会計ソフト「freee」の導入を検討しており、このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
freeeを利用すれば、会計の知識がない初心者でも簡単に確定申告書類の作成や経理業務ができます。
また会計業務を効率化させるための機能が充実しており、銀行口座やクレジットカードを連携させて自動で明細の取得・仕訳を行ったり、スマートフォンでレシートを撮影するだけで自動でデータを入力することも可能です。
freeeは法人はもちろん個人事業主やフリーランスの方、副業をしている方にもおすすめですよ。
この記事ではfreeeのメリットや注意点、利用の流れなどを分かりやすく解説します。
1.freeeとは
freeeは個人事業主の確定申告から法人の経理業務まで幅広く対応しているクラウド型会計ソフトです。
これまでに2017年の法人シェア1位(*1)、2022年の個人シェア2位(*2)という実績があり、多くのユーザーから選ばれている会計ソフトであることが分かります。
freeeの大きな特徴は、会計の知識や会計ソフトの利用経験がない方でも操作がしやすい点にあります。
また銀行口座やクレジットカードを連携させれば入出金などのデータを自動で取得できるため、入力の手間が減り業務効率化につながるのも魅力でしょう。
他にも多くのメリットがあり、特に会計ソフトを初めて導入する法人や会計業務に慣れていない個人事業主の方におすすめですよ。
2.freeeを利用するメリット
freeeを実際に利用する前に、あらかじめどのようなメリットがあるのかを知っておきたいですよね。
freeeには確定申告書類の作成が手軽にできるなど、以下の八つのメリットがあります。
メリット1 確定申告書類が簡単に作成できる
freeeを利用すれば、簡単に確定申告ができます。
難しい入力作業をしなくても、○×形式の質問に答えるだけで青色・白色申告、e-Taxに対応した確定申告の書類が作成できます。
また作成した確定申告書類はe-Taxを利用して提出することが可能です。
クラウド型会計ソフトであり、最新の税制にも迅速に対応してくれるため、安心して利用できます。
メリット2 法人の経理業務の効率化が図れる
freeeは法人の経理業務にも適した会計ソフトです。
初めて経理業務を担当する方や、これまで別の会計ソフトを利用していた方でも簡単に使える機能を備えています。
例えば、経費の仕訳中に分からない勘定科目があっても、勘定科目ごとに「どんな内容の経費なのか」など分かりやすいガイドが出るため効率良く作業ができます。
また収益や月次推移など経営状況の可視化や、決算書など決算関連の書類をワンクリックで作成することも可能です。(※毎月の会計処理を行っている場合)
複数のパソコンから利用できるだけでなく、他の会計ソフトからのデータ移行も簡単にできます。
メリット3 データ連携により入力の手間が省ける
freeeでは銀行口座やクレジットカードと連携して、明細から金額などのデータを自動で取得する機能が利用できます。
日付や金額などのデータを自動で仕訳できるため、業務を大幅に効率化できます。
また「自動登録ルール」という機能があり、ルールを追加するほどデータ処理の時間を削減できます。
例えば「同じ取引先で同じ金額」など、決まった内容の取引を設定しておけば、手動で入力する手間が減りますよ。
また新規の取引でも、自動登録ルールを設定すれば次回の取引時のデータ処理が楽になります。
メリット4 スマホで手軽に作業が行える
freeeにはスマホの専用アプリがあり、確定申告書類の作成から提出までスマホ1台で行うことも可能です。
基本情報の設定や1年分の取り引きの詳細を登録し、◯×の質問に答えていくだけで確定申告書類が完成しますよ。
またスマホのカメラで撮影したレシートや領収書から日付と金額を読み取る機能があるため、データ入力の手間を省くことが可能です。
e-Taxと連携できる電子申告アプリを利用すれば、スマホからマイナンバーカードを読み取れるため、簡単に確定申告書類の提出ができますよ。
スマホでは他にも見積書や請求書の作成、入出金管理、月次推移レポートの確認、経費申請などの経理業務もできます。
メリット5 クラウドで場所にとらわれず作業ができる
インターネット環境が整っていれば場所を限定せずに利用できるのもfreeeのメリットです。
自宅はもちろん、会社、外出先からでもパソコンやスマホで作業ができます。
またfreeeにはバックアップ機能があり、パソコンやスマホが故障しても保存されている会計データが消えないため安心です。
さらに常時、最新の税制に対応したソフトを提供してくれるため、アップデートの手間や買い替えの必要もありません。
電子帳簿保存法の改正やインボイス制度にも対応していますよ。
メリット6 初心者でもサポート付きで安心できる
freeeではメール・チャット・電話のサポートが受けられるので、初心者でも安心して利用できます。
