「投資」と一口にいっても世の中には数多くの投資手段があります。
「たくさん種類がありすぎて、何から始めたら良いのか分からないな……。」
という疑問を抱えている初心者の方や、
「既に投資はやってるけど、新しく始めるなら何が良いんだろう?」
というようなお悩みをお持ちの投資経験者の方もいらっしゃるでしょう。
投資について自力で情報収集をしてみても、結局どれが自分に合った方法なのか分からず困ってしまうこともありますよね。
初心者でも手軽に始められるものや、経験者の方が向いている難易度の高いものなど、投資は種類によってさまざまな特徴があります。
そこでこの記事では投資手段16種類を「簡単さ」「手堅さ」「自己資金の少なさ」「短期的に利益を狙えるか」「長期的に利益を狙えるか」の5項目で徹底比較します。
またそれぞれの投資手段が初心者向きか経験者向きなのかも解説します。
1.そもそも投資ってどんなもの?
投資に対して興味があったり、経験があったりする方のなかにも、
「そもそも『投資』って何なんだろう……?」
と漠然とした疑問を感じている方もいらっしゃるかもしれませんね。
そこでまずは投資とはどのようなものかについて簡単にご説明しましょう。
投資手段を比較する際のポイントもお伝えするので、自分に合った投資を選ぶ際の参考にしてくださいね。
1-1.投資とは将来の利益を期待してお金をかけること
一言でいうと、投資とは「将来のもうけを期待して、今お金をかける行為」です。
ポイントとなるのは「将来の利益」を目指していることだといえるでしょう。
投資をしたことがない方や初心者の方からは、
「この先のライフイベントに備えて銀行預金をしているけど……それだけじゃ駄目なの?」
という声をよく聞きます。
しかし、自分に合った投資で賢く運用すれば、銀行預金よりも多くのお金を貯められる可能性があります。
1-2.自分に合った投資を選ぶための5つのポイント
「投資」と一くくりにしても、特徴や実施方法はそれぞれに異なります。
自分に合った投資手段を見極めるためには、以下の五つのポイントを押さえておくことが重要です。
- (1)手堅さ……多額の損をする心配はないか
- (2)簡単さ……手間なく簡単に投資できるか
- (3)自己資金の少なさ……少額からでも始められるか
- (4)短期的利益……短期的に利益を狙えるか
- (5)長期的利益……長期的に利益を狙えるか
ポイント①手堅さ……多額の損をする心配はないか
まずリスクについては多くの方が不安に感じている部分でしょう。
「失敗すると多額の借金を負うんじゃない?」
と身構えている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、投資にかけたお金以上の損はしないという堅実な手段もあります。
リスクが心配という方は手堅く利益を狙える投資を選ぶのが良いでしょう。
ポイント②簡単さ……手間なく簡単に投資できるか
また、どのくらいの手間がかかるのかというのも気になる点ですよね。
特に初心者の方は投資といえば投資先を選んだり、値動きをチェックしたりするなどと手間がかかるもの、といったイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
実はプロやAIにお任せできる手軽な投資手段も存在しています。
手間をかけずに利益を狙いたい、という方は簡単な投資を選ぶようにしましょう。
ポイント③自己資金の少なさ……少額からでも始められるか
いざ投資を始めようと思っても、多額の自己資金が必要だと尻込みしてしまいますよね。
始めるのにどれくらいの自己資金が必要となるかも重要なポイントです。
初めての方やあまり自己資金を用意できないという方でもごく少額から始められる投資がありますよ。
経験者の方は既に行っている投資で上がった利益で少額から始められる別の投資を始めてみるのも良いでしょう。
