資産運用と一口でいっても投資信託や株式投資などさまざまな方法があり、リスクやリターン、運用できる条件、利用できるサービスなどが大きく異なります。
そのため将来に備えて資産運用をしてみたいと思っていても、どのような方法で行えば良いのか、どうすれば安全にできるのか分からないという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、代表的な10の資産運用と初心者におすすめのサービス、運用額・目的・年代別の資産運用のコツを紹介します。
1.そもそも資産運用とは?
このように資産運用をしてみたいと思っても、実際に何をするのかよく分からないという方もいらっしゃるでしょう。
資産運用とは将来の資産形成のためにお金、土地、建物といった自己資産を運用・活用して効率的に増やしていくことをいいます。
資産運用の方法は、貯めることを重視した「貯蓄」と増やすことを重視した「投資」の二つに大別できます。
貯蓄には普通預金や定期預金などがあります。
利率が低いため積極的に資産を増やしたいという方には向かないものの、一定額までの元本が保証されるため安全性が高いという特徴があります。
一方で投資による資産運用には、投資信託や株式投資などをはじめ多くの方法が存在します。
元本割れのリスクがあるものの、貯蓄よりも利率が高いため効率よく資産を増やすことに向いています。
なお日本の銀行の場合、資産を預けてもほとんど利息が付きません。
そのため資産を増やしたいなら、積極的に投資などの資産運用をするのがおすすめですよ。
ただし資産運用において、安全性、流動性、収益性の全てに優れた万能な金融商品は存在しないという点は理解しておきましょう。
基本的にはリターンが高ければ高いほどリスクも高くなり、一方でリスクを取らなければ大きなリターンは期待できません。
資産運用に失敗しないためには、資金額や目的、ライフステージなどを十分考慮して方法を選択する必要があります。
2.代表的な資産運用おすすめ10選
このように資産運用を考えていて、どのような方法があるのか、どの方法が自分に適しているのかを知りたいという方も多くいらっしゃるでしょう。
そこでこの章では、初心者にもおすすめの10の代表的な資産運用について簡単に解説します。
なお以下の図のように、投資方法によってリスク・リターンの度合いは異なります。
2-1.預貯金
預貯金とは銀行や信用金庫などの金融機関が、預金者が預けたお金に対して定期的な利息の支払いと将来の元本の支払いを保証する金融商品です。
預貯金は普通預金(貯金)などの出入金が自由にできる流動性預金(貯金)と、預入期間の定めがある定期性預金(貯金)の2種類に大別できます。
預貯金の最大の特徴は元本が保証されていることであり、もし金融機関が倒産したとしても1,000万円までの預貯金とその利息が保証されます。
また資産の流動性が高く、必要なときにすぐにお金を引き出すことができます。
ただし金利が低く、インフレリスクがある点には留意する必要があります。
インフレが起きてお金の価値自体が下がる可能性はゼロではありません。
現金や固定金利の預貯金、定期預金(貯金)などは、インフレリスクに弱い商品だといわれています。
また日本の代表的なメガバンクの普通預金(貯金)の金利は年0.001%程度であるため、預貯金だけで資産を大きく増やすことは難しいといえるでしょう。
2-2.投資信託
投資信託(ファンド)は投資家から集めたお金を一つの大きな資金としてまとめ、運用会社を通して株式や債券などに分散投資する金融商品です。
投資信託は少額から分散投資が可能であり、投資のプロに運用を任せることができるため、知識や経験のない初心者にも始めやすい資産運用の一つだといえるでしょう。
以下の図は投資信託の仕組みを簡単にまとめたものです。
運用益が発生すると、それぞれの投資額に従って利益の一部または全部が分配金として投資家に還元されます。
なお販売会社・運用会社・信託銀行など投資信託に関わる機関が破綻したとしても、投資家が預けた資産に直接的な影響はありません。
制度上、預けた資産は以下のように保全されるため、比較的安全に運用することができます。
- ・販売会社が破綻した場合:信託財産は販売会社を経由して信託銀行が管理しているため、特に影響はありません。また投資信託は別の販売会社に移管され、移管先の販売会社で取引を継続できます。
- ・運用会社が破綻した場合:運用の指図をするだけであり、信託財産の保管や管理は行っていないため、直接的な影響はありません。破綻後は他の運用会社が運用を引き継ぐ、もしくは繰り上げ償還されます。
- ・信託銀行が破綻した場合:法律上、信託財産と信託銀行の財産は分別管理されているため、信託財産に影響はありません。他の信託銀行に信託財産が移管されれば保有し続けることができ、そうでなければ破綻した時点の基準価額で解約となります。
ただし投資信託は預貯金のように元本を保証された金融商品ではないため、市場の動きなどの要因によって損失が出るケースも考えられます。
また購入手数料や運用管理費など各種手数料が発生し、コストがかかる点には留意しておきましょう。
投資信託は、証券会社や銀行、保険会社、郵便局などで購入可能です。
運用会社によっては独自の投資信託を取り扱っている場合もあるので、内容をよく比較してご自身が納得のいく商品を見つけましょう。
2-3.ロボアドバイザー
ロボアドバイザー、通称「ロボアド」とは人工知能が自動で資産運用してくれたり、投資のアドバイスや手伝いをしてくれたりするAI投資サービスの一種です。
AIのサポートにより知識がなくても手間や労力をかけずに投資ができ、少額からの資産運用が可能なので、初心者の資産運用にもおすすめです。
ロボアドバイザーには大きく分けて投資一任型と助言型(アドバイス型)の2種類があります。
投資一任型はその名のどおり、投資対象の選定から運用・管理までをAIに任せることができるサービスであり、運用にかかる手間や労力が最小限で済むのが特徴です。
一方、助言型はAIから資産運用についてのアドバイスを受けられるサービスであり、投資家が自分で管理・運用するため投資一任型よりもコストを抑えて利用できます。
ロボアドバイザーの対象となる金融商品には国内外の株式、債券、投資信託、REITなどがあり、豊富な種類からの投資対象を選べるということも大きな魅力だといえるでしょう。
サービス名 | 利用できるNISAのタイプ |
---|---|
WealthNavi | つみたて投資枠、成長投資枠 |
投信工房 | 成長投資枠 |
SMBCロボアドバイザー | つみたて投資枠、成長投資枠 |
なおロボアドバイザーも投資の一種なので元本割れのリスクがある点には注意が必要です。
元本割れは方法を問わず投資を行う上で避けられない共通のリスクだといえます。
しかしロボアドバイザーを利用して堅実な分散投資をすれば、比較的安定した運用がしやすいといえますよ。
2-4.株式投資
株式投資とは「株式」を売買したり、保有することで配当や優待などを得たりして利益を上げる投資方法をいいます。
以下は株式投資の仕組みをまとめた図です。
株式投資の主な手法には、短期間に株の売買を繰り返して利益を上げる「短期投資」と、長期的な企業の成長を見越して将来的な利益を目的とする「長期投資」の2種類があります。
株式投資で得られるメリットは以下の四つです。
- ・値上がり益(キャピタルゲイン)
- ・配当金(インカムゲイン)
- ・株主優待
- ・株主としての経営参加権
値上がり益はその名のとおり、安く購入した株式を値上がりのタイミングで売却して得た譲渡益のことをいいます。
