ふるさと納税で住民税と所得税はいくら控除される?制度を徹底解説

ふるさと納税で住民税と所得税が安くなるって聞いたけど本当?
いくら税金が控除されるんだろう?

このように気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ふるさと納税制度を利用すると、支払った額に応じて所得税および住民税の控除が受けられます

ただし控除には上限額がある上、手続きによって控除される税金の種類が異なるので事前に制度の性質をよく理解しておく必要があります。

この記事ではふるさと納税とその利用によって控除される税金について詳しくご説明しましょう。

お金のプロ
ふるさと納税には以下のようなふるさと納税サイトの利用がおすすめですよ。

【おすすめのふるさと納税サイト4選】
※横にスクロールできます
サイト名 特徴 掲載自治体数
楽天ふるさと納税 楽天ポイントが貯まる・使える!楽天ユーザー&楽天カードユーザー必見のサービス 1,687
ふるさとチョイス 大規模な老舗サイト!幅広い決済方法に対応 1,788*1
さとふる 会員数が1,000万人を突破!*2専用アプリで控除の手続きや管理が簡単 1,416
ふるなび 豊富なレビュー数が特長!独自の特集や検索機能で寄附先・返礼品を選びやすい 1,380
*1 ふるさとチョイス公式サイト「ふるさとチョイスの特長
*2 さとふる公式サイト「2024年ふるさと納税サイト 認知度No.1
※掲載自治体数 2024年11月1日時点
この記事の監修税理士
監修税理士の税理士法人チェスター代表 福留正明
税理士法人チェスター代表
福留 正明
税理士・公認会計士・行政書士・登録政治資金監査人・ファイナンシャルプランナー。富裕層の資産税コンサルティングに強みを持つ税理士法人チェスターの代表社員。 相続税申告実績は税理士業界でもトップクラスの年間1,700件以上(累計9,000件以上)を取り扱う。相続税申告サービスやオーダーメイドの生前対策、相続税還付業務等を行う。 資産税関連書籍の執筆や各種メディアから取材実績多数有り。
税理士法人チェスターは、グループ総勢200名以上の税理士事務所です
「税理士が教えるお金の知識」(以降、本メディア)では一部、メーカーやサービス提供事業者から広告出稿をいただいておりますが、コンテンツの内容については本メディア独自に制作しており、情報の掲載有無やコンテンツ内容の最終意思決定に事業者は関与しません。

1.ふるさと納税とは

ふるさと納税で税金が控除されるって聞いたけど、結局どういう制度なの?

「ふるさと納税」という制度名はよく知られるようになりましたが、実際に利用したことがないという方はどのような制度なのかあまりご存じない部分もあるのではないでしょうか。

ふるさと納税は制度名には「納税」とありますが、実は制度上は自治体への寄附に当たります

ふるさと納税というと「ご当地グルメがもらえる」といったイメージがあるかもしれませんが、これは寄附に対する「お礼の品」として受け取ることができるものです。

ふるさと納税を利用すると、寄附先の自治体から寄附した額の3割を目安とした価値の「返礼品」を得られ、寄附した額から2,000円を差し引いた金額が所得税および住民税から控除されます。

メモ
控除とは「差し引くこと」を意味し、税金に関して使う場合には結果として納める税金の総額が少なくなること全般を指す場合と、手続き以後に納める税金が減額されることを指す場合があります。ふるさと納税においては所得税と住民税が控除されるという表現が使われますが、所得税は既に納めたものが返金(還付)されるのに対し、住民税は以降納める額が減額(控除)されるシステムになっています。

控除には収入や家族構成などに応じた上限額が設けられていますが、上限額の範囲内であればいくら寄附しても、何自治体に寄附を行っても自己負担額は2,000円です。

つまりふるさと納税は、自己負担額と返礼品の価値の差額分が金銭的にもメリットがある制度だといえます。

注意
ふるさと納税にメリットが多いといえるのは所得税および住民税からの控除があるためです。所得税と住民税の納付義務がない方は控除される税金がないので要注意です。

例えば4自治体に10,000円ずつ寄附を行ってそれぞれから3,000円相当の返礼品を得た場合、自己負担額の2,000円を差し引いても10,000円相当が得になったといえます。

