このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
2024年5月16日にiPhone(アイフォーン)をお店の決済端末として、非接触決済を受け付けられる「iPhoneのタッチ決済」の提供が日本で開始されました。
お持ちのiPhoneにパートナーサービスが提供する専用アプリをダウンロードするだけで、クレジットカードやApple Payなどの決済手段を顧客に提供することができます。
専用の決済端末が不要なので、キャッシュレス決済をコスト0円でお店に導入できますよ。
なおiPhoneの機種によっては利用できないこともあるので注意しましょう。
この記事ではiPhoneのタッチ決済についてお店に導入する方法やメリット、手数料、対応機種などを解説します。
【iPhoneを決済端末として利用できる決済サービス】
サービス名 | iPhoneのタッチ決済の手数料 | 導入までの時間 |
---|---|---|
2.5~3.25% | 最短即日 | |
3.24% | 申し込み:10〜20分 審査:最短15分~ |
|
Visa、Mastercard:1.98~3.24% JCB、American Express:3.24% |
最短15分 |
1.決済端末不要の「iPhoneのタッチ決済」が日本で開始!
アメリカの大手IT企業であるApple(アップル)は2024年5月16日から、iPhoneを決済端末として複数の非接触決済を提供できる「iPhoneのタッチ決済」を日本で開始しました。
iPhoneのタッチ決済は、対応のアプリをiPhoneにダウンロードすることで、決済端末なしでお店にキャッシュレス決済を導入できます。
専用の決済端末を購入したり設定したりする手間がなく、お持ちのiPhone一つだけで会計の提供が可能ですよ。
iPhoneのタッチ決済では、以下の決済方法を受け付けることができます。
- ・タッチ決済対応のクレジットカード決済(Visa、Mastercard、JCB、American Expressなど)
- ・タッチ決済対応のデビットカード決済
- ・Apple Pay(iPhone、Apple Watch)
- ・デジタルウォレットの決済
「NFC」と呼ばれる通信技術により、顧客が持つクレジットカードやiPhone、Apple Watchなどをお店のiPhoneにかざしてもらうだけで支払いが完了します。
なおiPhoneのタッチ決済を提供するには、提携する決済サービスのSquare、Airペイなどのアプリをダウンロードする必要があります。
2.iPhoneを決済端末として利用する方法は?
このようにiPhoneのタッチ決済の始め方を知りたい事業主の方もいらっしゃるでしょう。
iPhoneのタッチ決済はiPhoneのみで決済を提供できますが、別途提携している決済サービスのアプリが必要です。
サービスによって細かな手順は異なりますが、基本的にアカウントの作成・利用の申し込みとアプリのダウンロードを完了し、iPhoneの初期設定を行えば利用を開始できます。
【iPhoneのタッチ決済を行う手順】
アプリ内で商品・サービスの金額を入力後、スマホ画面の上部にある「タッチ決済対応マーク」をお客さんに提示します。
タッチ決済対応マークにお客さんのクレジットカードやスマホ、デジタルウォレットをかざしてもらうと会計が完了するという流れです。
3.iPhoneを決済端末として利用するメリット
対応するメリットを知っておけば、自店舗に合っているかどうか判断しやすいものですよね。
通常、お店でキャッシュレス決済に対応する際には、専用の決済端末の導入が必要なケースがほとんどです。
しかしiPhoneを決済端末として利用するiPhoneのタッチ決済は、従来のケースに比べ以下のようなメリットがありますよ。
【iPhoneのタッチ決済に対応するメリット】
メリット1 無料で導入できる
まずはキャッシュレス決済を導入するコストがかからないことが大きなメリットといえるでしょう。
キャッシュレス決済をお店に取り入れる場合、一般的には決済端末の購入費用などで初期費用が発生します。
しかしiPhoneのタッチ決済の導入には、一切費用がかかりません。
メリット2 シームレスかつ安全
iPhoneのタッチ決済は、普段使用しているスマートフォンを決済端末として利用する手軽さに加え、支払いが安全に行われます。