また株式を売却せずに一定期間保有し続けた場合、配当金として株式会社が得た利益のうち数%が株主に再分配されます。
配当金がいくらになるのかは企業の業績や方針、保有する株数によって異なります。
なお配当金とは別に、企業から株主に対して「株主優待」と呼ばれる商品やサービスなどの特典が設けられているケースもあります。
- ・食品メーカーが自社の食品・飲料品を提供
- ・外食企業が自社のレストランの優待食事券を提供
- ・映画会社が映画鑑賞券を提供 など
さらに株主総会において株主には「議決権」の行使が認められており、企業の重要な議案に対して賛成・反対の意思表示ができます。
議決権は株数に応じて与えられるため、より多くの株を保有する株主(いわゆる「大株主」)は企業に対して強力な発言権を持ちます。
株価の上昇により大きな利益が生じる可能性があり、保有し続ければ配当金や株主優待などを得たり経営に参加できたりと、さまざまなメリットがあるのは株式投資ならではの特徴だといえるでしょう。
ただし株式には元本の保証がなく、株の価値が下がったり企業が経営破綻したりするなどして損失が発生するリスクがある点には注意が必要です。
2-5.REIT(不動産投資信託)
REIT(リート)とは投資家から集めた資金を不動産に投資し、賃貸料収入や不動産売買で生じる利益などを原資として配当する金融商品です。
「Real Estate Investment Trust」の略称であり、日本語で不動産投資信託とも呼ばれます。
REITに投資するだけで間接的に不動産のオーナーの一人になることができ、プロによる運用の成果を享受することが可能ですよ。
ここでは一般的なREITの仕組みを以下の図にまとめました。
不動産の直接投資(不動産を自ら所有し管理・運営を行う方法)と比較すると、REITは投資対象となる物件の種類が多く、少額からでも投資できるのが特徴だといえます。
またREITは不動産市場ではなく証券市場で取引され、株式と同じように上場しているため、流動性・換金性が高いといわれています。
ただしREITは元本が保証されている商品ではありません。
運用会社(発行者)の上場廃止や倒産、経営状態の悪化などにより損失を被ったり、不動産市場の動向によって収益力が変動したりするリスクがあります。
また金利や災害、不動産の経年劣化などさまざまな要因により、売却価格や分配金が大きく変動する可能性があるため注意が必要です。
なおREITはアメリカで生まれた投資方法であり、国外の投資法人が運用するREITを「海外REIT」、日本のREITを「J-REIT」といいます。
海外REITとJ-REITは運用対象や制度上の仕組みなどが以下のように異なります。
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JEITの種類 | 運用者 | 投資対象 | 入手しやすさ | 年利 | 制度上の特徴 |
---|---|---|---|---|---|
海外REIT | 海外の投資法人 | ・日本以外の不動産 ・種類が多い(一般的なマンションやビルなどの他、農場や刑務所などもある) |
個別で銘柄を購入できず、手に入れるまでに時間がかかる | 10%を超える銘柄もある | ・適用される制度は投資法人のある国によって異なる ・投資法人が不動産開発も行うケースもあり、J-REITより高い利回りが期待できる |
J-REIT | 日本の投資法人 | ・日本国内の不動産 ・種類が限られる(マンション、アパート、オフィス、テナントビル、ホテルなど) |
日本の証券会社を通してスピーディーに個別の銘柄を購入できる | 4%程度 | ・制度上の優遇があり安定した配当が手に入りやすい ・既存の不動産物件を購入して運用する(不動産の開発行為は禁止されている) |
海外REITは海外の不動産への投資が少額から手軽にでき、分散投資もしやすいこと、金利10%以上の銘柄も多くあるため大きな収益が期待できることなどがメリットだといえます。
一方でリアルタイムでの情報収集や銘柄の入手が難しいこと、その国特有の自然災害のリスクや為替リスクなどがあること、各国の法規制の確認が必要なことがデメリットだといえるでしょう。
J-REITの場合、海外REITに比べ利回りは低くなりますが、日本国内の株式投資などと比べると高い利回りで安定して分配金を得やすい傾向にあります。
2-6.債券投資
簡単にいってしまえば、債券とはお金を必要とする国や地方公共団体、企業などの発行体がお金を貸してくれた投資家に発行する借用書のようなものをいいます。
債券ごとにあらかじめ期間や金利が定められており、投資家は債券を保有し続けることにより満期までの間、定期的に利息を受け取ることができます。
以下に債券投資の仕組みをまとめました。
例えば以下の図のように、満期までの期間が5年かつ年率5%の債券を100万円分購入した場合、1年たつごとに1万円の利息が支払われ、5年後には元本100万円と利息5万円が支払われます。
なお現在、債券は電子化(ペーパーレス化)されており、実際に紙の券面が発行されるわけではありません。
債券には大きく分けて国内債券と外国債券の2種類があります。
以下に債券の種類とその特徴をまとめました。
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債券の種類 | 特徴 | ||
---|---|---|---|
国内債券 | 公共債 | 国債 | ・財務省が発行する ・年間発行計画に沿って多様な国債が発行されている ・個人の投資家を対象にした国債(個人向け国債)があり、毎月発行されている |
政府関係機関債 | ・公庫や独立行政法人などが発行する ・政府保証債、財投機関債などがある |
||
地方債 | ・都道府県や市区町村などの地方公共団体(自治体)が発行する | ||
民間債 | 社債(事業債) | ・民間の会社が発行する | |
外国債券 | 円建て債券 | サムライ債 | ・海外の発行体により日本国内市場で円建てで発行される |
ユーロ円債 | ・国内もしくは海外の発行体により日本外にて円建てで発行される | ||
外貨建て債券 | ・払い込み、利払い、償還金の支払いが外貨建てで行われる |
国内債券は国や地方公共団体のような公的機関が発行する公共債と、民間の企業などが発行する民間債に分けられます。
一方で通貨、発行場所、発行体のいずれかが外国の債券の総称を外国債券または外債といい、国内債券と同様に公共債や民間債があります。
なお債券のうち個人の投資家が購入するなら、国債(個人向け)もしくは社債(個人向け)がおすすめです。
個人向け国債は発行体が日本政府なので元本や利息の支払いも安心であり、1万円から1万円単位で手軽に購入できる点も魅力だといえます。
また発行後1年経過すれば途中換金することも可能で、毎月発行されるため売却や購入をしやすいのもメリットです。
一方で社債の場合、国債や預貯金と比較すると金利が高い傾向にあり、転換社債なら値上がり益も期待できるため、中長期で資産運用を考えている方におすすめだといえます。
しかし個人向けに発行されている絶対数が少なく、人気のある銘柄であればタイミングを逃してしまうと比較的購入が難しい傾向にあります。
また流動性が低く途中で売却しにくい点や元本割れリスクが高めである点には注意が必要です。
安全性・収益性・流動性のすべてにおいて優れた債券は存在しないため、中長期的にしっかり見通しを立て、目的に応じて銘柄を選ぶことが重要です。
ただし、以下のリスクがあるので留意しておきましょう。
- ・価格変動リスク:途中で売却する場合、購入価格よりも売却価格が下がり損失が出るケースがある
