会計ソフトといっても製品によってサービスの内容が異なるため、何を基準に選べば良いのか分からないという方もいらっしゃるでしょう。
会計ソフトを選ぶには、まず事業規模や操作する担当者のスキル、作業環境などを明確にしましょう。
その上で機能やサポート内容、費用などを比較して、最も適した製品を探すことが大切です。
ニーズに合っていない会計ソフトだと、かえって業務が複雑になったり余計なコストがかかったりする恐れがあるので慎重に選ぶようにしましょう。
この記事では、会計ソフト選びに失敗しないための手順や比較のポイントを分かりやすく解説します。
【業界シェアトップ・おすすめの会計ソフト3選】
福留 正明
1.会計ソフトとは?
会計ソフトとは、一言でいうと会計業務を効率的に行うためのソフトです。
日々の取引情報の仕訳や帳簿付け、確定申告書類・試算表・決算書といった書類の作成などの業務を効率化してくれます。
一口に会計ソフトといっても、製品によって備わっている機能はさまざまです。
会計ソフトのなかには経営状況の分析ができるものや、法改正に伴う変更やサービス改善のアップデートができるものなどもありますよ。
ソフトを選ぶ際には求める機能やサポートが適切に備わっているかを確かめることが重要です。
2.会計ソフトを導入するメリット
会計ソフトの利点がよく分からず、導入に踏み切れないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
会計ソフトには以下のメリットがあります。
【会計ソフトを導入するメリット】
メリット1 経理・会計業務を効率化できる
このように手作業による経理や会計業務は手間がかかるため、なるべく簡単に済ませたいと思う方もいらっしゃるでしょう。
会計ソフトを使うと、これまで手作業で行っていた経理・会計業務を自動化することが可能です。
仕訳や転記、試算表や決算書類の作成といった作業を、会計ソフトが行ってくれますよ。
さらに会計ソフトのなかにはスマートフォンアプリを使って日々の取引の記録や仕訳ができるものもあります。
スマホアプリを使えば場所やタイミングを問わないので、移動時間や待ち時間を活用できる上、交通費や消耗品費などを支払ったその場で入力できますよ。
メリット2 人為的なミスを削減できる
数字や簿記に苦手意識があり、このようなお悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。
会計ソフトは会計作業における人為的なミスの削減に役立ちます。
手作業の場合、簿記の知識があり経験が豊富であっても、計算や記入などの間違いが発生しないとはいい切れませんよね。
しかし会計ソフトを利用する場合は、取引データの入力さえ間違っていなければ仕訳の誤りや転記漏れ、試算表の計算ミスなどがありません。
会計ソフトのなかには、銀行口座やクレジットカードと連携して自動で取引データを入力できたり、レシートや領収書をスキャンするだけで仕訳できたりする製品もあります。
その機能を使えば、取引データの入力時においてもミスを減らすことができますね。
メリット3 経営状況を可視化できる
会計ソフトを活用すれば、会社の経営状況が一目で分かる資料を簡単に作成できます。
会計ソフトのなかには、決算書だけでは分かりにくい数字をグラフ化したり、キャッシュフロー表や損益レポートなどを作成したりと、経営分析に役立つ機能が搭載されているものもあります。
リアルタイムに会社の状況を把握できるので、変化の速い時代に合ったスピード感のある経営判断の役に立つでしょう。
メリット4 IT導入補助金を利用できる
条件を満たしかつ審査に通れば、会計ソフトの導入で「IT導入補助金」を受けることが可能です。
対象は中小企業や小規模事業者であり、要件を満たせば個人事業主も申請できます。
なお会計ソフトの導入費用が全額補助されるわけではなく、該当する枠によって補助率や下限額、上限額が決まっています。
枠は導入目的やITツールの種類などによって分類されるため、公募要領をよく確認しましょう。
補助金は融資とは異なり返済する必要のないお金です。
会計ソフトの導入で補助金が受けられるのは、大きなメリットの一つといえるでしょう。
3.会計ソフトの選び方①【手順】
機能や費用が異なる会計ソフトのなかから、最適な製品を探すのは難しいと思う方もいらっしゃるでしょう。
会計ソフトの選び方には順序があります。
