#24 「不動産小口化商品」を相続対策に選ぶ5つの理由

2021.01.05

 

不動産小口化商品とは、不動産特定共同事業法に基づいて組成された投資商品です。自分自身で賃貸マンション1棟を購入するケースと比べ、大幅に少額の予算で投資を実践できるのが利点の一つです。ところが、現実には資金的に余裕のあるはずの富裕層の間で、不動産小口化商品が非常に高い人気を博しています。

今回は、その理由について考えてみたいと思います。具体的に列挙すると、5つのメリット(理由)に注目して、不動産小口化商品を相続対策に活用しているようです。

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理由①不動産投資は未経験でも、気軽に試すことが可能

不動産小口化商品にはいくつかの種類があり、特に富裕層の間で支持されているのは「任意組合型」と呼ばれるタイプです。複数の投資家が賃貸マンションの「組合持分権」を購入し、出資額に応じてその物件から得られた収益が分配される形式になっています。

世間では、「富裕層=大地主」という先入観が働きがちかもしれません。しかしながら、先祖代々受け継いできた土地や自宅以外に、純粋な投資目的で不動産を所有することは未経験という富裕層は意外と少なくないようです。

未経験のことに手を出すことに慎重な姿勢を示すのは、富裕層に限ったことではありません。しかも、特に富裕層に持ちかけられがちなのは、すでに所有している土地の有効活用(所有地での賃貸マンション建設)などといった巨額の投資となる提案でしょう。

そうなると、いっそう慎重なスタンスで是非を判断することになってくるはずです。その点、不動産小口化商品は名称からもイメージできるように、数十万から1000万円程度の比較的少額から投資を始められるのが利点です。

まずは試しに不動産小口化商品にポケットマネーを投じてみるといった気軽なアプローチが可能なのです。実際、不動産小口化商品で手応えを感じたのか、すぐに自分自身でも新築賃貸マンションの建設に着手したという富裕層も散見されます。

理由②先々の相続税に備えて、今から対策を進められる

不動産を小口化した投資商品と言えば、J-REIT(不動産投資信託)を連想した読者も少なくないでしょう。一見、不動産小口化商品もよく似た仕組みのように思われますが、冒頭でも触れたように「任意組合型」と呼ばれるタイプでは投資家が賃貸マンションの「組合持分権」を購入していることが大きな特徴となっています。

言い換えれば、投資家は自分の名義で登記しており、不動産の所有権を有しているのです。したがって、相続発生時に不動産小口化商品は通常の不動産と同様の相続税評価額となります。

相続税を計算する際に、現金で所有していた資産が額面通りの評価額となるのに対し、土地については、時価の概ね80%(※地域差がある)に相当する評価額となります。アパートやマンションとして貸し付けていれば、さらに土地は相続税評価額が20%程度、建物は30%程度も減額されます。

加えて、「小規模宅地等の特例」という制度を適用できれば、土地の相続税評価額をさらに50%も減額できます。こうして評価額が下がれば、その分だけ相続税の負担を抑えられるわけです。

しかも、早い段階から着々と相続対策を進めるうえでも不動産小口化商品は非常に有効です。資産を遺す人(被相続人)が存命中にせっせと「生前贈与」を進め、課税対象となる相続財産をできるだけ減らすという策にも活用しやすいのです。

「生前贈与」を行う際の注意点と言われているのは、「年間110万円を超える贈与を行うと贈与税が課される」という税制上のルールです。しかし、不動産小口化商品なら贈与額(購入価格)がこの非課税枠を超えても、有利な贈与を進めることが可能となります。

なぜなら、同額の現金を贈与するケースよりも税負担が軽くなるからです。先述した相続税のケースと同じく、贈与税を計算する際にも不動産の評価額は現金よりもかなり低くなります。

理由③分けやすいので、未然に“争族”を避ける対策を打てる

将来、法定相続人となる家族の数が少なくない富裕層にとって、大きな悩みとなっているのは「揉めないようにどう分けるか?」というテーマでしょう。不動産は相続税の節税効果が大きい反面、分け合うのが容易ではなく、下手に兄弟姉妹の間で共有名義にすると揉め事の火種にもなりがちです。

相続税の節税とともに収益性や資産価値の保全まで見渡せば、1棟ものの新築マンションを購入するのが最善であっても、先々で法定相続人となる相続人の数だけ所有するのはそう容易いことではないでしょう。

これに対し、不動産小口化商品は相続人の数に応じて、先々で分けやすいように所有しておくことが可能です。さらに、通常の不動産物件のようにすぐ売却しづらいこともないため、相続直後に現金化して納税資金に充てられます。

不動産小口化商品を相続対策に活用する富裕層の多くは、相続人間で揉めないこと、納税資金の確保に一役買うことといったポイントにも着目しているわけです。

理由④幅広く分散投資でき、資産全体のリスクコントロールに貢献

古くから投資の世界では、「卵は一つのカゴに盛るな」という格言が伝えられてきました。特定の投資対象に資産を集中させていると相場環境次第では大きなダメージを被りかねないので、分散投資を心掛けるのが鉄則だという教えです。

グローバルに見渡しても、富裕層専門の金融サービスであるプライベートバンキングを利用している人々は押し並べて国際分散投資を実践しています。言わば、富裕層にとって分散投資は常識中の常識なのです。

特に賃貸マンションのような居住用不動産は不況下でも需要が安定的に推移し、株式のように景気に敏感な反応を示しがちな資産に対する格好のリスクヘッジ(リスク軽減手段)となると考えられています。しかも、不動産小口化商品なら1棟丸ごとの購入よりもはるかに少額から投資できるので、より幅広い分散投資を簡単に実践できます。

理由⑤日頃の管理はもちろん、“出口戦略”もプロに委ねられる

「任意組合型」の不動産小口化商品では、不動産特定共同事業法の下で許可を受けた事業者が組合理事長を務めています。日常的な物件の運営・管理はもとより、売却における対応も組合理事長が果たすべき役割です。

契約に定めた一定期間が経過した後、組合理事長は物件を一括売却します。そして、その代金を出資分(持分)に応じて各々の投資家に分配します。

不動産は“出口戦略”が重要で、素人にはその判断がなかなか難しいのが現実。すなわち、どのようなタイミングで、いかに有利に売り抜けるのかに関する判断です。

しかしながら、不動産小口化商品なら売却までプロが代行してくれるので、あれこれ頭を悩ませる必要がありません。こうしたポイントも、富裕層から支持されている理由の一つだと推察されます。

まとめ

気軽に試してみやすい投資額で、早いうちから相続対策を進められ、相続人たちの間で分けやすい不動産小口化商品は、すでに多くの富裕層の間で高い人気を誇っています。手軽に幅広い分散投資も可能ですし、自分自身では“出口戦略”について熟考する必要がないので、興味があるなら少額でチャレンジしてみるのも一考でしょう。

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