- ・信用リスク:債券の発行体の財務状況が悪化した場合に元本や利息が支払い不能になったり、信用力が低下したりした場合に換金できなくなったりするケースがある
- ・流動性リスク:流通市場で債券を取引する場合、取引相手が見つからず売却できない可能性がある
- ・為替変動リスク(外国債券の場合):売却時または償還時、為替レートの変動により為替差損が生じる可能性がある
- ・カントリーリスク(外国債券の場合):発行体の所在する国や地域の政治、経済環境などにより価格が変動するケースがある
2-7.為替取引
為替取引とは「円と米ドル」など異なる二つの通貨を交換する取引です。
通貨の交換比率を為替レートといい、為替レートが低いときに為替取引をして高くなったタイミングで再度取引すれば利益を得ることができます。
例えば米ドルを1米ドル=100円のときに10万円分(1,000米ドル)買い、1米ドル=130円に上がったときに売却すれば3万円の利益が発生します。
外国為替レートを見るとき、日本では円との交換比率を基準に表します。
円1単位で交換できる他通貨の単位数が相対的に多いときを「円高」、相対的に少ないときを「円安」といいます。
代表的な為替取引として「外貨預金」と「FX」の二つがあります。
異なる通貨を取引して利益を得るという意味ではどちらも為替取引に分類できますが、利益を得る取引の仕組みや発生するリスク・リターンなどが大きく異なります。
ここからは外貨預金とFXの特徴をそれぞれ紹介します。
2-7-1.外貨預金
外貨預金とは外国の通貨を外国の銀行に預けることをいいます。
外貨預金として預けた資産の価値は為替相場の影響を受けて変動するため、預けたときよりも通貨の価値が上がれば為替差益が、下がれば為替差損が発生します。
また国内の銀行に預けても利息はほとんど期待できませんが、海外の銀行の金利は日本より高い傾向にあります。
経済情勢が安定している国の金利の高い銀行に預ければ、着実に資産を増やすことができますよ。
なお為替レートが円安になった場合のリスクヘッジができる点も魅力だといえるでしょう。
以下の表は日本、アメリカ、欧州、カナダ、ニュージーランドを例に定期預金の金利や特徴をまとめたものです。
国 | 通貨 | 定期預金の金利 | 特徴 |
---|---|---|---|
日本 | 円 | 0.002%程度 | 金利は低いが、1,000万円までの資産であれば銀行が倒産しても保証される |
アメリカ | 米ドル | 0.01~0.05%程度 | 金利は高くないが、比較的経済が安定しており成長が期待できる |
欧州 | ユーロ | 2.3%程度 | 日本や米国などの先進国のなかでは高金利だが、やや社会的、経済的な不安がある |
カナダ | カナダドル | 1.25〜2.25%程度 | 先進国のなかで高金利であり、世界有数の資源国かつGDP成長率も堅調に維持している |
ニュージーランド | ニュージーランドドル | 2.7〜2.8%程度 | 一部の銀行で2%以上の金利があり、相対的に国の情勢が安定している |
ただしお金を預けている銀行が倒産した場合、日本の銀行のような保証はないことを留意しておきましょう。
また為替レートの変動によって預けた通貨の価値が下がってしまったり、預金先の海外の銀行が倒産して資産が返ってこなかったりといったリスクがある点にも注意が必要です。
2-7-2.FX(外国為替証拠金取引)
このようにFXという言葉は知っていても、実際にどのようなものか分からない投資初心者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
FXは為替レートの変動を予想して通貨を取引し利益を得る為替取引の一種です。
「Foreign Exchange」の略であり、別名「外国為替証拠金取引」とも呼ばれています。
FXの最大の特徴はレバレッジという仕組みを利用できることであり、少ない資産で短期的に大きな利益を狙うことができます。
レバレッジにより自分で用意した分よりも多くの資産を投資できるため、利益も損失も大きくなります。
また為替レートの変動の影響が大きく、投資した資金以上に高額な損失がでてしまうケースもある点には注意しましょう。
なおFXには長期的に得られる「スワップポイント」という利益があります。
レバレッジと比較すると、スワップポイントで得られる利益は多くありません。
しかし売買することなく保有するだけで毎日利益を上げることができるため、スワップポイントを目当てにFXを利用する人もいます。
少しでも多く利益を得たいなら、より金利差の高い通貨ペア(通貨の組み合わせ)を選びましょう。
FXはリスクがあっても短期間で資産を増やしたいという方におすすめの投資方法だといえるでしょう。
なおFXを始めるにはFX会社に専用の口座を作る必要があります。
2-8.暗号資産(仮想通貨)
このように「暗号資産」「仮想通貨」という言葉は聞いたことがあっても、具体的にどのようなものなのか、安全に取引できるのか分からないという方もいらっしゃるでしょう。
暗号資産(仮想通貨)とは暗号データとしてインターネット上でやり取りされる物理的な実体のない通貨のことであり、別名「デジタル通貨」とも呼ばれています。
暗号資産はインターネット上で通貨のように商品やサービスなどの対価として利用したり、取引所を通じて円や米ドルをはじめとする法定通貨と交換したりすることができます。
なお2022年現在、世界中で9,900種類以上もの暗号資産が存在しています。
なかでも代表的な暗号資産として「ビットコイン」が挙げられます。
暗号資産には法定通貨のように公的な発行主体や管理者が存在せず、銀行や金融機関などを通さずに取引されるのが特徴です。
法定通貨の場合は金融政策次第で供給量が増減しますが、暗号資産は供給量に上限が設けられているものが多く、希少性が高くなると価値が急騰する傾向にあります。
以下の図は暗号資産と法定通貨の仕組みを比較したものです。
法定通貨の管理者は国や国が定めた公的機関ですが、暗号資産に管理者はなく不特定多数のコンピュータが同じデータを所有し、取り引きの信頼性を担保しています。
暗号資産の市場は比較的新しく、流通量や市場規模が小さいため、取引時の需要と供給によって価格が大きく変動します。
そのため10倍や20倍といった大きな利益を短期間で狙うことも可能なのです。
なお暗号資産を取引するには、暗号資産の販売所や取引所を利用するのが一般的です。
なお取引所によって取り扱う暗号資産の種類や数、レバレッジや分散投資といったシステムの有無は異なります。
以下のようなデメリットがあるため、リスクを理解した上で取り扱う必要があります。
- ・需要の増減や市場の変動により、価格が大きく下落するリスクがある
- ・取引所の廃止やハッキングなどにより、資産を取り出せなくなるリスクがある
暗号資産の歴史はまだ浅く、法定通貨のように国や政府などによる法的な保証がありません。
今後さらに成長する可能性もある一方で、将来的な見通しは不透明であり、資産としての価値も不安定であるため、突然価値がなくなる可能性もゼロではない点に注意しましょう。
暗号資産はリスクがあっても短期間で大きな利益を狙いたい人、トレードの知識や経験があり挑戦したい人、資産としての将来的な価値に期待したい人などにおすすめです。
2-9.ETF(上場投資信託)
ETF(上場投資信託)とは「Exchange Traded unds」の略であり、投資信託のうち証券取引所に上場しているものをいいます。
投資信託でありながら株式と同じような性質を持つのが特徴で、値動きをリアルタイムで確認し、取引所の営業時間であれば自由に売買することが可能です。
