スモールM&Aとはどんな企業が対象か。プロのサポートが必要不可欠

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スモールM&Aはどのような企業を対象に行うのでしょうか?基本的な知識や注目されている理由を解説します。スモールM&Aを実施したいときの相談先についても見ていきましょう。必要なサポートについて知った上で取り組むことが大切です。

1.スモールM&Aとは

スモールM&Aとは

スモールM&Aにはどのような特徴があるのでしょうか?スモールM&Aについて理解を深めるために、まずは基礎的な知識や対象となる企業について見ていきましょう。

1-1.中小企業や小規模な事業を対象としたM&A

M&Aの中でも小規模な事業者が行うものを『スモールM&A』と呼びます。一般的には売り手や買い手の売上高が年1億円以下や、売買金額が1億円以下のケースのことです。

ただしこの定義は法的に決められているわけではありません。中小企業を定める基準にはさまざまあるからです。

例えば中小企業者の政策を実施する際に対象となるのは、製造業その他であれば、資本金3億円以下・または従業員数300人以下と定められています。

一方、商工会議所が実施する小規模事業者支援の対象は、青色申告する所得の合計額が300万円以下の事業者です。スモールM&Aと判断されるかはケースバイケースといえます。

1-2.赤字、債務超過会社も対象

売り手と買い手双方に利益があれば、スモールM&Aは成立します。売上や事業の規模はさほど関係ありませんし、場合によっては赤字や債務超過であっても売買の対象となるかもしれません。

取り組んでいる事業によっては、赤字の状況が今後好転する可能性が十分考えられます。資産より負債が多い債務超過であっても、利益が上がっていれば問題ない場合もあるのです。

ただし買収後に赤字が続けば、のれんの減損が必要です。資産からブランド力やノウハウなどの価値を意味する、のれん代を差し引かなければいけません。

そのため単に財務状況を確認するだけでなく、ビジネスそのものに対する総合的な判断が必要です。

1-3.サラリーマンもM&Aに興味を持つ時代

M&Aは必ずしも企業間で行われるとは限りません。サラリーマンが自分のビジネスを展開する際の選択肢として、スモールM&Aを選ぶケースが増えています

サラリーマンとして特定の企業で定年まで勤めあげる終身雇用は、以前ほどメリットがありません。例えば厚生労働省の『就労条件総合調査』をもとに、2002年と2018年の退職金を比較してみましょう。

定年退職まで35年以上勤務したとしても、2018年の退職金は大学・大学院卒で平均2,173万円です。2002年の平均が2,612万円ですから、16年間で400万円以上も低下しています。

そこで既にノウハウや販路のある企業を買収し、オーナーとして稼ぎたいというサラリーマンが増えているのです。

参考:平成15年就労条件総合調査の概況「3 退職給付(一時金・年金)の支給実態」|厚生労働省

参考:平成30年就労条件総合調査結果の概況「退職給付(一時金・年金)の支給実態 」|厚生労働省

2.スモールM&Aが注目される理由

スモールM&Aが注目される理由

企業からはもちろん、サラリーマンなど個人からもスモールM&Aが注目されるのは、それだけの理由があるからです。代表的な理由を紹介します。

2-1.M&Aに対するイメージの変化

かつてはM&Aというと『敵対的買収』の印象が強く、悪いイメージが広まっていました。しかし昨今は、かつて話題になっていたような、『対象企業の経営権をむりやり取得するために株を買い占める』といったものではありません。

『友好的M&A』についての情報も増え、イメージが変化してきています。M&Aによって事業承継でき、企業を存続させられる点や、経営者がまとまった資金を得られる可能性がある点など、売り手にもメリットがあることに対する理解が広まってきているのです。

2-2.少ない資金でも実現しやすい

大企業同士のM&Aでは、億単位から、場合によっては数千億単位の大きな金額が動きます。しかしスモールM&Aであれば、比較的少ない資金でも実現する可能性が高いでしょう。

その理由は、M&Aを事業撤退のために利用する企業が多いからです。例えば『起業したが軌道に乗らなかった』『引退を考えているものの承継者がいない』『採算の取れない事業を切り離したい』などが考えられます。

一度事業を始めると、廃業するのにも手間と費用がかかるものです。そのため安くても売却したいと考え、市場に出すケースがあります。

またM&Aの市場はまだまだ未成熟で、相場が明確になっていません。双方が納得すれば取引が成立するという性質も相まって、少ない資金でも実現しやすい状況があります。

2-3.投資としての活用

スモールM&Aは『投資』の対象としても注目されています。これまで不動産や株式に投資してきた投資家が、M&Aで事業を買収し利益を上げるようになってきているのです

投資目的のM&Aの場合、企業を買収したら買収企業の価値上昇を目指します。投資家が持つノウハウを生かし、これまでより効果的に収益を上げられる仕組み作りをするわけです。

そして企業価値が十分上がったタイミングで売却し、利益を得ます。事業を軌道に乗せるノウハウを持っている投資家にとっては、魅力的な投資先です。

3.スモールM&Aの相談先

スモールM&Aの相談先

以前よりよいイメージを持つ人が増えたM&Aの中でも、スモールM&Aは比較的少額で成立する可能性があり、投資先としても注目されていると分かりました。では投資目的や事業を始めたい人がスモールM&Aをするには、どこに相談すればよいのでしょうか?

