個人事業主や、法人の経理を担当していて、freeeと弥生会計のどちらを導入するかで悩んでいるという方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
二つのソフトについて自分で比較して違いを確かめるのは難しいですよね。
この記事ではfreeeと弥生会計を全5項目で徹底的に比較していきます。
- (1)価格
- (2)機能
- (3)実績
- (4)無料試用期間
- (5)サポート
福留 正明
1.【個人事業主編】freeeと弥生を全5項目で徹底比較!
個人事業主向けの会計ソフトは、白色申告と青色申告のどちらを行うかによってサービスが異なる場合があります。
「白色申告と青色申告って何が違うの?」
と気になった方もいらっしゃるかもしれませんね。
青色申告では白色申告に比べて手続きが複雑な分、税金の控除を受けられたり赤字を繰り越せたりといった白色申告にはないメリットを受けられます。
一方、白色申告をする場合は事前申告の必要はなく、単式簿記で記帳を行います。
ただし青色申告を行うには税務署に事前に申告をする必要があり、複式簿記で記帳しなければなりません。
白色申告と青色申告についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
弥生が個人事業主向けに用意している会計ソフトには「やよいの白色申告オンライン」と「やよいの青色申告オンライン」があります。
白色申告をしたい方は「やよいの白色申告オンライン」、青色申告をしたい方は「やよいの青色申告オンライン」を選びましょう。
freeeは白色申告と青色申告のどちらにも対応しています。
freee | やよいの白色申告・青色申告オンライン | |
---|---|---|
価格 | 年間11,760円(税抜)〜 | 白色申告;無料〜21,000円(税抜) 青色申告:無料~30,000円(税抜) |
機能 | 確定申告書類をスマホで作成できる | – |
実績 | – | 25年連続売上実績No. 1 |
無料試用期間 | 30日間 | 1年間(やよいの白色申告オンライン・やよいの青色申告オンラインセルフプラン) |
サポート | チャット・メール | 電話・メール・チャット(やよいの青色申告オンラインベーシックプラン) |
(1)価格
会計ソフトを導入するにあたって、まず気になるのは費用ですよね。
freeeでもっとも安いスターターコースを1年使用する場合は年間11,760円(税抜)、スタンダードプランでは年間23,760円(税抜)かかります。
一方、やよいの白色申告オンラインには全ての機能が永久に無料で使えるフリープランがあります。
やよいの青色申告オンラインでは1年間全ての機能が無料で使用でき、次年度からは年間10,300円(税抜)~がかかります。
(2)機能
やよいの白色申告オンラインとやよいの青色申告オンラインとfreeeの機能には以下のような違いがあります。
- ・クレジットカードや銀行口座と連携する際にfreeeは直接連携できるが、やよいの確定申告オンラインの場合は外部サービスを別途で利用する必要がある。
- ・freeeは請求書作成機能を無料で利用できるが、弥生の場合はインストール型ソフトを購入するか外部サービスを利用する必要がある。
また、freeeの強みはスマホアプリの機能が充実していることです。
「○」か「✕」の質問に答えるだけで確定申告書を作成することができるのです。
直感的に操作できるので初心者の方でも簡単に利用できますね。
(3)実績
多くの人に使用されているソフトはそれだけ信頼性が高いと考えられますよね。
やよいの確定申告オンラインは確定申告ソフト部門で25年連続売上ナンバーワンの実績を誇っています。
2020年4月に行われたクラウド会計ソフトの利用状況調査(MM総研)「クラウド会計ソフトの利用状況調査」では個人事業主が使用している会計ソフトのうち56%を弥生が占めているという結果になりました。
freeeは21%で次点となっています。
(4)無料試用期間
多くの会計ソフトがソフトの機能を無料で使うことができる試用期間を設けています。
やよいの青色申告オンラインはなんと1年間無料で全ての機能を使うことができます。
一方、freeeの無料お試し期間は最大30日間です。
(5)サポート
どんなに優秀なソフトであっても、分からないことがあったときにサポートを受けられなければ途方に暮れてしまいますよね。
特に会計ソフトの利用に慣れていないうちは、手厚いサポート体制を準備しているソフトを利用したいものです。
やよいの白色申告オンラインでは年額4,600円(税抜)、やよいの青色申告オンラインでは年間6,900円(税抜)のベーシックプランから電話・メール・チャットサポートを受けることができます。
弥生のカスタマーセンターは業界最大の規模を誇ります。
freeeでは、全てのプランでメール・チャットサポートを受けることができます。
ただし、電話サポートが必要な場合は年間39,800円(税抜)のプレミアムプランに加入しなければなりません。
2.【法人編】freeeと弥生を全5項目で徹底比較!