事前準備をせずに会計ソフトのホームページを一つ一つ見比べても時間や手間がかかってしまいます。
順序を守ることで、ご自身や会社に合った会計ソフトに最短距離でたどり着けますよ。
【会計ソフトを選ぶ手順】
STEP1 会計ソフトを導入する目的を明らかにする
まずは会計ソフトを導入する目的をはっきりさせましょう。
このように経理・会計業務の課題は会社や個人によって違いますよね。
会計ソフトを導入して何を解決したいのか、最初に目的と優先順位を明確にしておくことが大切です。
STEP2 会計ソフトに求める機能を明確にする
目的がはっきりしたら、次は会計ソフトに求める機能を明確にしましょう。
会計ソフトの一般的な機能は以下のとおりです。
【会計ソフトの一般的な機能】
機能 | 内容 |
---|---|
取引データの自動取得 | 銀行口座やクレジットカードを登録すると、取引データが自動で入力される |
自動仕訳 | 入力した取引データが自動で仕訳される |
確定申告書の作成 | 確定申告書を自動で作成できる |
e-Tax対応 | 国税庁の電子申告システム「e-Tax」を利用して、オンラインで確定申告書を提出できる |
決算書の自動作成 | 入力した取引データをもとに決算書を自動で作成できる |
各種レポートの自動作成 | 入力した取引データをもとに損益レポートや残高試算表などを自動で作成できる |
税理士・会計事務所との連携 | 顧問税理士の会計ソフトと連携し、リアルタイムで会計データを共有できる |
請求業務と会計業務の連携 | 請求書を作成すると、自動で帳簿付けがされる |
インボイス制度・電子帳簿保存法への対応 | インボイス制度、電子帳簿保存法の改正に対応している |
この他、細かな機能は会計ソフトによって異なります。
必要な機能についてあらかじめ明確にしておくと、会計ソフトの比較がスムーズに行えますよ。
STEP3 会計ソフトを比較し最適な製品を選ぶ
最後は会計ソフトを比較し、目的と求める機能に合った製品を選びます。
何十種類もある会計ソフトの細かな機能を比較するのは手間がかかって大変ですよね。
導入目的に合っていて、かつ事業規模や作業環境に合ったものをいくつかピックアップし、そのなかで細かく機能を比較するのも一つの方法です。
クラウド型会計ソフトを利用する個人事業主を対象に行われた2023年3月のMM総研の調査では、「弥生会計」「freee」「マネーフォワード」のソフトが高いシェアを占めているという結果が出ました。
以下がMM総研による2023年3月の調査結果を表したグラフです。
【個人事業主を対象としたクラウド型会計ソフトのシェアに関する調査】
弥生会計が52.8%、freeeが26.0%、マネーフォワードが15.3%と、多くの方に選ばれているので信頼やメリットがあると考えられますよね。
4.会計ソフトの選び方②【比較ポイント】
ソフトごとに違いがたくさんあって何を基準に比較すれば良いのか分からないという方もいらっしゃるでしょう。
会計ソフトを選ぶ際には、比較するポイントを絞ることが大切です。
この章では、会計ソフトの比較に役立つ八つのポイントを解説します。
【会計ソフトの比較ポイント】
ポイント1 事業の形態・規模に合っているか
このように費用や機能だけを理由に会計ソフトを選んでしまうと、後悔することもあるので注意が必要です。
会計ソフトを選ぶ際は、ご自身や会社の事業形態や規模に合っているかを必ず確認しましょう。
会計ソフトは大きく「個人事業主用」と「法人用」に分けられます。
個人事業主と法人では税制や作成する書類が大きく異なるため、会計ソフトも事業形態に合ったものを選択する必要があります。
また会社の規模によっても適した会計ソフトは異なります。
例えば大企業で使われるような高性能な会計ソフトを従業員が少ない小規模な企業に導入しても、機能を十分に使えず、余計なコストがかかる恐れがあります。
ポイント2 クラウド型かインストール型か
このようにご自身や会社の作業環境によっても選ぶべき会計ソフトは異なります。
会計ソフトには「クラウド型」と「インストール型」の2種類があり、それぞれには以下の違いがあります。
【クラウド型とインストール型の特徴の違い】
クラウド型は、インターネット環境さえあれば端末を選ばず利用できます。
また初期費用が安く導入しやすいというメリットがある一方、通信環境が不安定な場所では処理のスピードが落ちて作業に支障がでる恐れがあります。
