- あなたの物件の価値を査定できます。
-
「売却価格は適切なのかな?」
「売れるまでにどれくらいの時間がかかるのかな?」
戸建てを売却するとき、不安に思うことはたくさんありますよね。
そんなあなたの不安を解消するために、ここでは戸建て売却の各フェーズでの注意点をまとめました。
戸建て売却は大きな決断ですが、正しい情報と適切な準備をすることで、不安を解消できます。
⇒【2023年】不動産売却完全ガイド!初めてでも分かる売却の流れやポイントを解説
⇒家を売るには何から始める?売却の基礎知識やコツ・注意点を徹底解説
- 1 1.売却前に注意しておきたいポイント
- 1.1 1-1.売却のタイミングを見極める
- 1.2 1-2.登記に相違がないかチェックする
- 1.3 1-3.適正な価格を見極める
- 1.4 1-4.適正な価格設定のために相場を知る
- 1.5 1-5.戸建ての現況をきちんと把握する
- 1.6 1-6.過剰な値下げをしないよう最低売却価格を設定する
- 1.7 1-7.ローン残債がある場合は完済方法を決めておく
- 1.8 1-8.不動産会社選びは妥協しない
- 1.9 1-9.なるべく早く売りたい・現金化したいなら「買取」で契約する
- 1.10 1-10.周囲に内緒で売却したいなら売却方法とコミュニケーションツールを正しく選択する
- 1.11 1-11.時間と手間を省くために工夫して不動産会社を選ぶ
- 1.12 1-12.大手だからという理由では不動産会社を選ばない
- 1.13 1-13.査定額だけで不動産会社を選ばない
- 1.14 1-14.机上査定のみで不動産会社を選ばない
- 1.15 1-15.住み替え資金計画のために売却にかかる費用を考える
- 1.16 1-16.仲介の契約スタイルをしっかり選ぶ
- 1.17 1-17.安易なリフォームはしない
- 1.18 1-18.更地にするかどうかはしっかり判断する
- 1.19 1-19.空地を将来的に利用する計画がないのなら早めに売る
- 1.20 1-20.メンテンナンスは適切に行う
- 1.21 1-21.内覧の印象に注意する
- 1.22 1-22.売り先行・買い先行、どちらがいいか状況を見極める
- 1.23 1-23.戸建ての不具合は放っておかない
- 1.24 1-24.売却益にかかる税金を把握しておく
- 1.25 1-25.不動産会社選びは会社以上に担当者の人柄に着目する
- 1.26 1-26.売却スケジュールには余裕を持たせる
- 1.27 1-27.買取保証の契約はデメリットを理解してから決める
- 1.28 1-28.オーバーローンの場合も考えておく
- 2 2.売却中に注意しておきたいポイント
- 3 3.売却契約時に注意しておきたいポイント
- 4 4.売却後に注意しておきたいポイント
- 5 5.まとめ
1.売却前に注意しておきたいポイント
ここでは売却前の不安を払拭するために具体的な注意点をご紹介します。
売却における成功の秘訣は、売却前の丁寧な準備にあります。
しっかり確認して成功への一歩を踏み出しましょう。
1-1.売却のタイミングを見極める
不動産売却のタイミングは重要です。
タイミングを間違えると、売り時を逃してしまう可能性があります。
売れ残りの原因にならないよう、注意が必要です。
まず、戸建ての売り時を考える上で重要なのは、築年数です。
木造の場合、築20年で価値がほぼゼロと言われています。
さらに、築10年を超えると急激に価値が下落する傾向がありますので、築年数には注意が必要です。もちろん、全ての物件が同じというわけではありませんが、一般的な傾向として覚えておくと良いでしょう。
また、税金にも注目しましょう。
築5年を超えると、税金が安くなります。
さらに、築10年を超えると軽減税率の特例が受けられますが、価値も劇的に下がる傾向があるため、注意が必要です。
税金も、売却のタイミングを考える上で重要なポイントとなります。
所有年数 | 譲渡所得の区分 | 税率 |
---|---|---|
5年以下 | 短期譲渡所得 | 所得税30%・住民税9% |
5年超え | 長期譲渡所得 | 所得税15%・住民税5% |
10年超え | 軽減税率の特例 | 6,000万円までの部分:所得税10%・住民税4% 6,000万円を超える部分:所得税15%・住民税5% |
さらに、引っ越しの多い季節や地域の市場、経済状況も考慮しましょう。
新生活や転勤などで引っ越しが増えるのは、主に2~3月です。この時期が引っ越しのピークであり、需要も高まりやすいのです。
ですので、遅くとも2月には売却活動に入っておくことがおすすめです。
また、物件の所在地の地域市場に関する情報を調査することも重要です。
地域によって需要や市場の動向は異なるため、十分な情報収集を行いましょう。
そして、経済状況も不動産売却に大きな影響を与えます。
景気が良く、金利が低い時期は需要が高まる傾向があります。
このような状況下では、売り時として良いチャンスが訪れる可能性があります。
⇒不動産の売却に適した時期はいつ?
1-2.登記に相違がないかチェックする
あなたの大切な家を売る際、一つ一つのステップが重要となります。
一番手間がかかると思われがちなのが、書類の準備ですよね。
- ・身分証明書
- ・土地・建物登記済証または登記識別情報(権利証)
- ・固定資産税納税・都市計画税納税通知書
- ・物件の図面、設備の仕様書
- ・売買契約書(任意)
- ・重要事項説明書(任意)
- ・建築設計図書、工事記録書(任意)
- ・耐震診断報告書、アスベスト使用調査報告書(任意)
その中でも特に重要なのが登記情報の確認です。
売却にはいくつかの重要な書類が必要となります。
それらは物件の所有者、土地の位置や面積、建物の構造など、物件の詳細を証明するものです。
その中でも、特に重要なのが登記簿謄本です。
登記簿謄本には、物件の権利関係や建物の状況が詳細に記載されており、不動産取引において最も信頼性のある情報源となります。
ところで、ご自宅で増築を行ったり、物置を設置したりした経験はありますか?
また、屋根材を変更したり、建物の用途を住居から事務所や店舗に変えたことはありますか?
