CMや広告などでも目にする機会が多い「ふるさと納税」ですが、どのような制度なのか分からず、興味があっても利用に踏み切れないという方も多いのではないでしょうか。
簡単にいってしまえば、ふるさと納税は好きな自治体に寄附ができ、2,000円の自己負担で返礼品を受け取れる制度です。
制度の仕組みや手続きの方法を知っておけば、誰でも簡単に申し込めますよ。
なお、ふるさと納税を利用する際には所得税の還付や住民税の控除の方法についても知っておく必要があります。
そこでこの記事では、ふるさと納税の仕組みから控除の手続き、注意点まで図を交えながら分かりやすく解説します。
サイト名 | 特徴 | 掲載自治体数 |
---|---|---|
楽天ふるさと納税 | 楽天ポイントが貯まる・使える!楽天ユーザー&楽天カードユーザー必見のサービス | 1,687 |
ふるさとチョイス | 大規模な老舗サイト!幅広い決済方法に対応 | 1,788*1 |
さとふる | 会員数が1,000万人を突破!*2専用アプリで控除の手続きや管理が簡単 | 1,416 |
ふるなび | 豊富なレビュー数が特長!独自の特集や検索機能で寄附先・返礼品を選びやすい | 1,380 |
福留 正明
1.ふるさと納税の仕組みとは
ふるさと納税は住んでいる地域に関係なく任意の自治体に寄附をすることができる制度です。
自治体から提供される医療や教育などのサービスの予算は、その自治体に住んでいる方から住民税や所得税などを得ることでまかなっています。
しかし人口の減少や高齢化などが原因で十分な税収を得られなくなった場合、住民サービスの質を低下せざるを得なくなります。
このような状況を解決するために、自分の故郷や思い入れのある自治体に住民税や所得税の一部を寄附金として納める「ふるさと納税」という制度が作られました。
ふるさと納税を利用すれば、生まれ育った自治体から引っ越しをしても、寄附金という形で恩返しすることができます。
また過去に住んだことがあるかどうかにかかわらず、自分の好きな自治体を寄附先とすることも可能です。
なお、ふるさと納税というと返礼品のイメージが強いかもしれませんが、返礼品は寄附に対するお礼として受け取ることができるものです。
ふるさと納税をすれば任意の地域に寄附できるだけでなく、実質2,000円の負担で返礼品を貰うことができます。
2.ふるさと納税を利用するメリット
ふるさと納税を利用するにあたって、どのようなメリットがあるのか気になりますよね。
そこでこの章では、ふるさと納税を利用する上で得られる五つのメリットを紹介します。
- メリット1 所得税の還付や住民税の控除が受けられる
- メリット2 全国の好きな自治体に寄附ができる
- メリット3 自己負担額2,000円で返礼品がもらえる
- メリット4 寄附金の使い道が指定できる自治体もある
- メリット5 使うサイトによってはポイントも貯まる
メリット1 所得税の還付や住民税の控除が受けられる
ふるさと納税を利用すると、寄附金から自己負担分の2,000円を除いた金額が控除・還付されます。
例えばふるさと納税で1万円を寄附した場合、自己負担分の2,000円を差し引いた8,000円が控除・還付されるのです。
以下の図を参考に控除・還付される税金の内訳を確認してみましょう。
ふるさと納税で控除されるのは住民税、還付を受けられるのは所得税です。
住民税の場合は翌年分から控除され、所得税の場合は還付という形でその年に支払った金額が戻ってきます。
なお、ふるさと納税せずにお住まいの自治体に税金を支払っても、当然ながら返礼品はありません。
しかしふるさと納税なら寄附したお礼に返礼品がもらえます。
メリット2 全国の好きな自治体に寄附ができる
ふるさと納税を利用すれば住んでいる地域や出身地に関係なく、全国の好きな自治体に寄附することができます。
魅力的な返礼品を提供している自治体はもちろんのこと、ご自身が応援したいと思う地域に寄附することが可能ですよ。