なかには「レバレッジ」といって今持っているお金以上の金額を投資し、大きな利益を狙えるものもあるので要チェックです。
ポイント④短期的利益……短期的に利益を狙えるか
そしてどれくらいの期間で利益が出るのかというのもチェックしておくべきポイントです。
投資手段によって、短期的な利益を狙えるもの、長期的に利益を狙えるものに分かれます。
すぐに利益を得たい、という方は短期的な利益を狙う投資手段を選ぶのが良いでしょう。
短期的な利益を得られる投資は、基本的に投資対象となるものを買い、買った値段よりも高く売ることで利益を狙います。
ポイント⑤長期的利益……長期的に利益を狙えるか
利益を上げることを急いではいないけれど、長期的な視野で確実に資産を増やしたいという方もいらっしゃるでしょう。
投資の種類によっては、投資対象を所有しているだけで一定期間が経過すると利益が得られるものもあります。
将来の資産形成などのために堅実に利益を上げたい、という方は長期的な利益を狙える投資を選ぶのがおすすめですよ。
2.16種類の投資手段を徹底比較!これで違いが分かる
ここからは、代表的な16種類の投資手段の仕組みやメリット・デメリットを分かりやすく解説していきましょう。
先ほどご説明した「簡単さ」「手堅さ」「自己資金の少なさ」「長期的利益」「短期的利益」の5項目をレーダーチャートにしているので、知識に不安のある方でもご安心くださいね。
全16種類の投資の各項目の点数を先にまとめておくと、以下のとおりです。
詳しくはこれからご説明していきましょう。
2-1.株式投資
投資といえば、多くの方が真っ先に株式投資を思い浮かべるのではないでしょうか。
実際に株式投資は初心者の方にも経験者の方にもおすすめできる投資といえるでしょう。
株式投資の特徴は、なんといっても長期的な利益と短期的な利益の両方を狙えることです。
株式投資で狙える利益には主に以下の2種類があります。
- ・売買益……株を買ったときよりも高く売ることで得る利益
- ・配当金……株を所有していることで企業から得られる利益還元
多くの場合、短期的に利益を狙いたい場合には売買益、長期的に利益を狙いたい場合には配当金を目標に投資を行うことになります。
しかし、初心者の方は株を長期保有して確実に売買益が出るタイミングで取引をするのもおすすめですよ。
株式投資は基本的に自分がかけたお金以上の損はしないというところも安心なポイントです。
ここからは、「国内株」と「海外株」の大きく2種類に分けてメリットや特徴を詳しくご説明しましょう。
2-1-1.国内株:初心者でも少額から始めやすいポピュラーな投資
投資といえば、「国内株」が初めに思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
国内株は他の投資に比べると比較的リスクが低く、もっとも始めやすい投資手段の一つだといえるでしょう。
初心者の方にもおすすめの投資です。
売買益を狙うだけでなく、銘柄によっては年1~2回、配当金を受け取ることもできます。
また、株を所有している企業の株主優待を受けられるのも魅力ですよね。
もちろん自分の所有する株価の値動きなどは日頃から確認しておく必要はありますが、いわゆる「デイトレーダー」のように専業として本格的にやるのではないかぎり、毎日売買を行うわけではないので手間もそこまでかかりません。
証券口座はインターネット上で簡単に申し込むことができる上、基本的に無料で開設することができます。
まずはいくつか気になる証券会社で口座を作ってみて、その中から使いやすいものを選んでみるのがおすすめの始め方ですよ。
- ・松井証券:1日の約定金額が50万円以下なら手数料が無料でお得!
- ・SBI証券:初級者~上級者も愛用!手数料格安で国内株式個人取引シェアNo.1
- ・楽天証券:楽天ポイントが貯まる・使える!手数料もお得で楽天ユーザーにはぴったり
- ・SBIネオトレード証券(旧:ライブスター証券):取引額にかかわらず最安値基準の手数料!