- ・メール:通常メールサポートとお急ぎメールサポートが利用でき気軽に質問を送れる
- ・チャット:チャットボットと有人チャットで簡単に問い合わせできる
- ・電話サポート:チャットやメールでは不安な方も気軽に問い合わせできる
ただしプランによって、以下のようにサポートの内容が変わる点には注意しましょう。
サポート内容 | サポートを利用できるプラン |
---|---|
チャットボット | 全プラン |
有人チャット | 無料プラン以外の全プラン |
通常メール (原則3営業日以内の返信) |
全プラン ※無料プランは契約に関する問い合わせのみ |
お急ぎメール (原則1営業日以内の返信) |
スタータープラン以外の全プラン ※無料プランは契約に関する問い合わせのみ |
電話 | 【法人プラン】 スタータープラン スタンダードプラン アドバンスプラン 【個人事業主プラン】 |
メリット7 4つのセキュリティー対策で安心できる
freeeが支持されている理由の一つに、安心して利用できる以下の四つのセキュリティー対策があります。
対策 | 内容 |
---|---|
情報漏えい対策 | 通信や保存データの暗号化、ログイン試行回数の制限、リスクベース認証(普段とは異なる環境からのログインをロックする機能) |
データ保全、保護 | 細かいバックアップ体制、ユーザーによるバックアップ機能、更新履歴の保持 |
システム稼働率の維持 | 安心して利用してもらうための高いシステム稼働率の維持(2015年3月~2016年6月まで99.9%の実績あり) |
外部機関との連携 | TRUSTeの認証取得、セキュリティーの脆弱(ぜいじゃく)性に関する情報取得と対応、McAfeeの脆弱性診断の受信 |
また銀行やクレジットカードのデータ連携には安全性の高い「API連携方式」が採用されています。
API連携方式を利用すれば、ログイン情報を保存することなくデータの取得が可能なので安心して利用できるでしょう。
メリット8 お試しプランや無料プランがある
freeeには有料版の機能を無料で試せるお試しプランや無料プランがあります。
お試しプランではfreeeのほとんどの機能を試すことができます。
ただし取引データの閲覧や編集が無制限にできないなど、一部の機能やサポートが制限されています。
有料プランの契約を想定している場合、まずはお試しプランで機能や使い勝手などを確認し、継続して利用するかどうか判断すると良いでしょう。
3.freeeを利用する際の注意点
freeeの導入を検討するに当たり、注意点を知っておきたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。
freeeを利用する際には、以下の三つの点に注意が必要です。
注意点1 ランニングコストが発生する
freeeはサブスクリプション型のサービスなので、ランニングコストが発生します。
またランニングコストは利用の有無に関係なく発生します。
注意点2 通信環境の影響を受けやすい
freeeはオンライン上で利用するクラウド型の会計ソフトなので、通信環境の影響を受けてしまうリスクがあります。
そのためサービスを利用する際、ユーザーはインターネット環境を整えておく必要があります。
また利用者が多くなる時間帯に動作が重くなったり、システムトラブルによって一時的に利用できなくなったりする可能性もあるため注意しましょう。
注意点3 無料プランでは機能制限がある
freeeでは有料版のお試しプランの期限が過ぎると、自動的に無料プランに切り替わります。
その際、以下のように一部機能が制限されます。
- ・取引データの閲覧や編集:直近1カ月に登録したデータのみに制限(法人、個人事業主)
- ・取引データのCSV出力:利用不可(個人事業主)
- ・確定申告書類の作成機能:申告内容の入力のみで出力はできない(個人事業主)
- ・請求書の閲覧・編集:直近1カ月に登録した書類のみ(法人)
- ・決算書の作成機能:プレビューの表示まで可能だが出力は不可(法人)
無料プランでも一部機能を継続して使用できますが、有料版と比較すれば使い勝手が悪くなるでしょう。
また無料プランでは有人チャットや電話サポートも利用できません。(※ただし導入前の無料電話サポートは利用可能)
4.freeeを利用する流れ
freeeを導入する際、アカウントの新規作成からプランの選択、有料プランの支払いまで4STEPで完了します。
STEP1 アカウント新規作成
まずはfreeeのアカウント新規作成ページにアクセスし無料登録を行います。
まずは個人事業主か法人かを選択し、続けてメールアドレス、パスワードなどを入力します。
なお法人の場合のみ、事業所名や従業員数などの情報を入力する必要があります。
必要情報を入力したら「freeeを始める」をクリックしましょう。
STEP2 必要事項入力
メールアドレスを入力した場合は、認証に関するメールが届きます。