例えば旅行で訪れた思い入れのある地域や、地震や台風などによって被災してしまった地域など、ご自身が選んだ自治体に寄附できるのはうれしいメリットですよね。
メリット3 自己負担額2,000円で返礼品がもらえる
実質2,000円の自己負担で返礼品がもらえることもふるさと納税のメリットだといえます。
ふるさと納税を利用すると、寄附した自治体からお礼として特産や名産などの返礼品が贈られてきます。
食品のイメージが強いという方もいらっしゃるかもしれませんが、返礼品の種類は各自治体の工芸品や観光地で使えるサービス券などさまざまです。
ちなみに返礼品の値段は原則として寄附金額の3割以内となっていますが、これは仕入れ値を基準にした割合です。
控除額の上限の範囲内であればいくら寄附しても、複数の自治体に寄附しても2,000円の負担しかかかりません。
メリット4 寄附金の使い道が指定できる自治体もある
ふるさと納税した寄附金の使い道を指定できる自治体もあります。
通常、納税者は税金の使い道を指定することはできません。
しかし自分が支払った税金が何に使われるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
ふるさと納税なら「子どもの支援のために使って欲しい」「被災地の復興に役立てて欲しい」といったご自身の希望を反映させることができるのです。
全ての自治体で使い道の指定ができるわけではありませんが、寄附金の使い道が指定できるのは、ふるさと納税ならではのメリットだといえるでしょう。
なお以下のふるさと納税サイトなら、寄附金の使い道を検索して寄附先を選ぶことができますよ。
また、ふるさと納税を利用した「クラウドファンディング」もあります。
ふるさと納税のクラウドファンディングは、目標達成のためのプロジェクトを立ち上げ、その内容に賛同した方から寄附を募るサービスです。
クラウドファンディングに参加した場合も、通常のふるさと納税と同様に税金が控除され、返礼品がもらえます。
ただし期日までに目標金額に達しなかった場合や、目標金額を超えた分の寄附金は他の事業に利用されるため、使い道が確定していない点には注意が必要です。
メリット5 使うサイトによってはポイントも貯まる
ふるさと納税をする際、ふるさと納税サイトを介して行うのが一般的です。
なかには寄附した金額に応じてポイントが貯まるサイトもあります。
以下はポイントが貯まるふるさと納税サイトの一覧です。
サイト名 | 貯まるポイント | 交換先や用途 |
---|---|---|
楽天ふるさと納税 | 楽天ポイント | ・楽天市場でのお買い物や提携しているお店の支払いに利用できる ・ポイントを使って寄附することもできる ・ANAやJALのマイルに交換することも可能 |
ふるさとチョイス | チョイスマイル | ・Amazonギフトカード・dポイント・楽天ポイント・PayPay・楽天Edy・Pontaポイント・T-POINT・nanacoポイント・WAONポイント・ANAマイル・QUOカードPayに交換可能 ・ポイントを使って寄附することもできる |
さとふる | さとふるマイポイント | ・PayPayポイントやAmazonギフトカードに交換できる |
ふるなび | ふるなびコイン | ・Amazonギフトカード、PayPay残高、dポイント、楽天ポイントに交換できる |
au PAY ふるさと納税 | Pontaポイント | ・au PAY ふるさと納税、au PAY マーケット、au WALLET Marketで利用できる |
ANAのふるさと納税 | マイル | ・航空券、ANAセレクションの商品、楽天ポイント、Vポイントなどに交換できる |
3.ふるさと納税を利用する流れ
ふるさと納税の利用を検討している方は、どのような手順で寄附するのか気になりますよね。
この章ではふるさと納税を利用する流れを五つのステップに分けて紹介します。
STEP1 控除の上限額を確認する
ふるさと納税の利用を決めたら、まずは「控除上限額」を確認しましょう。
控除上限額とは、ふるさと納税で控除される寄附金の限度額のことです。