ふるさと納税の例

返礼品には食べ物に限らず、その土地の伝統工芸品や、その土地の工場でつくられた家電製品、その土地の宿で使える宿泊券など、その自治体にゆかりのあるさまざまなものが用意されています。

なお、ふるさと納税を行う際の手続きについてはこちらで後述しますが、返礼品や寄附先の自治体を探したり、ふるさと納税の申し込みを行ったりする際には「ふるさと納税サイト」と呼ばれるサイトを利用するのが一般的です。

ふるさと納税サイトではネット通販感覚でふるさと納税の申し込みが行えます。

お金のプロ
ふるさと納税による控除は寄附を行った翌年から受けられる仕組みになっています。詳しくはこちらで後述しますが、年末は特にふるさと納税のチャンスといえますよ。

2.ふるさと納税による控除の額

ふるさと納税をすると、いくら税金が控除されるんだろう?

ふるさと納税では寄附した額から2,000円を差し引いた額が控除されますが、その控除額には上限があります。

上限額を超えて寄附を行ってしまうとその分自己負担額が増え損になってしまうため事前に控除額を把握しておくことが重要です。

2-1.年収や家族構成に応じた控除上限額の例

ふるさと納税の控除上限額は、年収や家族構成によって異なります。

参考までに、年収や家族構成に応じた控除上限額の例をご覧ください。

【ふるさと納税の控除上限額の例】
※横にスクロールできます
独身
または共働き
既婚で
配偶者に収入がない
共働きで
高校生の子が一人いる
共働きで
大学生の子が一人いる
既婚で
配偶者に収入がなく
高校生の子が一人いる
300万円 28,000円 19,000円 15,000円 11,000円
400万円 42,000円 33,000円 29,000円 25,000円
500万円 61,000円 49,000円 44,000円 40,000円
600万円 77,000円 69,000円 66,000円 60,000円
700万円 108,000円 86,000円 83,000円 78,000円
800万円 129,000円 120,000円 116,000円 110,000円
900万円 152,000円 143,000円 141,000円 138,000円 132,000円
1,000万円 180,000円 171,000円 166,000円 163,000円 157,000円
総務省「ふるさと納税のしくみ」をもとに執筆者作成
メモ
「高校生」は「16歳から18歳の扶養親族」を、「大学生」は「19歳から22歳の特定扶養親族」を指します。また中学生以下の子供は控除額に影響がないため計算に入れる必要はありません。

控除の上限額は場合によって大きく異なることが分かりますね。

上限額は収入が高くなると上がり、扶養家族が増えると下がる傾向にあります。

また医療費控除や住宅ローン控除など、他の控除制度を利用することによって上限額が下がる場合があります。

2-2.あなたの控除上限額を知る方法

自分の控除上限額は具体的にどのくらいなんだろう?もしかしてややこしい計算が必要なのかな?

実際に自分の控除上限額はいくらなのかというのが気になるところですよね。

ふるさと納税の上限額には所得の他に扶養家族の有無や他の控除制度を利用するかどうかといったさまざまな要素が関係してくるため、自力で計算するのは非常に大変です。

しかし控除の上限額を計算する簡単な方法があるのでご安心ください。

実は各種ふるさと納税サイトには、所得や扶養家族の有無などを入力するだけであなたの控除上限額が算出されるシミュレーターが用意されています。

まずはこのシミュレーターを使ってあなたの控除上限額を調べてみましょう。

お金のプロ
以下に代表的なふるさと納税サイトのシミュレーターをリストアップしているので活用してくださいね。

3.ふるさと納税による税金の控除とその手続き

ふるさと納税ではどの税金がどんなふうに控除されるの?

