#11 相続対策において子供が運用しやすい不動産とは

2020.08.21

資産家の方からは、「子供や妻は、多分この物件を賃貸経営できないと思う」といった心配をよく聞きます。

相続対策と、子供たちが賃貸経営者としてその資産を引き継ぐことができるかは別問題です。相続対策は節税だけに着目するのではなく、相続後に運用しやすい物件を選ぶことが重要となります。

そこでこの記事では、「運用しやすい不動産の購入のポイント」について解説します。相続対策において子供が運用しやすい不動産を選ぶべき理由や、相続人が運用やすい物件の特徴運用しやすい物件の選び方についてお伝えします。

相続税と不動産活用の基礎知識はこちら>>>

相続税のプロ】【不動産投資のプロ】に相談したい方はこちらよりお問合せください>>>

子供が運用しやすい不動産を選ぶべき理由

最初から難易度が高くなっている

相続で引き継いだ物件は、多くの場合、最初から賃貸経営の難易度が高くなっているのが一般的です。

賃貸経営は、基本的に築古物件よりも築浅物件の方が経営しやすくなっています。賃貸物件は、一般的な傾向として築年数が古くなるほど空室も増え、家賃も下がり、修繕費も多く発生していきます。新築当初はほとんど悩みのない物件でも、築年数が古くなると空室や修繕に悩まされる物件は多いです。

相続対策は親が行いますが、すぐに相続が発生するわけではありません。日本人の寿命は長寿化しており、新築物件を建てて相続対策しても実際の相続は30年後に起こることが良くあります。

すると、相続時点では相続人は築年数の古い物件をバトンパスされることが多くなります。親自身も難易度が高くなってしまった不動産を渡すことになるため、「本当に妻や子供たちはこの物件を運用できるのだろうか?」と心配になってしまうのです。

被相続人と比べて知識と経験がない

相続人は、被相続人(亡くなった人)と比べて賃貸経営に関する知識と経験が少ないという点も賃貸経営に難しさを感じる大きな理由です。

親は新築当初から少しずつ賃貸経営を長い時間をかけて実践で学んできました。しかしながら、子供たちはそのような経験も知識もありません。よって相続時点における親と子供の知識の差を十分に意識する必要があります。

賃貸オーナーは、主に「判断」が大きな仕事です。修繕をすべきか、空室対策をすべきか、家賃を下げるべきか等々の判断は賃貸オーナーにしかできない仕事になります。

適切な「判断」を下すには、知識や経験が必要です。相続物件を引き継いだ子供たちは、知識や経験がない中、いきなり修繕や空室対策等の大きな判断を迫られるため、賃貸経営が難しく感じてしまいます。

そのため、相続対策では知識や経験が少ない相続人が物件を引き継ぐことを想定し、できるだけ判断要素が少なくなる物件を選ぶことがポイントです。

相続人が運用やすい物件の4つの特徴

この章では相続人が運用やすい物件の4つの特徴について解説します。

空室が少ない

運用しやすい物件で最も重要な特徴は「空室が少ない」という点です。空室が少なければ、空室対策すべきか、家賃を下げるべきか等の判断要素が少なくなり、賃貸経営が簡単になります。

例えば一棟貸しの物件などは、空室で悩む必要がないため、引き継いだ相続人はかなり楽に経営できます。ただし、一棟貸しは退去が発生すると全部空室になってしまうため、退去時は賃貸オーナーが大きな悩みを抱えてしまうことがネックです。

そのため、物件は賃貸マンションやマルチテナントビルのような非一棟貸しで空室の少ない物件が望まれます。

修繕があまり発生しない

修繕があまり発生しない」物件も運用しやすい特徴の一つです。相続は20年や30年先に生じる可能性があるため、相続人が引き継ぐタイミングはちょうど大規模修繕費が頻発するような時期に差し掛かります。

例えば、物件にエレベーターがあるかないかも大きな違いです。エレベーターのある物件では、相続人がエレベーターの更新の大規模修繕を行うことが良くあります。エレベーターの更新は多額の費用がかかるため、経済的な負担も大きく実施すべきかどうかの判断も難しくなります。