控除上限額は給与収入や家族構成、住んでいる地域などによって異なるため、事前にチェックしておきましょう。
あくまで目安ですが、ふるさと納税の控除上限額は以下のように定められています。
家族構成 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
ふるさと納税を行う人の給与収入 | 独身または共働き*3 | 夫婦*4(共働きではない) | 共働き+高校生の子ども1人*5 | 共働き+大学生の子ども1人*5 | 夫婦+高校生の子ども1人 | 共働き+子ども2人(大学生と高校生) | 夫婦+子ども2人(大学生と高校生) |
300万円 | 2万8,000円 | 1万9,000円 | 1万9,000円 | 1万5,000円 | 1万1,000円 | 7,000円 | – |
325万円 | 3万1,000円 | 2万3,000円 | 2万3,000円 | 1万8,000円 | 1万4,000 | 1万 | 3,000円 |
350万円 | 3万4,000円 | 2万6,000円 | 2万6,000円 | 2万2,000円 | 1万8,000円 | 1万3,000円 | 5,000円 |
375万円 | 3万8,000円 | 2万9,000円 | 2万9,000円 | 2万5,000円 | 2万1,000円 | 1万7,000円 | 8,000円 |
400万円 | 4万2,000円 | 3万3,000円 | 3万3,000円 | 2万9,000円 | 2万5,000円 | 2万1,000円 | 1万2,000円 |
425万円 | 4万5,000円 | 3万7,000円 | 3万7,000円 | 3万3,000円 | 2万9,000円 | 2万4,000円 | 1万6,000円 |
450万円 | 5万2,000円 | 4万1,000円 | 4万1,000円 | 3万7,000円 | 3万3,000円 | 2万8,000円 | 2万 |
475万円 | 5万6,000円 | 4万5,000円 | 4万5,000円 | 4万 | 3万6,000円 | 3万2,000円 | 2万4,000円 |
500万円 | 6万1,000円 | 4万9,000円 | 4万9,000円 | 4万4,000円 | 4万 | 3万6,000円 | 2万8,000円 |
*4「夫婦」は、ふるさと納税する方の配偶者に収入がないケースを指します。
*5「高校生」は16歳から18歳の扶養親族を、「大学生」は19歳から22歳の特定扶養親族を指します。
※「中学生以下の子供」は控除額に影響がないため、計算に含みません。
医療費控除や住宅ローン控除など、ふるさと納税以外の控除を受けている方は、ふるさと納税による控除上限額が低くなるので注意しましょう。
- ・楽天ふるさと納税(ログイン必須)
- ・ふるさとチョイス
- ・さとふる
- ・ふるなび
- ・au PAY ふるさと納税
STEP2 ふるさと納税サイトを選ぶ
ふるさと納税の控除上限額を確認したら、次は利用するふるさと納税サイトを選びましょう。
自治体に直接ふるさと納税を申し込むこともできますが、それぞれの自治体の情報を探しつつ、欲しい返礼品を自力で見つけるのは大変ですよね。
そこでおすすめなのがふるさと納税サイトです。
ふるさと納税サイトを利用すれば、自治体名から検索して返礼品を比較したり、お買い物感覚で返礼品を検索したりすることができますよ。
しかし、一口に「ふるさと納税サイト」といっても、サイトによってさまざまな特徴があります。
以下の表を参考に、ご自身に合ったふるさと納税サイトを探しましょう。
サイト名 | 参加自治体数 | 貯まるポイント | 決済方法 |
---|---|---|---|
楽天ふるさと納税 | 1,687 | 楽天ポイント(楽天会員に限る) ・100円につき1ポイントが付与される |
・クレジットカード決済(楽天ポイントが利用可能、自治体によって利用可能なブランドが限られている場合がある) ・銀行振り込み(各自治体のページで振込先の確認が必要) |