- ・DMM株:10万円以下の取引手数料が業界最低基準!少額取引から始めたいならおすすめ
2-1-2.海外株:手軽に購入できて投資対象の分散におすすめ
米国株をはじめとした海外株も基本的な仕組みは国内株と同じです。
海外株に投資する最大のメリットは、日本国内の景気変動に影響されづらいという点でしょう。
また、為替レートの変動で利益を得られることもメリットです。
他の投資を既に行っていて投資対象の値崩れなどに備えてリスクを分散したいという方にはぴったりだといえますね。
「海外株ってどうやって始めるの?なんだか大変そう……。」
と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、海外企業の株も国内企業の株と同様に証券会社を通じて取引を行うことができます。
ただし、国内株に比べ海外株は海外の景気や株価変動を把握しておく必要があるため、国内株と比較すると手間やコストがかかる点は注意しておきましょう。
また、証券会社によってどの国の株式を取り扱っているか、どんな企業の株を購入できるかが異なります。
自分の購入したい国の株式を扱っている証券会社を選ぶか、特に決まっていない場合は海外株の取り扱いが豊富な証券会社で口座を作ることがおすすめです。
2-2.不動産投資
不動産投資にはワンルームマンション投資、アパート経営、土地活用などさまざまな方法があります。
「自分にはちょっと敷居が高そう……」
と感じている方もいらっしゃるかもしれませんが、実は不動産投資はリスクと利益のバランスが取りやすい「ミドルリスク・ミドルリターン」の投資といわれているのです。
物件の種別によって、不動産投資はさまざまな方法に分類できますが、こちらでは大きく国内不動産と海外不動産の二つに分類して特徴をご説明します。
2-2-1.国内不動産:中長期的に不労所得が得られる
多くの投資と違い、国内不動産投資は一般的に買ったときと売ったときの差額によって利益を上げるのではなく、「賃料」という形で長期的に利益を狙うことになります。
成功すれば定期的な不労所得を得られるようになりますよ。
また、不動産投資は投資対象自体の資産性が高いというのもメリットの一つです。
不動産投資で安定した不労所得を得るには、まず「入居者が見つかりやすい物件」を見極めることが重要です。
賃貸として需要が高い物件を選べば、リスクを抑えて資産性の高いローリスク・ロングリターンの運用ができますよ。
なお自己資金に不安がある場合でも、ローンを借りて投資用の物件不動産を購入することは可能です。
しかし、借入額が増えると月々の賃料収入がほとんど得られないという事態にもなりかねないため、始める前に慎重に検討してみてくださいね。
そうはいっても、不動産投資は正しい知識さえあれば一般的なビジネスパーソンの方でも始められる投資手段であることは確かです。
不動産投資に関するイロハは、不動産投資セミナーに参加すれば一から学ぶことができますよ。
2-2-2.海外不動産:国内不動産よりも短期的な利益を出しやすい
国内の不動産だけでなく、実は海外の不動産にも投資をすることができます。
多額の自己資金が必要になりますが、国内の不動産投資に比べ短期間で大きな利益を上げられる可能性がある点がメリットです。
賃料で長期的な利益を狙うことが一般的である国内不動産と違い、海外不動産は買ったときと売るときの差額で利益を上げることも可能です。
ただし為替の影響を受けるため、国内の不動産投資より投資家の負担も大きくなってしまいます。
人口が増え、経済成長が続いている国は住宅価格もそれに伴って上昇する傾向にあります。
そのような国の不動産を手に入れておくことで、売買益(購入したときと売却したときの差額)を狙うことができるのですね。
資金に余裕があって大きなリターンを狙いたい、海外に不動産を所有したいという方はチャレンジを検討してみましょう。
2-3.暗号資産
暗号資産とは「電子データとしてユーザー間で取引される通貨」のことです。
実際の通貨と同様に暗号資産も売り買いされておりレートの変動があります。
その通貨を購入したときよりレートが上がったときに売却して利益を狙うのですね。
「円」や「ドル」などの国家が発行する通貨とは異なり、国や銀行を介さずにユーザー同士がプラットフォーム上でやりとりする仕組みとなっています。
これから詳細をご説明していきますね。
2-3-1.暗号資産:短期的に多額の利益を出しやすい投資手段
暗号資産は国家の発行する通貨に比べ相場の変動が大きいため、短期的に利益を上げられるところが特長といえます。
うまくいけば短期間で多額の利益を得る可能性があるのですね。
