会計ソフトfreee(フリー)とは?メリットや注意点を徹底解説

freee(フリー)を使ってみたいんだけど、どんなメリットがあるんだろう?
他の会計ソフトと何が違うんだろう?

会計ソフト「freee」の導入を検討しており、このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

freeeを利用すれば、会計の知識がない初心者でも簡単に確定申告書類の作成や経理業務ができます

また会計業務を効率化させるための機能が充実しており、銀行口座やクレジットカードを連携させて自動で明細の取得・仕訳を行ったり、スマートフォンでレシートを撮影するだけで自動でデータを入力したりすることも可能です。

freeeは法人はもちろん個人事業主やフリーランスの方、副業をしている方にもおすすめですよ。

この記事ではfreeeのメリットや注意点、利用の流れなどを分かりやすく解説します。

税理士
特に会計の知識がない方や会計ソフトを初めて使う方であれば、freeeの利用をおすすめします。

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1.freeeとは

freee個人事業主の確定申告から法人の経理業務まで幅広く対応しているクラウド型会計ソフトです。

クラウド型会計ソフトとは
パソコンにインストールしなくても、オンライン上で利用できる会計ソフトのことです。インターネットにつながる環境があれば、さまざまな場所や端末、OS(基本ソフト)で利用できます。また法改正や仕様の変更があった場合にはバージョンアップが行われるため、常に最新版の利用が可能です。

これまでに2017年の法人シェア1位(*1)、2025年の個人シェア2位(*2)という実績があり、多くのユーザーから選ばれている会計ソフトであることが分かります。

freeeの大きな特長は、会計の知識や会計ソフトの利用経験がない方でも操作がしやすい点にあります。

また銀行口座やクレジットカードを連携させれば入出金などのデータを自動で取得できるため、入力の手間が減り業務効率化につながるのも魅力でしょう。

他にも多くのメリットがあり、特に会計ソフトを初めて導入する法人や会計業務に慣れていない個人事業主の方におすすめですよ。

税理士
次の章ではfreeeのメリットについて詳しく解説します。

2.freeeを利用するメリット

freeeにはどんなメリットがあるんだろう?

freeeを実際に利用する前に、あらかじめどのようなメリットがあるのかを知っておきたいですよね。

freeeには確定申告書類の作成が手軽にできるなど、以下の八つのメリットがあります。

【freeeを利用するメリット】
freeeを利用するメリット
税理士
ここからは八つのメリットとfreeeならではの便利な機能をご紹介しますよ。

メリット1 確定申告書類が簡単に作成できる

freeeを利用すれば、簡単に確定申告ができます。

難しい入力作業をしなくても、○×形式の質問に答えるだけで青色・白色申告、e-Tax(国税電子申告・納税システム)に対応した確定申告の書類が作成できます

メモ
e-Taxは国税庁が運営しているオンラインで確定申告ができるサービスです。また、青色申告や白色申告についてはこちらの記事で解説しています。

また作成した確定申告書類はe-Taxを利用して提出することが可能です。

クラウド型会計ソフトであり、最新の税制にも迅速に対応してくれるため、安心して利用できます。

初めての確定申告で不安だったけど、freeeなら簡単に済ませられそう。

メリット2 法人の経理業務の効率化が図れる

freeeは法人の経理業務にも適した会計ソフトです。

初めて経理業務を担当する方や、これまで別の会計ソフトを利用していた方でも簡単に使える機能を備えています。

例えば、経費の仕訳中に分からない勘定科目があっても、勘定科目ごとに「どんな内容の経費なのか」など分かりやすいガイドが出るため効率良く作業ができます。

また収益や月次推移など経営状況の可視化や、決算書など決算関連の書類をワンクリックで作成することも可能です(※毎月の会計処理を行っている場合)。

複数のパソコンから利用できるだけでなく、他の会計ソフトからのデータ移行も簡単にできます。

税理士
複雑な法人の経理業務もスムーズにこなせる機能の多さはうれしいポイントですね。

メリット3 データ連携により入力の手間が省ける

freeeでは銀行口座やクレジットカードと連携して、明細から金額などのデータを自動で取得する機能が利用できます。

日付や金額などのデータを自動で仕訳できるため、業務を大幅に効率化できます。

また「自動登録ルール」という機能があり、ルールを追加するほどデータ処理の時間を削減できます。

自動登録ルールとは
あらかじめ取引先や勘定科目などを設定しておくことでデータが自動で入力される機能のことです。登録されるルールが増えるほど経理業務の自動化が実現できます。