一方、インストール型はインターネット環境がないオフラインの状態でも使うことができます。
インターネットを介さないためシステム障害が起こりにくくセキュリティー性が高いというメリットがありますが、インストールしたパソコンが故障した際の備えが必要です。
なおインストール型には、複雑な会計業務や経営分析などの高度な機能を備えたソフトが多いという特徴もあります。
【クラウド型・インストール型に向いている人の特徴】
クラウド型に向いている人 | インストール型に向いている人 |
---|---|
・場所や端末を問わず利用したい人 ・初期費用を抑えたい人 ・自動で法改正への対応やバージョンアップをしてほしい人 |
・高度な機能を備えたソフトが必要な人 ・初期費用はかかってもランニングコストを抑えたい人 ・セキュリティー面を重視したい人 |
ポイント3 機能に過不足はないか
このように会計ソフトに求める機能は、業務内容や利用者の状況によって違いますよね。
製品だけでなくプランによってもソフトの機能は異なるため、比較する際には必要な機能があるか、また不要な機能が付いていないかを確認しましょう。
なお会計ソフトやプランによっては、以下のような便利な機能が搭載されていることもあります。
【会計ソフトの便利な機能例】
機能 | 内容 |
---|---|
書類や帳票の作成 | 現金出納帳や売掛帳などの簡易帳簿や残高試算表、決算に関する書類などを自動で作成できる |
スマホで取引入力 | スマホを使って日々の取引情報の入力やレシートの情報の取り込みができる |
POS(販売時点情報管理)レジとの連携 | POSレジと連携し、自動で売り上げデータを取り込める |
経営分析 | 過去のデータとの比較や経営数字のグラフ化などが行われる |
ソフトのアップデート | 法改正に伴う変更やサービス改善のためのアップデートがされる |
データのバックアップ | パソコンの故障や紛失などのトラブルに備え、会計ソフトのデータをクラウド上やソフト内に保存できる |
以上の機能が全ての会計ソフトに備わっているわけではありません。
性能によって使い勝手が大きく左右されるので、役立つ機能があるソフトを選んでおくのも良いでしょう。
ポイント4 担当者のスキルに合っているか
このように簿記の経験や知識には個人差があるため、会計ソフトを扱う人のスキルに機能が合っているかも大切なポイントです。
例えば簿記の知識のほとんどない方が、高性能で操作の難しい会計ソフトを利用した場合、慣れるまでに時間がかかったりうまく活用できなかったりするかもしれません。
せっかく会計ソフトを導入しても、時間やコストが無駄になる可能性もありますよね。
簿記の知識のない方が操作するのであれば、取引情報の入力や仕訳が自動で行われる会計ソフトがおすすめです。
会計ソフトを選ぶ際は、担当者が扱いやすいかどうかもチェックしましょう。
ポイント5 顧問税理士とデータを共有できるか
顧問税理士がいる場合は、税理士と同じブランドの会計ソフトを導入するのがおすすめです。
同じブランドの製品であれば、データの共有をスムーズに行うことができて便利ですよ。
なおリアルタイムにデータを共有できるクラウド型なら、いつでもアドバイスを受けられるので会計業務の効率化につながりますよ。
その他にも、書類を郵送するコストを削減できたり、操作で分からないことを質問できたりするメリットもあります。
ポイント6 必要なサポートは受けられるか
会計ソフトを選ぶ際は、サポートの内容の確認も大切です。
サポートの内容は製品やプランによって異なり、操作に関する相談や確定申告、仕訳、経理などの業務の相談、トラブル時のサポートなどがあります。
なおサポートは主にチャットやメール、電話などを通して受けることができますよ。
会計業務に不慣れであれば、業務の相談を受けられるソフトやプランを選んでおくと安心です。
対して「担当者が会計業務に慣れている」「コストを削減したい」といった場合は、手頃な値段で利用できるサポートを選ぶのも手ですね。
ご自身の状況を考慮し、サポートの内容を確認しておきましょう。
ポイント7 バージョンアップに対応しているか
制度や法律が改正されると、会計業務の内容も変わるためこのように心配している方もいらっしゃるでしょう。
会計ソフトを選ぶときには、法改正時などのバージョンアップに対応しているかを確認しましょう。