ふるさと納税で控除を受けられるのは所得税および住民税です。

しかし実は控除の手続きによってどの税金がどのように控除されるかは異なります。

ふるさと納税による控除を受ける手続きには以下の二つの方法があります。

【ふるさと納税の控除の手続き】

ワンストップ特例制度では住民税が控除されるのに対し、確定申告を利用した場合は所得税からの還付と住民税からの控除が行われます。

ただしいずれの控除手続きを利用した場合も控除される総額は同じです。

ここでは、ふるさと納税によって控除される税金と、その手続きについてご説明しましょう。

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ワンストップ特例制度の方が手続きが簡略化されているので、確定申告を行う理由が他にない方はワンストップ特例制度を利用するのがおすすめです。

3-1.ワンストップ特例制度による住民税の控除

確定申告なんてやったことがないし面倒臭そう……。

ワンストップ特例制度はまさにこのような方のためにつくられた制度だといえるでしょう。

ワンストップ特例制度を利用すると確定申告を行わなくてもふるさと納税による控除を受けられます

メモ
通常の寄附金控除は確定申告を行うことにより適用され、寄附額の一部が所得税および住民税から控除される仕組みになっています。

ワンストップ特例制度を利用できるのは以下の条件をいずれも満たしている方です。

【ワンストップ特例制度の対象者】
  • ・ふるさと納税以外に確定申告をする必要のない給与所得者
  • ・ふるさと納税で1月1日から12月31日の間に寄附を行った自治体が五つ以下

確定申告を行った場合は所得税からの還付と翌年6月から翌々年5月に納める住民税の控除が行われますが、ワンストップ特例制度を利用した場合は全額が住民税からの控除となります。

ワンストップ特例制度では、ふるさと納税サイトでの寄附時に必要な旨を申告すると寄附先の自治体から送付されてくる「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を使用します。

メモ
万一「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」が必要な旨の申告を忘れたり、紛失したりしてしまっても、ふるさと納税サイト内でダウンロードできます。また、自治体によっては申請書の郵送に対応しておらず、ふるさと納税サイトからダウンロードする仕組みにしているところもあります。

気軽にふるさと納税を行えるので条件に当てはまる方は必見ですよ。

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ワンストップ特例制度の実際の手続きについてはこちらで詳しく説明しています。

3-2.確定申告による所得税と住民税の控除

個人事業主であったり、医療費控除など他の控除を利用したりと確定申告を行う必要がある方は確定申告を通じて控除の手続きを行います

六つ以上の自治体に寄附を行った方も確定申告が必要です。

確定申告では「寄附金控除」という控除を利用することになります。

確定申告を行った場合、確定申告の1〜2カ月後に所得税からの還付金が指定の口座に振り込まれ、寄附の翌年の6月から翌々年の5月に納める所得税が控除されます。

所得税からの還付と住民税からの控除はどういう割合で分かれているの?

このように気になった方もいらっしゃるかもしれませんね。

所得税からの還付は、以下の金額となります。

【ふるさと納税による所得税からの還付】
  • 所得税からの還付=(ふるさと納税額-2,000)円×所得税の税率

所得税は累進課税であるため、税率は所得が上がるほどに高くなります。

所得税の速算表は以下のとおりです。

所得金額 控除額 税率
1,000〜1,949,000円 0円 5%
1,950,000〜3,299,000円 97,500円 10%
3,300,000〜6,949,000円 427,500円 20%
6,950,000〜8,999,000円 636,000円 23%
9,000,000〜17,999,000円 1,536,000円 33%
18,000,000〜39,999,000円 2,796,000円 40%
40,000,000円以上 4,796,000円 45%
国税庁「No.2260 所得税の税率」をもとに執筆者作成
メモ
所得税は所得から控除額を差し引いて税率をかけて求めます。

例えば所得が350万円の場合、所得税率は20%です。

ふるさと納税で3万円の寄附を行った場合、所得税からの還付は以下のように計算できます。

【ふるさと納税による所得税からの還付の例】
  • (30,000-2,000)円×20%=5,600円

ふるさと納税による控除の上限額を超えていなければ、ふるさと納税による控除の総額は寄付額から2,000円を差し引いた金額になります。

つまりこの場合、28,000円が控除の総額で、そのうち5,600円が所得税からの還付であるため、差し引くと住民税からの控除は22,400円であることが分かります。

控除分のうちいくらが住民税からの控除となるか求める計算式もありますが、上記のとおり控除の総額から所得税の還付の額を差し引けば簡単に求められるのでここでは割愛します。