自己資金以上のお金を投資するレバレッジも利用できるため、自己資金が少なくとも大きなリターンを狙えます。
ちなみに暗号資産はお金の一種なので、決済に対応している店舗であればそれを利用して買い物をすることもできますよ。
2-4.為替取引
為替取引といえば、なんといっても「FX」と「外貨預金」でしょう。
為替取引の基本は「円とドル」などの異なる通貨を交換して利益を出すことです。
異なる通貨をやりとりするという意味で枠組みは同じといえますが、FXと外貨預金では得られる利益などの特徴が大きく異なります。
これから両者について詳しく比較していきましょう。
2-4-1.FX:少額投資でも短期的に大きな利益を狙える
FXはリスクが高い代わりにリターンの大きい投資の代表格といえます。
特に投資初心者の方は、
「FXってよく聞くけど、結局なんなんだろう?」
という疑問を抱いている方も多いかもしれませんね。
FXとは為替レートの変動を予想し、通貨を取引することで利益を狙う投資の方法です。
基本的には外貨が安くなっているときに買い、価値が上がったら売ることで利益を狙います。
FXの特徴は「レバレッジ」利用できる点にあるといえるでしょう。
自分で用意した資金よりも多くのお金を投資することができるため、その分利益も損も大きくなります。
リスクを取ってでも大きなリターンを狙いたいという方にはぴったりですね。
短期的な利益を狙うにあたり為替レートの変動を注視するという手間は必要になりますが、成功したときには多額の利益を得ることができます。
また、FXには「スワップポイント」といって長期的に得られる利益もあります。
スワップポイントは金額こそ大きくないものの毎日得られる利益であるため、これを狙ってFXを運用している方もいます。
耳慣れない単語ばかりで少し身構えてしまった方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心くださいね。
FXの始め方はとても簡単で、まずは株式投資などと同様口座を作るところから始めます。
2-4-2.外貨預金:中長期的に資産運用したい人におすすめ
中長期的に手堅く資産運用を行いたいという方には外貨預金がおすすめです。
外貨預金とはその名のとおり、外国の通貨を外国の銀行に預けることです。
国内の銀行に定期預金をしても利息はほとんど期待できませんが、海外は日本と比較して金利が高い傾向にあるため、外貨預金を行うと高い利息を期待できるのです。
短期的に大きな利益を得る可能性は低いですが、国内よりお得な利率でコツコツお金を貯めていきたい方にはぴったりの投資手段といえるでしょう。
2-5.債券
債券は国が発行する「国債」と企業が発行する「社債」の二つに分類されます。
国債も社債も元本割れのリスクが少なく堅実な投資手段ということができるでしょう。
老後に向けて堅実に長期的な資産運用をしたい方にはうってつけの方法です。
ただし、国債と社債にはそれぞれ特徴や違いもあるため、詳しくはこれからご説明していきますね。
2-5-1.国債:いわば「金利の高い銀行預金」のような投資手段
国債は国が発行する債券ですから、非常に手堅い投資の一種だということができます。
国債はいわば「金利の高い定期預金」のようなものです。
元本割れのリスクはほとんどないと考えて良いでしょう。
1万円から始めることができますが、利益を上げることを考えれば投資額は多ければ多いほど良いといえます。
また、発行から1年以上経過すれば中途換金も可能です。
満期を迎える前に換金する場合には手数料を支払わなくてはいけませんが、元本は保証されています。
個人向けの国債は毎月発行されており、取り扱っている金融機関に口座を開設することで始められます。
また、金融機関によってはオンラインで国債を購入することも可能ですよ。
2-5-2.社債:国債よりも高い利率で運用できる債券
社債は企業が発行する債券で、多くの場合国債よりも利回りが良いことが特徴です。
社債も株式と同様、企業が資金調達する際の方法の一つです。
社債は、いわば企業が投資家にお金を借りる借金のようなもので、企業には借りたお金を返す義務があります。
つまり投資家にとっては、社債の方が株式投資よりも元本割れのリスクが低い傾向にあるといえるでしょう。
ただし、株式投資では企業の成長に応じて株価が上がればより多くの利益を狙うことが可能ですが、社債の場合はどれだけ企業が成長しても得られる利益は変わりません。
そのため、大きな利益は得られない代わりに大きな損をすることもない比較的堅実な投資手段だといえるでしょう。
2-6.先物取引
「先物取引って、正直あまりどういう仕組みなのかイメージできないなあ……。」