日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)、NYダウなどの指数に連動するように運用される「インデックス型」なので、初心者にも値動きが分かりやすく比較的扱いやすいといえます。
なお日本で取引可能なETFは国内ETFと海外ETFの二つに大別できます。
ETFの投資対象は、以下の図のようにさまざまな銘柄で構成されています。
以下の表はETFと株式投資、一般的な投資信託の特徴を比較したものです。
※横にスクロールできます
資産の運用方法 | 上場・非上場 | 銘柄の数 | 購入できる場所 | 価格変動 | 取引価格 | 信用取引 | 収益 | 費用 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
購入時 | 売却時 | 保有期間 | ||||||||
ETF | 上場 | 270程度※1 | 証券会社 | リアルタイム | 市場での時価 | 可 | 分配金 | 売買手数料 | 売買手数料 | 信託報酬 |
株式投資 | 上場 | 3,800程度※2 | 証券会社 | リアルタイム | 市場での時価 | 可 | 配当金 | 売買手数料 | 売買手数 | – |
一般的な投資信託 | 非上場 | 14,400程度※3 | 銀行、郵便局、証券会社など | 1日1回 | 基準価額 | 不可 | 分配金 | 購入代金の0〜4%程度 | 信託財産留保学 | 信託報酬 |
※2日本取引所グループ公式サイトより「上場会社数」を参照(2022年8月31日時点)
※3一般財団法人投資信託協会公式サイトより「投資信託の全体像(純資産総額・ファンド本数)」を参照(2022年7月時点)
投資信託や株式と比較するとETFは銘柄や数が少ないといえますが、国内株式・外国株式・債券・REITなど豊富な投資対象があるのが特徴です。
株式の売買と同様、ETFの取引は証券会社を通して行い、銘柄によって決められた売買単位ごとに買いや売りの注文をする必要があります。
購入時の手数料や信託報酬などのコストは投資信託よりETFの方が安い傾向にあるため長期保有にも適しています。
なおリスクがないわけではありませんが、特定の銘柄を購入する株式よりも不特定多数の銘柄に分散投資するETFや投資信託の方が比較的安定した運用ができると考えられます。
ETF・株式・投資信託のどれを選ぶかはご自身の目的や考え方によります。
「株式のように市場の動きを見てリアルタイムで売買したい」かつ「投資信託のように気軽に分散投資したい」という方はETFが向いているといえるでしょう。
ただし日本では投資信託のように株・債券・REITなど異なる資産クラスを組み合わせたETFは存在しません。
そのため複数の資産クラスに分配投資する場合には、投資家自身の判断で組み合わせる必要があります。
また複数の資産を組み合わせて運用する際、投資信託のように自動でリバランスが行われたり、積立投資ができたりといった機能はないため注意が必要です。
なお投資したETFの銘柄に株式が含まれていても、株主優待の対象にはなりません。
2-10.先物取引
先物取引とはいわゆる派生商品(デリバティブ)の一つであり、特定の商品を取引時点に定めた価格で将来の決められた期日に売買することを約束する取引をいいます。
以下の図のように、先物取引ではあらかじめ商品の数や量、金額などを確定しておき、将来の約束した日が来た時点で実際に売買します。
市場価格の変化が予想される商品であっても、先物取引をすれば価格変動のリスクを回避できるのが大きなメリットだといえるでしょう。
現在では原油や食品、貴金属といった商品から株式や株価指数などの金融商品まで、さまざまな対象が先物取引されています。
なお先物取引には以下のような特徴があります。
- ・取引できる期間が決まっており、期日を過ぎると自動的に決済される
- ・「売り」からでも「買い」からでも取引可能
- ・将来の約束期日以前であれば、いつでも反対売買(約定時と反対の取引をすること)ができる
- ・差金の受け渡しで決済する※国債先物など一部の商品を除く
- ・証拠金(取引の担保)を差し入れることで、元手が少なくても大きな取引ができる
先物取引では商品を売買する期日が決められており、期日までに約定時(契約時)と反対の取引をする必要があります。
つまり先に買い付けを行った場合には売り付けを、先に売り付けを行った場合には買い付けを行います。
なお売買のタイミングに規定はなく期間内であればいつでも取引可能です。
また先物取引は「買い」からでも「売り」からでも開始できるのも大きな特徴です。
以下の図のように相場が上昇すると判断したときには買いからスタートし、下落すると判断したときには売りからスタートできます。
相場の上がり下がりのどちらの局面でも利益を狙えるのは大きなメリットといえるでしょう。
また少ない元手でレバレッジ取引ができるのも先物取引の特徴です。
先物取引では取引開始時に取引金額の全額を用意する必要はなく、「証拠金」と呼ばれる担保を差し入れて取引を行います。
決済が行われる際にも売買代金の総額ではなく、買い代金と売り代金の差額の受け渡しが行われるため効率よく資産を運用できるのです。
ただし相場の見通しが外れてしまった場合、大きな損失が出るリスクもあるため注意しましょう。
十分な資金をあらかじめ用意しておき、リスクが出る場合も想定して無理な運用をしないことが重要です。
まず、先物取引を行うには証券会社の口座が必要です。
ただし総合口座だけでなく、先物・オプション取引口座を合わせて開設する必要があります。
また初心者の方であればいきなり大きな金額を扱うのではなく、以下のような知名度が高く少額から取引できる銘柄を選ぶと良いでしょう。
銘柄 | 概要 | 証拠金 | 取引単位 |
---|---|---|---|
日経225ミニ | 日経平均株価(日経225)を対象にした株価指数先物取引 | 「日経225先物取引」の10分の1 | 日経平均株価指数×100倍 |
ミニTOPIX先物 | 東証株価指数(TOPIX)を対象とした株価指数先物取引 | 「TOPIX先物」の10分の1 | TOPIX指数×1,000倍 |
NYダウ先物 | NYダウを対象とした先物取引 | 140,000円程度※1 | NYダウ×100円 |
東証REIT指数先物 | 東証REIT指数(東証市場に上場するREIT全銘柄を対象とした株価指数)を対象とした先物取引 | 117,500円※2 | 東証REIT指数× 1,000円 |
※2 auカブコム証券(2022年09月12日夜間〜2022年09月20日日中)参照
3.おすすめの資産運用サービス9選
このようにお考えの方も多くいらっしゃるでしょう。
利用するサービスによって購入できる投資商品や手数料、リスク・リターン、使い勝手などが大きく異なります。
おすすめ1 株式投資:DMM株
DMM株は「DMM.com証券」が運営するネット証券会社であり、さまざまな金融サービスを提供しています。
投資対象は国内株式・米国株式に限定されていますが、一つのツールでまとめて管理・取引できます。
DMM株がリリースしているツールはほとんど無料であり、ご自身に合ったものを選べるため、初心者から上級者まで幅広いユーザーに適していますよ。
なお10万円以下の取引手数料が業界最低水準であり、国内株式の手数料は55円から、国内株式信用取引と米国株式は手数料無料なので少額から投資したい方にもおすすめです。
長期的な株価の右肩上がりが期待できる「米国株(NYダウ)」にも取引手数料0円で1株から投資できるのは魅力的ですよね。