freeeの法人向けソフトに企業規模に応じて四つのプランが用意されています。
また弥生が法人に向けて提供しているソフトは「弥生会計 オンライン」です。
はじめに5項目の比較を表にすると以下のようになります。
freee | 弥生会計 オンライン | |
---|---|---|
価格 | 年間35,760円(税抜)〜 | 初年度無料〜(次年度27,800円(税抜)~) |
機能 | 豊富 | – |
実績 | 法人ではトップシェア | – |
無料トライアル期間 | 30日間 | 1年間 |
サポート | 電話・チャット・メール | 電話・メール・チャット(無料試用期間でも最初2カ月は利用可能) |
(1)価格
法人向けfreeeと弥生会計 オンラインを1年利用した際の価格を比較してみましょう。
freeeで最小限の機能を備えひとり法人プランを1年使用した場合35,760円(税抜)、スタータープランでは65,760円(税抜)かかります。
弥生会計 オンラインのセルフプランでは全ての機能が1年間無料で使えますが、次年度からは27,800円(税抜)、ベーシックプランの場合37,600円(税抜)がかかります。
(2)機能
弥生会計 オンラインとfreeeの機能には以下のような違いがあります。
- ・freeeでは請求書の作成ができるが、弥生会計 オンラインでは外部サービスが必要になる
- ・弥生会計 オンラインよりもfreeeの方が連携している金融機関の数が多い
- ・仕入金・買掛金の管理、在庫管理など弥生会計 オンラインではできないがfreeeではできる機能がある
また、freeeの強みはスマホアプリの内容が充実していることです。
スマホアプリを活用すれば、出先でも空いた時間を利用して会計処理を行うことができます。
(3)実績
多くの人が利用している会計ソフトはそれだけ扱いやすく、初心者でも安心して使えるといえます。
2017年に行われた「クラウド会計ソフトの法人導入実態調査」ではfreeeが32%でトップのシェアを占めています。
弥生会計 オンラインは15%で3番目です。
(4)無料試用期間
たとえ機能が豊富であったり導入コストがお手頃であったりしても、会社の実態に合っていないソフトを導入したのでは意味がないですよね。
まずは無料試用期間でソフトの使い心地を実感してみましょう。
弥生会計 オンラインは全ての機能を一年間無料で使用できるセルフプランを設けています。
freeeでは全てのプランを30日間無料で試すことができます。
(5)サポート
法人の経理を担当する方が会計の知識に自信がない場合は、サポート体制の手厚さも重視すべきポイントです。
弥生会計 オンラインでは年額37,600円(税抜)のベーシックプランで電話・メール・チャットサポートを利用できます。
弥生は業界最大規模のサポート体制が強みです。
セルフプランの無料期間でも最大2カ月は電話・メールサポートが利用できるという初期サポートが保証されているのが嬉しいですね。
freeeでは年額35,760円(税抜)のひとり法人プランでメール・チャットサポートが、年額65,760円(税抜)のスタータープランで電話サポートが受けられます。
3.まとめ
この記事では(1)価格(2)機能(3)実績(4)無料試用期間(5)サポートという5項目でfreee、弥生会計を詳しく比較しました。
個人事業主の方については、やよいの白色申告オンライン・やよいの青色申告オンラインを導入した方がfreeeを導入するよりもかなりコストが抑えられます。
やよいの白色申告オンライン・やよいの青色申告オンラインは個人事業主のなかでトップのシェアを誇り、サポート体制も申し分ありません。
ただし出張が多いなどの理由で会計処理にまとまった時間が取れないため、スマホアプリの機能を重視したいという場合はfreeeの導入がおすすめです。
法人の場合はfreeeがトップのシェアを誇り、機能もより充実しています。
しかし、サポート体制やコストの面では弥生会計 オンラインを導入した方が良い場合もあります。