このように、マネーフォワード クラウドとクレジットカードを連携して使ってみたいと考えている方は多いのではないでしょうか。
マネーフォワード クラウドとクレジットカードを連携することで、取引のデータの自動取得や自動仕訳が可能です。
会計業務を効率化したい方にとってはうってつけの機能といえるでしょう。
この記事では、マネーフォワード クラウドとクレジットカードを連携するメリットや具体的な方法、連携する際の注意点などについて分かりやすく解説します。

福留 正明
1.マネーフォワード クラウドとは
マネーフォワード クラウドというサービスがあることは知っていても、具体的な内容までは分からない方もいらっしゃるでしょう。
マネーフォワード クラウドは、株式会社マネーフォワードが提供する、会計・経理・人事労務・法務などのバックオフィス全体を効率化するクラウドサービスです。
個人事業主から上場企業まで、事業規模に合わせた幅広いプランが提供されていて、ご自身や会社のステータスに応じたものを選択することができます。
以下は、マネーフォワード クラウドで提供されている主なサービスを業務内容別にまとめた表です。
業務内容 | 主なサービス |
---|---|
経理財務 | ・クラウド会計、クラウド会計Plus ・クラウド固定資産 ・クラウド個別原価 ・クラウド連結会計 |
支出・請求管理 | ・クラウド経費 ・クラウド請求書、クラウド請求書Plus ・クラウドインボイス ・クラウド債務管理 ・クラウド債務支払 ・クラウドBox ・マネーフォワード 掛け払い |
個人会計・起業・開業 | ・クラウド確定申告 ・クラウド開業届 ・クラウド会社設立 |
法務 | ・クラウド契約 |
人事労務 | ・クラウド人事管理 ・クラウド給与 ・クラウド勤怠 ・クラウド年末調整 ・クラウド社会保険 ・クラウドマイナンバー ・クラウド福利厚生賃貸 |
契約した料金プランによって、利用できるサービスは異なります。
また事業に必要なサービスのみを段階的に導入することが可能です。
なお上記の表のサービスのうち、クラウド会計とクラウド会計Plus、クラウド経費、クラウド確定申告にクレジットカードとの連携機能が付帯していますよ。
2.マネーフォワード クラウドとクレジットカードを連携するメリット
マネーフォワード クラウドの導入を検討している方やすでにお使いの方で、クレジットカードと連携するメリットをきちんと把握しておきたいと考える方もいらっしゃるでしょう。
そこでこの章では、マネーフォワード クラウドとクレジットカードを連携するメリットについて詳しく解説します。
- メリット1 取引を入力する手間が減る
- メリット2 人為的なミスが減る
- メリット3 簿記の知識がなくても効率良く仕訳ができる
メリット1 取引を入力する手間が減る
マネーフォワード クラウドとクレジットカードを連携すると、取引明細が自動取得されるため入力の手間が減ります。
クレジットカードの取引明細には、日付や金額、取引先などのさまざまな情報が記載されています。
これらの内容を取引ごとに一つずつ手入力していては、それだけで時間がかかってしまいますよね。
マネーフォワード クラウドとクレジットカードを連携しておけば、支払いをするだけで取引のデータが自動で入力されるので非常に便利といえるでしょう。
メリット2 人為的なミスが減る
人為的なミスを減らせる点も、マネーフォワード クラウドとクレジットカードを連携するメリットです。
記帳や仕訳をする際、入力間違いや入力漏れなどのミスが起きてしまうリスクがあります。
しかしクレジットカードと連携しておけば、カードで行った取引の入力が不要になり、データを正確に記帳できますよ。
また入力後のチェックにかかる時間の削減にもつながるでしょう。
メリット3 簿記の知識がなくても効率良く仕訳ができる
マネーフォワード クラウドとクレジットカードを連携することで、簿記の知識がない方でも効率良く仕訳ができます。
マネーフォワード クラウドには、取得した取引明細から、仕訳の勘定科目が自動で提案される機能が付いています。
そのため簿記の知識がない方や初めて会計業務を行う方でも、複雑な勘定科目に迷うことなく仕訳ができるでしょう。
人工知能(AI)が登録した仕訳を学習する機能も付いているため、使用すればするほど仕訳の精度が向上するのもうれしいポイントです。
とはいえ提案された勘定科目の修正が必要なケースもあります。
そのようなケースでは、あらかじめ取引明細の種類や一致条件などを指定しておき、作成したルールに沿って仕訳をする「自動仕訳ルール」機能を使用すると便利です。
取得した明細の勘定科目を都度修正することなく、高い精度で仕訳の登録が行えますよ。
3.マネーフォワード クラウドと連携できるクレジットカードの種類
ご自身の利用しているクレジットカードや、事業用に使いたいクレジットカードがマネーフォワード クラウドと連携できるかどうか知りたい方もいらっしゃるでしょう。
マネーフォワード クラウドと連携可能なクレジットカードは約150種類あります(2025年7月現在)。
以下はマネーフォワード クラウドと連携可能なクレジットカードの一部です。
- ・JCBカード
- ・楽天カード
- ・VIEW CARD
- ・dカード
- ・DCカード(個人・法人)
- ・イオンカード
- ・エポスカード
- ・オリコカード(個人・法人)
- ・三井住友カード
- ・みずほマイレージクラブカード(THE POINT・セゾン・UC) など
公式サイトで連携ができるサービスの一覧を確認することが可能なので、利用する前に詳細をチェックしておきましょう。
またマネーフォワード クラウドでは1カ月の無料トライアル期間が用意されています。
まずは無料で使ってみて、連携機能の便利さを確かめておくのもおすすめですよ。
4.マネーフォワード クラウドとクレジットカードを連携する方法
このように、クレジットカードとの連携方法が複雑だったり手間がかかったりするのではないかと不安に感じている方もいらっしゃるかもしれませんね。