例えば「同じ取引先で同じ金額」など、決まった内容の取引を設定しておけば、手動で入力する手間が減りますよ。

また新規の取引でも、自動登録ルールを設定すれば次回の取引時のデータ処理が楽になります。

税理士
入力ミスが少なくなり、業務効率がアップしますよ。

メリット4 スマホで手軽に作業が行える

freeeにはスマホの専用アプリがあり、確定申告書類の作成から提出までスマホ1台で行うことも可能です。

基本情報の設定や1年分の取引の詳細を登録し、◯×の質問に答えていくだけで確定申告書類が完成しますよ。

またスマホのカメラで撮影したレシートや領収書から日付と金額を読み取る機能があるため、データ入力の手間を省くことが可能です。

e-Taxと連携できる電子申告アプリを利用すれば、スマホからマイナンバーカードを読み取れるため、簡単に確定申告書類の提出ができますよ。

スマホでは他にも見積書や請求書の作成、入出金管理、月次推移レポートの確認、経費申請などの経理業務もできます。

スマホだけで確定申告書類の作成・提出ができるのはすごいなあ。

メリット5 クラウドで場所にとらわれず作業ができる

インターネット環境が整っていれば場所を限定せずに利用できるのもfreeeのメリットです。

データはクラウド上にあるので、自宅はもちろん、会社や外出先からでもパソコンやスマホを使って会計業務ができます

またパソコンやスマホが故障しても、別の端末からログインして引き続き作業することが可能ですよ。

さらに常時、最新の税制に対応したソフトを提供してくれるため、アップデートの手間や買い替えの必要もありません。

電子帳簿保存法の改正やインボイス制度(適格請求書等保存方式)にも対応していますよ。

電子帳簿保存法とは
税務関連の帳簿や書類を電子データで保存することを認めた法律のことです。2021年に内容が改正され、電子取引で受け取った書類については電子データでの保存が義務化されました。
インボイス制度(適格請求書等保存方式)とは
事業者の仕入税額控除を適用するために、インボイスと呼ばれる適格請求書の取り扱いが必要になった制度のことです。
税理士
クラウド型の会計ソフトならではのメリットは、とても魅力的ですね。

メリット6 初心者でもサポート付きで安心できる

freeeではメール・チャット・電話のサポートが受けられるので、初心者でも安心して利用できます

【freeeで利用できるサポート】
  • ・メール:通常メールサポートとお急ぎメールサポートが利用でき気軽に質問を送れる
  • ・チャット:チャットボットと有人チャットで簡単に問い合わせできる
  • ・電話:チャットやメールでは不安な方も気軽に問い合わせできる

ただしプランによって、以下のようにサポートの内容が変わる点には注意しましょう。

サポート内容 サポートを利用できるプラン
チャットボット 全プラン
有人チャット 無料プラン以外の全プラン
通常メール
(原則3営業日以内の返信)
全プラン
※無料プランは契約に関する問い合わせのみ
お急ぎメール
(原則1営業日以内の返信)
スタータープラン以外の全プラン
※無料プランは契約に関する問い合わせのみ
電話 【法人プラン】
スタータープラン
スタンダードプラン
アドバンスプラン
エンタープライズプラン

【個人事業主プラン】
プレミアムプラン

初心者でもスムーズに利用できそう!

メリット7 4つのセキュリティー対策で安心できる

freeeが支持されている理由の一つに、安心して利用できる以下の四つのセキュリティー対策があります。

【4つのセキュリティー対策】
対策 内容
情報漏えい対策 通信や保存データの暗号化、ログイン試行回数の制限、リスクベース認証(普段とは異なる環境からのログインをロックする機能)
データ保全、保護 細かいバックアップ体制、ユーザーによるバックアップ機能、更新履歴の保持
システム稼働率の維持 安心して利用してもらうための高いシステム稼働率の維持(2015年3月~2016年6月で99.9%の実績あり)
外部機関との連携 個人情報保護第三者認証プログラムのグローバルスタンダード「TRUSTe」の認証取得、セキュリティーの脆弱(ぜいじゃく)性に関する情報取得と対応、大手セキュリティーベンダー(セキュリティーソフト)「McAfee」の脆弱性診断の受信