また証券口座の開設や維持にかかる費用も無料なので、できるだけ手数料をかけずに投資の利益を多く得たいという方に向いているでしょう。
なお24時間体制でメール、電話、LINEによるサポートを受けることが可能ですよ。
おすすめ2 株式投資:松井証券
松井証券は日本初の本格的なインターネット証券であり、100年以上の歴史を持つ老舗の証券会社です。
1日の約定代金の合計が50万円までなら手数料が無料なので、少額の投資をしたい個人の投資家にとってお得なサービスだといえます。
手数料の体系は1種類のみであり、初心者にも分かりやすいのもうれしいポイントです。
また松井証券では取引や情報提供のためのツールが多数用意されています。
アプリ「株touch」を使えば、スマホ1台で情報収集から株式のスピード注文まで簡単にできます。
Web上でライフプランをシミュレーションできるツール「松井FP〜将来シミュレーター〜」を使えば、簡単な質問に答えていくだけで将来必要なお金を知ることが可能ですよ。
おすすめ3 株式投資:楽天証券
楽天証券は楽天グループのネット証券会社であり、新規口座開設数※1、NISA口座開設数※1、iDeCo新規加入者数ナンバーワン※2の人気サービスです。
※2 主要運営管理機関で比較(2022年3月30日現在、楽天証券調べ)
楽天証券の最大の特徴は、楽天ポイントや楽天証券ポイントを投資に利用できることだといえます。
普段のショッピングや楽天のサービスの利用で貯まったポイントを投資に利用すれば、実質的なコストをかけずに資産運用することも可能ですよ。
また楽天銀行と楽天証券の口座を結び付けておけば、口座から自動で入金されるのでスムーズに取引できます。
なお、NISAやiDeCoにも対応しているため、これらの税制優遇制度を利用したい方にもおすすめですよ。
おすすめ4 FX:マイメイト
マイメイトはAIがほぼ自動でFX取引を行ってくれるサービスです。
一般の投資家に向けたミドルリスク・ミドルリターンの金融サービスを提供するインヴァスト証券が運営しています。
FX取引だけでなく値動きやトレンドの分析なども自動で行なってくれるので、FXの初心者や忙しくて時間がないけれどFX投資をしたい方に適しています。
取引を行うごとに結果や最新の相場などからAIが自動学習するため、投資家の考えや好みを反映して自分に合ったエージェントを育成することも可能です。
リスク許容度は「リスク回避」「バランス」「リターン」の3タイプから選択できます。
ご自身が重視する方針を選びましょう。
FX取引を成功させるには各国の経済状態などの情報や知識を得て分析することが必要不可欠ですが、マイメイトならAIがサポートしてくれるので初心者でも利益を得やすいといえるでしょう。
おすすめ5 FX:DMM FX
DMM FXはDMMグループの「DMM.com証券」が提供するFXサービスです。
大手企業が運営しているためサポート体制もしっかりしており、安心してFX取引ができます。
電話での問い合わせは24時間体制で、LINEのカスタマーサポートもあるので分からないことがあってもすぐに解決できますよ。
口座開設手数料、口座維持手数料、出金手数料などが無料であるため、投資初心者でも比較的利用しやすいといえるでしょう。
また申し込みから最短即日で取引を開始できるのも魅力です。
スマホとPCのどちらからでも利用できる高性能なツールが整っているため、どこでも万全の状態で取引できますよ。
ただし現在、取引できるのは20通貨ペアに限定されており、マイナー通貨の取引をしたい方には向きでない点には注意しましょう。
おすすめ6 FX:みんなのFX
みんなのFXはコストを抑えてFX取引ができる初心者におすすめのFXサービスです。
運営元は1999年から個人投資家向けのサービスを提供しているトレイダーズ証券であり、20年以上の豊富な実績と経験があるため安心して利用できるでしょう。
スプレッドが狭い(外貨取引コストが安い)ことが特徴で、業界でも最安水準を誇ります。
またスワップポイント(2カ国間の金利差調整分)が高く安定していることも魅力であり、FX取引をより有利に進めることができますよ。
1,000通貨取引に対応していて各種手数料も無料なので、少額から手軽にFX取引ができますよ。
申し込みから最短1時間後に取引を開始できるので、すぐに始めたいという方にもおすすめです。
おすすめ7 ロボアド:ウェルスナビ(WealthNavi)
ウェルスナビは運用者数1位(※)の投資一任型ロボアドバイザーです。
※一般社団法人日本投資顧問業協会「契約資産状況(最新版)(2023年9月末現在)『ラップ業務』『投資一任業』」を基にネット専業業者を比較
ウエルスアドバイザー社調べ(2023年12月時点)
預かり資産は7,500億円(2022年9月13日時点)、運用者数は34万人(2022年6月30日時点)を突破しています。
金融庁の発表する最新の預かり資産・運用者数でも第1位(※)を獲得しており、人気・信頼性ともに高いサービスだといえるでしょう。
ウエルスアドバイザー社調べ(2023年12月時点)
ウェルスナビはNISAに対応しているため、NISA口座を利用すれば限度額の範囲内で、投資で得た利益が非課税になります。
またNISA口座がない方でも特定口座を利用すれば、税負担を自動で最適化する「自動税金最適化(DeTAX)」という独自のサービスを使うことができますよ。
手数料が比較的高めといえますが、その分充実したサービスが提供されており、初心者でも安心して利用できます。
なお入金額に応じて半年ごとに手数料の割り引かれていく「長期割」というシステムがあり、自動積立機能もあるため、長期間コツコツ資産運用をしたい方にもおすすめです。
おすすめ8 ロボアド:THEO+docomo
THEO+docomoはロボアドバイザーのTHEOとNTT docomoが共同で提供する投資一任型のロボアドバイザーです。
THEO+docomoの最大の特徴は、運用する金額に応じて毎月0.01%、つまり1万円につき1ポイントのdポイントが還元される点です。
例えば100万円を預け入れた場合、ひと月あたり100ポイント、年間で合計1,200ポイントをゲットできますよ。
さらにdocomo回線を契約している方であれば、通常より1.5倍多くポイントをもらえます。
以下は1年間に付与されるdポイントを回線の有無と運用額に分けてまとめた表です。
運用額 | ドコモ回線なし | ドコモ回線あり |
---|---|---|
50万円 | 600ポイント | 900ポイント |
100万円 | 1,200ポイント | 1,800ポイント |
300万円 | 3,600ポイント | 5,400ポイント |
1,000万円 | 12,000ポイント | 18,000ポイント |
なおTHEO+docomoをdカードと連携させて「おつり積立」という機能を利用すれば、日々のショッピングなどで少額から手軽に投資ができます。
またTHEO+docomoには「THEO Tax Optimizer」という税負担を軽減する機能があります。
おすすめ9 ロボアド:投信工房
投信工房は大手証券会社の松井証券が運営する助言型ロボアドバイザーです。
100年以上の歴史のある証券会社が運営しているサービスなので、安心感がありますよね。
利用にかかるコストは信託報酬のみであり、ロボアドバイザーの利用自体に料金がかからない点もうれしいポイントといえるでしょう。
ポートフォリオの提案から運用開始後の定期的なメンテナンスまで、充実したサポートを無料で受けられます。
松井証券が扱っている投資信託を購入する際には、ぜひ利用したいサービスといえるでしょう。
