抱合せ株式の会計処理は?税額への影響や消滅差損益についても解説

抱合せ株式とはどのような特徴を持つ株式なのでしょうか?親会社と子会社が合併する際に、抱合せ株式をどのように扱えばよいかを確認しましょう。抱合せ株式の基本的な知識に加え、消滅するときの特徴も紹介します。

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1.抱合せ株式とは何か

1.抱合せ株式とは何か

抱合せ株式はどのような場合に発生するのでしょうか?くわしい特徴を理解するためにも、まずは基本的な知識を確認しましょう。

1-1.合併や会社分割で消滅する

合併や会社分割を行うとき、手続きの後に存続する会社は、消滅する会社の株式を所有しています。例えば親会社のA社と子会社のB社が合併する場合、A社は合併に向けB社の株式を取得しているでしょう。

ただしこのときA社が所有しているB社の株式は、合併でB社が消滅する際になくなります。このなくなってしまうB社の株式が『抱合せ株式』です

▼抱き合わせ株式のイメージ図

2.親会社と子会社の合併と抱合せ株式

2.親会社と子会社の合併と抱合せ株式

親会社と子会社が合併するときには、抱合せ株式が発生します。この株式はどのように処理するのでしょうか?会計上行う処理と税務上行う処理で、扱いが違う点に注意しましょう。

2-1.抱合せ株式消滅差損益とは何か

抱合せ株式が発生すると、『株式消滅差損益』も生じます。親会社が子会社を吸収合併する際には、子会社の保有していた資産も負債もすべて親会社が引き継ぎます。

このとき引き継いだ純資産と、親会社が持っている子会社株の簿価の差額が、抱合せ株式消滅差損益です。消滅によりプラスになるなら抱合せ株式消滅差益、マイナスになるなら抱合せ株式消滅差損として、特別損益に計上します

2-2.税制適格合併なら税務上は損益不算入

親会社が子会社の株式を100%保有する完全親子関係の場合、要件を満たす『税制適格合併』を行うなら、抱合せ株式消滅差損益は会計上と税務上で異なる処理を行います

会計上は子会社から引き継いだ純資産と抱合せ株式の差額を計算し、特別損益として計上しましょう。しかし税務上は不算入です。会計上は株式消滅差損が発生していても、税務上は経費として扱えません。

2-3.税制非適格合併では損益やみなし配当が発生

親会社が子会社の株式を100%取得していない場合や、必要な要件を満たしていないケースでは、合併は『税制非適格合併』です。税制非適格合併では、子会社の保有する資産の引き継ぎを時価で行わなければいけません

ただし親会社が持っている子会社の株式は簿価で扱うため、差額が発生する可能性があります。また税制上の都合で、みなし配当も行わなければいけません。

3.抱合せ株式を消滅させるときの特徴

3.抱合せ株式を消滅させるときの特徴

合併によって抱合せ株式を消滅させると、税額に影響を与える可能性があります。具体的にどのような税金の計算に影響するのか解説します。

3-1.消滅会社の赤字で税額を抑えられる可能性

存続会社が消滅会社の資産を引き継ぎ合併を行うとき、存続会社は負債も同時に引き継ぎます。赤字や欠損金など引き継いだ負債は、存続会社の利益や損失と合わせる損益通算が可能です。

消滅会社の赤字や欠損金を活用することで、存続会社は利益を圧縮でき、法人税額を抑えられるかもしれません。グループ全体で見たとき、税金の負担を抑えられる方法です。

3-2.中小企業の特例が使えなくなる可能性

合併によって消滅する会社が中小企業の場合、法人税を計算するときに『中小企業者等の法人税率の特例』を利用していた可能性があります。特例を使うと800万円以下の所得にかかる法人税率は15%です。

ただし合併すると会社の規模が大きくなり、特例の要件を満たさなくなる可能性もあるでしょう。適用される税率が変わり、税額が高くなる可能性があります。

高くなる可能性があるのは法人税だけではありません。合併により消費税の簡易課税制度の対象ではなくなるケースもあります。簡易課税制度のみなし仕入率より実際の仕入率が低ければ、消費税額も高くなるでしょう。

3-3.相続税評価額に影響を与える可能性

会社を後継者へ引き継ぐと、後継者は相続税を負担します。この相続税の計算に用いる相続税評価額に、抱合せ株式の消滅が影響を与えるかもしれません。

存続会社の保有していた抱合せ株式が消滅することで、純資産の評価額が下がり、株価が低下する場合があるためです。ただし株価は必ず下がるわけではありません。

相続税評価額に影響を与える可能性はありますが、自社株対策として使える方法ではない点に注意しましょう

相続税評価額やその下げ方を解説している以下も、ぜひご覧ください。
自社株の相続税評価を簡単に解説、またその評価を下げる方法とは |税理士法人チェスター

4.組織再編では抱合せ株式の扱いに注意

合併や会社分割など組織再編を行うとき、存続会社が保有している消滅会社の株式が抱合せ株式です。また抱合せ株式と消滅会社の純資産との差額を、株式消滅差損益といいます。

株式消滅差損益の扱いは、合併が税制適格か税制非適格かで異なる点に注意しましょう。抱合せ株式を消滅させる際には、法人税や消費税・相続税に影響が出るかもしれません。

実際にどのような影響が出るかあらかじめ知るには、税理士に計算してもらうとよいでしょう。税理士法人チェスターでは、相続事業承継コンサルティング部の実務経験豊富な専任税理士が、お客様にとって最適な方法をご提案いたします。

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