3-1.スモールM&Aに強いM&Aアドバイザー

代表的な相談先は『M&Aアドバイザー』です。売り手と買い手を結びつけ、M&A成立までの各ステップの調整役を担います。

アドバイザー選びは、スモールM&Aで扱う小規模な案件の実績と経験をチェックするのがポイントです。同じM&Aであっても、取引の規模が異なれば、進め方や成約のポイントが変わってきます。

大企業を扱っているアドバイザーだからよい、というわけではありません。希望する規模の取引で実績が多いアドバイザーを選びましょう。

3-2.税理士や弁護士などの専門家

M&Aを実施するには、法務や税務に関する専門的な知識が必要です。例えば契約書をはじめとする書類の作成や、取引する上でのトラブル防止や対応などのサポートは『弁護士』へ相談するとよいでしょう。

また『税理士』に相談することで、詳細な財務状況の調査を実施可能です。売り手企業の財務諸表を正しく読み解くことで、買収価額の決定にも影響を及ぼします。M&A成立に伴う税金について相談できるのも強みです。

スモールM&Aの対象企業は未上場で、監査を受けません。売買実施前の詳細な調査により事業の実態を明らかにすることで、安心して売買できるはずです。

依頼はM&Aの実績が豊富な専門家にするのがよいでしょう。税理士への相談を考えているなら『税理士法人チェスター』がおすすめです。

相続税の申告相談なら【税理士法人チェスター】

4.案件はどこで見つけるのか

案件はどこで見つけるのか

スムーズにM&Aを進めるには、各種専門家への相談が有効です。ただし相談するにはまず案件を見つけなければいけません。スモールM&Aの案件を見つけられる場所を確認します。

4-1.事業承継・引継ぎ支援センター

『事業承継・引継ぎ支援センター』は国が設置し、独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が展開する公的な相談窓口です。センターは47都道府県にあり、中小企業の事業承継について専門家に相談できます。

マッチング支援や情報提供も行っているため、スモールM&Aの案件を見つける場としても役立つでしょう。公的な機関のため、安心して相談できるのも魅力的です。

トップ|事業承継・引継ぎポータルサイト

4-2.日本公庫のマッチング支援「継ぐスタ」

日本政策金融公庫が展開している、売り手と買い手のマッチング支援する『継ぐスタ』も、案件探しに適しています。後継者がおらず事業を譲渡したいと考えている事業者と、買収して事業を始めたい人を結びつけるサービスです。

単にマッチングをサポートするだけでなく、融資について相談できるのも魅力といえます。例えば店舗を引き継ぐ場合、日本政策金融公庫へ相談することで、営業権・店舗設備・在庫などの買い取り資金を借り入れ可能です。

事業承継マッチング支援|日本政策金融公庫

4-3.M&Aマッチングサイト

民間の『M&Aマッチングサイト』を利用するのもよいでしょう。小規模事業者を中心に、さまざまな業種や地域の案件を取り扱っているため、希望に合う案件を見つけやすいはずです。

ただし提供されているサービスがサイトごとに異なる点には注意しましょう。単純にマッチングのみをサポートするサイトもあれば、成約までの各ステップをサポートしてくれるサイトもあります。

5.M&Aマッチングサイトの選び方

M&Aマッチングサイトの選び方

小規模事業者の案件を数多く扱っているM&Aマッチングサイトは、どのように選べばよいのでしょうか?選び方のポイントを押さえておくことで、自分に合うマッチングサイトを利用可能です。

5-1.会員数や成約の実績を必ず見る

会員数が少ないサイトでは、よい案件になかなか出会えないかもしれません。できるだけ『会員数』が多いサイトを選んだ方が、希望に合う売り手企業を見つけやすいでしょう。

単に会員数が多いだけでなく『実績』が豊富にあることも、重要なポイントです。マッチングしたとしても、成約まで至らなければM&Aは成立しません。

実績が多いサイトであれば、それだけスムーズに交渉しやすい仕組みやサービスが整っていると考えられます。

5-2.法務、税務に関する専門家の紹介はあるか

法務や税務の専門知識が必要なM&Aの手続きでは、専門家の力を借りなければいけないシーンも出てきます。専門家を紹介してもらえる仕組みを備えたマッチングサイトであれば、初めてのM&Aでも実施しやすいはずです。

専門家の紹介は無償のサイトもあれば有償のサイトもあります。どこまで無料で利用できるのかを確認し、必要なサポートを過不足なく受けられるサイトを選ぶとよいでしょう。

6.スモールM&Aで必要となる主な費用

スモールM&Aで必要となる主な費用

比較的少額で実施できるスモールM&Aですが、具体的にどのような費用が必要なのでしょうか?成立までに必要な代表的な費用を見ていきましょう。

6-1.M&Aアドバイス役への報酬

アドバイザーへ相談した場合、M&Aが成立すると『成功報酬』を支払います。成功報酬の計算には『レーマン方式』という手数料率の使用が一般的です。

取引の規模ごとに、売買価格に定められた料率を乗じて計算されます。スモールM&Aは1億円以下の売買であるケースが多いでしょう。

1億円であれば料率5%で計算されるのが一般的のため、成功報酬500万円が相場といえます。

6-2.デューデリジェンス費用

デューデリジェンスとは、税務・財務・法務などさまざまな観点で、売り手企業のリスクを洗い出す作業です。M&A実施後の経営に問題がないことを確認するために行われます。

