[相続対策50の新常識] #32 不動産投資でよくある失敗理由!【サブリース編】

2021.04.19

今回は不動産投資でよくある失敗理由!【利回り編】につづき、【サブリース】の観点から失敗理由と注意点を紹介していきたいと思います。

「家賃保証」があれば空室リスクはゼロになるということはありません。サブリースには落とし穴があることを理解しましょう。

(本記事は、税理士法人チェスター監修 株式会社フェイスネットワーク蜂谷二郎著書『不動産活用で資産を守る 相続対策50の新常識』の中から一部を抜粋・編集した記事です)

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世間を騒がせたシェアハウスのサブリース契約を巡るトラブル

少し前、女性専用シェアハウスを巡るサブリースでトラブルが発生し、そのオーナーたちの多くが自己破産に追い込まれたことがニュースなどでも取り上げられました。

サブリース契約を結んでいたにもかかわらず、運営・管理を行う会社から保証されていたはずの家賃が振り込まれなくなったのです(その後、同社は経営破たん)。

このサブリース契約とは、いったいどのような仕組みのものなのでしょうか?より多くの人がそのリスクを事前にきちんと把握できていれば、このような悲惨な事件は発生していなかったかもしれません。

サブリース契約
オーナーから賃貸物件を一括で借り上げたうえで、それを第三者(サブリース業者)に又貸しするという仕組み

 

 

サブリース業者は入居者の募集や賃料の回収などを担う一方で、空室が発生していても満室分の「保証賃料」をオーナーに支払うという契約になっています。ここまで説明を受けただけでは、「空室リスクはなくて安心だ」と思うとかもしれません。

数年おきの見直しで「保証賃料」の減額や契約の解除も!

しかし、サブリース契約には特有のデメリットも存在しているのが現実です。まず、冒頭でも触れたように、サブリース業者の経営が成り立たなくなれば、「保証賃料」が入ってこない可能性があります。

また、支払いが約束されているのはあくまで「保証賃料」であり、全室全額分の家賃収入ではありません。サブリース会社の手数料を差し引いた金額であり、つねに本来の賃料を下回る収入しか得られなくなっています。

それでも空室リスクを回避できるなら仕方がないと思うかもしれませんが、サブリース契約では数年おきに契約内容の見直しが行われることには要注意です。

それまでの入居率や建物の経年劣化などを理由に、「保証賃料」の減額が提案されることが少なくありません。オーナーが新たな条件を了承できなければ、一方的に契約を解除されることもあります。

さらに言えば、入居者と賃貸借契約を結んでいるのはサブリ―ス業者で、礼金や更新料を受け取るのも同業者です。したがって、オーナーはそれらの収入を得られないというケースが一般的です。

このように様々なリスクが関与してくることは、十分に認識しおいたほうが無難でしょう。安易にこうした契約を利用するよりも、空室が発生しにくく、退去者が出てもすぐに新たな入居者が見つかりやすい魅力的な賃貸物件を購入することに主眼を置くのが基本です。

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