こういった変更があった場合、その情報は登記簿にきちんと記載されているべきです。
もしも、登記簿に記載されている情報と現状が異なる場合、それは大きな問題となります。
これは、売却手続きを進める中で、突然のトラブルの原因となることがあります。
床面積の変更のないリフォームは基本的には登記の必要はありません。
しかし、床面積を増やす増築工事においては増築登記が必要です。
登記の内容と現状が一致していなければ、その不一致が売却価格を下げる原因となり、最悪の場合、売却そのものが難しくなることもあります。
登記情報は、所有権の移転手続きだけでなく、購入者に対する信頼を築くための大切な要素です。
だからこそ、売却前に登記簿謄本を確認し、現状と異なる部分がないかチェックすることが大切なのです。
手間はかかるかもしれませんが、確認を怠らず、安心と信頼のある売却を進めていきましょう。
⇒不動産売却で必要となる書類
1-3.適正な価格を見極める
戸建ての売却において最も重要な要素の一つが適正な売却価格を設定することです。
売却価格が適正でないと、想像以上にその戸建ては売れ残りの原因となる可能性があるのです。
適正価格を見極めるためにはまず、相場の把握を行うことが重要です。
なるべく早い段階、査定を依頼する前に、近隣の同じような物件がどれくらいの価格で売却されているのかをチェックしましょう。
その情報を参考に、自分の物件がどれくらいの価格で売れる可能性があるのか、ある程度の予測が立てられます。
しかし、ここで注意点があります。
実際のところ、戸建てはマンションとは異なり、売り出し価格と最終的な売却価格は大きく異なる場合が多いのです。
売り出し価格よりも約2割ほど低い価格で売却されることが多いと言われています。
だからこそ、適正価格の設定には細心の注意が必要です。
価格設定を行う際には、売り出し価格と最終的な売却価格が異なる可能性があることを念頭に置きつつ、自分の戸建ての価格が高すぎないかどうか、慎重に見極めていくことが求められます。
- ・近隣の同様の物件の価格や売り出し状況を調査し、現在の市場価値を把握する
- ・修繕が必要な場合には、その費用を考慮して価格を設定する
- ・鑑定評価を受ける
- ・買い手のニーズや市場の競争状況を考慮する
- ・不動産業者や不動産コンサルタントに相談し、専門家の意見を聞く
鑑定評価は主に市場価値や適正な売却価格を客観的に評価するために行われます。鑑定評価の主な目的は、買い手や金融機関に対して不動産の価値や評価を提供することです。
慎重に適正価格を見極めましょう。
1-4.適正な価格設定のために相場を知る
自宅という大きな資産を売却するとき、適正価格を把握することは非常に重要となります。
相場の把握は適正価格を考えるのに必須で、それが売却成功の鍵となります。
しかし戸建ての場合、マンションと違って不動産ポータルサイトでは類似したものが見つけにくいことも少なくありません。
そのため、相場の調査方法に工夫を凝らすことが求められます。
まず、不動産情報サイト「レインズマーケットインフォメーション」や「土地総合情報システム」を活用しましょう。
ここでは、似たような条件の物件がどれくらいで売られているのか、過去の取引実績などを調べることができます。
ただし、条件を広げすぎると、比較対象がぼやけてしまい、適切な価格設定が難しくなる可能性もあります。
また、過去の情報であるため、最新の市況によっては価格が変動している可能性があることを念頭に置いてください。
それでも近所に同じような物件がない時は、 相続税路線価や固定資産税評価額を参考に調べることが有効です。
これらは公的な指標であり、土地や建物の基準価格を示しています。
相続税路線価は、国税庁が毎年公表している価格で、相続税や贈与税の計算に用いられます。
そのため、相対的に公平な土地価格がわかるといえます。建物の価値は含まれていないことに注意しましょう。
一方、固定資産税評価額は、市町村が設定する土地や建物の価格で、固定資産税の算出に用いられます。
具体的には、土地や建物の面積、地域、築年数、建築基準法に基づく建築物の構造などの要素をもとに計算され、通常は市場価格よりも低い値となります。
相続税路線価や固定資産税評価額は、不動産の価格を判断するための参考の一つとなることは確かです。
しかし、これらの価格は行政が設定した基準によるもので、実際の市場価格とは必ずしも一致しないという点に注意が必要です。
市場価格は、物件の状態や立地条件、供給・需要のバランスなど、様々な要素によって決まります。
そのことを念頭に置いたうえで、適正価格の見極めるための参考値としましょう。
⇒実家の価値を正確に把握して、相続物件を有利に売却する方法とは?
1-5.戸建ての現況をきちんと把握する
売却を考えている戸建てが古くなってきた、いわゆる「中古物件」であるならば、より一層、現況把握の重要性が高まります。
もちろん、新築同様、古くなった家でも適切な価格設定や売り出し方をすることで、しっかりと売却を成功させることが可能です。
そのためには戸建ての現況をしっかり把握することが必要不可欠です。
なぜなら、売れるか売れないかは現況の把握とその後の戦略にかかっているからです。
まず初めに行うべきことは、自身の所有する土地の境界線の確認です。
土地の形状をはっきりさせることで、購入を考える方がその土地でどんな生活ができるのか、具体的にイメージしやすくなります。
- ・公的な書類(登記簿謄本・固定資産税評価明細書など)を利用する
- ・土地の角にある境界標(境界碑や境界柱)を確認する
- ・専門の測量士に依頼する
1. 筆界:登記簿に記載されている土地の範囲。明確な法的効力を持ちます。
2. 所有権界:実際に所有者が使用している土地の範囲。所有権界は、現地の状況や利用の実態によって変動する。
建ぺい率・容積率や、敷地と道路の接道状況も非常に重要なポイントとなります。
明確な情報を提供できるように、しっかり確認しておきましょう。
また、建物の劣化具体的な部分として、シロアリの被害や雨漏りの状況なども忘れてはなりません。
これらの状態を確認せずに売却を進めてしまうと、後々トラブルの原因となります。
劣化状況を正確に把握し、必要であれば適切な修繕を行うことで、売却成功への一歩を踏み出すことができます。
そして、このような現況を正しく把握することで、適切な修繕ができ、適正価格で売る戦略も考えられます。
それができると、買い主も見つかりやすくなるのです。
そのためには、事前の情報収集やプロの意見を取り入れることも大切です。
⇒不動産売却時のインスペクション|売主側が行うインスペクションのメリットと注意点
⇒不動産の売却に「測量」は絶対必要? 測量の必要性について
1-6.過剰な値下げをしないよう最低売却価格を設定する
焦りからくる過剰な値下げをしないためにあらかじめ納得できる最低売却価格を設定しましょう。
値下げをすることで売却を早めることは可能ですが、売却価格が予定していた金額を大きく下回ってしまい、後悔の残る結果を招くことも少なくありません。
そんな悲しい結果を避けるためにも、焦らず慎重に価格設定を見直すことが求められます。
あらかじめ納得できる最低売却価格を設定しておけば、これが自分の売却に対する「ライン」となります。
価格を見直す際には、この「ライン」を守ることを意識しましょう。
その結果、少なくともこの価格なら、新生活に向けて前向きになれるという安心感を得られるはずです。
次に値下げを検討するタイミングについてです。
まずは、戸建てはマンションに比べて個々の特性が強いため、売却に時間がかかることを理解することが重要です。
では、いつ価格を見直すべきなのでしょうか。
一般的には、売り出して3カ月以上経過しても売れない場合を目安にするとよいでしょう。
3カ月というのは、新たな物件を探している買い手が市場全体を一巡するのに適した期間と言われています。
このタイミングで売れていない場合、価格に問題がある可能性が高いのです。
戸建ての売却は一歩一歩、慎重に進めていくことが大切です。
1-7.ローン残債がある場合は完済方法を決めておく
ローン返済が残っている戸建ても売却は可能です。