iPhoneのタッチ決済により行われた取引は全て「Secure Element(セキュアエレメント)」により暗号化されて処理が完了します。
iPhoneでApple Payを使用する場合と同じように、決済内容や購入者などのデータをAppleが把握したり保持したりすることはありません。
メリット3 決済端末とのペアリングが不要
決済端末とアプリとのペアリングを行う手間を省けることもメリットの一つです。
専用の決済端末を使ってキャッシュレス決済を提供する場合、Bluetoothと呼ばれる機能を使って決済端末とアプリを接続してから使用するケースが多くあります。
そのため出勤する従業員が入れ替わる度に決済端末とiPhoneのペアリング作業を行っている店舗もあります。
しかしiPhoneのタッチ決済ではiPhoneが決済端末なので、ペアリングを行う必要がなく簡単に会計を提供できますよ。
メリット4 移動式の店舗でも決済が簡単
iPhoneのタッチ決済は、屋台や観光案内などの移動式のお店やイベントの出店時でもキャッシュレス決済を簡単に受け付けることができます。
通常、専用の決済端末を用いる場合、店舗外で使用する際には持ち運びが必要です。
iPhoneのタッチ決済であればiPhoneを決済端末として利用できるので、決済時に必要なものは普段から持ち歩いているスマホだけです。
4.iPhoneを決済端末として利用する手数料
iPhoneを決済端末として利用する場合、無料で始めることができますが、決済手数料は従来の決済端末を使用する場合と同様に発生します。
手数料率は、専用アプリを提供するパートナーサービスごとに異なります。
2024年5月時点でiPhoneのタッチ決済を利用できるパートナーサービスごとの決済手数料は、以下のとおりです。
【iPhoneのタッチ決済を利用できるパートナーサービスの決済手数料】
サービス名 | iPhoneのタッチ決済の決済手数料 |
---|---|
Square | 2.5~3.25% |
Airペイ | 3.24% |
stera pack |
Visa、Mastercard:1.98~3.24% JCB、American Express:3.24% |
iPhoneのタッチ決済を利用できる3サービスの売上金の振込手数料は以下のとおりです。
【iPhoneのタッチ決済を利用できるパートナーサービスの振込手数料】
サービス名 | 売上金の振込手数料 | 振り込みのサイクル |
---|---|---|
Square | 0円 | 三井住友銀行・みずほ銀行:前日分が翌営業日に振り込まれる その他の銀行:週1回 |
Airペイ | 0円 | 月3回または月6回(各金融機関の振り込みのサイクルに応じて異なる) |
stera pack |
三井住友銀行:0円 その他の銀行:220円(税込) |
月2回 |
SquareとAirペイでは、どの銀行口座であっても振込手数料が無料かつ高頻度で売上金が振り込まれます。
一方stera pack では、三井住友銀行の口座であれば振込手数料が無料ですが、その他の銀行口座の場合には手数料が差し引かれますよ。
5.iPhoneを決済端末として利用できる機種
このようにiPhoneのタッチ決済の対応機種が気になっている方もいらっしゃるでしょう。
iPhoneを決済端末として利用できるのは、iPhone XS以降の端末です。
- ・iPhone XS、iPhone XS Max
- ・iPhone XR
- ・iPhone11、iPhone11 Pro、iPhone11 Pro Max
- ・iPhoneSE(第2世代)
- ・iPhone12 mini、iPhone12、iPhone12 Pro、iPhone12 Pro Max
- ・iPhone13 mini、iPhone13、iPhone13 Pro、iPhone13 Pro Max
- ・iPhoneSE(第3世代)
- ・iPhone14、iPhone14 Plus、iPhone14 Pro、iPhone14 Pro Max
- ・iPhone15、iPhone15 Plus、iPhone15 Pro、iPhone15 Pro Max
またiPhoneのタッチ決済の利用時には、「iOS」の最新バージョンが必要です。
利用前にiPhoneの設定でソフトウェアアップデートを行い、最新のバージョンに変更しておきましょう。
6.iPhoneのタッチ決済に対応の決済サービス3選
