備えることが大切です。

5-1.株式や投資信託などの資産運用を行う

自分で資金を用意するなら、まずは『資産運用』を実施しましょう。株式投資や投資信託など、さまざまな投資の中から自分に向いているものを選びます。

ポイントは、セミリタイア実施後も資産運用を継続することです。適切に資産運用していれば、資金を定期的に引き出していたとしても、大きく貯蓄を減らさずに済みます。

生活費や老後資金に利用する資産は、安定した運用を目指すことが大切です。ハイリスクハイリターンで増やそうとするのではなく、堅実な運用を心がけるとよいでしょう。

また株主優待品が充実している株式へ投資し、食品や金券を活用するのも一つの方法です。

5-2.FIRE実現のための4%ルールとは

FIREとは『Financial Independence(経済的自立)』と『Retire Early(早期退職)』の頭文字を組み合わせた言葉で、早期リタイアのことを指します。そしてFIREを実現する方法として根底にあるのが『4%ルール』です。

年間支出の25倍の資産を築き、4%の利回りで運用できれば、元本を減らさずに生活し続けられるといわれています。年300万円を使う人は、7,500万円の資産を4%で運用すれば、元金を取り崩す必要がありません。

4%ルールを実行すれば、セミリタイアを順調に継続できるでしょう。

5-3.お金のかからない暮らし方を知る

十分な生活費を稼ぐのと同時に、お金のかからない暮らしを心がけることも大切です。工夫して生活費を減らせれば、その分支出が減り、資産に余裕を持たせられます。

代表的なのは固定費の見直しです。携帯電話を大手キャリアから格安SIMへ変更するだけでも、月4,000円以上節約できるケースがあります。

日本より物価の低い東南アジアなどに移住するのもよいでしょう。治安がよい・英語や日本語を話せる人が多いなど、住みやすい条件を満たす地域がおすすめです。

6.後悔しないために知っておきたいデメリット

後悔しないために知っておきたいデメリット

比較的若いうちに退職し自由な時間を持てるセミリタイアは、必ずしもよい面ばかりではありません。デメリットを知った上で、実行すべきか検討しましょう。

6-1.社会的信用に影響する

会社員は社会的信用の高い働き方です。特に規模の大きな企業に長く勤めていると、ローンを組むときやクレジットカードの作成にも有利に働きます。

セミリタイアはどれだけ資産があっても、社会的にはフリーターや無職として扱われるケースが多いでしょう。そのため会社員時代より信用が低下し、クレジットカードを作れない場合もあります。

また賃貸物件の入居審査に通りづらい点もデメリットです。社会的信用を確保するには、資産運用の実績を積んだり、個人事業主として開業届を提出しておいたりするのが役立つでしょう。

6-2.明確な目標がないと不安や孤独を感じる

自由な時間を手に入れたとしても、目標がなければ暇を持て余してしまうかもしれません。1日の大半を自由に使えるようになったとしても、何もすることがなく不安や孤独を感じる人もいます。

このような状態を避けるには、あらかじめ具体的な目標を設定しましょう。セミリタイアを目標とするのではなく、セミリタイアで実現したいことを目標に設定します

また家族や地域の人など、周りの人と積極的に関わることで孤独を回避可能です。外へ出る仕事を続けることも、収入を得るだけでなく社会的なつながりを作るきっかけになります。

7.目標、資金、人とのつながりの三つが大切

目標、資金、人とのつながりの三つが大切

早期退職後にゆるやかに働きながら暮らすセミリタイアは、目標・資金・人とのつながりを意識して実行しましょう。十分な資金があっても目標がなければ時間を持て余してしまいます。

逆に目標があっても資金不足では実行に移せないかもしれません。また人とのつながりが絶たれてしまうと、孤独を感じてしまいつらいものです。

まずは具体的な目標を設定し、いつまでに何を実行するのか計画を立てましょう。その上で、必要な資金を調達する手段を考えます。

相続で財産を引き継ぐ可能性があるなら『税理士法人チェスター』に相談するのがおすすめです。充実したセミリタイア生活を実現するために、ポイントを押さえた上で実行しましょう。

相続税の申告相談なら【税理士法人チェスター】

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