また100円から積立投資ができるため、少額から資産運用を始めたい方にもおすすめです。
積み立てのペースは毎月、毎週、毎日などご自身の都合に合わせて選べるので、無理なく続けることができますよ。
なお助言型ロボアドバイザーであるため、最終的な判断は利用者自身で行う必要があります。
投資の知識を身に付けたいという方にとっては、メリットが大きいといえるでしょう。
4.【運用額別】おすすめの資産運用
資産運用の方法は少額の元手で始められるものから、まとまった資金の運用に適しているものまでさまざまです。
そこでこの章では、以下の運用額別におすすめの資産運用をご紹介します。
運用額 | おすすめの資産運用 |
---|---|
少額〜 | 投資信託、ロボアドバイザー、ミニ株(単元未満株)、NISA、iDeCo など |
100万円〜 | 投資信託、株式投資/ミニ株、ロボアドバイザー、ETF、REIT など |
1,000万円〜 | 株式投資、不動産投資、REIT、ETF、外貨預金、投資信託、ロボアドバイザー など |
4-1.少額〜
このようにお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は100円〜、数千円〜、数万円〜といった少額から始められる投資サービスもいくつか存在します。
運用できる資産が多くないという方やできるだけリスクを避けたい投資初心者の方であれば、まずは以下のような少額からできる資産運用を始めるのがおすすめです。
- ・投資信託
- ・ロボアドバイザー
- ・ミニ株(単元未満株)
- ・NISA
- ・iDeCo など
現在、多くの証券会社が投資信託の最低購入価格を1銘柄数百円〜1万円程度に引き下げています。
楽天証券、松井証券などでは100円から投資信託を始めることができます。
投資信託なら運用をプロに任せることができ、1つの銘柄を購入するだけで手軽に分散投資が可能なので、できるだけリスクを避けたい初心者にとってもうってつけだといえます。
また銘柄は限られますが、ミニ株(単元未満株)も少額の投資に適しています。
通常の株式は単元株(100株単位)で取引されるので購入するにはまとまった資金が必要ですが、ミニ株なら元手が少なくても気軽に購入できますよ。
また投資にチャレンジしてみたいけれど知識が少なくて不安という方、資産運用にかける時間を確保できないという方はロボアドバイザーを利用するのもおすすめです。
なお、NISAやiDeCoといった非課税制度もあわせて利用すると良いでしょう。
4-2.100万円〜
投資は100円〜数万円程度の少額からでも始めることができますが、100万円程度の元手があれば運用の選択肢も増え、方法によってはまとまった運用益が見込めます。
初心者が100万円程度の資産を元手に資産運用するなら、以下の方法がおすすめです。
- ・投資信託
- ・株式投資/ミニ株
- ・ロボアドバイザー
- ・ETF
- ・REIT など
できるだけリスクを抑えて資産運用するためには、特定の銘柄に集中投資するのではなく分散投資をすることが重要です。
また取引するタイミングもできるだけ分散させて堅実に運用すると良いでしょう。
投資信託やETFであれば、1つの銘柄を購入するだけで複数の投資対象に分散投資でき、投資のプロが運用してくれるため、元本割れなどのリスクが比較的少ないといえます。
また利益を狙うならリスク・リターンの大きい銘柄を購入するのが一般的ですが、損失が出ることも考慮しなければなりません。
安定した運用が見込める銘柄もあわせ、複数の金融商品を購入しリスクヘッジしましょう。
なお銘柄によりますが、100万円の元手があれば一般的な株式を購入したり、RIETのなかでも比較的単価の高いJ-REITを購入したりすることも可能です。
なお少額からの投資と同様にNISAやiDeCoをあわせて利用すると良いでしょう。
4-3.1,000万円〜
このように1,000万円程度の余剰資金があり、将来に向けて資産運用した方が良いのか悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
1,000万円の元手があれば、さまざまな方法で投資できます。
具体的には、以下のような方法で分散投資するのがおすすめです。
- ・株式投資
- ・不動産投資
- ・REIT
- ・ETF
- ・外貨預金
- ・投資信託
- ・ロボアドバイザー など
現在、日本の金融機関の利息は低く、資産を預けていてもほとんど増えることはありません。
またインフレや円安などの影響により、いつの間にか資産価値が落ちてしまうリスクもあるため、資産を眠らせておくよりも投資にまわして運用する方が有益だといえます。
だだし1,000万円の資金があったとしても一つの銘柄に一気に投資する、いわば「博打」のような運用方法はおすすめできません。
元手が多いからといって油断せず、株式投資と投資信託、外貨預金を組み合わせるなど、複数の投資方法を併用して分散投資するとリスクヘッジできますよ。
5.【目的別】おすすめの資産運用
このように資産運用の目的は人によってさまざまですよね。
投資の方法によってリスクやリターンの大きさ、得られる利益の種類、運用に適した期間などに違いがあります。
そのため長期間でゆっくり堅実に資産を増やすのか、短期間で効率よく大きなリターンを狙うのかでは、最適な資産運用の方法が異なるということです。
この章では以下の五つの目的別におすすめの資産運用の方法を紹介します。
目的 | おすすめの資産運用 |
---|---|
(1)将来に向けて堅実に資産形成したい | iDeCo、NISA |
(2)できるだけ手をかけずに資産運用したい | 投資信託、ETF、ロボアドバイザー |
(3)利回りで少しずつ資産を増やしたい | 株式投資、REIT、債券 |
(4)リスクがあってもハイリターンを狙いたい | 株式投資、FX |
(5)現金を使わずに投資を始めたい | ポイント投資、暗号資産 |
5-1.将来に向けて堅実に資産形成したい
このように将来に向けて堅実に資産運用したいという方も多くいらっしゃるでしょう。
運用にまわせる余剰資金があるなら、眠らせておくよりも少額から始められる投資をするのがおすすめです。
毎月コツコツ資産運用したいという方は、まずiDeCoやNISAを検討してみましょう。
これらの制度を利用すれば少額からでも運用を始めることができ、節税のメリットも享受できるため非常にお得だといえます。
また元本割れのリスクはゼロではないものの、iDeCoやNISAの投資対象になる金融商品には比較的安定して運用できるものが多くあります。
長期的な利益を見越して運用する場合、価格の変動が少ない商品に投資しておけば初心者でも焦らず安心して運用できるでしょう。
5-2.できるだけ手をかけずに資産運用したい
投資商品の価値は日々変動するため、運用方法によっては市場の動きなどを定期的にチェックする必要があります。
しかし投資に時間をかけられないという方や、投資の知識がなくて自力で運用するのに不安があるといった方もいらっしゃるでしょう。
手間や労力をかけずに資産運用したいなら、投資信託やETF、ロボアドバイザーがおすすめです。
投資信託やETFでは投資のプロが投資家に代わってどの銘柄に投資するか選んだり、市場の動向をチェックしたりといった運用の管理をしてくれます。
またロボアドバイザーを利用する場合、サービスによっては入金だけして放置していても自動的に運用してくれるタイプもありますよ。
5-3.利回りで少しずつ資産を増やしたい
投資商品のなかには売却益だけでなく、株式やREIT、債券など運用期間中に定期的に利益が発生するものもあります。
