#81 不動産小口化商品の仕組みと特徴 「任意組合型」「匿名組合型」「賃貸型」

2022.09.16

不動産小口化商品の仕組みと特徴 「任意組合型」「匿名組合型」「賃貸型」

不動産小口化商品には3つのタイプがあり、違いには要注意

不動産小口化商品には3つのタイプがあります。「任意組合型」、「匿名組合型」、「賃貸型」の3つで、それぞれにおいて仕組みや特徴が異なっています。

言い換えれば、いずれを選んでも同様の成果を期待できるわけではありません。そこで、3つのタイプに関して、個別に詳しく説明することにしましょう。

「任意組合型」の仕組みと特徴

「任意組合型」は、投資家と事業者が任意組合契約を結び、その内容に沿って共同で事業を進める方式の不動産小口化商品です。任意組合契約とは、複数の人たちが任意組合と呼ばれる団体を結成し、共同で出資して事業を行うことに関する約束事を意味し、民法によって定められた取り決めです。

「任意組合型」の形式を採用している不動産小口化商品では、事業者が選んだ不動産に投資家が共同出資を行うことになります。その出資の方法には、「現物出資型」と「金銭出資型」の2つのパターンがあります。2つの出資方法の違いについて説明しておきましょう。「現物出資型」とは、投資家が事業者から不動産の共有持分を購入し、その現物(共有持ち分)を組合に出資するという形式のことです。

これに対し、「金銭出資型」は投資家が組合に資金を出資し、その資金をもって不動産を購入し、組合の共有財産として不動産を保有する形式です。

どちらの出資方法であっても、事業者は賃貸不動産の運営・管理を行い、投資物件から得られた家賃収入を分配金として投資家に支払います。「任意組合型」のスキームを採用している不動産小口化商品なら、税制上は投資家が不動産を直接保有している場合と同様に扱われます。

不動産は相続税や贈与税を計算する際の評価額が現金・預貯金や有価証券などよりも低くなり、その分だけ税負担が軽くなるのが大きな特徴です。しかも、賃貸物件はさらに評価額が低くなります。

「任意組合型」の不動産小口化商品にもこうした税制が適用されるため、相続税や贈与税の節税効果も期待できるわけです。家賃収入を原資とする分配金についても、マンションやアパートを所有しているケースと同じく、税制上は不動産所得とみなされます。

「匿名組合型」の仕組みと特徴

「匿名組合型」の形式を用いた不動産小口化商品では、投資家が事業者と匿名組合契約を結んだうえで、投資家が事業者に出資を行います。事業者は投資家から集めた出資金で不動産を取得し、日々の運用・管理を担うとともに、家賃収入を配当として投資家に分配します。

匿名組合契約は商法に定められたもので、投資家が事業者に出資し、その見返りに事業収益の分配を受けるという約束事です。「匿名組合型」の不動産小口化商品では、先述したように不動産を所有するのは事業者で、個々の投資家の氏名が登記されることはありません。

物件の運営・管理を事業者に一任しながら、家賃収入の分配を受けられる点は「任意組合型」と共通しています。また、現物(不動産の共有持ち分)ではなく、金銭を出資するという点は「任意組合型」の「金銭出資型」と似ています。

しかしながら、「匿名組合型」の不動産小口化商品に対する税制上の取扱いは、「任意組合型」と大きく異なっています。投資対象となっている賃貸物件は事業者が所有していることから、投資家が出資したのはあくまで金銭であるため、「任意組合型」のような相続税や贈与税の軽減効果が得られません。

「賃貸型」の仕組みと特徴

「賃貸型」の不動産小口化商品では、投資家が不動産の共有持分を購入し、それを事業者に貸し出すという方式が採用されています。借り入れた物件の運営・管理は事業者が担い、得られた家賃収入を投資家に分配することは他のタイプの不動産小口化商品と同様です。

賃貸型

投資家は共有持ち分を購入しているので、投資家の氏名が登記されます。共有持ち分を所有しているので、「賃貸型」の不動産小口化商品も「任意組合型」と同じく、相続税や贈与税を算定する際の評価が時価よりも低くなります(賃貸不動産に対する評価減)。
つまり、「賃貸型」も相続税や贈与税の節税効果を期待できるわけです。もっとも、「賃貸型」の仕組みを用いている不動産小口化商品はさほど出回っていないのが実情です。

不動産小口化商品の購入を検討する場合はそれぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、選定するようにしましょう。

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