ふるさとチョイス | 1,788*6 | 「チョイスマイル」 ・キャンペーンに参加し、指定のアクションを行うことでもらえる ・有効期限は、通常、獲得日から1年間 |
・クレジットカード決済 ・Amazon Pay ・PayPay ・d払い ・au PAY ・楽天ペイ ・メルペイ ・あと払い(ペイディ) ・PayPal ・auかんたん決済 ・ソフトバンクまとめて支払い ・Pay-easy ・ネットバンク支払い ・コンビニ支払い ・チョイスマイル(オンライン決済で利用可能) ※自治体によっては下記の決済方法にも対応 |
さとふる | 1,416 | 「さとふるマイポイント」 ・キャンペーンに参加し、指定のアクションを行うことでもらえる ・有効期限はポイントの種類によって異なる(通常ポイントの有効期限は1年間) |
・クレジットカード決済 ・コンビニ決済 ・PayPayオンライン決済 ・ソフトバンクまとめて支払い ・auかんたん決済 ・d払い ・ペイジー(それぞれ利用可能額が異なる) |
ふるなび | 1,380 | 「ふるなびコイン」 ・ふるなびやふるなび関連サービスの条件に応じてもらえる |
・クレジットカード決済 ・Amazon pay ・PayPay ・楽天ペイ ・d払い |
STEP3 返礼品を選んで自治体に寄附する
利用したいふるさと納税サイトが見つかったら、STEP1で調べた控除上限額をもとに寄附する自治体と返礼品を選びましょう。
通販サイトのように返礼品を種類別に検索したり、寄附する金額で絞り込んだりできるので、好みの返礼品がきっと見つかりますよ。
「どうしても返礼品が決められない」という方は各サイトの人気返礼品のランキングやおすすめ返礼品の特集ページなどを参考にすると良いでしょう。
寄附する自治体と返礼品が決まったら、いよいよ決済に進みます。
なおふるさと納税サイトの決済はクレジットカードで行うのが一般的ですが、サイトによっては銀行振り込みやPayPayなどの電子決済サービスが利用できる場合もあります。
希望する決済方法を選びましょう。
また「ワンストップ特例制度」を利用したい方は、決済と一緒に「ワンストップ特例制度利用申請書」を申し込んでおく必要があります。
STEP4 返礼品と必要書類を受け取る
ふるさと納税の手続きが完了すると、いよいよ返礼品が届きます。
なお返礼品が届く時期は自治体や品物によって異なります。
例えば果物や野菜などの旬がある特産品や、受注生産品の工芸品の場合、何カ月も待つことになる可能性があります。
いつ頃届くのか把握しておきたいという方は、返礼品を選ぶ際の申し込み画面で納期を確認しておきましょう。
また返礼品と一緒に「寄附金受領証明書」や「ワンストップ特例申請書」などの必要書類が届く場合があります。
税金の控除手続きに必要となる大事な書類なので、大切に保管しておきましょう。
STEP5 税金の控除手続きを行う
最後に忘れてはいけないのが、税金の控除手続きです。
手続きをしないと税金の控除が受けられなくなってしまうので注意しましょう。
ふるさと納税の寄附金の控除手続きを行うには確定申告もしくはワンストップ特例制度の利用申請が必要です。
なおワンストップ特例制度の利用には条件が設けられているため、以下の項目に一つでもあてはまる方は確定申告で控除申請する必要があります。
- ・個人事業主
- ・不動産収入がある
- ・年収が2,000万円を超える
- ・本業の他に(副業などで)20万円以上の副収入がある
- ・医療控除や住宅ローン控除など、ふるさと納税以外の控除・還付を申請する
- ・1年間(1月1日~12月31日)に6団体以上の自治体にふるさと納税した
- ・ワンストップ特例制度の申請期日に間に合わなかった
(1)確定申告の流れ
確定申告は以下の三つの手順で行います。
まずは確定申告で必要となる以下の四つの書類を用意します。
- ・寄附金受領証明書(1月1日~12月31日分)
- ・源泉徴収票
- ・還付金を受け取る銀行口座の番号