例えば株の配当金や債券の利息など、所有し続けながらコツコツ資産を増やしていくのも一つの手ですよ。
ただし利回りが高い商品は比例してリスクも高い傾向があるため注意が必要です。
理想的な年利は7%程度(10年で資産が倍になる利回り)といわれていますが、投資初心者や堅実な運用をしたい方であれば3〜5%くらいの利回りを狙うのがおすすめです。
株式投資をするなら利回り3%以上の高配当株、円安時を狙うなら米国ETFや海外債券などがおすすめですよ。
なお株式と同様に、J-REITの多くは年2回決算を行います。
商品によりますが、J-REITでは運用が順調であれば分配金を年2回受け取ることができ、少額から分散投資できるため初心者にも適しているといえます。
5-4.リスクがあってもハイリターンを狙いたい
短期間で大きなリターンを得るのは投資の醍醐味といえますよね。
短い期間の運用で利益を得たいなら、株式投資やFXがおすすめです。
価値が上がる銘柄を予測し、安く買って高く売ることができれば大きなリターンを得ることも夢ではありません。
またFXであればレバッジ機能があるので、少ない元手で多くの利益を得られる可能性もあります。
ただし投資である以上、大きなリターンを見込める商品はその分リスクも大きくなるため注意が必要です。
ハイリスク・ハイリターンの投資を成功させるには、銘柄や市場などに関する知識が必要不可欠といえるでしょう。
5-5.現金を使わずに投資を始めたい
このように資産運用を始めたいと思っても、現金で投資するのには抵抗があるという方もいらっしゃるでしょう。
そこでおすすめなのが「ポイント投資」です。
また投資資金が現金かポイントかにかかわらず、リターンが発生した場合に現金で受け取ることができるのもメリットといえます。
投資に使えるポイントや対応する証券会社などを以下の表にまとめました。
ポイント名 | 証券会社/暗号資産取引所 | 投資対象 | NISA対応 | ポイントの貯め方 |
---|---|---|---|---|
楽天ポイント | 楽天証券 | 投資信託 国内株式 米国株式 バイナリーオプション |
あり | ・楽天カードで決済 ・楽天市場でショッピング ・楽天グループのサービス(楽天モバイル、楽天銀行など)を利用 ・提携店にて楽天ポイントカードの提示 |
Vポイント | SBI証券 | 投資信託 | あり | ・提携店にてVポイントカードの提示 ・決済機能付きVポイントカード(旧名称:Tカード)で支払い ・Tモールでショッピング |
SBIネオモバイル証券 | 国内株式 FX |
– | ||
bitFlyer | 暗号資産(ビットコイン) | – | ||
LINEポイント | LINE証券 | 投資信託 国内株式 |
– | ・LINE内のサービス(LINEショッピング、LINEトラベルなど)の利用 ・LINEポイントクラブのキャンペーンに参加 |
dポイント | SBI証券 | 国内株式 | あり | ・ドコモのサービスを利用 ・dカードで決済 ・提携店でdポイントカードの提示 |
日興フロッギー(SMBC日興証券) | 国内株式 | あり | ||
ポンタポイント | auカブコム証券 | 投資信託 | あり | ・auのサービスを利用 ・ポイントが貯まるキャンペーンに参加 ・提携店でPontaポイントカードの提示 |
SBI証券 | 投資信託 | あり | ||
松井ポイント | 松井証券 | 投資信託 | – | ・提携クレジットカード(MATSUI SECURITIES CARD)で決済 ・松井証券で対象の投資信託を保有 |
普段の生活や買い物などでご自身が貯めやすいサービスのポイントを活用するのがおすすめです。
なお楽天証券などNISA口座でもポイント投資できるサービスも存在するので、よりお得に活用したいという方は利用してみると良いでしょう。
6.【年代別】初心者におすすめの資産運用
就職・結婚・出産・退職など、起こりうるライフイベントは年代ごとに異なりますよね。
収入や支出、投資に回せる額も違うため、年代ごとに最適な運用方法を選択していくことが重要といえます。
また一般的に、年代によって投資におけるリスク許容度が変わるといわれています。
例えば20代から50代くらいまでのいわゆる「働き盛り」の場合、たとえ資金が目減りしても取り返すチャンスは十分あると考えられます。
しかし引退後のシニア世代の場合、容易ではないケースもあるでしょう。
このように挽回が可能であればある程度リスクを許容して投資できますが、難しければできるだけ安全に運用するのがおすすめだといえます。
6-1.20代
人生において20代は収入や資産は多くないものの、比較的自由に使えるお金の割合が高い時期だといわれます。
余剰資金をすべて使い切るのではなく、結婚やマイホームの購入資金などを見越して将来のための資産形成を始めると良いでしょう。
若いうちから投資を始めれば、少額でも中長期的に堅実な資産形成をすることも可能です。
また投資の知識も身に付くため一石二鳥といえますね。
なお投資に回せる資金が増えたり、運用に慣れてきたりすれば、リスクを取って高いリターンを目指してみるのも一つの手ですよ。
20代におすすめの資産運用は以下の通りです。
- ・NISA
- ・iDeCo
- ・投資信託
- ・株式投資(ミニ株)
- ・国債
6-2.30代〜40代
30代〜40代は収入が増える一方で、出産や子どもの教育、住宅ローンの返済などの支出も多くなる時期だといわれています。
月々の支出に追われて運用資金の捻出が大変なケースも想定できますが、子供の将来やご自身の老後も見据えてできるだけ効率よく資産運用することが大切です。
NISA、iDeCoなどの非課税制度を利用しつつ、余裕があれば複数の運用方法を組み合わせて分散投資をするのがおすすめですよ。
また30代〜40代の働き盛りであれば、少しリスクがあってもアクティブな投資に挑戦すると良いでしょう。
30代〜40代におすすめの資産運用は以下の通りです。
- ・NISA
- ・iDeCo
- ・投資信託
- ・株式投資
- ・ロボアドバイザー
6-3.50代
50代の仕事や家庭、お金の事情はさまざまですが、一般的には子供が独立して教育費などの負担が減り、老後に向けた資産形成を考える方も増えてくる時期といわれます。
また働き手の年齢が50代前半と後半で資産運用する際の方針も異なります。
退職までに10年ほどある50代前半ではアクティブな投資も検討できます。
一方で定年まで数年という状況であれば、今ある資産をできるだけ堅実に運用することが大切です。
将来への不安から資産運用を検討し始めたという方は、まず老後の年金や暮らしについてきちんと考え、資産運用を含めた家計の見直しをすると良いでしょう。
攻めの資産運用をするよりは、安全性を重視した堅実な分散投資をするのがおすすめですよ。
- ・NISA
- ・iDeCo
- ・投資信託
- ・株式投資
- ・債券投資
6-4.60代〜
一般的に60代以降は限られた年金などの収入と貯蓄が生活の基盤となる時期といわれます。
そのため資産ができるだけ目減しないよう、安全に管理・運用することが大切です。
まず毎月かかる生活に必要な資金、趣味など余暇を楽しむための資金などを把握して、安全性を重視した守りの資産運用を心がけましょう。
60代〜におすすめの資産運用は以下のとおりです。
- ・NISA
- ・投資信託
- ・債券投資
- ・不動産投資
銘柄にもよりますが、プロに運用を任せ分散投資する投資信託や、満期に元本が返ってくる債券投資などを選べば比較的安全に運用できますよ。
7.資産運用をする前に知っておきたい2つの制度