という方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、先物取引は銘柄や取引の期限が決まっているため、迷う必要がなく始めやすい投資手段の一つといえるでしょう。
詳しくはこれから解説していきます。
2-6-1.先物取引:未来の取引を現時点の価格で取引をする投資
「先物取引」とは、ある商品の価格を事前に取り決め、期日が来たときにその価格で売買することを約束する取引のことを指します。
ある意味では投資の一つということができるのですね。
「一体どういうことか分からない……」
と疑問に感じている方も多くいらっしゃるでしょう。
先物取引では、将来の決まったタイミングに現在の市場価格で商品を購入することを決めます。
購入の期日が来たときに市場価格が現在よりも上がっていれば、その分利益が見込めるということですね。
先物取引の特徴としては、売り注文から始められることが挙げられます。
値下がりを予想していれば、売り注文から始めて利益を上げることができるのですね。
また、先物取引では取引の期限が定められていることも株取引などの他の投資とは異なる点だといえるでしょう。
株はその企業が倒産しないかぎり自由に保有し続けることができますが、先物取引の場合、期限になると自動的に決済されるシステムになっています。
自由に取引が行えるのは一定期間内だけだということを理解しておきましょう。
先物取引ではレバレッジを利用して自己資金より多額のお金を投資し、短期間で大きな利益を生み出すことも可能です。
2-7.投資信託
ここまでご紹介した投資手段は自分で商品を選ぶ手間がかかってしまうものがメインでした。
しかし、投資信託は任せきりにしていても資産を運用できる簡単な投資の方法です。
「知識があまりないからきちんと利益を上げられるか心配……」
という初心者の方でも安心して始められる投資の一つといえるでしょう。
また、
「時間をかけずリスク分散のために投資先を増やしたいなあ」
と考えている投資経験者の方にもおすすめです。
投資信託にはさまざまな種類があることも魅力の一つです。
こちらでは主な投資信託6種類の特徴を詳しく解説していきましょう。
2-7-1.インデックス型の投資信託:指数に合わせた値動きで安定的な運用
インデックス型の投資信託は特定の指数(インデックス)と連動した安定的な運用を目指す方法です。
例えば、日経平均株価に連動する商品を購入するということは、日経平均株価を算出するのに使われている225銘柄に分散投資をしているのと同じ意味を持つことになります。
つまり、インデックス型投資信託では大きな利益を得ることはない代わりに手堅く利益を得られる可能性が高いといえます。
リスクが低い分長期的な視点で利益を狙うことができる上、少額からでも始められるのもうれしいところですよね。
インデックス型投資信託は特定の指数に基づいて設計されているため運用の手間が少なく、経費として支払うことになる「信託報酬」が後述するアクティブ型よりリスクが低い傾向にあるのもポイントです。
2-7-2.アクティブ型の投資信託:プロと二人三脚で指数以上の利益を狙える
アクティブ型の投資信託は「平均点」以上の利益を狙っていく投資手段です。
アクティブ型の投資信託では市場平均よりも大きなリターンを目指し、プロが銘柄の選択や投資の手法などを独自に組み合わせて行います。
こちらは市場平均に勝って大きな利益を上げることもある一方、インデックス型投資信託よりも損をするリスクは高いといえます。
いわば投資の醍醐味ともいえる「多少リスクを取ってでも大きなリターンを狙う」ことにチャレンジしたい方に向いている方式です。
といっても投資信託の一種なので、自分で銘柄を選んだり売り買いのタイミングを図ったりするといった手間をかける必要はないのが魅力的ですよね。
2-7-3.ETF:株式投資と投資信託の良いとこどりでリスク分散にぴったり
ETFとは日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)といった特定の指数に連動する運用成果を目指し、金融商品取引所に上場されている投資信託のことを指します。
例えばTOPIXに連動しているETFは、TOPIX全体に投資を行っているのとほぼ同じ効果を得ることができます。
「あれ?インデックス型投資信託と何が違うの?」
と疑問に思った方もいらっしゃるかもしれませんね。
両者の最大の違いは、ETFは上場されているのに対し、インデックス型投資信託は上場されていない商品であるということです。
そのため、リアルタイムで価格が変動する性質を持っており、株と同様、ETFは売買のタイミングを自分で決めなくてはなりません。
