40代で組む住宅ローン

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40代で組む住宅ローン。4,000万の家がほしければ年収はいくら必要?

40代で住宅ローンを組もうと思っていても、年齢的にも住宅ローンを組むのは難しいと思っている人もいるかもしれません。

しかし実際にそんなことはなくて、40代という年齢の属性を生かした住宅ローンを組むことも十分に可能です。

では40代の方が4,000万円の家を購入するとしたらどの程度の年収が必要でしょうか。

①住宅ローンの自己資金はやはり多めに用意したい

まず注意点として自己資金はやはり多めに用意しておきたいところです。

40代であればある程度の貯金はあるはず。

金融機関は融資を受ける人の返済能力を重視しますから、全く貯金ができていない人に対しての住宅ローンの審査は渋くなってしまいます。

最低でも物件価格の2割程度は用意しておきたいところでしょう。

4,000万円の家を購入するとしたら、諸費用も含めて1千万円程度の自己資金は用意したいところです。

②35年の返済期間を設定できないこともある

またもう一つの注意点として、40代後半の方は35年の住宅ローンを組めません

大半の金融機関では住宅ローンの返済完了時の上限年齢を80歳と設定しています。

40歳の方であれば75歳までローンを組むことができますが、48歳では35年ローンを組網とすると、完済時には83歳になってしまいます。

80歳というと、男性の平均寿命を超え年齢になってしまうため、返済が終わる前に亡くなってしまうリスクが出てくるのです。

そのため金融機関も80歳を返済上限の年齢に設定しているのです。

40代の方が融資を受けようと思うのであれば、30年程度で返済を終えることを前提にプランを立てましょう

③年収500万円あれば4000万円の家の購入は不可能ではない

4,000万円の家の場合、自己資金を2割程度用意できれば融資を受ける金額は3,000万円強で済みます。

30年ローンで3,000万円強を返済していくのでしたら、金利が1.5%とすると、毎月の返済額は11万円弱です。

40代での平均年収は正社員男性では550~650万円程度ですから、十分に毎月11万円のローンでも返済を続けていけるでしょう。

退職金全てを住宅ローンの返済に充てることを前提とするのは危険ですが、退職金から数百万円程度ならば、住宅ローンの返済を行うことも問題ありません。

④配偶者が働けるようであれば、収入を積極的に繰り上げ返済に使う

また40代の方ならば、子供が小学校などに入り、配偶者の方もフルタイムで働ける環境になっている人もいるでしょう。

それだけ働けるのでしたら、配偶者の収入を積極的に繰り上げ返済に使っていきましょう。

繰り上げ返済を使えば元本を一気に減らすことができるので、住宅ローン完済までの期間を大幅に短縮できます。

65歳ぐらいで完済することも不可能ではありません。

そのためには手数料がかからず、繰り上げ返済が行える金融機関で融資を受けることが大切です。

40代で組む住宅ローン。審査時にはどこを見られるのか

40代だけれども住宅ローンを組んでマイホームが欲しい。

晩婚化が進む現代では40代になってようやくお子さんが生まれたという人も増えています。

そのためこういった話も決して珍しくはありません。

住宅ローンは35年が最長の返済設定期間ですから、40代で組むことにリスクがないというのは嘘になります。

そこで40代の方が住宅ローンの審査を受ける時、どのような点に気をつければ比較的融資を受けやすくなるのかをお伝えしていきます。

あわせて読みたい!
繰り上げ返済については以下の記事を参考にして下さい。
住宅ローンの繰り上げ返済がお得な理由を解説!デメリットはない?

①長期ローンの融資は受けにくい

まず大前提として40代の方は35年ローンの融資を受けることは、

20代、30代の人よりは難しくなってしまいます。

大半の金融機関でも住宅ローンの完済時の年齢は80歳までと設定しています。

つまり35年返済ローンを組める年齢の限界は、45歳だということになります。

40歳であれば35年ローン組んでも完済時が75歳ですから、またそこまで無理はありません。

しかし49歳になると35年後は84歳。

男性の平均寿命を超えています。

そのため金融機関としては存命時に完済してもらえないリスクがあるので、完済時の年齢は80歳までと設定されているのです。

40代後半で融資を受けるのであれば、返済期間は長くても30年と考えておきましょう

②住宅ローンの審査は、転職が多いこと不利になる?