現在、政府からもNISAやiDeCoなどの制度を利用した資産運用が推奨されており、投資を始める人が増えてきました。
しかし具体的にどのような制度なのか、何が利点でどのようなリスクがあるのかなど分からないことが多いという方もいらっしゃるでしょう。
簡単にいってしまえば、NISAは少額からの投資を行う方を支援するための非課税制度、iDeCoは公的年金にプラスして給付を受けられる私的年金制度の一つです。
以下の表にNISAとiDeCoの特徴をまとめました。
※横にスクロールできます
制度 | 受け取れる資産と運用益の用途 | 最低運用金額 | 年間運用額の上限 | 累計運用額の上限 | 運用可能期間 | 引き出しのタイミング | 税優遇 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
iDeCo | 将来の年金 | 毎月5,000円 | 14万4,000円~81万6,000円 | 上限なし | 原則60歳まで | 60歳以降 | ・拠出した資産の全額を所得控除 ・運用益が非課税になる ・受け取り時に退職所得控除、公的年金控除を受けられる |
|
NISA | つみたて投資枠 | 任意(特に決まりはない) | なし | 120万円 | 1,800万円 | 無制限 | いつでも可能 | 運用益が非課税になる |
成長投資枠 | なし | 240万円 | 1,800万円 | 無制限 | いつでも可能 |
この章ではNISAとiDeCoについてそれぞれ詳しく解説します。
7-1.NISA(少額投資非課税制度)
NISA(少額投資非課税制度)とは「Nippon Individual Savings Account」の略であり、国民の資産形成を後押しするために創設された個人投資家のための税制優遇制度です。
NISA制度では年間の上限金額の範囲内で購入した株や投資信託などの金融商品を非課税で運用できます。
例えば資産運用により10万円の利益が出た場合、通常の投資とNISAでは手元に残る金額が以下のように異なります。
通常の投資では10万円の収益に20%課税され、2万円が差し引かれるため8万円しか残りません。
しかしNISAを利用すれば発生した収益の全てを受け取ることができます。
なお現在のNISAには「つみたて投資枠」「成長投資枠」の2種類があり、年間に投資できる資産の上限額や投資対象商品などが以下のように異なります。
NISAの種類 | 投資の上限額 | 運用期間 | 対象者 | 投資可能商品 |
---|---|---|---|---|
つみたて投資枠 | 120万円 | 無制限 | 18歳以上 | 長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託 |
成長投資枠 | 240万円 | 無制限 | 18歳以上 | 上場株式・投資信託など |
2種類のうちどのNISAを始めるにも、まずは銀行や証券会社などにNISA口座を開設する必要があります。
NISA口座開設料や管理料は無料です。
7-2.iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCo(個人型確定拠出年金)は老後の資金づくりを目的とする任意の年金制度の一つです。
資産の投資対象の選定や運用はご自身の責任で行う必要があり、将来受け取る金額は運用の成績によって変動します。
またiDeCoには三つの税制優遇措置があり、節税効果が高いことが特徴です。
- ・掛金の全額が所得控除される
- ・運用中の利益が全額非課税になる
- ・受け取る際に退職所得控除、公的年金等控除の対象となる
iDeCoで積み立てた掛金の全てがその年の課税所得から控除されるため、結果として所得税や住民税の軽減につながります。
またiDeCoで資産運用して得た利益は全て非課税となり、60歳以降の受け取り時には退職所得控除または公的年金等控除が適用されます。
なおiDeCoの対象者と掛け金の額は、以下のような区分と条件によって異なります。
※横にスクロールできます
加入区分 | 加入対象となる方 | 拠出上限額(月) | 拠出上限額(年) | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|
国民年金の第1号被保険者 | 20歳以上60歳未満の自営業者とその家族、フリーランス、学生など | 月6万8,000円 | 81万6,000円 | ・拠出上限額は国民年金基金と合算した額 ・農業 者年金の被保険者、国民年金の保険料納付を免除または一部免除されている方は対象外(障害基礎年金の受給者などは加入可能) |
|
国民年金の第2号被保険者(厚生年金の被保険者) | 公務員 | 月1万2,000円 | 14万4,000円 | – | |
会社員 | 勤務先が企業年金を導入していない | 月2万3,000円 | 27万6,000円 | – | |
企業型DCに加入している | 月2万円 | 24万円 | – | ||
DBなどの制度に加入している | 月1万2,000円 | 14万4,000円 | – | ||
企業型DCとDBに加入している | 月1万2,000円 | 14万4,000円 | – | ||
国民年金の第3号被保険者 | 会社員や公務員など厚生年金の被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者 | 月2万3,000円 | 27万6,000円 | – |
DBなどの制度:確定給付企業年金(DB)、厚生年金基金、石炭鉱業年金基金、私立学校教職員共済
iDeCoの掛け金は月々5,000円から上限額まで1,000円単位で自由に設定できます。
2022年5月1日の法改正により、国民年金の任意加入被保険者※1と国民年金の被保険者である海外在住者※2も対象となりました。
※2 20歳以上65歳未満の日本国籍を有する海外居住者で、国民年金の保険料納付済期間が480月に達していない方
iDeCoに拠出した資産または運用益は、以下の方法で60歳以降に一括でまたは分割で受け取ることができます。
- (1)60歳以降に一時金として一括で受け取る
- (2)5年以上20年以下の期間で有期年金として受け取る(受給開始年齢は60〜75歳になるまでの間)
- (3)60歳に到達した時点で一部の年金資金を一時金として受け取り、残りを年金として受け取る
ただしNISAとは異なり、積み立てた資産の引き出しは原則として60歳までできない点には注意しましょう。
8.まとめ
資産運用とは土地、建物などの自己資産を運用・活用し、効率的に増やしていくことをいい、「貯蓄」と「投資」の二つに大別できます。
金融機関の普通預金、定期預金などが「貯蓄」にあたりますが、現在の日本では利率が低いため資産を預けてもほとんど増えません。
むしろ「円」の価値が落ちたり物価が上昇したりすれば、資産の価値が相対的に下がってしまいます。
そのため余剰資金があるなら貯蓄ではなく、投資に回す方が将来的な資産形成に適しているといえます。
ただし安全性・収益性・流動性の全てに優れた金融商品は存在せず、投資には元本割れなどのリスクが付き物です。
できるだけ安全に資産運用するなら、投資する方法や商品、タイミングを分けて分散投資するのが良いでしょう。
なお投資にはさまざまな方法がありますが、特に投資信託やロボアドバイザー、株式投資(ミニ株)、ETF、REITなどは分散投資にも適しており初心者にもおすすめですよ。
また各種NISAやiDeCoなどの非課税制度を併せて活用すれば、所得税などの節税効果も期待できます。
運用額や投資の目的、年代などにより、ベストな資産運用の方法は異なります。