一方で、市場全体の動向によって値動きするため株式投資よりも大きな損をするリスクが比較的少ない点が魅力的です。
短期的なハイリターンを狙うのではなく、長い目で見て利益を目指す投資の一つだといえます。
ETFも証券会社に口座を作ればすぐに始めることができますよ。
2-7-4.REIT:短期的な利益も出しやすい投資信託の不動産版
「REIT(リート)」は不動産に対する投資信託です。
多くの投資家から集めた資金でオフィスビルや商業施設、マンションなどの大規模な不動産を購入し、そこから上がる利益を投資家に分配する商品のことを指します。
元々はアメリカで始まった仕組みで、日本のREITはJAPANの「J」を付けて「J-REIT」と呼ばれています。
証券取引所に上場されているため、株式と同じように取引が可能です。
そのため、利益を出すためには自分で売買のタイミングを決める必要があります。
また、J-REITの特長は収益がほぼそのまま分配金として投資家に配られる点にあります。
通常の投資信託より手間はかかるといえますが、一般の株式投資と比較すると投資家に還元されやすい金融商品だといえるのですね。
2-7-5.ロボアド投資:AIによる自動運用で手間をかけずにできる投資
ロボアド投資(ロボアドバイザー)とは、投資家の代わりにAIが資産運用を行ってくれるシステムのことです。
手間も時間もかけず、AIに任せているだけで投資を行うことができます。
投資家の資産運用に関する考えをAIが分析し、それにのっとって運用してくれるのです。
ロボアド投資は始めるのも簡単で、スマートフォンアプリやブラウザーから簡単な質問に答えるだけで投資を始めることができます。
自分の資産が今どのように運営されているのか、出先からでも確認できるシステムが用意されたサービスもたくさんありますよ。
まずはアプリをダウンロードしてみるのがおすすめです。
- ・WealthNavi:利用者人気が高い
- ・THEO+ docomo:dポイントを貯めている方は必見
- ・投信工房:松井証券が運営!100円から投資可能
2-7-6.ヘッジファンド:富裕層向けの収益性が高い投資信託
ヘッジファンドは、一言でいえば相場が下がったときにも利益を追求することを目的とした投資信託のことです。
通常の投資信託は相場が動いたときにだけ利益が出る仕組みになっています。
一方、ヘッジファンドの場合は先物取引や信用取引などのリスクの高い取引も活用しながら市場の動向に関わりなく利益を狙うことが可能な仕組みです。
ただし、ヘッジファンドの多くは「私募投信」といって限られた人だけが出資して運用するものとなっています。
3.初心者・経験者別!おすすめの投資手段はこれだ!
「いろいろな手段があることは分かったけど、結局自分は何から始めたら良いだろう……?」
とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
ここまでご説明した内容を踏まえ、初心者・経験者別におすすめできる投資の手段をさらに詳しくご紹介しましょう。
3-1.初心者はリスクを考慮して無理のない範囲で始めよう
初めて投資をする方は、手軽に始められる投資を選びましょう。
具体的には、比較的少額から始めることができて投資としての楽しみも味わえる「国内株式投資」「FX」「投資信託」の3種類がおすすめです。
3-1-1.手堅く投資を始めたいなら国内株式投資がおすすめ
初心者の方にまずおすすめしたいのは「国内株式投資」です。
「株ってお金がかかるんじゃない?」
と身構えてしまった方もいらっしゃるかもしれませんが、誰もが知っている大手企業でも1株1,000円以下の場合も少なくありません。
一般的には100株単位で購入することになるので、投資を始めるには10万円もあれば十分基本的に自分が投資した額以上のお金を損することはありません。
また、短期的にも長期的にも利益を受けることができるのも魅力の一つでしょう。
国内株であればさまざまな株主優待サービスを受けられる可能性があるのもメリットですよね。
普段よく目にしたり、買い物をしたりしている身近な企業の株価を調べることから始めてみましょう。
株を取引するためには証券口座の開設が必要ですが、証券口座はインターネット上で簡単に開設することが可能です。
- ・松井証券:1日の約定金額が50万円以下なら手数料が無料でお得!
- ・SBI証券:初級者~上級者も愛用!手数料格安で国内株式個人取引シェアNo.1
- ・楽天証券:楽天ポイントが貯まる・使える!手数料もお得で楽天ユーザーにはぴったり
- ・SBIネオトレード証券(旧:ライブスター証券):取引額にかかわらず最安値基準の手数料!