クラウド型の会計ソフトであれば、自動でバージョンアップされることが一般的です。
一方インストール型のソフトの場合は、インストールした端末ごとに手動でバージョンアップを行う必要があります。
またインストール型のなかにはバージョンアップに対応していないものもあります。
バージョンアップができない場合は、法改正があるたびに自力で対応するか、新しいソフトを購入しなければなりません。
なお本記事の6章でご紹介しているおすすめのインストール型会計ソフト「弥生会計 24+クラウド」は、有料のあんしん保守サポートに加入することで、何度でもバージョンアップが行えます。
ポイント8 コストパフォーマンスは良いか
長期にわたって利用するケースも多い会計ソフトは、機能だけではなくコストパフォーマンスの良さも確認したいところです。
会計ソフトにはずっと無料で使えるものから初期費用が10万円を超えるものまで、さまざまな価格帯のものがあります。
一般的にソフトの機能が多ければ多いほど価格は上がります。
またクラウド型のソフトの場合、インストール型のソフトよりも初期費用はかかりませんが、長期間使えば使うほど費用がかさみます。
一方インストール型はクラウド型よりも初期費用が割高な傾向にありますが、ランニングコストが低いため長い目で見るとクラウド型よりも安く済む可能性もあります。
ただ、コストを抑えたいからといって必要な機能が付いていない製品を選んでしまっては本末転倒です。
5.【個人事業主向け】会計ソフトおすすめ3選
個人事業主には初期費用が安く、端末や場所を問わず使用できるクラウド型会計ソフトが特におすすめだといえるでしょう。
なお同じ製品でも料金プランによって機能やサービスが異なるため、目的や事業の規模などに合わせて最適なものを選ぶことが重要です。
【個人事業主向けクラウド型会計ソフトおすすめ3選】
ブランド名 | ソフト名 | プラン | 初年度価格(税抜) | 2年目以降(税抜) | 無料期間 |
---|---|---|---|---|---|
freee | freee 確定申告 | スターター | 11,760円/年 (月額払い:1,480円) |
あり | |
スタンダード | 23,760円/年 (月額払い:2,680円) |
||||
プレミアム | 39,800円/年 | ||||
マネーフォワード | クラウド確定申告 | パーソナルミニ | 10,800円/年 (月額払い:1,280円) |
– | |
パーソナル | 15,360円/年 (月額払い:1,680円) |
1カ月間無料 | |||
パーソナルプラス | 35,760円/年 | – | |||
弥生会計 | やよいの白色申告 オンライン | フリープラン | 0円 | 0円 | ずっと無料 |
ベーシックプラン | 0円 | 11,500円/年 | 初年度無料 | ||
トータルプラン | 10,500円/年 | 21,000円/年 | – | ||
やよいの青色申告 オンライン | セルフプラン | 0円 | 10,300円/年 | 初年度無料 | |
ベーシックプラン | 0円 | 17,250円/年 | 初年度無料 | ||
トータルプラン | 15,000円/年 | 30,000円/年 | – |
おすすめ1 freee 確定申告
ソフト名 | プラン | 価格(税抜) | 無料期間 |
---|---|---|---|
freee 確定申告 | スターター | 11,760円/年 | あり |
スタンダード | 23,760円/年 | ||
プレミアム | 39,800円/年 |
freee 確定申告はクラウド型会計ソフトのシェアトップの実績もある人気の個人事業主向け会計ソフトです。
大きな特徴は、初めての方でも簡単に経理・会計業務や確定申告などを行えるほどの操作のしやすさが挙げられるでしょう。
またPCからだけでなくスマホアプリからも経費登録を行えるので、外出先や空き時間を有効活用できるのもうれしいポイントです。
アプリを開きスマホのカメラでレシートや領収書を撮影すると、自動で日付や金額などを読み取ることが可能ですよ。
またfreee 確定申告ではオンラインバンキングやクレジットカードなどのログイン情報を登録すると、自動で明細を取り込んでくれます。
さらに簡単な質問に答えるだけで確定申告書類を作成できる点や、専用の電子申告・申請アプリで確定申告をネットで済ませられる点も魅力です。
