#62 不動産投資ローンの金利とは?種類や選び方を解説

2021.12.10

不動産投資ローンを活用することで、自己資金以上の物件を購入して高い家賃収入を得られる可能性があります。不動産投資ローンを選ぶ際に、重要になってくるのが金利です。選択した金利次第で、毎月の返済額や得られる収益などに違いが生じるためです。

本記事では、不動産投資ローンの金利について種類や選び方をわかりやすく解説します。2022年以降の金利動向についても考察していますので、ぜひご一読ください。

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不動産投資ローンの金利とは

金利とは、簡単にいえば借り入れたお金に対する利息の割合です。不動産投資ローンを含む借り入れをした場合、元本に利息を含めて返済しなければなりません。利息は、お金を貸してくれた金融機関に対して支払うコストであると考えられます。

金利が高くなると、毎月の返済額やそれに占める利息額も高くなるのです。また不動産投資ローンの金利は、マイホームの購入時に借り入れをする住宅ローンよりも高く設定されています。

金融機関によって、不動産投資ローンの金利は異なります。例えばメガバンクをはじめとした都市銀行は、低金利で借り入れられる可能性がある一方、融資審査は非常に厳しいです。地方銀行は、都市銀行よりも審査は緩い傾向にありますが、金利は高くなります。

信用金庫や信用組合は、地方銀行よりも審査のハードルが低いですが金利は高くなります。貸金業務のみをするノンバンクは「借地権付き物件」や「再建築不可物件」に投資をする場合でも融資が承認される可能性がありますが、他の金融機関よりも高金利です。

政府が出資している日本政策金融公庫は、金利が低いだけでなく若者や女性、高齢者(55歳以上)などでも融資を受けやすいです。その一方で、審査の際に今後の事業計画や経営者としての資質が入念にチェックされます。

不動産投資ローンの金利タイプの種類

不動産投資ローンの金利タイプは、以下の3種類であり、借入時に選択する必要があります。

● 変動金利
● 固定金利(全期間固定金利)
● 固定金利選択型(固定期間選択型)

金融機関によって選択できる金利の種類が異なります。不動産投資ローンの借入先を選ぶときは、金利ごとの特徴を把握したうえで、自分自身に合っていると考えられる金利で借り入れが可能な金融機関を探すことが大切です。

変動金利

変動金利とは、不動産投資ローンを返済する途中で、経済情勢や政府の金融政策などで金利が見直されるタイプです。借入時の金利は固定金利よりも低く設定されているため、金利が低いまま完済できると固定金利よりも返済負担を抑えられる可能性があります。

一方で変動金利には、返済途中で金利が上昇すると、利息額や返済総額が増えてしまうリスクがある点に注意が必要です。毎月の返済額や利息額は、前回返済後の残高に金利をかけて計算します。変動金利を借り入れるときは、金利上昇時に繰り上げ返済をして返済負担の増加を抑えるなどの対策を考えておく必要があるでしょう。

また借り入れたときに、毎月の返済額や返済総額が確定しないため、固定金利よりも返済計画は立てにくいといえます。

変動金利において、金利が見直されるタイミングは半年に一度です。ただし多くの変動金利は、借り入れまたは前回の見直しから5年が経過していなければ、毎月の返済額は変わらず元本と利息の内訳のみが変更されます。また見直し後の返済額は、見直し前の1.25倍を上限とする金融機関は少なくありません。

固定金利(全期間固定金利)

固定金利とは、返済期間を通じて金利が固定されるタイプです。経済情勢や政府の金融政策などで世の中の金利が上昇しても、固定金利であれば返済負担が増える心配はありません。返済期間を通じて金利上昇リスクを負いたくない方や、借入時に長期的な返済計画を立てたい方は、固定金利を選ぶと良いでしょう。

ただし固定金利は、変動金利よりも借り入れるときの金利が高く設定されています。世の中の金利が低い値で推移した場合、変動金利を選択したときよりも返済負担は重くなってしまいます。

また2021年10月現在、不動産投資ローンや不動産事業向けの貸付融資で固定金利を提供しているのは、日本政策金融公庫をはじめとした限られた金融機関のみです。金融機関の選択肢が少ない点も、固定金利のデメリットといえるでしょう。

固定金利選択型(固定期間選択型)

固定金利選択型(固定期間選択型)とは、借り始めから3年や5年など一定期間の金利を特約で固定させる変動金利型の不動産投資ローンです。

金利の固定期間が終了したあとは「変動金利に移行する」または「そのときに金融機関が取り扱っている範囲内で金利を固定する」のどちらかを選択します。

金融機関によっては、固定金利選択型を固定金利と表記している場合もあります。借入先を選ぶ際は、商品の内容や仕組みをよく確認しましょう。

不動産投資ローンの金利タイプはどのように選ぶ?