スモールM&Aであっても、50万~300万円と高額な費用がかかる部分です。そのためデューデリジェンスを行わず、簡単なインタビューで終了するケースもあります。

ただし、中には簿外債務や訴訟のリスクを抱えている企業もあるでしょう。デューデリジェンスを実施すれば、リスク回避につながります。安心してM&Aを実施するために必要な費用です。

7.スモールM&Aの前に押さえたい知識

スモールM&Aの前に押さえたい知識

スモールM&Aをスムーズに実施するには、あらかじめ必要な知識を押さえておきましょう。事前に失敗事例を確認し、対策を検討しておくことも役立ちます。

7-1.秘密保持が大前提となる

取引を進める中で知り得た売り手企業の内部情報はもちろん、M&Aを検討していること自体についても『秘密保持』が原則です。

情報漏えいは売り手にとって複数のリスクがあります。取引先・顧客・借り入れしている金融機関などに知られると、資金繰りや今後の取引に対して不安を与えてしまうでしょう。

また社内へ情報が漏れると、従業員が動揺する可能性があります。場合によっては金融機関からの融資ストップや、従業員の退職なども起こり得る事態です。

このような状態では企業の価値が低下するため、買い手にとってもマイナスにつながります。秘密保持を順守し、万が一の場合に責任の所在を明らかにするためにも、秘密保持契約を締結しましょう。

7-2.相場、売却価格の算出方法

適正な価格で企業を買収するには、売却価格の相場や算出方法を知っておくとよいでしょう。一般的な算出方法は『時価換算した事業資産+営業利益の1~2年分』です。

M&Aによって企業や事業を売却するにあたり、売り手は金額を高く見積もる傾向があります。双方が納得していればM&Aは成立しますが、このままでは相場より高額な価格で買収することになるかもしれません。

売却価格の相場について理解しておけば、適正価格で取引できるでしょう。

7-3.失敗事例から対策を考えておく

スモールM&Aを実施する際には『失敗事例』を検討し、対策することが役立ちます。例えばM&A成立後に、未払い賃金や未記載の借り入れなど『簿外債務』が見つかるケースが代表的です。

何も知らずに買収していたとしても、そのままではこれらの債務を請求される可能性があります。そこであらかじめ売り手と締結する契約書へ『表明保証』を記載しておきましょう。

契約前に伝えた財務や税務に関する内容が、全て事実だと保証するための記載です。表明保証があれば、後からうそが発覚した場合には、売り手がその責任を追及される可能性があります。

売り手が現状をありのまま申告する状況を作ることで、簿外債務のリスクへ対策可能です。

8.考えられるリスクと対策

考えられるリスクと対策

ノウハウや販路・必要な機材などが全てそろった状態で事業を始められるM&Aは、メリットばかりではありません。リスクもあるため対策を考えておく必要があります。

8-1.属人性が高く売上が大幅に落ちることがある

利益が多く出ている事業だからといって、買収後も同じだけの利益を得られるとは限りません。例えば名物店長が人気のお店であれば、店長目当ての顧客が大勢いるものです。

M&Aの結果その店長が辞めてしまったとなれば、顧客の多くが離れていく可能性があるでしょう。それに伴い売上が大幅に減少する可能性があります。顧客作りを再度する必要があるため、ゼロベースの戦略が必要です。

また仕入れコストが増加する場合も考えられます。長年付き合いのある前経営者だからこそ特別な価格で取引していたというケースでは、経営者の交代を機に価格改定が行われることも少なくありません。

あらかじめ価格改定でどの程度の影響があるか、検討しておく必要があります。

8-2.調査を行い慎重に検討し、戦略を立てる

時間をかけて慎重に『調査』することも大切です。ゴールはスモールM&Aを成立させることではありません。買収した企業や事業を軌道に乗せることです。

そのためには買収の候補となる企業を見つけたら、じっくり比較することが重要です。専門家へ相談し、アドバイスを受けながら進めるのもポイントといえます。

M&A後の経営戦略をイメージしながら、売り手企業を探すことが大切です。

9.スモールM&Aでチャンスをつかもう

スモールM&Aでチャンスをつかもう

小規模事業者によるスモールM&Aが注目を浴びています。企業同士の売買はもちろん、サラリーマンや投資家による買収も増加中です。

比較的小さな資金で成立するスモールM&Aは、慎重な実施が欠かせません。弁護士や税理士などへ相談しながら進めると、後から簿外債務が見つかるといった失敗を避けられます。

特にデューデリジェンスで税務について調査するときには、豊富な実績がある『税理士法人チェスター』へ相談するとよいでしょう。

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