しかしその場合、重要なのは、ローン残債を確認することです。
一度でもローンを組んだ経験がある方ならご存知の通り、ローンとは基本的に返済義務があるお金です。
そのため、売却前にまずは残債を把握し、全体の計画を立てることが肝心です。
売却益でローンを返済するという方法もあります。
そのためには不動産仲介会社や金融機関に事前に相談し、同時決済できるようにする必要があることも覚えておきましょう。
ここで特に注意していただきたいのは、売却益で全てのローンを賄えない(完済できない)場合もあるという点です。
その場合もしっかり対応できるように準備しておきましょう。
具体的な手段として住み替えローンの検討をお勧めします。
それにより、残ったローン返済と新たな住宅ローンを円滑に組み合わせることが可能となります。
不安を取り除くためにも、詳しい情報を知り、適切な計画を立てましょう。
⇒家を売るのは住宅ローン返済中でも可能?売却までのステップを解説
1-8.不動産会社選びは妥協しない
戸建て売却を考えている人たちにとって、選ぶべき不動産会社の選定は非常に重要です。
なぜなら、それが成功への一番の鍵を握るからです。
信頼できる不動産会社(担当者)を慎重に選ぶことが、戸建て売却成功のための最優先事項と言えます。
なんとなく地元で有名な会社に頼んだ結果、思うような売却額にならなかったという後悔をしたくありませんよね。
そのためには1社だけではなく、複数の不動産会社に査定を依頼することが有効です。
そして、その中から査定額が適切で、親身に対応してくれる会社を選択するのが理想的です。
妥協せずに適切な会社を選ぶことで、あなたの大切な戸建てを適正価格で売却することが可能になります。
さらに注意してほしいのは、不動産会社が得意とする分野です。
マンション売却が得意な会社では、思うような結果が得られない可能性があります。
実は、マンションと戸建てでは売却の戦略が全く異なるためです。
戸建て売却を得意とする不動産会社を選ぶことが重要です。
その会社なら、地域性や物件特性を考慮した適切な売却戦略を提案してくれるでしょう。
1-9.なるべく早く売りたい・現金化したいなら「買取」で契約する
皆さん、お家を売るときに何を一番大切に考えますか?「売却価格」だと答える人も多いでしょう。
しかし、「時間」を重視する人にもいるのではないでしょうか。
売却の方法には仲介・買取が存在しますが、時間を重視する方には、買取が一番適しています。
買取とは、不動産会社が直接買い取ることで、すぐに現金化できる売却方法です。
買取 | 仲介 | |
---|---|---|
買い主 | 不動産会社 | 主に個人 |
売却期間 | 最短数日~1週間程度 | 3~6カ月程度 |
売却価格 | 仲介の6~7割 | 相場に合った価格 |
仲介手数料 | なし | あり |
契約不適合責任※ | 問われない | 問われる |
(※契約不適合責任について知りたい方はこちらをご覧ください。)
ただし、買取の場合は売却価格が仲介の7~9割程度に下がることが一般的です。利便性と引き換えに、ある程度の価格下落は覚悟しなければなりません。
それでも良いという方には、買取なら買い主を見つける手間なく不動産会社が買い取ってくれるので即時に現金を手にすることができます。
一方、価格を最優先に考える方は、仲介を選択しますが、仲介を選ぶと少なくとも3カ月はかかることが一般的です。
仲介の場合は、より多くの買い主候補を見つけるための時間を取る代わりに、価格を最大限引き上げることができます。
しかし、その分、売却までの時間が長くなります。
時間がかかるということは、その間に市況が変動するリスクもあります。
つまり、時間を重視するか、価格を重視するかによって選択肢が変わるのです。
⇒不動産仲介とは?契約の種類や売却までの流れ、成功のコツを徹底解説
⇒「仲介」「買取」どちらが高く売れる?|不動産売却ノウハウ
買取についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
⇒不動産買取とは?メリットや実際の流れ、仲介との違いを徹底解説!
1-10.周囲に内緒で売却したいなら売却方法とコミュニケーションツールを正しく選択する
戸建ての売却を検討しているけれど、周囲に知られたくないなら、売却方法の選択は非常に重要となります。
特に、売却方法は買取と仲介がありますが、周囲に知られずに進めるのであれば、買取が最適な選択となります。
なぜなら、買取を選択すれば、物件が一般に公開されることがないため、周囲に知られることなくスムーズに戸建てを売却することができます。
買取とは、不動産会社が直接あなたの物件を買い取る方式で、仲介と違い物件情報が公開されることが少ないのです。
一方で、仲介を選択する場合は宣伝ツール・コミュニケーション方法に注意が必要となります。
仲介とは、不動産会社が売主と買主をつなぐ形で売買を進める方法で、一般的には物件の情報が公開されます。
しかし、近所に知られたくない場合、なるべく拡散されない宣伝方法を選択することが重要です。
そのためには、担当者と相談し、プライバシーを尊重した広告宣伝方法をお願いすることが大切です。
しかし、そうすると売却までの時間が長引いてしまいます。
プライバシーを確保しながら売却を進めるためには、仕方のない部分と言えるでしょう。
また、担当者が家を訪れたり、自分が不動産会社に出向いたりする機会を減らすため、コミュニケーションツールにはメールや電話などを採用してもらえるところを選ぶことも重要です。
通常の業務はリモートでも問題ない場合が多く、直接会う機会を減らすことで、周囲の人に売却を知られにくくなります。
⇒秘密裏に不動産を売却する方法とは?手順やコツ、注意点を徹底解説
1-11.時間と手間を省くために工夫して不動産会社を選ぶ
不動産を売却するとき、適切な不動産会社を選ぶことは非常に重要です。
しかし、その選び方が難しく、時間と手間がかかることが一般的です。
査定を依頼する不動産会社の数は、一概には決められませんが、一般的には2〜4社から査定を受けることがおすすめです。
たくさんある不動産会社から4社に絞るなんて、大変そうだと感じるかもしれません。
このような場合は、一括査定サイトを利用することが一つの解決策となります。
一括査定サイトを利用すれば、自分の条件を入力するだけで、複数の不動産会社から一度に査定を受けることが可能になります。戸建て売却が得意な不動産会社を自分で複数社探すのは時間も手間もかかりますが、この方法を使えば希望に沿った不動産会社が短時間で見つかり、効率的に会社をピックアップすることができます。
ただ、注意点として最初から一括査定サイトで査定を依頼して、そのまま契約を結んでしまうのはおすすめしません。
一括査定サイトで見つけた2~4社を候補に挙げ、訪問査定を依頼しましょう。
訪問査定の対応を見て、信頼感や相性、実力を確認した上で契約する1社を決定するのが良いでしょう。
⇒厳選23サイト!不動産一括査定サイト比較ランキングとおすすめポイント
1-12.大手だからという理由では不動産会社を選ばない
大手不動産会社のほうが売却に成功しやすいと思われるかもしれませんが、大手だからと言って必ずしも買い主が見つかりやすいわけではないことを認識しておきましょう。
確かに、大手不動産会社はメディアを駆使した多彩な宣伝方法があります。
しかし、その分担当者は多くの物件を抱えており、一件一件に細やかな対応を期待するのは難しいかもしれません。
一方で、地元密着型の不動産会社は、その規模が小さい分、地元の情報を熟知しており、連絡も取りやすいというメリットがあります。
地元での知名度や信頼性、顧客とのつながりは大手にはない強みであり、売却に成功するための大切な要素です。
不動産会社を選択する際には大手から2社、地元密着型の不動産会社から2社、バランス良く査定依頼をすることをおすすめします。
その中から、あなたにとって対応の良かった不動産会社(担当者)を選ぶのです。
そして、大手を選ぶ場合でも、地元の情報に精通している必要があります。地元に支店があるところを選ぶことが大切です。
⇒大手が良いか地域密着型か。不動産売却に適した不動産会社を見極めるポイントとは?