子供たちは賃料収入の蓄積が少ない中、どんどん修繕費の出費が出ていく状態です。よって、できるだけ修繕が発生しにくい物件が相続対策には適しています。

建て替えを考える必要がない

相続人が引き継いだ後、すぐに「建て替えを考える必要がない」物件も運用しやすい特徴の一つです。

例えば、木造アパートなどは相続人が引き継いだ時点で入居者がほとんどおらず、建て替えの検討が必要なケースがあります。建て替えには入居者の立ち退きが必要となってくるため、賃貸経営のハードルがかなり高くなります。

立ち退きは、弁護士以外の第三者に依頼することができないため、賃貸オーナーが自ら行わなければならない仕事です。借地借家法の知識や立ち退き料も必要となるため、賃貸経営の中で最も難易度の高い仕事といえます。

価格があまり下がっていない

相続時に「価格があまり下がっていない」物件も重要なポイントです。相続後、子供たちが賃貸経営を難しいと感じた場合、「最悪、売ればいい」という発想があります。

しかしながら、価格が大きく下落しているような物件では、オーバーローンとなってしまい売却すらできないという問題も生じます。

オーバーローン
ローン残債が売却価格を上回っている状態

 

収益物件は、物件の収益性を重視して価格が決定されます。そのため、売却時に空室が多い物件や家賃が下がっている物件は、価格が大きく下がってしまいます。空室が多い物件は賃貸経営も難しくなりますが、売却も難しくなってしまうのです。

相続後、売却という逃げ道を用意してあげるには、価格が下がりにくい収益性の高い物件を選んでおくことがコツとなります。

運用しやすい物件の選び方

この章では運用しやすい物件の選び方を紹介します。

立地の良い物件を選ぶ

賃貸物件は、立地の良い物件を選ぶことがとても重要となります。立地の良い物件は、築年数が古くなっても空室も少なく、家賃も下がりにくいからです。また、収益性も高く維持されるため、価格も大きく下がらず売却も簡単です。

さらに、立地が良く空室も埋まっていれば、建て替えする必要もありませんので、建て替えの心配も不要となります。

耐用年数の長い躯体を選択する

耐用年数の長い躯体を選択することもポイントです。木造や軽量鉄骨等の非堅固な建物の場合、建て替えの時期が早くなります。一方で、鉄筋コンクリート造や重量鉄骨造等の堅牢な建物は長期間にわたって利用が可能です。

鉄筋コンクリート造では、外壁材に硬くて重いタイルや石材を使うことができ、見た目の美観も長持ちさせることができます。外観の見た目が良いと空室も発生しにくくなり、建て替えもすぐには訪れません。

例えば、4階建てでエレベーターがない鉄筋コンクリート造マンションなどは、建て替えの必要性やエレベーターの大規模修繕もないため狙い目です。

できるだけ新築を選ぶ

相続時の築年数をできるだけ若くするには、対策時点はできるだけ築浅物件または新築を選ぶことが重要です。近年の相続は、親が95歳、子供が65歳のような相続も珍しくありません。定年後に対策をしても相続が発生するのは30年後ということは十分に考えられます。

相続後の物件は、築年数が少しでも若い方が、空室対策や修繕等の悩みは少なくなります。また、仮に売却するとなった場合でも売却がしやすいです。今や相続対策は、長期的スパンで考える必要性がありますので、対策は新築で行うことをおすすめします。

オススメの物件一覧はこちら>>>

まとめ

以上、運用しやすい不動産の購入のポイントについて解説してきました。

運用しやすい物件の特徴は、以下の4つです。

・空室が少ない
・修繕があまり発生しない
・建て替えを考える必要がない
・価格があまり下がっていない 

運用しやすい物件を選ぶには、立地や耐用年数の長さ、築年数を意識することがポイントになります。運用しやすい物件で相続対策することはとても重要ですので、意識して物件を選定するようにしましょう。

 

合わせて読みたい記事