ただしふるさと納税による控除の上限額を超えて寄附を行った場合は住民税の控除額を計算する式が変わり、自己負担額が増えてしまうので注意が必要です。

詳しくは総務省の「ふるさと納税のしくみ」のページをご覧ください。

お金のプロ
確定申告でふるさと納税の控除を受ける実際の手続きについてはこちらで詳しく説明しています。

4.ふるさと納税の流れ

ふるさと納税の手続きはどうやってやるんだろう?難しいのかな……。

このように不安に思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。

ふるさと納税は非常に簡単に手続きが済ませられるよう工夫された制度です。

初めてでも戸惑わずに進められるよう、ここではふるさと納税を行う流れをご説明します。

ふるさと納税の流れ

STEP1 控除の上限額を調べる

まずはふるさと納税による控除の上限額を調べましょう

上限額を超えて寄附を行うと自己負担額が増え、高い寄附金を支払って返礼品を買っただけになってしまう可能性があります。

控除の上限額はふるさと納税サイトのシミュレーターを利用して調べるのがおすすめです。

シミュレーターの仕様はふるさと納税サイトによって異なるので不安な場合はいくつかのふるさと納税サイトを利用してみても良いでしょう。

STEP2 利用するふるさと納税サイトを決める

上限額が分かったら、利用するふるさと納税サイトを決めましょう。

ふるさと納税サイトにはそれぞれに異なる特色があります。

どのサイトを利用するかによって寄附できる自治体や手に入れられる返礼品などが異なるので要チェックです。

ふるさと納税サイトを選ぶ際には以下のような点を参考にすると良いでしょう。

【ふるさと納税サイトを選ぶ際のポイント】
  • ・ポイント1 掲載自治体・返礼品の数
  • ・ポイント2 サイトデザイン
  • ・ポイント3 決済方法

ふるさと納税サイトによって参加している自治体や選べる返礼品の数は異なります

そのふるさと納税サイトに参加していない自治体には寄附ができなかったり掲載されていない返礼品は選べなかったりするので、ある程度自治体や返礼品の数が多いサイトを選んでおくのがおすすめです。

ふるさと納税サイトのなかには普段利用しているポイントが貯まったり、ポイントで支払いができたりするものもあります。

そのほかにサイトデザインや普段利用している決済方法が利用できるかといった点も確認しておくと良いでしょう。

クレジットカードであれば基本的にどのふるさと納税サイトでも利用が可能ですが、Amazonペイやメルペイ、キャリア決済などを利用したいという方は要チェックです。

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おすすめふるさと納税サイトについてはこちらでご紹介します。

STEP3 返礼品や寄附先の自治体を選ぶ

利用するふるさと納税サイトが決まったら、サイトで返礼品や寄附先の自治体を選びます。

ネット通販感覚で応援したい自治体や欲しい返礼品をカテゴリ、検索から探すことができますよ

生まれ育った故郷など思い入れのある土地に寄附したいという方は自治体から選ぶのも良いでしょう。

ワンストップ特例制度を利用する際には返礼品を選んで決済する際に「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」が必要な旨を申告します。

返礼品の発送までにかかる期間はものによって異なるので注文時にチェックしておくのがおすすめですよ。

STEP4 返礼品と必要書類を受け取る

返礼品はふるさと納税の醍醐味ですよね。

また控除手続きに必要な書類が返礼品とは別に寄附先の自治体から送られてきます。

ワンストップ特例制度を利用する旨を申告した場合は「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」が、確定申告を行う場合には「寄附金受領証明書」が届くので失くしてしまわないようきちんと管理しておきましょう。

STEP5 控除の手続きを行う

ふるさと納税による控除は所定の手続きを行わなければ受けられません。

必ず忘れずに手続きを行いましょう

ワンストップ特例制度を利用する場合は寄附の翌年の1月10日まで、確定申告を利用する場合は寄附の翌年の2〜3月の確定申告期間に手続きを行います。

それぞれの手続きについてご説明します。

【控除の手続き】

手続き1 ワンストップ特例制度

ワンストップ特例制度の手続きは非常に簡単です。

「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」に必要事項を記入し、個人番号(マイナンバー)の確認と本人確認が行える書類のコピーを用意します。