1-13.査定額だけで不動産会社を選ばない
不動産の売却を考えている際に、提示された査定額が高いところと契約しようと一瞬で思ってしまう瞬間はありませんか?
その感情はとてもよく理解できます。しかし、その選択は必ずしも最善とは限らないのです。
逆に相場価格よりもかなり高い査定額を提示したときは、少し警戒した方が良いかもしれません。
なぜなら、契約を取りたくて高額を提示している可能性もあるからです。
高い査定額が出されたときには、どうしてそのような額が出たのか、その背景や理由をしっかりと説明してもらうことが大切です。
そして、それが納得できる説明であるかどうかを見極めてみましょう。
さらに、不動産会社を選ぶ際には、査定額だけでなく、担当者の人柄や対応の良さなども大切に考えることをおすすめします。
売却のプロセスは一筋縄ではいかないことも多く、その際に信頼できる担当者と共に進めていくことがスムーズな売却につながります。
査定額だけでなく、他の要素も考慮に入れて不動産会社を選びましょう。
1-14.机上査定のみで不動産会社を選ばない
不動産売却に際しての「机上査定」はご存知でしょうか?これは、現地を訪れずに行う査定のことを指します。
手軽さが魅力であり、近隣に売却情報を知られず、また訪問の手間を省くことができます。
しかし、注意が必要なポイントもあります。
机上査定だけで契約を決めてしまうと、査定の精度が低い上に、担当者の印象も把握しづらいのです。
これは、買取価格の最大化や、ストレスのないスムーズな取引にはマイナス要素となります。
ここでは机上査定と訪問査定を適切に組み合わせた売却の進行方法をご提案します。
まず、一括査定サイトを利用して6〜10社の不動産会社に机上査定を依頼します。
これならば、近所に知られることなく、また訪問者を受け入れることなく査定を受けられます。
次に、その中から査定額が納得できる2〜4社を選び、訪問査定を依頼します。
これにより、売却価格の見極めや担当者の人柄を確認できます。
そして最後に、対応が良かった1社を選択して契約を進めます。
1-15.住み替え資金計画のために売却にかかる費用を考える
不動産売却を成功させ、スムーズな住み替えを実現するためには、売却にかかる費用を把握することが大切です。
売却の際には仲介手数料や印紙税、登録免許税などの費用が必要になります。
一方で、費用の算出を怠ると、意図した資金額を把握することが難しくなります。
より具体的に見ていきましょう。
まず、不動産売却の大きな費用要素である仲介手数料です。これは、不動産会社があなたの代わりに売却作業を行う対価となります。
また、売却金額に対して一定のパーセンテージが設定されていますので、売却価格によって変動します。
次に、契約書に貼られる印紙税です。これは契約書を公的に認めるための税金で、売却価格により変動します。
さらに、物件の所有権移転を法的に明確にするための登録免許税も必要です。
この税金も物件の価格や評価額によって異なります。
加えて、住宅ローンが残っている場合、その抵当権を抹消するための司法書士費用が必要となります。
しかし、これは自身で行うことも可能です。
そして、売却益が出る場合には譲渡所得税もかかります。
売却価格が購入価格を上回った場合、その差額に対して税金が発生します。
実はまだ終わりません。
住み替えには引っ越し費用やハウスクリーニング代などの諸費用も必要です。
これらも住み替えの資金計画に含めるべき項目です。
全てを把握した上で、売却による収入と支出を計算すると、予定資金額が正確に見えてきます。
将来の生活を左右する重要な決断ですから、しっかりと計画を立ててスムーズな住み替えを迎えましょう。
費用の種類 | 内容 |
---|---|
仲介手数料 | 不動産会社に支払う手数料。成約価格や地域・不動産会社による。 |
印紙税 | 売買契約書に貼る印紙にかかる税金で、契約金額により変動 |
登録免許税 | 所有権移転登録をする際に必要となる税金。抵当権抹消のために費用がかかる。 |
譲渡所得税 | 売却益が出た場合に必要な税金で、所得税法に基づく計算方法で決まる |
司法書士費用 | 抵当権抹消などを依頼する場合にかかるが、自分で行うことも可能 |
メンテナンス費用 | ホームインスペクションやハウスクリーニング、不具合の修繕にかかる費用。任意。 |
引っ越し.仮住まい費用 | 引っ越し費用。新居に引っ越すまでの間に住む仮住まいの費用も必要な場合がある。 |
⇒不動産売買にかかる仲介手数料とは?算出方法や上限額などを解説
1-16.仲介の契約スタイルをしっかり選ぶ
仲介の契約スタイルをしっかり選ぶことが大切です。
まず知っておきたいのは、不動産の仲介契約には大きく3種類あるということです。それが一般媒介契約、専任媒介契約、そして専属専任媒介契約です。
一般媒介契約とは、売り手が複数の不動産会社と契約できるスタイルで、たしかに広告の面では有利かもしれません。
しかし担当者にとって優先順位が低くなってしまう可能性があるのです。
一方、専任媒介契約や専属専任媒介契約は、売り手が1つの不動産会社とだけ契約するスタイルで、担当者が全力でサポートしてくれます。
一社だけとなると限定的で適切な価格で早く売れるか心配になるかもしれません。
しかし心配は無用です。
専任の契約では、担当者が売り主のために全力で動いてくれます。
全力を尽くすため、適切な価格設定や販売戦略を立てることが可能となるのです。
結論としては、3つの契約スタイルを理解し、自分の求める契約条件が満たされるものを選択することが重要です。
というのも、あなたが「複数の不動産会社と契約することで、より多くの人々に物件を見てもらいたい」と考えるなら、一般媒介契約が適しているでしょう。
しかしながら、あなたが「一社に専念してもらい、全力で自分の物件を売却してほしい」と考えるなら、専任媒介契約や専属専任媒介契約がおすすめとなるのです。
契約スタイル | 特徴 |
---|---|
一般媒介契約 | ・レインズ登録任意※(詳しくはこちらへ) ・自己発見取引可能※(売り主自信が買い主を探すこと) ・契約有効期間制限なし※(行政指示では3カ月以内) ・複数契約可能 |
専任媒介契約 | ・7営業日以内にレインズ登録 ・自己発見取引可能 ・契約有効期間3カ月 ・複数契約不可 |
専属専任媒介契約 | ・5営業日以内にレインズ登録 ・自己発見取引不可 ・契約有効期間3カ月 ・複数契約不可 |
⇒不動産売却時の媒介契約とは?専属専任・専任・一般媒介契約の違い
1-17.安易なリフォームはしない
戸建てが古いと思い、リフォームはした方がいいか迷っていませんか?