- ・DMM株:10万円以下の取引手数料が業界最低基準!少額取引から始めたいならおすすめ
3-1-2.短期的な利益を狙いたいならFXがおすすめ
「どうせ投資を始めるなら一気に利益を出してみたい!」
という方も多いでしょう。
短期的なリターンを目指して始めるなら、FXがおすすめです。
投資は初めてであまり自己資金を用意できないという方でもFXならレバレッジを利用することで、少ない資金でも短期的に大きな利益を狙うことができます。
レバレッジをかければかけるほどリスクが大きくなるのは事実ですが、レバレッジを何倍に設定するかは自分で決めることができます。
自分の経済状況を踏まえた上で、無理のない範囲でレバレッジを利用すれば良いということですね。
初めての方はまずはレバレッジをかける数字を小さくして挑戦してみましょう。
証券会社が用意しているデモ取引のツールで練習をしてみることがおすすめです。
会社ごとにデモツールや取引ツールの使い勝手が異なるため、いくつか口座を持って使い勝手を試してみるのも良いでしょう。
3-1-3.手間をかけずに長期的な運用をしたいなら投資信託がおすすめ
なるべく手間をかけずに投資を始めてみたいという方には投資信託が打ってつけです。
投資信託の中にもさまざまな種類がありますが、株式投資や他の投資手段と比較すると銘柄を選ぶ手間もなく、簡単に始められます。
特にAIが投資家の資産を自動で運用してくれるロボアド投資は初心者の方にぴったりだといえます。
スマートフォンやブラウザーから手軽に始められるのが大きなメリットです。
- ・WealthNavi:利用者人気が高いロボアド
- ・THEO+ docomo:dポイントを貯めている方は必見
3-2.経験者は「リスク分散」「長期運用」など目的に合った投資を選ぼう
既に何らかの方法で投資を始めている経験者の方は「リスクを分散したい」「短期的に大きなリターンを狙いたい」「長期的な資産形成を目指したい」といった目的別に新たな投資を選ぶと良いでしょう。
目的に応じて投資を選べば、投資のタイミングや自己資金の掛け方もおのずと分かってくるかもしれませんね。
それぞれの詳しいメリットはこれから解説していきます。
3-2-1.リスク分散が目的なら海外株など海外への投資がおすすめ
投資経験者の方であれば、「投資はリスク分散が重要」だということはご存じかもしれません。
もし国内株しか投資をしていなかった場合、日本の景気に大きな変動があればどうしても打撃を受けてしまいますよね。
そこで、投資する「地域」や「対象」を分けることが重要になります。
既に日本国内の金融商品に投資をしている方には、「海外株」をはじめとした海外への投資がおすすめです。
国外企業であれば日本の景気に大きな打撃があった場合でも影響を受けず、利益を上げられる可能性が高いと考えられます。
投資対象を国内だけでなく海外へ分散させることで、いざというときのリスクを軽減することができるのですね。
海外ETFは、手間をかけずに少額で分散投資ができるお手軽な方法です。
3-2-2.レバレッジをきかせて大きな利益を狙いたいならFXがおすすめ
「これまで自己資金の範囲内でコツコツやってきたけれど、慣れてきたから次は短期的に大きなリターンを狙ってみようかな」
という方もいらっしゃるかもしれません。
短期的に大きなリターンを狙いたいという方はFXにチャレンジしてみましょう。
FXのメリットの一つは「レバレッジ」を活用できることでしょう。
FX会社に「証拠金」として支払う自己資金の最大25倍もの金額で取引ができるFXであれば、少額で大きなリターンを得られる可能性もあります。
無理のない範囲でこれまでの投資経験を活かして最大限の利益を狙っていきましょう。
FXを始めるためには専用の口座を作る必要がありますが、チャートなどの取引に使用するツールは会社によって使い勝手が大きく異なるのでご自身に合ったものを選ぶようにしてくださいね。
3-2-3.長期的な資産形成が目的なら不動産投資がおすすめ
「そろそろ将来の資産も考えておきたいなあ……」
という方には中長期的に安定した不労所得が得られる不動産投資がおすすめです。
毎月安定した家賃収入が得られることは大きなメリットですよね。
それだけでなく、いざというときに家族へ残す生命保険の代わりとしても役立ちます。
投資用の不動産を購入する場合、多くの場合「団体信用生命保険」という保険に加入します。
この保険は「ローン契約者に万一のことがあった場合、保険金で残りのローンが完済される」というものです。
つまり、残された家族が多額のローンを背負う心配はなく、不動産だけが残されることになるのです。
「でも、自分の経験で不動産投資を始めるのは不安……」
という方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、不動産投資セミナーに参加すれば実際に何か始めれば良いのか、どれくらい利益を得られるかなど具体的な情報を集めることができますよ。
4.「なんとなく聞いたことはあるけど……」知っているようで知らない投資の知識
「NISAとかiDeCoってよく聞くけど、正直どんな仕組みなのかよく分からない……」
「買い物で貯まったポイントでも投資できるって聞いたけど、本当なのかな?」
といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
ここからは知っているようで知らない投資に関する知識をご紹介します。
4-1.NISAとは何?どんなメリットがあるの?