- ・マイナンバーカード(e-Tax申請をしない方は個人番号が分かるもので代用可能)
必要書類の用意ができたら確定申告で使用する申告書を作成しましょう。
申告書は手書きで作成する方法と、インターネット上で作成する方法があります。
作成方法 | 申告書の入手方法 |
---|---|
手書き | ・国税庁のホームページでダウンロードする ・税務署に連絡して郵送してもらう ・最寄りの税務署や市区町村の役所などに直接取りに行く |
インターネット | ・国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で必要事項を記入してプリントアウトする(e-Tax申請をする場合はプリントアウトの必要なし) |
申告書に必要事項が記入できたら、準備した必要書類と一緒に税務署や市区町村の役所に提出しましょう。
なお提出方法には郵送・直接提出・電子申告(e-Tax)の三つがあり、任意で選択することができます。
必要書類と申告書が提出できたら、確定申告の手続きは終了です。
確定申告から約1カ月~1カ月半後ほどで指定の口座に所得税の還付金が振り込まれ、確定申告を行った年の6月から翌年の5月まで住民税が毎月控除されます。
(2)ワンストップ特例制度の申請の流れ
ワンストップ特例制度は以下の三つの手順で利用を申請します。
まずは本人確認書類を準備しましょう。
ワンストップ特例制度の本人確認書類は、以下の三つのパターンから一つ選びます。
パターン名 | 必要なもの |
---|---|
Aパターン | マイナンバーカードの両面の写し |
Bパターン | 1.通知カードの写し、もしくは個人番号が記載されている住民票の写し 2.運転免許証の写し、もしくはパスポートの写し |
Cパターン | 1.通知カードの写し、もしくは個人番号が記載されている住民票の写し 2.健康保険証や年金手帳など、提出先の自治体が認める公的書類の写しを2点以上 |
本人確認書類の準備ができたら、ワンストップ特例制度の申請書を記入します。
ふるさと納税を申し込む段階でワンストップ特例制度の申請書を一緒に申し込んでおけば、返礼品と一緒に寄附年月日や寄附金額などが記入された申請書が届きます。
なお申請書をもらい忘れたり、紛失してしまったりした場合には、総務省のホームページから無記入の特例申請書をダウンロードしましょう。
申請書に必要事項を記入したら、本人確認書類と一緒にふるさと納税を行った自治体に郵送して手続きは完了です。
なおワンストップ特例制度の申請は寄附をした翌年の1月10日(必着)までに行う必要があります。
4.ふるさと納税の注意点
このように、ふるさと納税をする上で気を付けることはないのか気になっている方もいらっしゃるでしょう。
ふるさと納税は返礼品がもらえたり、税金が控除されたりする制度ですが、事前に注意点を把握しておかないと損をしてしまう可能性があります。
この章ではふるさと納税の注意点を四つ解説します。
注意点1 自己負担額の2,000円を支払う必要がある
ふるさと納税は、寄附した金額から2,000円を差し引いた分が所得税の還付や住民税の控除に充てられます。
つまり2,000円は還付や控除の対象にはならず、自己負担になるのです。
注意点2 納税する金額自体が変わるわけではない
誤解されがちですが、ふるさと納税をすれば節税になるわけではありません。
ふるさと納税は、寄附金を本来納めるべき住民税や所得税から控除する制度です。
つまり納税先が変わっただけで、税額は変わりません。
むしろ自己負担額の2,000円がある分、ふるさと納税をする方が出費は多くなります。
注意点3 控除上限額を超えた分は控除の対象にはならない
控除上限額を超えた分の寄附金は、控除の対象になりません。
自己負担となるため、必ず事前に控除上限額を確認するようにしましょう。
なお控除上限額を確認しても、収入の変動などにより限度額が変わるケースも考えられます。
以下の項目に当てはまる方は特に注意が必要です。
- ・昨年よりも年収が下がった
- ・医療控除や住宅ローン控除など、他の控除を受けている