綺麗にしよう、新しい設備をつけようという気持ち、痛いほど分かります。
しかし、実はそのリフォーム、安易に行うと売却の足かせになってしまう可能性があるのです。
なぜでしょうか。
それは求める使い勝手やデザインが人それぞれだからです。
新しいキッチンを設置したとしても、それが全ての人の好みに合うとは限らないのです。
「自分だったらこんなキッチンが欲しい」と思う感覚は、必ずしも他人と一致するとは限らないのです。
特に築年数が多い物件を探している人は、自分でリフォームを希望している場合が多いことを伝えておきましょう。
古い家の雰囲気を生かしながら、自分好みに手を加えたいと思っているのです。
自分で選んだ設備、自分で選んだデザインでリフォームしたいと考えている方々にとって、既にリフォームされた物件は逆に選択肢から外れてしまう可能性があります。
加えて、現代の不動産市場ではなるべく費用を抑えた中古物件を購入し、自分でのリフォームを考える買い主が多いため、売却のためにリフォームすることは、必ずしも売却に有利に働くわけではありません。
では、どうすればよいのでしょうか。
ハウスクリーニングが一つの有効策です。
キレイな状態であれば、自分でリフォームする余地もあるし、何より快適に住めると考える買い主は多いからです。
⇒築年数が経過した中古不動産は売却前に修理や修繕をした方が売りやすい?
⇒不動産を売却するなら内覧前に清掃しておきましょう
1-18.更地にするかどうかはしっかり判断する
まず始めに知っておいてほしいことは、古い家屋が建っているままでも、それなりの価値があるかもしれないという事実です。古い家がある土地でも、しっかりと査定を受けることで売却が可能な場合があります。
不動産市場には多様なニーズがあり、古い家屋でもリノベーションを望む人や建築家がいるかもしれません。
思いもよらない高い査定結果が出ることもあるのです。
家屋を解体する前に、まずは専門家の意見を聞くことをおすすめします。
更地にすれば価格が上がると考えがちですが、更地にすることのメリットとデメリットをよく理解しておくことが大切です。
更地にすることで見た目がスッキリし、買い手がイメージしやすくなるというメリットはありますが、それと同時に解体費用が発生すること、また、税率が上がる可能性があることも忘れてはなりません。
家屋のタイプ | 費用 |
---|---|
木造 | 1坪あたり2万5,000円から4万円 |
鉄骨 | 1坪あたり3万5,000円から6万円 |
RC造 | 1坪あたり4万5,000円から8万円 |
※これに、廃棄処理費用が1立方メートルあたり1万5,000円から4万円かかります。
土地を売却する際の重要なポイントは、「自分の土地をどのように活用したいのか」、「どのような買い手に売りたいのか」を明確にすることです。
土地を更地にするかどうかの決断は、それらの考え方から自然と生まれてくるはずです。
古家付き土地は、その名の通り土地に古い建物が含まれた物件です。購入者は通常、古い建物をリノベーションするか、取り壊して新しい建物を建てるためにこれらの物件を購入します。
売り主は建物撤去の費用や手間を掛けずに売却でき、需要がある場合には高額での売却も望めます。
⇒古い家の解体費用はどれくらい?更地にするメリット・デメリットとは
1-19.空地を将来的に利用する計画がないのなら早めに売る
毎日忙しく働いていると、相続した空き家の管理がなかなか難しいものです。
せっかく手に入れたものなのに、どう活用すればいいのか見当がつかず、売るべきか、それとも持ち続けるべきか迷ってしまうのは当然のことかもしれません。
しかし、空き家は、管理が難しい状況で将来的に活用する明確な予定がないのなら早く売った方が良いのです。
まず、その答えの核心は税制にあります。
日本の税制では、空き家を相続してから3年10カ月以内に売却すると、特例として売却益の税金が軽減されるルールがあります。
つまり、これを逃すと大きな損失につながる可能性があるのです。
売ってしまった後で使い道が見つかったらどうしようと心配になるのは自然な感情ですが、空き家を長期間放置しておくと、経済的な損失だけでなく、管理費用や維持費用も増えてしまいます。
それに、将来的に使う予定がないのなら、売却して手に入れたお金を別の投資に使うこともできます。
しかし、ただ急いで売却するだけではなく、適切な価格で売ることが重要です。
そのためには、事前にしっかりと市場価格を調べて、適切な価格で売るための準備をすることが求められます。
もし名義人がすでに亡くなっていて、あなたが遺産相続人であるなら、相続手続きを経て、自分に名義を変更する必要があります。
⇒相続した土地・建物(不動産)を売却するならいつのタイミング??
⇒負動産とは?特徴や相続する前に知っておきたい注意点、対策を解説
1-20.メンテンナンスは適切に行う
戸建てを売り出す際、たくさんの潜在的な購入者が、中古物件は修繕が大変そうだと戸惑うことは少なくありません。
その理由は、不適切なメンテナンスにより潜在的なトラブルが見えない部分に潜んでいることもあるからです。
つまり、メンテナンスが適切に行われていない戸建ては売れ残る原因になることがあります。
メンテンナンスができてないことが原因で売れ残る不安を払しょくしたいのなら、ホームインスペクションを依頼して、物件の状態を把握しましょう。
ホームインスペクションは専門家による物件の調査で、様々な箇所の劣化状況や隠れた問題を見つけ出します。
これにより、修繕が必要な箇所を正確に特定できるのです。
特に水回りの故障、雨漏り、シロアリ駆除などは早めに対処しておくと、物件の価値が上がります。これらは大きなリスクとなり得るため、購入希望者からすると改修済みの物件は安心感があります。
しかし、必要以上の修繕は費用もかさむので、避ける方が無難です。
全てを新しくする必要はありません。
重要なのは、安心して住める状態であることと、新たな問題が起こりにくい状態であることです。
売却する際は新しいオーナーのことも考え、適切なメンテナンスが行われている状態を保つことが重要です。
きちんと手入れされた戸建ては、購入希望者の目にも安心感を与え、結果として早期に好条件で売却するための強力な後押しとなります。
⇒築年数が経過した中古不動産は売却前に修理や修繕をした方が売りやすい?