「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」の記入は以下を参考にしてくださいね。

マイナンバーの確認と本人確認に利用できる書類は以下のとおりです。

【ワンストップ特例制度の必要書類】
※横にスクロールできます
個人番号確認 本人確認
マイナンバーカードがある場合 マイナンバーカードの裏面のコピー マイナンバーカードの表面のコピー
マイナンバー通知カードがある場合 通知カードのコピー 以下のいずれかのコピー
・運転免許証
・運転経歴証明書
・パスポート
・身体障害者手帳
・精神障害者保健福祉手帳
・療育手帳
・在留カード
・特別永住者証明書

※顔写真、氏名、生年月日、また住所が確認できるようにコピーする
※写真付きの本人確認書類がない場合は下記のいずれか二つを提出
・公的医療保険の被保険者証(健康保険証)
・年金手帳
・各自治体が認める上記以外の確認書類

どちらもない場合 個人番号が記載された住民票の写し

「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」とこれらの書類のコピーを、寄附先の自治体に寄附を行った翌年の1月10日までに郵送します

ワンストップ特例制度の控除手続きは以上で終了です。

寄附先の自治体が居住自治体に控除情報を通知してくれるので、寄附を行った翌年の6月から翌々年の5月にかけて納める住民税が控除されます

なおワンストップ特例制度を利用する場合、寄附のたびに当該の自治体に「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」と必要書類を送付する必要があります。

複数回同じ自治体に寄附を行った場合もその都度書類の送付が必要になるので注意してください。

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また期限までに書類を送付できなかった場合は確定申告を行うことになるので必ず忘れずに送付してくださいね。

手続き2 確定申告

確定申告を行う必要がある方はふるさと納税による控除の手続きも確定申告で済ませます。

確定申告による控除の手続きは、寄附の翌年2月から3月にかけての確定申告期間に行います。

確定申告でふるさと納税の控除を申請する際には寄附先の自治体から送付される「寄附金受領証明書」が必要です。

そのほかに必要な書類は以下のとおりです。

【確定申告の必要書類】
※横にスクロールできます
個人番号確認 本人確認
マイナンバーカードがある場合 マイナンバーカードの裏面のコピー マイナンバーカードの表面のコピー
マイナンバーカードがない場合 ・通知カードのコピー
・個人番号記載のある住民票の写しまたは、住民票記載事項証明書
以下のいずれかのコピー
・運転免許証
・公的医療保険の被保険者証(健康保険証)
・パスポート
・身体障害者手帳
・在留カード

ふるさと納税は自治体への寄附に該当するため、所得控除の「寄附金控除」の欄に記入します。

下は国税庁の確定申告書等作成コーナーの入力画面です。

指示に従って寄附金額を入力すると自動的に控除額が算出されます。

寄附金額10,000円と入力すると、自己負担額2,000円を差し引いた8,000円が控除されることが分かります。

簡単な手続きなので、確定申告を普段から行っているという方は迷うこともないでしょう。

確定申告から1〜2カ月後に所得税からの還付金が指定の口座に振り込まれ、寄附の翌年6月から翌々年5月にかけて納める住民税の控除が行われます

5.おすすめふるさと納税サイト

どのふるさと納税サイトを利用したら良いんだろう?

ふるさと納税サイトといっても、さまざまなものがあります。

ふるさと納税サイトによって異なる特色があるので、ご自分に合ったサイトを選んでより便利にふるさと納税を行いましょう

ここではおすすめのふるさと納税サイトを五つご紹介します。

【ふるさと納税サイトおすすめ5選】
※横にスクロールできます
サイト名 参加自治体数 貯まるポイント 決済方法
楽天ふるさと納税 1,687 楽天ポイント クレジットカード決済(楽天ポイントが利用可能、自治体によって利用可能なブランドが限られている場合がある)
・銀行振込(各自治体のページで振込先の確認が必要)
ふるさとチョイス 1,788*3 チョイスマイル ・クレジットカード決済
・Amazon Pay
・PayPay
・d払い
・au PAY
・楽天ペイ
・メルペイ
・あと払い(ペイディ)
・PayPal
・auかんたん決済
・ソフトバンクまとめて支払い
・Pay-easy
・ネットバンク支払い
・コンビニ支払い
・チョイスマイル(オンライン決済で利用可能)