- ・年末に寄附を行い、決済が間に合わなかった
年収によって控除の上限額が変わるため、昨年の年収で調べると本来の上限を超えた金額が算出される可能性があります。
自営業の方や年の途中で転職をした方など、年収が変動する可能性がある場合には特に注意が必要です。
昨年の年収はあくまで目安とし、できるだけ今年の年収で計算するようにしましょう。
また控除上限額はふるさと納税によって受けられる控除だけではなく、医療控除などの全ての控除を合計した上限額です。
医療控除や住宅ローン控除といった他の控除を受ける場合には、結果としてふるさと納税で控除される上限額が減るため注意しましょう。
ふるさと納税サイトにある控除上限額のシミュレーションには、年収と家族構成だけで計算する簡易的なものと、他の控除も加味して計算する詳細なものがあります。
- ・楽天ふるさと納税(ログイン必須)
- ・ふるさとチョイス
- ・さとふる
- ・ふるなび
- ・au PAY ふるさと納税
なおふるさと納税で控除の対象となるのは、決済が完了した寄附金です。
ふるさと納税を申し込んだり返礼品を注文したりした段階では、まだ控除の対象にはなりません。
つまり申し込みの時期や決済方法によってはタイムラグが発生し、翌年の寄附になってしまうことがあるのです。
注意点4 税金の控除や還付がされるのは翌年からになる
ふるさと納税を利用する際、税金が控除・還付されるのは翌年以降であるという点に注意しましょう。
ふるさと納税で寄附した金額は、翌年の住民税の控除もしくは所得税の還付という形で返ってきます。
一時的に出費が増えるという点は留意しておきましょう。
5.ふるさと納税のおすすめサイト4選
ふるさと納税サイトを利用しようと思っても、具体的にどれを選べば良いか分からないという方もいらっしゃるでしょう。
ふるさと納税サイトと一口にいっても、申し込める自治体や返礼品の種類、支払い方法などはサイトごとに大きく異なります。
ご自身の目的や条件などに合わせて、より賢く活用できるサイトを選ぶと良いでしょう。
おすすめ1 楽天ふるさと納税
参加自治体数 | 1,687 |
---|---|
貯まるポイント | 楽天ポイント(楽天会員に限る) ・100円につき1ポイントが付与される |
決済方法 | ・クレジットカード決済(楽天ポイントが利用可能、自治体によって利用可能なブランドが限られている場合がある) ・銀行振り込み(各自治体のページで振込先の確認が必要) |
楽天ふるさと納税はオリコン顧客満足度の調査にて、初めてふるさと納税サイトを利用した2,448人が1位に選んだふるさと納税サイトです。*7
サイトのデザインが楽天市場に近いため、普段のショッピングのような感覚で手軽にふるさと納税ができます。
既に楽天会員の方であれば、寄附者としての情報を登録する手間なくすぐに寄附することが可能です。
楽天ふるさと納税の大きな特徴は、楽天の他サービスと共通で利用できる「楽天ポイント」を貯めたり使ったりできることだといえます。
また貯めた楽天ポイントをふるさと納税の支払いに充てることも可能です。
おすすめ2 ふるさとチョイス
参加自治体数 | 1,788*6 |
---|---|
貯まるポイント | 「チョイスマイル」 ・キャンペーンに参加し、指定のアクションを行うことでもらえる ・有効期限は、通常、獲得日から1年間 |
決済方法 | ・クレジットカード決済 ・Amazon Pay ・PayPay ・d払い ・au PAY ・楽天ペイ ・メルペイ ・あと払い(ペイディ) ・PayPal ・auかんたん決済 ・ソフトバンクまとめて支払い ・Pay-easy ・ネットバンク支払い ・コンビニ支払い ・チョイスマイル(オンライン決済のときに利用可能) ※自治体によっては下記の決済方法にも対応 |
ふるさとチョイスは、業界トップクラスの参加自治体を誇るふるさと納税サイトです。
参加自治体の数は1,700を超え、返礼品は57万品目以上*6のため、ご自身の希望に合った寄附先や返礼品がきっと見つかるでしょう。
