会計業務の効率化に会計ソフトが便利だということをご存じの方は多くいらっしゃるでしょう。
しかし「お店にパソコンがない」あるいは「パソコンがあってもなかなか腰を据えて作業をする時間がない」といった理由で導入に踏み切れていないケースもあるかもしれませんね。
実は会計ソフトを提供する各社はスマートフォン・タブレット端末向けのアプリもリリースしているため、パソコンに向きあうことができなくても会計業務を手軽に済ませられるのです。

福留 正明
1.スマホでも会計ソフトは使える?
このように気になっている方もいらっしゃるかもしれませんね。
会計業務の効率化に最も適しているのは会計ソフトの導入だといえます。
会計ソフトを導入すれば法人口座や法人クレジットカードとソフトを連携して自動でお金の出入りを記録したり領収書やレシートを読み込んで仕訳を自動化したりすることができます。
また日々の帳簿から決算書も自動で作成されます。
しかしパソコンがなかったり、パソコンに向きあう時間が取れなかったりするなどの理由から会計ソフトの導入をためらっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は会計ソフト各社はスマホやタブレット用のアプリを提供しているため、パソコンがなくても簡単に会計業務を効率化できるといえるのです。
例えばこれまで、レシートや領収書を受け取ってから仕訳して帳簿に記載するまでに時間がかかってしまっていたかもしれません。
しかしスマホアプリでは、多くの場合カメラ機能でレシートや領収書を読み込ませることで簡単に仕訳を自動化することができます。
2.スマホで使える!おすすめ会計アプリ
実は株式会社MM総研が個人事業主を対象として行った「クラウド会計ソフトの利用状況調査」によれば、会計ソフトのうちインストールの必要がないクラウド型のシェアの9割以上はfreee・マネーフォワード
・弥生会計
の3社で占められています(2025年3月末時点)。

ユーザー数の割合が多いということは、それだけ機能や価格面が優れているといえるでしょう。
会計ソフトを使ったことがない方でも安心して利用できるおすすめの会計ソフトです。
そこで、以上の三つのソフトのアプリ版を中心にスマホで使える会計ソフトを詳しくご紹介していきましょう。
(1)マネーフォワードクラウド
マネーフォワードクラウドは個人事業主向けのマネーフォワード クラウド確定申告と中小企業向けのマネーフォワード クラウド会計
を提供しています。
残念ながら中小企業向けの会計ソフトはアプリになっていませんが、マネーフォワード クラウド確定申告はアプリとしてリリースされています。
月1,000円以下の料金から利用でき、無料のトライアル期間もあるためまずは気軽に使い勝手を試してみるのも良いでしょう。
マネーフォワードの特長は給与計算を行うマネーフォワードクラウド給与や請求書発行を行うマネーフォワードクラウド請求書
、経費精算を行うマネーフォワードクラウド経費
、マイナンバーの収集・管理を行うマネーフォワードクラウドマイナンバー
などのさまざまなサービスと連携し業務を効率化することができる点にあります。
煩雑な業務をまとめて効率化できるのがうれしいポイントですよね。
また定期的にサービスがアップデートされており、インボイス制度や電子帳簿保存法の改正にも対応していますよ。
(2)freee
freeeの特徴はなんといっても初心者が簡単に操作できるよう最適化された設計です。
個人事業主向けの確定申告ソフトだけでなく、法人向けの会計ソフトも提供されています。
他の会計ソフトと異なり、freeeはスマホなどでの使用を前提にシステムが設計されています。
アプリで表示される質問に○か×の2択で答えていくだけで自動で確定申告書が作成され、国税庁の国税電子申告・納税システム(e-Tax)を通じて提出することも可能です。
初めての確定申告でお困りの方でも迷わず直感的に操作が進められるのがうれしいですよね。
さらに「インボイス制度」や取引の書類を電子データで保存する際の要件が定められた「電子帳簿保存法」の改正にも対応しています。
(3)弥生会計
弥生会計は26年連続年間販売数量ナンバーワンを誇る人気の会計ソフトブランドです。
個人事業主向けのやよいの白色申告 オンライン・やよいの青色申告 オンライン
、中小企業向けの弥生会計 Next
などを提供しています。
初心者でも分かりやすいシステム設計が徹底されており、会計の知識がない方でも簡単に利用できるよう工夫が凝らされているのが特長のサービスです。
特にやよいの白色申告 オンラインはずっと無料で利用できるため、白色申告を行う方は見逃せません。
また青色申告ができるやよいの青色申告 オンラインと法人向けの弥生会計 Next
は3カ月間無料で利用できますよ。
なおインボイス制度や電子帳簿保存法の改正にも対応しているため、法律に関する知識がない方でも安心です。
やよいの白色申告 オンラインおよびやよいの青色申告 オンライン
が利用できる「『弥生申告』アプリ」および弥生会計 Next
が利用できるアプリがリリースされています。
またレシートをスマホやタブレットなどのカメラ機能を使って取り込み、自動で仕訳を行う「弥生 レシート取込アプリ」と合わせて利用することでさらに効率的に会計業務を済ませられますよ。
どのシリーズにも無料で利用できる期間があるため、会計アプリに迷った場合はまず試してみると良いでしょう。
3.まとめ
会計ソフトの多くはアプリ版をリリースしています。
スマホやタブレット端末を利用して日々の帳簿付けなどを効率化できるのでぜひ導入しておきたいところです。
株式会社MM総研が個人事業主を対象として行った調査では、クラウド型の会計ソフトのシェアの9割以上はマネーフォワード・freee
・弥生会計
の3社で占められているという結果が出ています。
3社はいずれもスマホやタブレット向けのアプリをリリースしているので要チェックです。
クラウド型の会計ソフトであればログインさえすればどこからでも登録したデータにアクセスできるため、スマホから出先で帳簿入力を行い、パソコンの大きな画面でレポートを確認することも可能です。