※自治体によっては下記の決済方法にも対応
・郵便振替
・銀行振り込み
・現金書留
・納付書払い
・コンビニ納付書払い
・自治体へ直接持参

さとふる 1,416 さとふるマイポイント ・クレジットカード決済
・コンビニ決済
・PayPayオンライン決済
・ソフトバンクまとめて支払い
・auかんたん決済
・d払い
・ペイジー (それぞれ利用可能額が異なる)
ふるなび 1,380 ふるなびコイン ・クレジットカード決済
・Amazon pay
・PayPay
・楽天ペイ
・d払い
ANAのふるさと納税 1,028 ANAマイル ・クレジットカード決済
*3 ふるさとチョイス公式サイト「ふるさとチョイスの特長
※2024年11月1日時点

おすすめ1 楽天ふるさと納税

メリット
楽天ポイントが貯まる・使える
参加自治体数が比較的多い
デメリット
利用できる支払い方法が限られている
こんな人におすすめ!
楽天会員
初めてふるさと納税を行う方
参加自治体数 1,687
貯まるポイント 楽天ポイント(楽天会員に限る)
・100円につき1ポイントが付与される
決済方法 ・クレジットカード決済(楽天ポイントが利用可能、自治体によって利用可能なブランドが限られている場合がある)
・銀行振り込み(各自治体のページで振込先の確認が必要)
※2024年11月1日時点

2024年のオリコン顧客満足度の調査において、初めてふるさと納税サイトを利用した2,448人がトップに選出したふるさと納税サイトです。*4。

楽天ふるさと納税は楽天市場のプラットフォーム上でふるさと納税が行えるシステムになっているため、楽天会員であれば気軽に寄附が行えます。

楽天会員は会員登録を新たに登録する手間もないので、手続きが簡単ですよ。

また楽天ふるさと納税楽天ポイントが貯まる・使えることもうれしいポイントです。

楽天ポイントは楽天市場などの楽天系列のサービスのみならず、日本全国約500万の加盟店で利用することができますよ。*5

おすすめ2 ふるさとチョイス

メリット
参加自治体数が比較的多い
特集や検索機能が充実しており寄附先を見つけやすい
デメリット
ポイントをもらうには指定のアクションが必要
こんな人におすすめ!
とにかく多くの選択肢から寄附先を探したい方
参加自治体数 1,788*3
貯まるポイント 「チョイスマイル」
・ふるさとチョイスのキャンペーンに参加し、指定のアクションを行うことでもらえる
・有効期限は、通常、獲得日から1年間
決済方法 ・クレジットカード決済
・Amazon Pay
・PayPay
・d払い
・au PAY
・楽天ペイ
・メルペイ
・あと払い(ペイディ)
・PayPal
・auかんたん決済
・ソフトバンクまとめて支払い
・Pay-easy
・ネットバンク支払い
・コンビニ支払い
・チョイスマイル(オンライン決済のときに利用可能)

※自治体によっては下記の決済方法にも対応
・郵便振替
・銀行振り込み
・現金書留
・納付書払い
・コンビニ納付書払い
・自治体へ直接持参

※2024年11月1日時点

ふるさとチョイス参加自治体が1,700超*3を誇る大規模なふるさと納税サイトです。

そんなにたくさんあったら、どの自治体を選べば良いか迷ってしまいそう……。

このようにお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、ふるさとチョイスにはさまざまな角度からおすすめの自治体・返礼品を取り上げた特集ページが充実しています。

たくさんの選択肢のなかからきっと応援したい自治体を見つけることができますよ。

また非常に多くの決済方法に対応しているため、普段からよく利用している決済方法で支払いできるのもうれしいポイントです。

*3 ふるさとチョイス公式サイト「ふるさとチョイスの特長
※お礼の品数No.1の表記について:JMRO調べ「2023年9月期 指定領域の検証調査」より

おすすめ3 さとふる

メリット
検索機能が使いやすい
アプリが便利
デメリット
ふるさとチョイスや楽天ふるさと納税に比べ参加自治体数が少ない
こんな人におすすめ!
たくさんの自治体のなかから探したい方
普段からPayPayを利用している方
参加自治体数 1,416
貯まるポイント 「さとふるマイポイント」
・キャンペーンへのエントリーおよび指定のアクションが必要
・ポイントの有効期限はポイントの種類によって異なる(通常ポイントの有効期限は1年間)
決済方法 ・クレジットカード決済
・コンビニ決済
・PayPayオンライン決済
・ソフトバンクまとめて支払い
・auかんたん決済
・d払い
・ペイジー(それぞれ利用可能額が異なる)
※ 2024年11月1日時点