⇒不動産売却時のインスペクション|売主側が行うインスペクションのメリットと注意点
1-21.内覧の印象に注意する
まず大切なことは、内覧の時の印象が大事であるということです。
物件の立地や間取りなどは重要ですが、やはり直接見て判断する内覧の際に良い印象を持つことが購入者との契約につながるのです。
ここで思い出してほしいのは、新しい戸建てを探しに行ったときの感覚です。
「綺麗だな」とか「気持ちいいな」と思った物件への引き寄せられる力、それがまさに内覧の印象力なのです。
それでは、どのように内覧の印象を上げるべきか、ということですが、答えは、ハウスクリーニングです。
リフォームのほうがいいのでは?と思うかもしれませんが、実はリフォームは売り主の好みが反映されがちで、それが購入者にとってマイナスに働くこともあるのです。
しかし、見た目がきれいなマンションは誰もが好感を持つものです。
ハウスクリーニングによって清潔感を出し、目立つ汚れをなくすことで、内覧者にとって心地よい空間を作ることができます。
プロに依頼すべきか、自分でやるべきかは物件の状態や自分の手間を考えて決めると良いでしょう。
ただし、少なくとも目立った汚れや生活感が出るものは片付けておくことが重要です。
そのためにはリフォームよりもハウスクリーニングが有効です。
⇒不動産を売却するなら内覧前に清掃しておきましょう
1-22.売り先行・買い先行、どちらがいいか状況を見極める
皆さん、新たな住まいを探すとき、頭を悩ませるのは「先に今の家を売るべきか、それとも新しい家を買うべきか?」という問題ですよね。
この選択によって予想外の余計な費用が発生することがあります。
そこで今回は、買い先行と売り先行のメリット・デメリットを明らかにし、それぞれの状況にどの選択が適しているのかを解説していきましょう。
買い先行のメリット・デメリット
買い先行の大きなメリットは、引越しを一度だけで済ませることができ、新居もじっくり探せることです。
その反面、ローンが完成していない場合には二重ローンになる可能性があり、また売却価格によって資金が足りなくなる可能性もあります。
そうなると、計画外の追加資金を用意しなければならない可能性があります。
売り先行のメリット・デメリット
一方、売り先行の場合は、妥協せずに買い主を決定でき、売却益が先に出ることで新居の資金額がはっきりします。
しかしこの選択にも欠点はあります。
新居が見つかるまでの間、仮住まいをする必要が出てくるでしょう。
これが予想外の費用を生む一因となります。
基本的には、ローンが完済されている場合は買い先行がよいですが、それ以外は売り先行がおすすめです。
ただし、どちらを先行して始めても、売却物件の引き渡しと新居への引越しのタイミングを合わせることが理想的な選択です。
しかし完全なタイミングの合わせ方には制約が生じることがあり、難しいのが実情です。
- ・売却契約の条件や買い手の要望
- ・不動産市場の状況
- ・物件の選定にかかる時間
- ・融資手続きにかかる時間
⇒マンションの買い替え手順を解説!売るのと買うの、どちらが先?具体的な手順とポイントを紹介
1-23.戸建ての不具合は放っておかない
皆さま、戸建ての売却を考えているとき、不具合を隠しておいた方が高く売れると思っていませんか?
しかし、それが後々の大きなトラブルに繋がる可能性があることを知っていますか。
売却後に不具合が発見されると、売り主に契約不適合責任が科せられる可能性があるのです。
これは、売却物件が契約時に説明した通りの状態でないと判断された場合に生じる問題です。
戸建て売却において不具合があった場合は売却前に修繕を行うか、あるいは契約書にその事実を書き込む必要があります。そうすることで、後々の問題を防ぐことができます。
売却価格が下がるのは嫌だと思われるかもしれませんが、不具合を隠した結果、売却後に問題が発覚した場合、最悪のケースとして契約解除や賠償問題になる可能性もあります。
これは売却価格が下がる以上に深刻な結果です。
したがって、わかっていることは不動産会社にきちんと報告しましょう。
また、戸建て売却の際、売主が知らない不具合が発覚するケースもあります。
この場合でも、知っていたかどうかに関わらず、売り主に契約不適合責任が科せられることがあるのです。
具体的には、隠れた不具合であっても、通常なら売主が認識しているべきもの、あるいは売主が適切な点検やメンテナンスを行っていれば発見できたものについては責任が問われます。
売却前に物件の状態をきちんと調査し、発見した不具合は修繕したり、購入者に明らかにすることで、後のトラブルを防ぐことができます。
売却する物件について専門的な知識がない場合、不動産業者や建築専門家に相談するのも一つの手段です。
これにより、未発見の不具合を見つけ出す可能性があり、安心して売却することが可能となります。
⇒民法改正で瑕疵担保責任が契約不適合責任に!変更点や対策を徹底解説
1-24.売却益にかかる税金を把握しておく
戸建てを売却したら、そのまま全額が自由に使えると思っていませんか?
しかし、それは一部の真実でしかありません。なぜなら、売却益には税金がかかるからです。
売却益とは、売却価格から購入価格と売却にかかった費用を引いたものです。
この売却益に対して、所得税と住民税が課税されます。
具体的な税率は様々な条件によりますが、約15.315%以上が売却益から徴収されます。
税金の支払いは、売却益を得たすぐのタイミングでないことが多い(※メモ)ので、忘れがちです。
しかしこれを忘れてしまうと、住み替えなどに使う予定の資金計算が狂ってしまうことでしょう。
個人の所得税申告期限は、毎年2月16日です。ただし、土日・祝日の場合は翌日が申告期限となります。また、納税期限は一般的に3月15日です。
しっかりと事前に税金を考慮した計画を立てれば、スムーズに資金繰りができます。
⇒不動産売却時に課税される3つの税金|譲渡所得の計算方法
1-25.不動産会社選びは会社以上に担当者の人柄に着目する
不動産の売却を考えたとき、自然とどの不動産会社を選ぶべきかが気になるところでしょう。
しかし、驚くべきことに、会社を選ぶこと以上に、その中の担当者を見極めることが戸建て売却の成功に大きく関わるのです。
不動産の売却は個々の力量が大きく影響します。
その理由は、一つの物件に対する評価や戦略は、人それぞれで、その差が結果に直結するからです。
不動産会社の比較も大事ですが、それ以上に良い担当者を見極めることが重要なのです。
- ・返事が早い
- ・連絡が取りやすい
- ・戸建て売却の知識が深い
- ・地域の情報をよく知っている
- ・コミュニケーション能力が高い
- ・質問に対してごまかさず答える
- ・ネットワークが広い
一度選んだ担当者との関係が思うように進まない場合、途中での担当者変更も可能です。特に、媒介契約では報告頻度が決まっています。報告回数が契約で定められた数よりも少ない場合は、担当者の変更を検討することが大切です。
契約スタイル | 報告義務 |
---|---|
一般媒介契約 | 任意 |
専任媒介契約 | 2週間に一回 |
専属専任媒介契約 | 1週間に1回 |
不動産売却は一生に何度も経験するものではありません。だからこそ、安心して任せられる担当者を見つけることが理想です。そのための選択基準として、上記のポイントをお役立てください。
1-26.売却スケジュールには余裕を持たせる
戸建ての売却を考えるとき、多くの人が直面するのがそのスケジューリングです。
しばしば耳にする「戸建ては半年ほどで売れる」という話に安心しきっていませんか。
実は、その時間はあくまで売却活動の一部だけを指し、その先には見えないプロセスが待ち構えています。
売却活動開始から成約まで半年と聞くと、それが全体のスケジューリングのように思えますが、そこには売却活動以外にも重要なプロセスがたくさん存在します。