NISAは2014年から始まった投資で得られた利益を非課税にできる制度です。
証券会社でNISA対応口座を開設することで気軽に利用できます。
通常、投資で得た利益には通常20.315%の税金がかかりますが、NISA対応口座を通じて購入した株式や投資信託によって生じた売買益や配当金は非課税になります。
NISA口座を利用できる投資手段は主に「株式投資」「投資信託」などです。
「少額から投資を始めたい!」という限度額があまり気にならない方にとっては、NISA対応口座は大きなメリットがあるといえるでしょう。
4-2.ポイントで投資できるって本当?
実は、日頃のお買い物などで貯まった「ポイント」を利用して投資をすることもできます。
例えば楽天ユーザーでポイントを貯めている方なら、楽天証券でそのポイントを投資信託や国内株に使うことができます。
また、SBI証券では普段貯めているVポイントを投資に利用することができます。
ポイント投資の最大の魅力は、現金を使わず気軽に投資ができることでしょう。
4-3.iDeCoとはどんな仕組み?個人年金保険と何が違うの?
「公的年金だけでは老後の生活が不安だな……。」
と感じている方も多いでしょう。
長期的な資産作りのための投資手段としては「iDeCo」が有名です。
「詳しい仕組みは分からないけれど、名前は聞いたことがある」という方も多いのではないでしょうか。
公的年金の他に、自分で老後に向けた備えができるのはうれしいポイントですよね。
iDeCoは定期預金や保険商品、投資信託などを利用して毎月自分で積み立てたお金を運用していくスタイルのため、将来受け取ることができる金額は人によって異なります。
また、iDeCoとよく似た制度に生命保険の一種である「個人年金保険」というものがあります。
どちらも個人で老後に向けた資産形成が可能という点では同じですが、「自分で運用するか、保険会社に運用をお任せできるか」という点が大きな違いとなります。
また、iDeCoは毎月積み立てる金額が全額所得控除の対象となるのに対し、個人年金保険には控除額に上限があります。
iDeCoを運用するなら、「SBI証券」や「松井証券」などの証券会社で口座を開設してみると良いでしょう。
5.まとめ
投資にはさまざまな手段があり、一つ一つに異なる特徴があります。
自分がどんな投資を始めて良いのか分からないといったお悩みをお持ちの方も多くいらっしゃるのではないしょうか。
投資手段を選ぶ際には、以下の5点に注目して比較するのがおすすめです。
- (1)手堅さ……多額の損をする心配はないか
- (2)簡単さ……手間なく簡単に投資できるか
- (3)自己資金の少なさ……少額からでも始められるか
- (4)短期的利益……短期的に利益を狙えるか
- (5)長期的利益……長期的に利益を狙えるか
また、初心者の方は気軽に始められ、無理のない範囲で続けられる手段を選ぶことが重要だと考えられます。
一方、既に経験のある方は「リスク分散がしたい」「老後の資産形成がしたい」といったように自分の目的に合った投資を新たに始めると良いでしょう。