なおインボイス制度や改正後の電子帳簿保存法にも対応しています。
経理や会計の初心者の方や効率的に会計処理を済ませたい方は、無料で使用感を試すこともできるので利用してみましょう。
おすすめ2 マネーフォワード クラウド確定申告
ソフト名 | プラン | 価格(税抜) | 無料期間 |
---|---|---|---|
マネーフォワード クラウド確定申告 | パーソナルミニ | 10,800円/年 | 1カ月間無料 |
パーソナル | 15,360円/年 | ||
パーソナルプラス | 35,760円/年 |
マネーフォワード クラウド確定申告は、請求書作成・経費計算システムなどバックオフィスツールの提供で知られる株式会社マネーフォワードの個人向け会計ソフトです。
銀行口座やクレジットカードとの連携による明細の取得から仕訳、経営レポートの作成までを自動で行ってくれます。
日々のお金の動きをリアルタイムで把握できるので、業務の効率化はもちろん、経営改善にもつながりますよ。
また確定申告の書類を自動で作ることが可能で、専用アプリを使用すれば、スマホから確定申告書類の提出も行えます。
さらにマネーフォワード クラウド確定申告は、経費や勤怠、給与管理などのバックオフィス業務の関連サービスと連携させることができるため、組織全体の業務効率アップが期待できますよ。
インボイス制度や改正後の電子帳簿保存法に対応しており、安心して会計業務を行えます。
1カ月の無料のトライアル期間が用意されているので、気軽に試してみることをおすすめします。
おすすめ3 やよいの白色申告 オンライン/青色申告 オンライン
ソフト名 | プラン | 初年度価格(税抜) | 2年目以降(税抜) | 無料期間 |
---|---|---|---|---|
やよいの白色申告 オンライン | フリープラン | 0円 | 0円 | ずっと無料 |
ベーシックプラン | 0円 | 11,500円/年 | 初年度無料 | |
トータルプラン | 10,500円/年 | 21,000円/年 | – | |
やよいの青色申告 オンライン | セルフプラン | 0円 | 10,300円/年 | 初年度無料 |
ベーシックプラン | 0円 | 17,250円/年 | 初年度無料 | |
トータルプラン | 15,000円/年 | 30,000円/年 | – |
やよいの白色申告 オンライン/やよいの青色申告 オンラインは、25年連続で売り上げ実績ナンバーワンを誇る会計ソフトの老舗メーカー「弥生株式会社」の個人事業主向けクラウド型会計ソフトです。
会計ソフトを利用したことがない方でも扱いやすいのが特徴です。
やよいの白色申告 オンラインのフリープランであれば、機能をずっと無料で使用できます。
なおフリープランにはサポートが付きませんが、ベーシックプランでは操作サポート、トータルプランでは操作サポートに加えて業務相談のサポートを受けることが可能です。
全てのプランで機能面に差はないので、まずは無料のフリープランを利用して、必要に応じてサポートが付いたプランに変更するのも一つの方法でしょう。
また、やよいの青色申告 オンラインには価格の低い順にセルフプラン、ベーシックプラン、トータルプランの三つがあります。
こちらもやよいの白色申告 オンラインと同様、機能面に違いはありません。
やよいの白色申告 オンラインを利用している方がやよいの青色申告 オンラインに切り替えたいときに、スムーズにデータを移行できる点もうれしいポイントですね。
なお随時自動でアップデートが行われるので、インボイス制度や改正された電子帳簿保存法にも対応しています。
6.【法人向け】会計ソフトおすすめ4選
このように法人向けの会計ソフトのなかで、最適な製品をお探しの方もいらっしゃるでしょう。
法人の場合、端末やOSを選ばずに使える上、低コストで導入できるクラウド型会計ソフトもおすすめですが、セキュリティー性や機能性を重視したいという方は、インストール型を選ぶのも手です。
この章では、たくさんある法人向けの会計ソフトからクラウド型三つとインストール型一つを厳選しました。
おすすめの法人向け会計ソフトの費用は以下のとおりです。
【法人向けクラウド型会計ソフトおすすめ4選】
ブランド名 | ソフト名 | プラン | 価格(税抜) | 無料期間 | |
---|---|---|---|---|---|
freee | freee会計 | ひとり法人 | 35,760円/年 | 30日間無料 | |