例えば、売却に向けた家の整理、売却活動開始前の事前準備、成約後の引き渡し準備など、これらも時間を要する作業です。
これらのプロセスを考慮に入れず、半年という期間だけを見てスケジュールを組むと、時間的な余裕がなくなり、精神的に追い詰められることがあります。
ここで大切なのは、プロセスを正確に理解し余裕を持ったスケジュールを組むことです。
そうすることで、もし予定がずれ込んだとしても焦ることなく、自身のペースで進めることができます。
まず、各プロセスを理解し、全体の流れを把握しましょう。
そして流れに沿って適切な期間を余裕をもって設定しましょう。
⇒時系列で解説!不動産売却の流れとスケジュール
1-27.買取保証の契約はデメリットを理解してから決める
買取保証契約には、魅力的な部分もありますが、全ての選択肢にはデメリットも存在します。
実は、それを十分に理解していないまま契約をすると、本来手に入れられたはずの金額を逃す可能性もあるのです。
買取保証を付けた不動産の売却活動は、期間を限定して行います。
つまり、売れなかったとしても最後には必ず買い取ってもらえるのが買取保証の特長です。
それはまるで、”買取の安全綱”のように感じられるかもしれません。
しかし、それが全ての事情を網羅しているわけではありません。
実は、自社で買い取ることが元から決まっている買取保証の不動産は、担当者の営業活動に力が入らない可能性があるのです。
つまり、ある程度の期間内で売れなければ自社で買い取ると決まっているので、それ以上の取引先を探す意欲が薄れる場合があります。
また時間的な制約があることにより、売却活動を急いだり、市場価格よりも低い価格で売却することが求められたりする可能性があります。
⇒買取で不動産を売却する|不動産の即時買取の特徴とメリット・デメリット
1-28.オーバーローンの場合も考えておく
いざ、自宅を売却しようとしたとき、売却価格がローン残債を下回ってしまったらどうしますか?心配になるのは当然ですよね。一瞬で動揺してしまうかもしれませんが、まずは落ち着いて、今の状況をしっかりと把握しましょう。
売却益がローン残債を下回った場合、ローンの完済ができないかもしれないという現実は、確かに厳しいものがあります。
しかし、冷静に考えると解決策が見つかるかもしれません。
まずは重要なことからお話ししましょう。ローンが完済できないと、抵当権の抹消ができません。
これは大変なことなので、必ず完済する必要があります。
抵当権とは、借りたお金を返すための「保証」の一種です。物件を売却しても、この抵当権が消えないと、新しい所有者に正しく所有権が移らないのです。
一般的に、抵当権は住宅ローンの担保として設定されます。住宅ローンを借りた際に、金融機関は不動産を担保として抵当権を設定します。この抵当権が存在する状態では、不動産の売却や他の融資活動に制約が生じます。
では、売却価格がローン残債より安い場合、どうすればよいのでしょうか。
ここで、住み替えローンをご存知ですか?
これは、新たに住居を購入する際に、既存の住宅ローンの残債を含めて新しいローンを組むことができる制度です。
つまり、売却価格がローン残債を下回った場合でも、このローンを利用すれば新たな住居を手に入れながら、古いローンの返済を続けることが可能なのです。
ただし、住み替えローンには利用条件があります。収入状況や信用情報など、各金融機関の審査に通る必要があります。
すべての人が利用できるわけではないので、注意が必要です。
物件を売却する際は、自分の状況を理解し、適切な選択をすることが重要です。
一見、困難に見える問題も、落ち着いて考えることで解決の道が見えてくることでしょう。
2.売却中に注意しておきたいポイント
売却活動中にもさまざまな疑問や心配事が頭をよぎることでしょう。
その不安を解消することで、スムーズな売却が実現します。
2-1.担当者に営業をまるなげしない
担当者に営業をまかせっきりにしていては、あなたが愛情をもって大切に住んできた戸建ての魅力を、担当者を通じて第三者に伝えきれていないかもしれません。
担当者も人間ですから、戸建てそれぞれに魅力が異なることを理解していても、具体的にどう違うのかを詳細に説明できる保証はありません。
では、どうすればよいのでしょうか。
ここで重要なポイントですが、売主であるあなた自身が担当者に具体的な戸建ての魅力を伝えることです。
住んでいた自分だからこそわかるもの、これらの情報をきちんと伝えることで、あなたの戸建ての価値を高めることが可能になります。
例えば、最寄り駅までの実測時間、校区の学習レベル、近くにある遊べる公園の有無、人気のレストラン、お買い物に便利な安いスーパーマーケット、周辺の治安など、あなたが日々の生活で感じたことや経験したことは、新たな住人にとっては貴重な情報になるのです。
- ・エリアの利便性(最寄りのスーパーやコンビニ、公園、銀行、病院などの位置とその便利さ。また、公共交通機関へのアクセスや通勤、通学の便利さ)
- ・周囲の騒音環境
- ・日当たり、風通し、眺望
- ・建物の状態とメンテナンス
- ・近隣との関係
- ・季節ごとの環境の変化(冬は寒い、夏は暑い、秋は風が強い)
- ・周囲の安全性
2-3.内覧時には片づけておくべき場所を見極める
家を売るとき、内覧は避けては通れない一大イベントです。
購入希望者にとって、これが初めての出会い、そしておそらく最も印象に残る瞬間となります。
まず考えるべきは、あなた自身が家を買うときに何をチェックしたいか、です。
一番はやはり自分の目線で考えてみること。これが最も大切なポイントです。
特に見落としがちなのが、収納スペースです。
クローゼットやシューズボックスなど、普段あまり見えない部分もしっかりと整理整頓しましょう。
購入希望者は、生活空間としての機能性を重視しますから、収納スペースの確認は欠かせません。
また、水回りもきれいにしておくことが大切です。
キッチンや浴室、トイレなどの清掃は、内覧の前日には必ず行いましょう。清潔感は、住み心地の良さを大いに影響します。
そして、日当たりや風通しについてもわかりやすくしておきましょう。
カーテンを開け、窓を開放して、明るく風通しの良い空間を作り出すと良いですよ。
逆に、暗い部屋や換気が不十分な部屋は、なるべく改善する努力をしましょう。
- ・昼間の明るい時間帯や騒音の少ない時間帯を選ぶ
- ・光(採光)と風(換気)の確保を意識する
- ・清潔感を演出する
- ・整理整頓する
- ・修繕が必要な箇所は事前に修理・メンテナンスを行う
- ・魅力的な特徴やポイントを重点的にアピールする
- ・内覧者のプライバシーを尊重し、他の人の目を気にしない環境を提供する
- ・丁寧な説明と質疑応答をする
⇒不動産を売却するなら内覧前に清掃しておきましょう
2-4.レインズの登録を意識する
みなさんは、レインズというシステムをご存知でしょうか。
その存在を知らないだけで、思わぬ不利益を被ることがあるかもしれません。
物件を出す側としては、レインズに登録すれば多くの人の目に留まることができます。
不動産業者間で情報が共有されるため、一般の物件掲示板よりも広範囲に情報が届くのです。
ですから、特別な理由がない限りは、物件を売り出す際にはレインズに登録することを強くおすすめします。
しかし、その一方で「他人に売却を知られたくない」という特別な事情がある場合、レインズへの登録は避けるべきです。
多くの人に情報が伝わるため、周囲に知られるリスクが高まります。
だからと言って、レインズを無視すれば良いというわけではありません。
登録せずに物件を売却しようとした場合、不動産業者や購入希望者から見ると、情報が見えない物件となります。
それはつまり、多くの人々の目に留まらず、売却のチャンスを逃す可能性があるということなのです。
⇒レインズの不動産検索方法とできること
2-5.囲い込みの対策を行う
不動産売却時、一部の不良業者による「囲い込み」という問題が生じていることをご存知でしょうか?
