#41 相続対策のマンションとして適している物件はワンルーム?一棟?徹底解説

2021.07.02

相続対策としてマンション経営を行っている方は数多いです。ただしマンション投資と一口に言っても、ワンルームマンションを始めとした区分マンション、一棟マンション、タワーマンション、さらには都心と郊外など対象物件は多岐に渡ります。

マンション投資の中でもワンルームマンションは気軽に始められる事から人気が高いですが、相続対策としては有効なのでしょうか?

一棟投資やタワーマンションについても気になる方は多い事でしょう。

本記事ではワンルームマンション投資のメリットとデメリット、一棟マンション投資との比較、相続対策の効果やタワーマンション投資などについて解説していきます。

少額から始められる相続対策についてもご紹介していきますので、ぜひ最後までご覧下さい。

≪知っておきたい相続の常識≫

マンション投資が相続対策になる理由

「マンションやアパートが相続税対策になる」と言われる理由としては、相続の際に建物は時価の約7割である「固定資産税評価額」、土地は主に「路線価方式」(時価の約8割)で評価され、相続税の対象となる価額を圧縮できることが挙げられます。

さらに評価額が減額される「小規模宅地等の特例」が、主に賃貸用の物件に適用されることも相続対策に大きな影響を及ぼします。

小規模宅地等の特例は、亡くなった方(被相続人)の居住用が80%、貸付事業用の土地が一定の基準を満たした場合に評価額の最大50%が減額される制度です。

例えば時価5000万円の土地、3000万円の建物を所有していた場合の評価額は、以下の通りになります。

 

土地

時価:5000万円
路線価:4000万円
小規模宅地等の特例が適用され80%減額になった場合:800万円
圧縮できる価額:4200万円

建物

時価:3000万円
固定資産税評価額:2100万円
圧縮できる価額:900万円

土地+建物

時価合計:8000万円
圧縮できる価額:5100万円(時価の約63%)

 

現金で8000万円保有していた場合にはそのまま8000万円の評価額として税金の対象(課税対象額)となりますが、上記不動産の場合は1700万円の資産として評価されます。

相続税は累進課税であり課税対象額が多ければ多いほど税率が上がる仕組みとなっていますので、課税対象額の圧縮は大きな節税効果に繋がると言えるでしょう。

相続対策として評価額の圧縮効果の高いマンションやアパートを建設又は購入し、経営する方は多いですが、どんな物件を選ぶべきなのでしょうか?

マンション投資は、「購入費用が安い」「初心者でも気軽に始められる」という理由で「ワンルームマンション」の人気が高いです。

ワンルームマンションは果たして相続対策として効果はあるのでしょうか?

また、ワンルームマンション投資には一体どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

 

ワンルームマンションの相続対策の効果とは?メリット・デメリットも

ワンルームマンション投資はワンルーム(1部屋)タイプのマンションの1室を購入し、入居者を募集、貸し出すことで家賃収入を得る仕組みです。

ワンルームマンションのメリットは購入費用や初期費用が安い事です。都心でもエリアによっては1000万円台から購入できますので、副業で収入を得たいサラリーマンや20~30代で自己資金が少ない若年層に人気があります。

現在日本では少子高齢化の影響で1世帯当たりの人数は年々減少しており、都心部を中心に単身世帯が増加していることから、将来的にも需要が高いことも魅力となっています。

一方で入居者が退去した場合、一棟投資と違い家賃収入がゼロになるというリスクがあります。単身者向けである事から、運用後に不動産をどう処分するか(出口戦略)が限られているという特徴もあります。

相続対策としてのワンルームマンション

ワンルームマンションは、物件価格が低い事から圧縮される価額が少なく、相続対策として「物足りない」と感じる投資家も存在します。

例えば2000万円のワンルームマンションを区分で建物1300万円、土地700万円で購入した場合、建物の固定資産税評価額は時価の7割で910万円となります。

土地は路線価方式では8割となり560万円で評価され、小規模宅地等の特例が適用され50%減額になった場合は1280万円となります。

合計1190万円となり、約半分の価額を圧縮できますが、多くの財産を保有する方にとって1000万円は相続対策としては物足りないでしょう。

さらにワンルームマンションは利回りが低いため、キャッシュフロー(手元に残るお金)が赤字になってしまい「元が取れない」状態になってしまう可能性があります。

複数保有している場合は、一見複数の相続人に分割しやすいと思われがちですが、一棟マンションのように同程度の価値のマンションが近辺にあるケースが少なく「公平に分配しにくい」という声もあります。

ワンルームマンションによる相続対策は、「マンションの購入費用が低すぎて効果が低い」「利回りが低く赤字になってしまった」「相続で分割しづらい」という事例が多いのです。