メールの本文に記載されているURLをクリックしましょう。
受信確認の完了メッセージが表示された画面が出たら、「進む」をクリックして初期設定の必要事項を記入します。
個人事業主の場合は事業形態(個人・法人「株式会社・合同会社・NPOなど」)や業種などを、法人の場合には担当者の情報(名前・役職)や現在の経理の方法などを入力します。
以下に詳細をまとめました。
事業形態 | 入力事項 |
---|---|
個人事業主 | ・事業形態(個人・法人「株式会社・合同会社・NPOなど」) ・業種 ・これまでの会計のやり方(会計ソフトを使用しているのか、税理士に依頼しているのかなど) |
法人 | ・担当者の情報(名前・役職) ・業種 ・今の経理の仕方(会計ソフトを使用しているのか、税理士に依頼しているのかなど) |
入力が終わったら「次へ」をクリックします。
STEP3 プラン選択
必要事項の入力が完了したら、利用するプランを選択しましょう。
個人事業主の場合は、以下のなかから選択します。
基本料金(税抜) | 主な機能 | サポート | |
---|---|---|---|
スターター | 年額払い:11,760円/年 月額払い:1,480円/月 |
基本的な記帳機能 ファイル保存 月5枚まで 基本的な請求書機能 確定申告機能 電子帳簿保存 固定資産台帳 |
チャット・メール |
スタンダード | 年額払い:23,760円/年 月額払い:2,680円/月 |
スターター全機能 ファイル保存 月10GBまで 請求・支払い効率化 定期請求・合算請求 入金管理・支払い管理レポート 資金繰りレポート 消費税申告機能 農業所得の確定申告 |
チャット(優先対応) メール(優先対応) |
プレミアム | 年額払い:39,800円/年 | スタンダード全機能 カスタム権限管理 仕訳承認 仮締め 部門階層 配賦計算 経費精算 税務調査サポート補償 |
チャット(優先対応) メール(優先対応) 電話 乗換代行 |
法人の場合は、以下のプランから選択します。
基本料金(税抜) | 主な機能 | サポート | |
---|---|---|---|
ひとり法人 | 年額払い:35,760円/年 月額払い:3,980円 |
基本的な記帳機能 レシート管理 請求書作成・管理 帳簿作成 決算書作成 資金繰り管理 など |
チャット・メール |
スターター | 年額払い:65,760円/年 月額払い:7,280円 |
ひとり法人の全機能 請求書一括作成・一括送付 経費精算 損益・現預金・資金繰りレポート 入金・支払管理レポート 収益・費用レポート ダッシュボード機能 など |
電話・チャット・メール |
スタンダード | 年額払い:107,760円/年 月額払い:11,980円 |
スターターの全機能 カスタムレポート など |
電話・チャット・メール |
アドバンス | 年額払い:477,360円/年 月額払い:51,980円 |
スタンダードの全機能 債権債務管理 管理会計 ワークフロー など |
電話(専任サポート)・チャット・メール |
有料プランの使い勝手を試したい方は「お試しプラン」を選択しましょう。
なお、お試しプランを選択せずにそのまま契約したい方は、「このプランをはじめる」もしくは「はじめる」を選択しましょう。
STEP4 有料プラン選択時の支払い
有料プランを契約する方は、支払い方法を選択しましょう。
freeeの利用料金の支払い方法はクレジットカード、PayPal、freeeカードから選択できます。
以下は方法別に支払いの流れをまとめた表です。
支払い方法 | 支払い手順 |
---|---|
クレジットカード | ①クレジットカードを選択する ②「ご入力内容確認」をクリック ③年払いor月払いを選択 ④クレジット情報を入力 ⑤「クレジットカードを登録して確認画面へ」をクリックして支払いを進める |
PayPal | ①PayPalを選択する ②年払いor月払いを選択 ③「次へ(PayPal情報入力)」をクリック ④PayPalにログインして支払いを進める |
freeeカード | ①年払いor月払いを選択 ②「freeeカードを申し込む」をクリックしライフカードのサイトで申し込みをする |
5.まとめ
freeeは操作性が高く、会計の知識がなくても扱いやすいクラウド型の会計ソフトです。
個人事業主の確定申告書類の作成や提出、法人の入出金の管理や決算書の作成など幅広い経理業務に対応しています。
クレジットカードや銀行口座とfreeeを連携させることで、日付や金額などのデータを自動で取得してくれます。
さらにスマホのカメラでレシートや領収書を読み取れる機能もあり、データ入力の手間を大幅に減らすことが可能です。
その他にも四つのセキュリティー対策、安心できるサポート体制などメリットが豊富にあります。
一方でランニングコストが発生すること、クラウド型であるため通信環境で動作が左右されやすい点には注意しましょう。