囲い込みとは、不動産会社が売主を独占し、一部の購入希望者だけに情報を提供することで、不当に安く物件を売却させる行為を指します。
囲い込みは違法ではなく法律では禁止されていません。
モラルの問題とされているだけなのです。
そのため、不動産売却を検討中の方は十分に警戒する必要があります。
では、具体的に囲い込みに対する対策はどのようにすればよいのでしょうか?
「囲い込みなどの対策はされていますか?」と、売却を担当する不動産会社に直接、はっきりと尋ねてみることが一つの方法です。
これにより、不動産会社側も対策を求められていることを認識し、抑止力になることが期待できます。
3.売却契約時に注意しておきたいポイント
次に戸建て売却の契約時に不安を抱くポイントをまとめました。
参考にして後悔のない契約を行いましょう。
3-1.手付金はすぐには使わない
手付金を受け取った瞬間、ほっと一息ついてしまうのも無理はありません。
だけど、ちょっと待ってください。その手付金をすぐに使うのは止めておきましょう。
なぜなら、契約が破棄になった場合、手付金は買い主に返金しなければならないからです。
契約に至ったからと言って、その時点で全てが確定したわけではありません。
契約後でも、例えば買い主が住宅ローンの本審査に通らない場合、ペナルティーなしで契約が破棄になることもあるのです。
そのような場合、手付金はそのまま返金となります。
つまり、手付金をもらったからといって、すぐに使ってしまうと、万が一契約が破棄になった場合に返金できなくなる危険性があるのです。
3-2.購入希望価格を忘れず確認する
買い主が現れると、売却価格として提示した金額で確定と思いがちですが、実はそれは一面の真実に過ぎません。
この先の旅路には、まだ見ぬ冒険が待っています。
買い主は「購入申込書」や「買付証明書」にて売り主に購入希望価格を提示します。
売り主はその価格をしっかり確認する必要があります。
買い主が提示した購入希望価格は、交渉のスタート地点となる可能性があります。
売り主は、購入希望価格を受け入れるか、それに応じて交渉を行い、売却希望価格を変更するかどうかを決定することができます。
物件に対する価値観が、売り主と買い主では異っています。
売り主が所有している物件の価値を高く見積もる一方で、買い主は自分が払うべき金額をなるべく抑えたいと考えます。
このため、予想以上に低い購入希望価格が提示されることは、あらかじめ心に留めておきましょう。
ここで一つ、重要な事実があります。「購入申込書」や「買付証明書」には公的な効力がなく、売買契約前であれば違約金などなしでキャンセルが可能です。
つまり値引きにかたくなに応じないと、買い主がキャンセルすることもあります。
そのため、少し譲ることが、最終的には良い結果を生むかもしれないことと考え、冷静に交渉を進めることが求められます。
3-3.売買契約書はしっかり確認する
売買契約書の内容がわからないまま契約を進めないことが大切です。
売買契約書は、買主と売主が交わす契約の内容を示しており、お互いの権利と義務を決める重要な文書です。この契約書の内容がわからないままで進めてしまうと、後で予期せぬトラブルにつながる可能性があります。
さらに、契約内容をとにかくしっかり当日でなく事前に確認し、分からなければ担当者に聞くことが大切です。
契約日前に内容をよく確認し、疑問点があれば担当者に質問しましょう。
特に確認すべきは、金額や日付、契約不適合責任の免責事項などです。
これらの項目が間違っていた場合、あとで訂正するのが難しくなる可能性があるからです。
金額は、当然ながら契約の最も重要な部分です。売買価格が正確に記載されているか確認しましょう。また、日付も重要です。特に引渡し日は、新生活を計画する上で大切な日付なので、確認を怠らないようにしましょう。
契約不適合責任の免責事項については、物件に欠陥が見つかったときの販売者の責任に関わる部分です。
これが免責されていると、後から欠陥が見つかっても販売者に責任を問うことが難しくなります。ここは特に慎重に読み、理解しておく必要があります。
⇒不動産の売買契約書を分かりやすく解説!記載内容や注意点、売却の流れ
3-4.住み替えの場合は引き渡しのタイミングを考える
引き渡しのタイミングは、見誤ると、新居への引っ越しとのタイミングが合わず、仮住まいしなければならなくなる可能性があります。
まさに、スムーズな住み替えのためには、そのタイミングが重要な鍵を握っています。
まず、引き渡し日は基本的に売り主と買い主が相談して決めます。
売却物件の引き渡し日と新居への引っ越し日がずれてしまいそうな場合は、いくつかの対策があります。
その一つが引き渡し猶予です。これは買い主の同意のもと、一定期間、物件の引き渡しを猶予してもらう制度です。
しかしながら、この引き渡し猶予にも注意が必要です。
引き渡し猶予を利用すると、引き渡しまでの物件責任は売り主にあることを忘れてはいけません。
大雨や台風などの自然災害による損害はもちろん、火災などの事故まで、すべて売り主が負担しなければならないのです。
また、引き渡し猶予を希望すると、一部の買い主からは取引を敬遠される可能性もあります。
取引がスムーズに進むか、進まないかは、引き渡し猶予の要望をどう伝えるか、にも大きく左右されるでしょう。
4.売却後に注意しておきたいポイント
最後に売却後に注意しておきたいポイントです。
ここをしっかり押さえておくことで、最終的に売却が成功したと言えるでしょう。
4-1.確定申告は忘れず行う
大切な不動産の売却が終わったとき、ほっと一息つきたい気持ちはよくわかります。
不動産売却後もやるべきことがまだあるんです。それが「確定申告」です。
不動産売却により利益(売却益)が生じた場合、その分の税金を国に納める必要があります。
その手続きが確定申告です。ちゃんと申告しなければ、後で大変なことになってしまうかもしれません。
まさに確定申告を忘れてしまうと、ペナルティーを受けることになります。
特に、不動産の売却益から税金の控除を受ける「特例」があります。
これを利用することで、売却益から一定の金額を控除して税金を計算でき、節税に繋がるのです。この特例を利用するためにも、確定申告は必須となります。
また、なんと売却で損をした時でも、確定申告をするメリットがあるのをご存じでしょうか?
損失額を他の所得から差し引くことができる特例があるのです。
もしも売却で損をしてしまったとしても、確定申告をすることでそのダメージを少しでも軽減できるかもしれません。
⇒不動産を売却したら確定申告は必須。赤字でも確定申告した方が良い理由とは?
5.まとめ
戸建て売却における心配を解消するために、売却前・中・契約時・後の注意点を完全ガイドしました。
不安や心配は、誰しもが感じるものです。
大切なのは、正しい情報に基づいて冷静に判断することです。
記事の中で紹介したポイントをしっかりと押さえながら、自分自身のニーズや目標に合ったプランを立てましょう。