また銀行やクレジットカードのデータ連携には安全性の高い「API連携方式」が採用されています。

API連携とは
アプリケーション・プログラミング・インターフェース連携の略で、二つ以上のソフトウェアなどを連携して部分的に機能を共有する仕組みのことです。

API連携方式を利用すれば、ログイン情報を保存することなくデータの取得が可能なので安心して利用できるでしょう。

インターネット上で会計データを扱うのは不安があったけど、しっかりしたセキュリティー対策があるなら安心ですね。

メリット8 お試しプランがある

freeeには、有料版の機能を30日間無料で試せる「お試しプラン」があります

取引データの閲覧や編集が無制限にできないなど、一部の機能やサポートが制限されていますが、ほとんどの機能を試すことが可能です。

税理士
お試しプランの機能制限に関しては、こちらで詳しく解説していますよ。

有料プランの契約を想定している場合、まずはお試しプランで機能や使い勝手などを確認し、継続して利用するかどうか判断すると良いでしょう。

無料で使い勝手を試すことができるなら安心だね。

3.freeeを利用する際の注意点

freeeを利用する際は、どのようなことに注意すれば良いのかな?

freeeの導入を検討するに当たり、注意点を知っておきたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。

freeeを利用する際には、以下の三つの点に注意が必要です。

【freeeを利用する際の注意点】
freeeを利用する際の注意点
税理士
注意点をあらかじめ理解しておけば、導入後に後悔するリスクを回避できるでしょう。

注意点1 ランニングコストが発生する

freeeはサブスクリプション型のサービスなので、ランニングコストが発生します

サブスクリプションとは
月額・年額の料金を支払うことで、決められた期間のサービスが利用できるビジネスモデルのことです。一定額のランニングコスト(契約内容で料金は変動する)が発生するものの、継続的にサービスのアップデートが行われます。

またランニングコストは利用の有無に関係なく発生します

税理士
ただしランニングコストが発生するのはfreeeに限らず他のクラウド型の会計ソフトも同様です。

注意点2 通信環境の影響を受けやすい

freeeはオンライン上で利用するクラウド型の会計ソフトなので、通信環境の影響を受けてしまうリスクがあります。

そのためサービスを利用する際、ユーザーはインターネット環境を整えておく必要があります。

また利用者が多くなる時間帯に動作が重くなったり、システムトラブルによって一時的に利用できなくなったりする可能性もあるため注意しましょう。

税理士
なおfreeeはサービス開始から現在まで99%以上の稼働率を維持しているので、基本的には安心して利用できますよ。

注意点3 お試しプランでは機能制限がある

freeeには有料プランを30日間無料で利用できるお試しプランが用意されていますが、機能に制限があります

お試しプランで制限される機能を以下に一部まとめました。

【お試しプランで制限される機能】
  • ・取引データの閲覧・編集:直近1カ月に登録したデータのみに制限(法人、個人事業主)
  • ・取引データのCSV出力:利用不可(法人、個人事業主)
  • ・操作方法に関するチャット・メール・電話サポート:利用不可(法人、個人事業主)
  • ・確定申告書類の作成機能:申告内容の入力のみで出力はできない(個人事業主)
  • ・請求書の閲覧・編集:直近1カ月に登録した書類のみ(法人)
  • ・決算書の作成機能:プレビューの表示まで可能だが出力は不可(法人)

機能によって利用期間が制限されるものや、閲覧はできても出力ができないものがあります。

また操作方法で質問したいことがあっても、チャットやメール、電話でのサポートを受けることができないため、その点にも注意しましょう。

なお、お試しプランの期間が過ぎると自動的に「プラン未契約」に切り替わります。

ほとんどの機能に制限がかかりますが、有料プランを契約すれば引き続き利用できるようになりますよ。

税理士
お試しプランで有料プランの機能(一部を除く)を利用し、問題がなければ有料プランへの移行を検討すると良いでしょう。

4.freeeを利用する流れ

freeeを利用するには、どうすれば良いんだろう?