マネーフォワード クラウドとクレジットカードを連携する方法には「ID・パスワード方式」「API連携方式」があります。
ID・パスワード方式は、マネーフォワードのシステムが利用者に代わってインターネットバンキングなどにログインし明細を取得する方法です。
一方、API連携方式はマネーフォワードと金融機関との間に独自のルートをつくり明細を取得する方法です。
どちらの方法を選んでも、マネーフォワード クラウドとクレジットカードを簡単に連携できますよ。
4-1.ID・パスワード方式
ID・パスワード方式の連携の手順を以下にまとめました。
- STEP1 データ連携から新規登録画面を開く
- STEP2 連携したいクレジットカードを選択する
- STEP3 IDやパスワードなど連携に必要な情報を入力する
- STEP4 「連携登録」をクリックする
- STEP5 登録の完了を新規登録画面で確認する
まずマネーフォワード クラウド会計を開いて「データ連携」から「新規登録」画面に進み、検索ボックスに連携したいクレジットカードの名称を入力します。
候補が表示されたら該当するクレジットカードを選択し、最後にIDやパスワード、自動取得対象の開始日などの情報を入力すれば完了です。
最後に新規登録画面で登録が完了したことを必ず確認してくださいね。
4-2.API連携方式
API連携方式の手順は以下のとおりです。
- STEP1 データ連携から新規登録画面を開く
- STEP2 連携したいクレジットカードを選択する
- STEP3 金融機関登録画面で「〇〇と連携する」をクリック
- STEP4 金融機関のサイトの画面の指示に従って操作を進める
- STEP5 金融機関登録画面で必要な情報を入力して「保存する」をクリック
- STEP6 登録の完了を新規登録画面で確認する
API連携方式では、クレジットカードを選択した後、「金融機関登録」画面が開いて該当の金融機関のサイトに切り替わります。
各金融機関のサイトの画面の指示に従って操作を進め、完了すると金融機関登録画面が再度表示されるので、必要な情報を入力して保存しましょう。
登録が完了すると、新規登録画面に追加されますよ。
どちらの方法を利用する場合でも、連携機能を使用するためには事前にクレジットカードのWeb明細サービスへの登録が必要なので気を付けてくださいね。
5.マネーフォワード クラウドとクレジットカードを連携する際の注意点
このようにマネーフォワード クラウドとクレジットカードを連携するにあたり、気を付けるべき点を事前に把握しておきたい方もいらっしゃるでしょう。
そこでこの章では、マネーフォワード クラウドとクレジットカードを連携する際の注意点について三つ解説します。
注意点1 取得できるのはWeb明細に表示されているデータのみ
マネーフォワード クラウドとクレジットカードを連携する際の注意点として、取得できるのはWeb明細画面に表示されているデータのみであることが挙げられます。
クレジットカードの取引のデータを取得する際、システムがWeb明細画面にアクセスし表示されている情報を取得します。
クレジットカードとの連携ができていても、照会期限切れなどの理由でWeb明細画面に取引が表示されていない場合にはデータを取得できないので気を付けましょう。
注意点2 クレジットカードの取引情報だけでは確認できない内容がある
クレジットカードの取引情報だけでは確認できない内容がある点も、マネーフォワード クラウドとクレジットカードを連携する際の注意点の一つです。
取引の内容によっては利用者がデータを入力したり、仕訳したりする必要があります。
例えば、仕訳の際には消費税区分の選択が必要ですが、海外のECサイトでの購入や、軽減税率が適用されている食料品などは、消費税区分を区別して登録する必要があります。
しかしクレジットカードの取引明細の情報だけでは、必要な消費税区分の確認ができません。
そのため領収書を別で保管しておいて、仕訳の際に消費税区分をご自身でチェックするなどの対応が必要になります。
注意点3 自動化の精度を上げるにはカードの使い分けが必要
マネーフォワード クラウドとクレジットカードの連携する際に、自動化の精度を上げるには、状況によってカードを使い分ける必要があります。
例えば個人事業主の場合、仕事用とプライベート用で同じクレジットカードを使用しているケースがあるかもしれません。
この場合、クレジットカードの取引明細だけでは、仕事とプライベートのどちらの支払いなのかを自動で判別できません。
そのため取引内容を一つ一つ確認して仕訳をする必要があります。
しかし仕事用とプライベート用、国内用と海外用、勘定科目別など、クレジットカードを使い分ければ、完全に自動化できる処理が増えますよ。
6.マネーフォワード クラウドとクレジットカードを連携する際のセキュリティー対策は?
このように、マネーフォワード クラウドとクレジットカードを連携しようと思っても、セキュリティー面が気になって不安を抱えている方は多くいらっしゃるでしょう。
マネーフォワード クラウドとクレジットカードとの連携時に必要なのは、Web明細を確認するためのID・パスワードのみです。
クレジットカードの番号を入力する必要はないため、連携時に情報漏えいする心配は少ないといえるでしょう。
またマネーフォワード クラウドでは金融機関のログイン情報は全て暗号化され、厳重に管理・運用されています。
なおマネーフォワード クラウドは「プライバシーマーク」を取得しています。
情報漏えいのリスクが低いサービスであることが第三者機関からも認められているので安心して利用できますね。
7.まとめ
マネーフォワード クラウドとクレジットカードを連携することで、クレジットカードの取引明細を自動で取得できるようになり、記帳にかかる手間や人為的なミスの削減につながります。
また仕訳の勘定科目も自動で提案してくれるため、簿記の知識のない方や初めて会計業務を行う方にもうってつけですよ。
マネーフォワード クラウドには1カ月の無料トライアル期間が付いていて、期間中もクレジットカードとの連携機能は使用できます。