住宅ローンの融資に関して、転職経験を見られることがあるとも言われます。

40代の方では2度3度転職を繰り返している人も少なくないでしょう。

転職に関しては新しい会社に就職してからの期間は融資時に見られることはあります。

ただ転職回数自体を見られることは少ないです。

単純に現在の年収やポジションが40代という年齢にふさわしいものであれば、十分金融機関も融資してくれるでしょう。

③自己資金をしっかりと用意していくことが重要

40代の住宅ローンの審査については、

自己資金をどれほど用意できているかを金融機関が重視すると言われます。

なぜかと言うと40代という年齢でしたらある程度の貯金があることが当然であり、40代まで自己資金をほとんど用意できない人間は、浪費癖があり返済リスクが高いと見なされてしまうからです。

住宅ローンの融資に関して、40代の方が自己資金ゼロでフルローン融資を受けるのは、大変リスクが高く、また審査も通りにくいです。

さらにそれだけ融資額を増やせば完済できる年齢の遅れ、定年退職後も10年以上住宅ローンを支払わなければいけない事態になってしまうのです。

40代で融資を受けた場合、定年退職の65歳で完済することはなかなか難しいですが、自己資金が3割以上用意できていれば、融資額を減らして毎月10万円程度の返済額に抑えることができるでしょう。

40代の方は年収自体が高いので、融資額を増やすことは難しくありません。

しかしたくさん貸してくれるからといって、75歳まで毎月15万円も20万円も返済するようなプランを組むのは大変リスクが高いです。

あくまでもリスクを抑えることを念頭に置いて、25年から30年程度の住宅ローンを組むようにしましょう

年齢に応じて柔軟な返済プラン設定を行ってくれる金融機関もあります。

40代の住宅ローンそのメリットとデメリット

40代でも住宅ローンを利用してマイホームを購入する人が増えています。

特に最近では晩婚化と子供を作る年齢が遅くなったことにより、40代になって初めて子供ができることも珍しくありません

子供ができて初めてマイホームの購入を検討し、住宅ローンを組もうという人もいるのです。

一方で40代になると住宅ローンの返済期間の問題で、あえて住宅を購入せずそのまま一生賃貸で過ごそうという人もいます。

そこで40代の人が住宅ローンを組むメリット、そしてデメリットや注意点をお伝えしたいと思います。

①収入が多いので融資額を増やせるメリットが有る

40代の方は男性であれば平均年収は600万円程になっており、その年収に応じた住宅ローンの融資を受けることが可能です。

普通に術宅ローンの融資を受けるだけでも3,500万円や以上の資金を調達できるので、

自己資金と合わせれば4,000万円以上の住宅を買うことも難しくありません。

住宅ローンは個人の返済能力を重要視して融資を行うので、一定規模を持つ、倒産しにくい企業に勤めている人であれば、住宅ローンの融資額はさらに増えることでしょう。

②2つの返済期間の異なる住宅ローンを借りるなどの工夫が必要

一方で年齢的なリスクはどうしても考え避けては通れない問題となってきます。

40代前半で住宅ローンの融資を受けるのであれば、最長の35年の返済期間を設定できますが、40代後半になると35年間の返済期間の設定は不可能です。

そこで検討したいのが二つの返済期間の異なる住宅ローンです。

例えば長期と短期の二つの住宅ローンの融資を受け、短い方は定年退職までの期間に設定、長期ローンはできる限り長い期間を返済期間として設定します。

そうすることで収入が十分にある定年退職までの期間の返済額を増やし、年金や非正規雇用となって収入が下る年退職後の住宅ローンの返済負担を減らすことができます

状況に応じた柔軟な住宅ローンの返済ができるプランを考えていきましょう。

③退職金を住宅ローンのあてにしすぎない

また40代で住宅ローンの融資を受けると、定年退職時の退職金での返済を考える人もいるでしょう。

退職金は会社が積み立てたお金で運用されているので、基本的にはある程度の収入は見込めます。

しかし会社が倒産してしまうこともありますし、自分がそれまでに転職をしないとも限りません。

想定される退職金の10%から20%を返済に充てるぐらいならば大きなリスクはないのですが、退職金の大半を住宅ローンの返済にあてようと考えるのは大変危険です。

繰り上げ返済が無料でできる金融機関を使う

40代の住宅ローンの融資は、自分たちの収入がある程度多いという属性を最大限に活かしましょう。

返済期間はできるだけ長く設定することで、毎月の返済額を減らすことができます。

そして家計に余裕があるのでしたら、その剰余金をすぐに繰り上げ返済に回し住宅ローン残高をどんどん減らしていきましょう

そのためには繰り上げ返済が無料でできる金融機関を選ぶことが重要です。

繰り上げ返済が無料でできる金融機関でしたら、少しの剰余金でも随時繰り上げ返済を行い、金利支出を大きく減らすことが可能になるのです。