なお検索機能が充実しており、カテゴリ別、テーマ別、目的別などから希望に合った返礼品を簡単に絞り込めます。
Amazonのアカウントと連携できるので、Amazonユーザーなら個人情報や決済の方法などの登録の必要がなく手軽に利用できますよ。
おすすめ3 さとふる
参加自治体数 | 1,416 |
---|---|
貯まるポイント | 「さとふるマイポイント」 ・キャンペーンにエントリーし、指定のアクションが必要 ・有効期限はポイントの種類によって異なる(通常ポイントの有効期限は1年間) |
決済方法 | ・クレジットカード決済 ・コンビニ決済 ・PayPayオンライン決済 ・ソフトバンクまとめて支払い ・auかんたん決済 ・d払い ・ペイジー(それぞれ利用可能額が異なる) |
さとふるは、使いやすいサイト設計が魅力のふるさと納税サイトです。
検索機能が充実しているため、候補が多くても好みの寄附先を見つけやすいというメリットがあります。
控除の上限額を入力しておけば寄附金の残金をマイページで管理できる点も安心ですね。
また複数の自治体の返礼品を使って作った料理のレシピを公開したり、さとふる独自の返礼品も用意されていたりと他のサイトとは異なる趣向が凝らされている点も魅力といえます。
なお寄附金の支払いはPayPayなどの電子マネーにも対応していますよ。
おすすめ4 ふるなび
参加自治体数 | 1,380 |
---|---|
貯まるポイント | 「ふるなびコイン」 ・ふるなびやふるなび関連サービスの条件に応じてもらえる |
決済方法 | ・クレジットカード決済 ・Amazon pay ・PayPay ・楽天ペイ ・d払い |
ふるなびは東証プライム上場企業のアイモバイルが運営しているふるさと納税サイトです。
見やすいサイト設計により、応援する自治体や欲しい返礼品を簡単に探すことができます。
これまで寄附した人が投稿しているレビューの数も豊富なので、寄附先選びの参考にできますよ。
ふるなびでは独自のサービス「ふるなびコイン」が付与されます。
ふるなびコインはAmazonギフトカードやPayPay残高、dポイント、楽天ポイントに交換できますよ。
6.まとめ
ふるさと納税は住んでいる地域に関係なく、任意の自治体に寄附ができる制度です。
「ふるさと納税」という名前ですが、ご自身が生まれたふるさと以外でも寄附が可能です。
ふるさと納税で寄附をすると、寄附金額から2,000円を差し引いた分が税金から控除または還付されます。
また寄附金額の3割程度の返礼品も受け取ることもできます。
住民税の控除と所得税の還付のタイミングは、以下のように異なります。
税金の種類 | 控除・還付のタイミング |
---|---|
住民税 | 寄附した翌年の6月から翌々年の5月の住民税が控除 |
所得税 | 確定申告から1カ月~1カ月半ほどで還付 |
控除や還付を受けるためには確定申告かワンストップ特例制度の申請が必須です。
ワンストップ特例制度なら比較的簡単に申請手続きできますが、ふるさと納税の申請以外の理由で確定申告が必要な方や寄附した自治体数が6団体以上の方は利用できません。
確定申告が必要な場合は、会計ソフトを利用すると便利ですよ。
なお確定申告とワンストップ特例制度の申請期日は異なります。
確定申告は2月16日から3月15日まで(それぞれの日付が土・日・祝日に該当する場合は次の平日)、ワンストップ特例制度は1月10日(必着)なので、間違えないようにしましょう。
サイト名 | 特徴 | 掲載自治体数 |
---|---|---|
楽天ふるさと納税 | 楽天ポイントが貯まる・使える!楽天ユーザー&楽天カードユーザー必見のサービス | 1,687 |
ふるさとチョイス | 大規模な老舗サイト!幅広い決済方法に対応 | 1,788*1 |
さとふる | 会員数が1,000万人を突破!*2専用アプリで控除の手続きや管理が簡単 | 1,416 |
ふるなび | 豊富なレビュー数が特長!独自の特集や検索機能で寄附先・返礼品を選びやすい | 1,380 |