さとふるは参加自治体の数はふるさとチョイスや楽天ふるさと納税に劣りますが、サイトやアプリの使いやすさが特徴のふるさと納税サイトです。

検索機能や特集が充実しているのでどこに寄附して良いのか、何が欲しいのか漠然としている方もきっと欲しいものに出会えるでしょう。

例えば検索タブに何か打ち込むと関連する品物の名前がサジェストされ、マウスオンするとそのなかでも人気の返礼品が画像付きで表示されます。

また独自の特集も多数組まれているので興味のある特集のなかから選ぶのも良いでしょう。

テレビCMやYouTube広告も放映されており、人気の高いサイトなので安心感がありますよね。

さとふるでは、控除の申請や管理を簡単に行えるアプリがあるので活用するのがおすすめです。

おすすめ4 ふるなび

メリット
レビュー数が多い
特集や検索機能が充実しており寄附先を見つけやすい
デメリット
ふるさとチョイスや楽天ふるさと納税に比べ参加自治体数が少ない
こんな人におすすめ!
普段からPayPayを利用している方
Amazonをよく利用する方
参加自治体数 1,380
貯まるポイント 「ふるなびコイン」
・ふるなびやふるなび関連サービスの条件に応じてもらえる
決済方法 ・クレジットカード決済
・Amazon pay
・PayPay
・楽天ペイ
・d払い
※2024年11月1日時点

ふるなびは東証プライム上場企業のアイモバイルによって運営されているふるさと納税サイトです。

大きな特長はその寄附した人によるレビュー数の多さといえるでしょう。

実際に寄附した人の感想を聞けるので、自治体選びに大変役立ちます。

なおふるなびでは独自のサービス「ふるなびコイン」が付与されます。

ふるなびコインはAmazonギフトカードやPayPay残高、dポイント、楽天ポイントに交換できますよ。

おすすめ5 ANAのふるさと納税

メリット
ANAマイルが貯まる
ANAマイレージクラブ会員は会員登録が不要
デメリット
参加自治体数が比較的少ない
こんな人におすすめ!
ANAマイルを貯めている方
参加自治体数 1,028
貯まるポイント 「ANAマイル」
・寄付金額100円につき1マイルが貯まる
決済方法 ・クレジットカード決済
※2024年11月1日時点

ANAのふるさと納税はオリコン顧客満足度の2024年の調査にて、ふるさと納税サイト部門1位*6に選出されたふるさと納税サイトです。

ANAスタッフによって注目の地域がピックアップされていたり独自の特集が組まれていたりするため、寄附先が漠然としている方でも選びやすい点はうれしいポイントです。

ANAマイレージクラブ会員の方は、会員登録が不要なので気軽にふるさと納税が行えます。

大きな特徴は寄附額100円につきANAマイルが1マイル貯まるという点です。

一般的にANAマイルの価値は1マイル3〜5円だといわれています。

ANAマイルを貯めているという方は見逃せませんよね。

お金のプロ
この他のおすすめサイトはこちらの記事でご紹介しています。

6.ふるさと納税に関する注意点

ふるさと納税は非常にメリットの多い制度ですが、使い方を間違えると損をしたり、後悔したりすることになる可能性もあります。

そんな事態になってしまわないよう、しっかり性質を理解しておく必要があるでしょう。

ここではふるさと納税のメリットを最大限享受するために押さえておきたい注意点をお伝えします。

注意点1 翌年控除を受けるには12月31日までに決済する

ふるさと納税による控除は、寄附の翌年に受けられる仕組みになっています。

ワンストップ特例制度を利用した場合は寄附の翌年の6月から翌々年5月にかけて納める住民税が控除され、確定申告を行った場合は同様のスケジュールでの住民税の控除と、確定申告の1〜2カ月後に所得税の還付が受けられる形です。

そのため来年から控除を受けたいということであれば、12月31日までに寄附を行う必要があります。

寄附を済ませるって、どの段階のことをいうの?