このように気になっている方もいらっしゃるでしょう。
iPhoneを店舗で決済端末として使うには、iPhoneのタッチ決済と提携している決済サービスの申し込み・アプリのダウンロードが必要です。
iPhoneのタッチ決済と提携している決済サービスは以下の三つですよ。
三つのサービスは決済手数料や導入までの時間、売上金の入金サイクルなど特徴が異なるので、ご自身のお店に合ったサービスを選びましょう。
なおそれぞれの特徴を一覧で確認したいという方は以下の表をご参照ください。
【決済サービス3選のiPhoneのタッチ決済に関する特徴】
サービス名 | 手数料 | 導入までの時間 | 振込手数料 | 振り込みのサイクル |
---|---|---|---|---|
Square | 2.5~3.25% | 最短即日 | 0円 | 三井住友銀行・みずほ銀行:前日分が翌営業日に振り込まれる その他の銀行:週1回 |
Airペイ | 3.24% | 申し込み:10〜20分 審査:最短15分~ |
0円 | 月3回または月6回 ※各金融機関の振り込みのサイクルに応じて異なる |
stera pack |
Visa、Mastercard:1.98~3.24% JCB、American Express:3.24% |
最短15分 | 三井住友銀行:0円 その他の銀行:220円(税込) |
月2回 |
おすすめ1 Square
SquareはSquare株式会社により提供されているキャッシュレス決済サービスです。
Squareのアカウントの登録後、無料の「Square POS(販売時点情報管理)レジアプリ」をダウンロードするとiPhoneのタッチ決済を開始できます。
Squareは売上金の入金されるスピードが群を抜いています。
売り上げが最短翌営業日に、遅くとも週に1度のペースで入金されるので、資金繰りを円滑にしたい店舗経営者・関係者の方におすすめですよ。
売上金の振込手数料は0円なので、かかるのは決済手数料のみです。
また販売個数・在庫・顧客などの情報を管理する機能も利用できるため、売り上げの分析を行うことも可能です。
おすすめ2 Airペイ
Airペイは、株式会社リクルートが運営するキャッシュレス決済サービスです。
Airペイの申し込み後、「Airペイ タッチ」という専用アプリをダウンロードすることで、iPhoneを決済端末としてクレジットカードやApple Payなどを提供できます。
売上金の振込手数料が0円なので、かかる費用は決済手数料3.24%のみです。
また売上金が振り込まれるサイクルも比較的早いといえます。
みずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行の口座であれば、月6回に分けて売上金を受け取れますよ。
おすすめ3 stera pack
stera pack(ステラパック)はSMBC GMO PAYMENT株式会社のキャッシュレス決済サービスです。
「stera tapアプリ」をダウンロードしてアカウントの作成を行うと、最短15分でiPhoneのタッチ決済を提供できます。
何といってもstera packは、決済手数料の低さが特長だといえるでしょう。
決済手数料はVisa、Mastercardの場合は1.98~3.24%、JCB、American Expressの場合は3.24%です。
なおお客さんにアプリで表示される二次元コードを読み取ってもらうか、メールアドレスを入力してもらうことで、デジタルレシートの発行が可能ですよ。
7.まとめ
2024年5月16日からiPhoneをお店の決済端末にして、キャッシュレス決済を提供できるiPhoneのタッチ決済のサービスを利用できるようになりました。
iPhone XS以降の端末があれば、クレジットカードやApple Payなどの会計を受け付けられるので、決済端末の購入が不要です。
導入費用が無料な上、シームレスで安全性もしっかり確保されています。
煩わしい操作もないので初めてでも導入しやすい決済サービスだといえるでしょう。
なおお店で利用するには、パートナーサービスが提供するアプリをダウンロードする必要があります。
アプリによって決済手数料や導入までのスピードなどが異なるため、お店の状況に合ったものを選びましょう。
利用者が増えているキャッシュレス決済を無料で導入できる機会です。
【iPhoneを決済端末として利用できる決済サービス】