スターター | 65,760円/年+従量課金 | 30日間無料 | |||
スタンダード | 107,760円/年+従量課金 | 30日間無料 | |||
アドバンス | 477,360円/年+従量課金 | 30日間無料 | |||
マネーフォワード | マネーフォワード クラウド会計 | スモールビジネスプラン | 35,760円/年 | 1カ月間無料 | |
ビジネスプラン | 59,760円/年 | 1カ月間無料 | |||
弥生会計 | 弥生会計オンライン | セルフプラン | 27,800円/年 | 初年度無料 | |
ベーシックプラン | 37,600円/年 | 初年度無料 | |||
弥生会計 | 弥生会計 24+クラウド | スタンダード | セルフプラン付き | 50,000円 | サポートが1年間無料 |
ベーシックプラン付き | 50,000円 | サポートが1年間無料 | |||
トータルプラン付き | 83,650円 | – | |||
プロフェッショナル | セルフプラン付き | 88,000円 | サポートが1年間無料 | ||
ベーシックプラン付き | 88,000円 | サポートが1年間無料 | |||
トータルプラン付き | 135,800円 | – |
おすすめ1 freee 会計
ソフト名 | プラン | 価格(税抜) | 無料期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|
freee会計 | ひとり法人 | 35,760円/年 | 30日間無料 | – |
スターター | 65,760円/年+従量課金 | 30日間無料 | – | |
スタンダード | 107,760円/年+従量課金 | 30日間無料 | – | |
アドバンス | 477,360円/年+従量課金 | 30日間無料 | – |
freee 会計は上場企業のfreee株式会社によって提供されている法人向け会計ソフトです。
ひとり法人プランは月額2,980円(税抜)からと、リーズナブルな価格で気軽に利用できます。
良心的な値段であるにもかかわらず、自動アップデートが行われており、インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応しています。
ネットバンキングやクレジットカードの明細を取得し、自動で記帳がされる他、見積書、納品書などの作成が簡単に行えます。
毎月の決算処理を行っていれば、ボタンを押すだけで決算書が作成されますよ。
スタータープランは機能やサポートなどがさらに充実しているため、値段がやや上がりますが、経営数字を可視化し、経理の効率を上げたい場合におすすめです。
月額払い51,980円(税抜)で利用できるアドバンスプランにはスタータープランの機能に加え、ワークフローや予実管理に関する機能も付いています。
作業効率を上げてコストを削減し、組織全体の成長をサポートしてくれるので、小規模事業者、中小企業にとってもうれしいサービスですね。
おすすめ2 マネーフォワード クラウド会計
ソフト名 | プラン | 価格(税抜) | 無料期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|
マネーフォワード クラウド会計 | スモールビジネスプラン | 35,760円/年 | 1カ月間無料 | – |
ビジネスプラン | 59,760円/年 | 1カ月間無料 | – |
マネーフォワード クラウド会計は多数の大手企業が利用している法人向けクラウド型会計ソフトです。
入力や仕訳が自動で行われる他、蓄積されるデータをもとに決算書が自動で作成されます。
AI(人工知能)が仕訳の内容を学習し、ソフトを使い続けることで自動仕訳の精度が向上しますよ。
またキャッシュフローレポートや収益レポートなども作成できるので、経営数字を簡単に把握できます。
さらにマネーフォワード クラウド会計は、バックオフィスをサポートする関連サービスが充実しているのも特徴です。
請求書の作成や経費、勤怠、給与などを簡単に管理できるサービスもあり、連携させることで経営業務全般が効率化されます。
なおインボイス制度や電子帳簿保存法にも対応しているのはうれしいポイントです。
クレジットカードの登録をしなくても1カ月間無料でソフトを利用できるので、気軽に試してみましょう。