面倒な手続きが必要なのではないかと身構えた方もいらっしゃるかもしれませんね。

本年中の寄附とするには、12月31日中に寄附金を支払う必要があります。

といっても、ふるさと納税サイトでクレジットカードなどを利用して支払えば決済はすぐに済ませられます

寄附先の自治体を選び、ネット通販を利用するときのように支払いを行うだけです。

忙しい年末であってもすぐにできるので安心ですね。

ただしワンストップ特例制度を利用する場合は寄附の翌年の1月10日までに「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を寄附先の自治体に郵送しなければならない点には注意が必要です。

寄附を行ったのが年末ぎりぎりの場合、寄附先の自治体から「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」が送られてくるのを待っていては間に合わない可能性があるのでふるさと納税サイトや総務省のサイトからダウンロードして発送しましょう。

注意点2 控除の上限額を超えて寄附すると損になる

ふるさと納税がメリットの多い制度だといわれる理由は、返礼品が受け取れると同時に寄附額から2,000円を差し引いた全額が所得税および住民税から控除されるためです。

ただし人によって異なる控除の上限額が設けられており、これを超えて寄附した分は控除されません。

そのため控除の上限額を超えて寄附した分はただ実際の価値よりも高いお金を払って返礼品を買った状況になってしまいます。

その分損をしてしまうので、寄附を行う際は上限額の範囲内に収めるようにしましょう。

ふるさと納税の控除額には所得や家族構成などのほか、医療費控除や住宅ローン控除など他の控除の利用状況も関わってきます

他の控除を利用する予定のある方は特に注意が必要です。

正確な上限額は年間の所得と控除額が確定してからでないと分からないので、源泉徴収票が発行されるまでは限度額ぎりぎりの寄附は行わないなどの工夫をしておくと良いでしょう。

お金のプロ
ふるさと納税と医療費控除の併用についてはこちらの記事をご覧ください。

注意点3 節税になるわけではない

ふるさと納税では所得税および住民税の控除が行われます。

ただし、控除が行われるのは上限額の範囲内で寄附額から2,000円を差し引いた金額です。

本来居住自治体や国に納めるはずだった税金を寄附という形で他の自治体に払うので実質的な納税額が減るわけではありません。

むしろ自己負担の2,000円の分、手元に残るお金は減ってしまうので理解しておきましょう。

注意点4 一時的には出費が増える

ふるさと納税で寄附したことによる還付や控除が受けられるのは寄附の翌年以降になります。

また住民税からの控除分は納税額が減るだけで、現金が手元に返ってくるというわけではありません。

そのため一時的には出費が増える点も理解しておく必要があります。

ふるさと納税を行うのはボーナスが出た後など、金銭的に余裕があるタイミングが良いでしょう。

7.まとめ

ふるさと納税を行うと、寄附額から自己負担の2,000円を差し引いた金額が翌年以降納める税金から控除されます。

また寄附額の3割程度を目安とした価値の返礼品を寄附先の自治体から受け取ることができます。

人によっては、実質的に2,000円でそれ以上の価値を持つ返礼品を受け取ることもできる制度ですよ。

所得税と住民税を納めている方であれば誰でもメリットを享受できる可能性があるので必見です。

ただし控除には上限額があり、それを超えて寄附した分は自己負担が増えてしまうので注意しなくてはなりません。

必ず事前に控除の上限額を確認しておきましょう。

ふるさと納税による税金の控除は、ワンストップ特例制度を利用した場合には全額が住民税からの控除、確定申告を行った場合には一部が所得税から還付され残りが住民税から控除されるという形で行われます。

確定申告を行った場合に所得税の還付と住民税の控除がそれぞれいくらになるのか知りたい場合は、まず所得税からの還付を以下の式で求めましょう。

【ふるさと納税による所得税からの還付】
  • 所得税からの還付=(ふるさと納税額-2,000)円×所得税の税率

住民税からの控除は所得税からの還付金を控除の総額から差し引いて求められます。

お金のプロ
ふるさと納税には以下のようなふるさと納税サイトの利用がおすすめですよ。

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※掲載自治体数 2024年11月1日時点