freeeを導入する際、アカウントの新規作成からプランの選択、有料プランの支払いまで4STEPで完了します。

【freeeを利用する流れ】
freeeを利用する流れ
税理士
手続きは比較的シンプルなので、簡単に導入できますよ。

STEP1 アカウント新規作成

まずはfreeeアカウント新規作成ページにアクセスし無料登録を行います

アカウントは、メールアドレスで作成するか、GoogleやAppleなどの他のサービスのアカウントで作成するかを選ぶことが可能です。

税理士
GoogleやAppleなどのアカウントで作成する場合、メール認証の手間がなくなるため簡単に利用を開始できますよ。

STEP2 必要事項入力

メールアドレスで登録する場合は、「確認メールを送信する」をクリックすると確認コードが送信されます。

メール内の確認コードを入力して「次へ進む」をクリックし、アカウント情報を入力していきましょう。

また事業形態の選択が必要なので、ご自身の事業形態(法人または個人事業主)を選択します。

注意
事業形態(法人・個人事業主)は後から変更できません。

法人向け・個人事業主向けの項目を入力していき、必要な情報を入力したら「次へ」をクリックしましょう。

STEP3 プラン選択

必要事項の入力が完了したら、利用するプランを選択しましょう

個人事業主の場合は、以下のなかから選択します。

基本料金(税抜) 主な機能 サポート
スターター 年額払い:11,760円/年
月額払い:1,780円/月
基本的な記帳機能
書類データの保存:月5枚まで
基本的な請求書機能
確定申告機能
電子帳簿保存
固定資産台帳
チャット・メール
スタンダード 年額払い:23,760円/年
月額払い:2,980円/月
スターター全機能
書類データの保存:月10GBまで
定期請求・合算請求
入金管理・支払い管理レポート
資金繰りレポート
消費税申告機能
農業所得の確定申告
チャット(優先対応)
メール(優先対応)
プレミアム 年額払い:39,800円/年 スタンダード全機能
カスタム権限管理
仕訳承認
仮締め・月締め
部門階層
配賦計算
経費精算
税務調査サポート補償
チャット(優先対応)
メール(優先対応)
電話
乗り換え代行

法人の場合は、以下のプランから選択します。

基本料金(税抜) 主な機能 サポート
ひとり法人 年額払い:35,760円/年
月額払い:3,980円
基本的な記帳機能
レシート管理
請求書作成・管理
帳簿作成
決算書作成
資金繰り管理 など
チャット・メール
スターター 年額払い:65,760円/年
月額払い:7,280円
ひとり法人の全機能
請求書一括作成・一括送付
経費精算
損益・現預金・資金繰りレポート
入金・支払管理レポート
収益・費用レポート
ダッシュボード機能 など
電話・チャット・メール
スタンダード 年額払い:107,760円/年
月額払い:11,980円
スターターの全機能
カスタムレポート など
電話・チャット・メール
アドバンス 年額払い:477,360円/年
月額払い:51,980円
スタンダードの全機能
管理会計・予実管理
経費精算・ワークフロー など
電話(専任サポート)・チャット・メール
メモ
法人向けのプランには他にも上場企業の内部統制に対応しているエンタープライズプランもあります。

有料プランの使い勝手を試したい方は、お試しプランを選択しましょう

税理士
お試しプランを選択すれば、無料でfreeeを体験できますよ。

なお、お試しプランを選択せずにそのまま契約したい方は、「このプランをはじめる」もしくは「はじめる」を選択しましょう。

STEP4 有料プラン選択時の支払い

有料プランを契約する方は、支払い方法を選択しましょう

freeeの利用料金の支払い方法はクレジットカード、PayPalから選択できます。

以下は方法別に支払いの流れをまとめた表です。

支払い方法 支払い手順
クレジットカード ①クレジットカードを選択する
②「ご入力内容確認」をクリック
③年払いor月払いを選択
④クレジット情報を入力
⑤「クレジットカードを登録して確認画面へ」をクリックして支払いを進める
PayPal ①PayPalを選択する
②年払いor月払いを選択
③「次へ(PayPal情報入力)」をクリック
④PayPalにログインして支払いを進める
税理士
このように3〜4ステップでfreeeを利用できますよ。

5.まとめ

freee操作性が高く、会計の知識がなくても扱いやすいクラウド型の会計ソフトです。

個人事業主の確定申告書類の作成や提出、法人の入出金の管理や決算書の作成など幅広い経理業務に対応しています。

クレジットカードや銀行口座とfreeeを連携させることで、日付や金額などのデータを自動で取得してくれます。

さらにスマホのカメラでレシートや領収書を読み取れる機能もあり、データ入力の手間を大幅に減らすことが可能です。

その他にも四つのセキュリティー対策、安心できるサポート体制などメリットが豊富にあります。

一方でランニングコストが発生すること、クラウド型であるため通信環境で動作が左右されやすい点には注意しましょう。

税理士
まずはお試しプランでfreeeを体験してみると良いでしょう。