不動産投資ローンの金利タイプを選ぶ際に意識すると良いポイントは、以下の通りです。

● 複数の返済シミュレーションを確認する
● 複数の金融機関に相談をする

それぞれについて解説していきます。

複数の返済シミュレーションを確認する

自分自身にあった金利タイプを選ぶときは、複数の返済シミュレーションを確認することが大切です。金融機関や金利タイプごとの返済シミュレーションを比較することで、自分自身が優先したい項目を判断しやすくなるためです。

例えば借入額5,000万円、返済期間25年の借り入れを検討しているとしましょう。A銀行からは金利2%の変動金利、B銀行からは金利3.5%の固定金利を提案された場合、それぞれの返済負担は以下の通りです。なお返済方法は、毎月の返済額が一定である元利均等方式であるとします。

◯金利2%(変動金利)
● 毎月の返済額:211,927 円
● 返済総額:63,578,100 円(うち利息額:13,578,100 円)

◯金利3.5%(固定金利)
● 毎月の返済額:250,311 円
● 返済総額:75,093,300 円(うち利息額:25,093,300 円)

毎月の返済額は、変動金利のほうが固定金利よりも約3.9万円安い結果となりました。また完済まで金利が変動しなかった場合、返済総額には約1,152万円の差が生じます。

返済シミュレーションを確認した結果「返済負担が毎月3.9万円しか違わないのであれば、金利上昇のリスクを回避するために固定金利にしよう」と考える人もいるでしょう。一方で「返済総額が1,152万円も変わる可能性があるのなら、変動金利にしたい」と考える人もいるはずです。

複数の金融機関に相談する

不動産投資ローンを借り入れる際は複数の金融機関で相談し、金利や返済期間などの条件がもっとも有利なところを探すと良いでしょう。

金利は、借り入れる人の年収や職業、購入する不動産、借入先の金融機関などで違ってきます。希望する融資額が同じであっても、金融機関ごとに提示される金利が異なるケースは珍しくありません。

また事務手数料や保証料など、不動産投資ローンを組む際に支払う諸費用の額も金融機関によってさまざまです。複数の金融機関で不動産投資ローンを相談して借入先を選ぶことで、返済負担や借入時の諸経費を抑えられる可能性があります。

2022年以降の金利はどうなる?

不動産投資ローンの金利タイプを選ぶ際、金利が将来的にどのように推移していくのか気になる方は少なくありません。特に変動金利で借り入れたいと考えている方は、今後の金利上昇リスクが気になるところでしょう。

不動産投資ローンや住宅ローンの変動金利は「政策金利」の影響を受けます。政策金利とは、景気や物価などを安定させるために日本銀行が決めている金利です。

2021年10月現在、日本は大規模な金融緩和政策を実施しており、政策金利を引き下げています。その影響を受けて、変動金利は低水準で推移しています。

金融緩和政策を実施する目的は、日本の物価上昇率が安定的に前年比で2%を超える状態にするためです。物価上昇率が安定的に2%を超えるのは、簡単にいえば日本の景気が良くなって人々の消費活動が活発になったときです。

しかし日本の物価上昇率は、総務省統計局の発表によると2018年1.0%、2019年0.5%、2020年0.0%と推移しています。※出典:総務省統計局

日本銀行が目標とする「安定的に前年比で2%を超えている状態」とは、ほど遠いといえるでしょう。

物価上昇率の目標を達成するまで、日本銀行は政策金利を引き上げるとは考えにくいため、しばらくは変動金利も上昇しないと考えられます。

将来的には、日本の景気が良くなって金利が上昇している可能性もあります。しかし早めに借り入れておけば金利が上昇したころには借入残高が減っており、返済負担はあまり上昇しないかもしれません。金利が低いうちに不動産投資ローンを借り入れて、不動産投資を始めるのも方法です。

ただし、未来のことは誰も正確に予測できません。変動金利で借り入れる場合は、金利が上昇したときに返済負担が大幅に増加しないよう、計画的に繰り上げ返済資金を準備しておくと安心です。

まとめ

不動産投資ローンの金利には「変動金利」と「固定金利」があります。また金融機関によっては、借り始めの一定期間の金利を固定する「固定金利選択型」を取り扱っています。

不動産投資ローンを活用する際は、金利タイプごとの特徴を把握したうえで複数の返済シミュレーションを確認し、自分に合ったものを選ぶことが大切です。

また、金融機関によって提示される金利は異なる可能性があります。複数の金融機関に相談し、もっとも有利な条件で借り入れできるところを探すと良いでしょう。

 

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