相続税申告のためのチェックシートは税務署提出前に必ず確認しよう

相続税申告書を税務署に提出する前に、間違いがないか、もしくは検討漏れがないかを確認するために何かよいチェックリストはないかとお探しではないでしょうか。相続税に関わるチェックリストは、税務署・国税庁が一般に公表しているものがあります。他にもチェックリストはありますが、まずはこの税務署・国税庁が公開しているチェックリストを潰せば、相続税申告に関わる多くのミスを防ぐことが期待できます。
“うっかり”や“知らなかった”を防ぐためにも、チェックリストの活用は必須です。

1.国税庁・税務署が公表している相続税申告のためのチェックシート

相続税の申告のためのチェックシート(平成30年4月以降提出用)

こちらの記事執筆時点で最新のチェックシートは以上のリンク先のものとなります。ただ、このチェックリストは毎年更新され、以下のページで過去分と合わせて公開されています。

「パンフレット・手引き、各項目へのリンク」→「相続税・贈与税関係」という項目を参照して下さい。

パンフレット・手引|国税庁

1-1.チェックシートの使い方と税務署への提出の必要性

チェックシートの使い方ですが、基本的には自己チェック用として使用します。チェックシート内の「検討項目」「検討内容」「検討資料」を項目ごとに読んで、順番に確認を行っていきます。意味が分からないものがあれば、分からない状態で不用意にチェックマークは付けずに必ず意味を理解してからチェックマークを付けるようにして下さい。そうしないと、無意識のうちに虚偽の申告をしていることになる恐れもあります。

また、税務署が公表している「相続税申告のためのチェックシート」ですが、こちらの書面の冒頭に次のような記載があります。

申告書作成に際して、検討の上、申告書に添付してご提出くださるようお願いいたします。
(引用:国税庁|相続税の申告のためのチェックシート

このチェックシートを相続税申告の際に、申告書と一緒に税務署に提出する必要があるということです。
法律で決められた義務ではないので、提出することは必須ではありませんが、提出をしなければ税務署の心証は悪くなるでしょう。場合によっては、“チェックシートを提出しないこと”が税務調査への引き金になることも考えられますので、申告をする際は必ず提出されることをお勧め致します。

ちなみに、税理士法人チェスターでも、年間2,373件を超える相続税申告すべてにおいてこのチェックシートを添付して申告しています。

【コラム】平成27年度から各国税庁の様式が統一化

平成26年以前は、国税庁ごとに違った様式のチェックリストが公表されていました。そのため、国税庁によって使いやすいものや使いにくいものがあったり、どのチェックリストを使用したらよいのかが分からないといった混乱が見られました。ただ、平成27年以降はこの様式が全国で統一され非常に使いやすくなりました。

1-2.チェックシートの具体的な記載方法

相続税申告のためのチェックシートの具体的な記載方法については、記載箇所ごとに具体的に解説をしていきます。

・「検討済(レ)」の項目

こちらの項目については、検討を行った場合には、□にチェックマーク(レ)を付けてください。
基本的には、全ての項目を検討すると思いますので、全ての項目にチェックマークが付くはずです。

・「検討資料(又は写し)の添付」の項目

相続税申告書に添付して、検討資料を提出する場合にはこちらの「有」に○印をつけて資料の部数(枚数)を記載して下さい。検討資料を特に添付しない場合には、「無」に○印を付けてください。基本的には、検討資料がある場合にはすべて提出をするようにしましょう。

・「被相続人氏名・相続人代表の住所、氏名」の項目

被相続人氏名の欄には、今回亡くなった方のお名前を漢字で記載して下さい。
相続人代表の方の住所・氏名には、主に税務署との連絡窓口となる方の住所と氏名を記載して下さい。相続人代表者に名前を記載したからといって法的な責任が重くなるといったことはありません。なお、特にフリガナは付ける必要はありません。

・「関与税理士」の項目

関与税理士がいる場合にはその税理士が、こちらの欄に自らの情報を記載します。なお、そもそも関与税理士がいる場合にはこのチェックリストの検討自体をすべてその税理士が行い、この書類も税理士が記載することとなります。よって税理士に依頼せずにご自身で申告作業をされる場合には、この関与税理士の欄は空欄のままにして下さい。

2.税理士業界団体(税理士会等)が公表している相続税申告業務のためのチェックリスト

前述の税務署が公表しているチェックリスト以外に、税理士の業界団体である税理士会等が公表している相続税申告のチェックリストがあります。全国に税理士会は15団体あり、それぞれの税理士会が独自にチェックリストを作成しています。ただ、これらは一般に公表しているものではなく、それぞれの地域の税理士会員限定で公開しているケースがほとんどです。

ちなみに、これらのチェックリストは税理士(プロ)向けとして税務署が公表しているよりも詳細なものとなり、一般の方が使用することは想定されていません。一般の方がご自身で申告書類を作成して税務署に提出する場合には、前章の税務署が公表しているチェックリストのみで十分な場合がほとんどです。

▼参考:業務チェックリスト(近畿税理士会提供)の掲載について|日本税理士会連合会
※上記リンクは業務チェックリストの一覧ページですが、チェックシートそのものは一般の方は閲覧不可となっています※

3.ミスなく節税も考慮した申告をしたい方は税理士に任せた方が良い

ここまで相続税申告に関わるチェックシートをご紹介してきました。
ただ、チェックシートはあくまで税務署側が考えた「一般に誤りやすい代表的な事項」をまとめたものにすぎません。ですので、このチェックシートを完璧に理解してこなしたからといって間違いが100%無くなるといったことは不可能です。また、チェックシートは税務側の視点で作られていますので、「節税視点」のチェック項目は存在しません。

相続税申告は、思わぬところに落とし穴が潜んでいることが良くあります。最大限の節税を行い、かつミスのない相続税の申告書を作成するのは、税務のプロである税理士であっても相続税務を専門としていなければ困難と言われています。そのため、一般の方がご自身で申告業務を行うことはあまりお勧めできません。相続税申告専門の税理士に相談をするようにしましょう。

年間2,373件以上の相続税申告を行う税理士法人チェスターでは、国税庁が開示しているチェックシートの他に、独自のチェックシートも用いて申告作業を行っています。そのシートには節税に関する項目もあるため、確実で、かつ節税も十分に考慮した申告を行うことが可能になっています。
相続税申告が必要なお客様の初回面談を無料で行っていますので、一度お気軽にお問合せください。

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