ワンルームマンションとマンション一棟投資の違い

マンション投資にはワンルームマンション投資のような区分投資と一棟投資があります。利回りやリスク・リターンなどの違いを見ていきましょう。

ワンルームマンション 一棟マンション
表面利回り

新築:3%未満

中古:3~5%程度

新築:4~5%

中古:5~7%程度

リスク・リターン

低リスク・低リターン

※空室時のリスクは高い

高リスク・高リターン
購入価格

中古:1000万円~

新築:3000万円~

中古:1億円~

新築:2億円~

相続対策 圧縮できる価額が少なく効果は低め 圧縮できる価額が多く効果が高い

 

また区分マンションを購入した場合、管理組合の規約でリフォーム・リノベーションができない、入居の条件を緩和しターゲットを広げられないなど運営に制約が生じることがあります。

例えばペット可・女性専用物件は需要が高いため、家賃が割高でも入居者が見つかることがありますが、管理規約で禁止されている場合は不可能となります。

時代やニーズに沿った柔軟な運営を行いたい場合には、1棟マンションが適しているでしょう。

ワンルームマンションは「空室になった時に家賃収入がゼロになる」とお伝えしましたが、一棟マンションの場合は空室リスクを分散する事が出来ます。

例えば一棟マンション(15戸)を購入し、入居率が80%の場合、12戸は家賃収入が得られる状態という試算になりますので一棟マンションの方が空室リスクを分散できるという結論になります。

タワーマンションは相続対策として有効?

これまで区分マンション、一棟の違いをお伝えしていきましたがタワーマンションは節税効果が高いと言われています。

タワーマンションの高層階の部屋は価格が高いが固定資産税評価額が低く算出されるため、、価額の圧縮効果が高く相続税をより節約できるという仕組みです。

ただし2017年の税制改正により、高層階の固定資産税は取引価格を反映させることになりました。

2021年5月現在、評価額の減額などの報道はありませんが、税金対策のタワーマンション相続に追加で税金を課された事例があり、今後の動向が注目されています。

タワーマンションでの相続対策は、税制改正の可能性がある事を念頭に置いておきましょう。

東京の一棟マンション投資が相続対策として有効な理由3つ

相続対策としては、一棟マンション投資が区分マンションより効果が高い事例が多いです。

全国的に少子高齢化と人口減少が進む中、東京、特に「南関東」は15~64歳の人口が増えると予測されており、加えて東京の物件は資産価値が落ちにくいため、将来的にも高い需要が見込めます。

マンション投資で「一棟・東京」を選ぶべき理由を3点ご紹介します。

1.資産としての価値が落ちにくい

一棟マンションは、区分マンションに比べ投資効率が高く利回りは高めになっています。不動産の資産価値の指標の1つに「収益性が高い」ことが挙げられ、利回りが高い物件は価格が高い傾向にあります。

資産価値が高くなるもう1つの条件はエリアです。都心の物件は利便性が高く、企業の本社が集中しています。全国的に人口減少が続く中、人口も伸び続けていますので都心の物件は資産価値が高い傾向にあります。

購入した物件の周辺価格が上がった場合、マンションの資産価値も高くなります。

東京の地価はコロナ禍で一度落ちたものの、「コロナショック」の前は緩やかに上昇を続けていたため、今後地価が上がる可能性は高くなっています。

(図版)国土交通省「令和3年地価公示の概要」より作成

2.購入価格が高いため多くの価額が圧縮される

先述のように一棟マンションは区分マンションと比べ購入金額が高く、多くの評価額が圧縮されます。

相続対策として行う場合、一棟マンションの方が十分な効果が期待できます。

3.南関東に「働き手」が集まる

マンション投資を行うにあたっておすすめの立地は「南関東」です。

東京の不動産は資産価値が下がりにくい事や人口が増加していることは上でお伝えしましたが、南関東では主な働き手である「生産年齢人口」が多いという特徴があります。

国立社会保障・人口問題研究所の発表した2018年の「日本の地域別将来推計人口」によると、全国の人口に占める15~64歳の人口割合は以下の通りに推移していくと予測されています。

出典:「日本の地域別将来推計人口」(国立社会保障・人口問題研究所)

北海道と東北は減少傾向にあり、中部や近畿などは横ばいですが、南関東では2015年に29.9%だったのに対し、2045年には33.9%と増加していくことが推測されています。

全国的に少子高齢化が進む中、企業が集中する東京に働き手が集まる事が予測され、長期的に賃貸経営のニーズが見込まれます。

相続対策は不動産小口化商品から

ここまで、一棟不動産投資が相続対策として有効であるということをお伝えしてきましたが、「マンションの購入はちょっと…」「一棟投資を行うほどの財産が無い」という方には、「不動産小口化商品」という選択肢もあります。

不動産小口化商品は、不動産を数万円~1000万円程度に小口化した商品です。「匿名組合型」と「任意組合型」というタイプがあり、任意組合型の場合は相続税評価額が圧縮率7割で算定されます。

小口化されていることから相続で分割しやすい点も魅力となるので、「不動産経営をプロに任せたい」「少額から始めてみたい」という方には「不動産小口化商品」という選択肢を加えてみてはいかがでしょうか。

 

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