おすすめ3 弥生会計オンライン
ソフト名 | プラン | 初年度価格(税抜) | 2年目以降(税抜) | 無料期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
弥生会計 オンライン | セルフプラン | 0円 | 27,800円/年 | 初年度無料 | 最大2カ月の無料サポートあり |
ベーシックプラン | 0円 | 37,600円/年 | 初年度無料 | 通年サポート対応 |
弥生会計 オンラインは、登録ユーザー数が300万人を突破*2している「弥生シリーズ」の一つである法人向け会計ソフトです。
簿記や会計の知識がない方でも操作しやすいシステム設計になっており、会計ソフトを使うのが初めてでも安心して利用できます。
またセルフプラン、ベーシックプラン共に無料期間が長く設けられているのも大きな特徴といえるでしょう。
領収書やレシートの自動仕訳、銀行口座やクレジットカード、POSレジとの連携、決算書類の作成、経営レポートの作成などさまざまな機能を1年間無料で試すことができます。
無料期間が終了しても月々2,000円程度から利用を継続できるため、コストパフォーマンスも良いサービスといえますね。
セルフプランでは電話やメールによるサポート、仕訳や経理業務の相談を最大2カ月間提供しています。
ベーシックプランはセルフプランのサポート内容に加え、チャットによるサポートも行っているので、経理・会計業務に自信がない方におすすめです。
なお弥生会計 オンラインは、インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応しています。
おすすめ4 弥生会計24+クラウド
ソフト名 | プラン | 価格(税抜) | 無料期間 | ||
---|---|---|---|---|---|
弥生会計 24+クラウド | スタンダード+クラウド | セルフプラン付き | 50,000円 | 30日間無料 | |
ベーシックプラン付き | 50,000円 | ||||
トータルプラン付き | 83,650円 | ||||
プロフェッショナル+クラウド | セルフプラン付き | 88,000円 | |||
ベーシックプラン付き | 88,000円 | ||||
トータルプラン付き | 135,800円 |
弥生会計 24+クラウドは、老舗の会計ソフトメーカーである弥生会計の法人向けインストール型会計ソフトです。
弥生会計 24+クラウドにはスタンダードとプロフェッショナルの二つのプランがあり、どちらも30日間無料で利用可能です。
スタンダードには記帳や集計、決算などを効率化できる機能が付いており、プロフェッショナルにはスタンダートの機能に加え部門管理や経営分析などの機能があります。
初めて会計ソフトを導入する場合や従業員が5人ほどの小規模な法人の場合はスタンダード、機能が豊富なソフトを使いたい場合や従業員が多い場合はプロフェッショナルがおすすめです。
さらに弥生会計 24+クラウドには、製品や業務に関するサポートを受けられる「あんしん保守サポート」というサービスを付帯させることができます。
サポートの充実度に応じてセルフプラン、ベーシックプラン、トータルプランという三つのプランがあるのでいずれかを選びましょう。
ソフトの操作が不安な方にはベーシックプラン、仕訳や確定申告などの相談をしたい方にはトータルプランがおすすめです。
なおサポートに関しては最初の1年間、優待価格としてセルフプランとベーシックプランを無料、トータルプランを半額ほどで利用できますよ。
7.まとめ
ご自身や会社に適した会計ソフトを選ぶためには、まず事業の形態や規模、税申告の方法、作業環境などを把握することが重要です。
また会計ソフトを利用する目的や必要な機能などを明確にしてから選ぶと失敗を防げるでしょう。
さらに顧問税理士がいる方は税理士とデータの共有をしやすい会計ソフトを選んだり、初めて利用する方であれば市場シェアの大きいソフトを選んだりするといった方法もあります。
freee、弥生会計、マネーフォワードなら、機能・コストパフォーマンス共に導入しやすく初心者でも安心して利用できるでしょう。
なお無料のトライアル期間が設けられているソフトもあるので、操作性や機能などをあらかじめ確かめてから購入するのがおすすめです。
【業界シェアトップ・おすすめの会計ソフト3選】