遺産相続したら知っておきたい手続きに必要な書類と取得方法

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家族が亡くなったとき、残された人は悲しみに包まれます。何もする気力がないほどに落ち込んでしまう人も少なくありません。しかし、そのような心情に関係なく、残された人はさまざまな手続きをしなければなりません。やっとの思いで葬儀を済ませても、次に遺産相続にかかわる手続きが待ち構えています。

相続税は一定額以上の遺産がないとかけられませんが、遺産相続の手続きそのものは、遺産がいくらであっても(借金があってマイナスであっても)必要です。

なお、遺産相続の手続きについて多くはご自身でお手続きが可能ですし、実際相続人ご自身で手続きをされている場合がほとんどです。ただ、仕事などで日中に十分な時間がとれない場合や、相続税の申告で税額が発生する場合等で専門知識が必要な場合は、遺産相続の手続きを専門家に依頼することも可能です。

以下で、遺産相続手続きで必要になる書類とその手続きを自身で行う場合の方法を解説していきます。また、最後にそれぞれの手続きを専門家に依頼した方が良い場合と、どの専門家に依頼しその費用がおよそいくらかかるのかということについて解説しますので相続手続きをされる際の参考にしてください。

1. 必要書類を準備する前に知っておくべき相続手続きの概要

必要書類を準備する前に、まずはあなたが何を相続したのかを確認する必要があり、それにより必要な書類が異なります。どういった財産を取得されたかによって、該当箇所を読み進めてください。

1-1. 相続した財産の中に預貯金や株式がある場合

相続した財産の中に預貯金がある場合は、預け入れている金融機関に連絡して相続の手続きをします。名義を書き換えて預金口座をそのまま引き継ぐのではなく、預金口座の残金を引き出す手続きとなります。

株式は証券会社の口座に預けているのが一般的なので、取引している証券会社に連絡して相続の手続きをします。相続人が同じ証券会社に口座を持っていれば、被相続人が保有していた株式を相続人の口座に移管します。同じ証券会社に相続人の口座がなければ、その証券会社に新たに口座を開設する必要があります。異なる証券会社の口座に移管することはできません。

1-2. 相続した財産の中に不動産がある場合

土地や建物といった不動産は、その概要と権利関係が登記簿に記録されています。相続した財産の中に不動産がある場合は、その不動産がある場所を管轄する法務局で相続登記をします。郵送やインターネットで申請することもできます。

1-3. 相続した財産の合計が3,000万円を超えそうな場合

相続した財産の合計が3,000万円を超えそうな場合は、相続税が課税される可能性を考えなければなりません。相続税は、財産を相続した人にかけられる税金で、被相続人が亡くなった日の次の日から起算して10か月以内に、被相続人の住所を管轄する税務署で申告と納税をしなければなりません。

1-4. 借入金があって相続したくない場合

被相続人にローンなどの借入金があった場合は、それも相続しなければなりません。借入金を引き継いだばかりに、相続人のその後の生活が破たんするケースもあります。このようなことにならないように、相続人は相続を放棄することができます。

相続放棄をした人は、はじめから相続人ではなかったことになります。借入金を引き継がなくて済みますが、預貯金や不動産などのプラスの財産も引き継ぐことができません。

相続放棄をするには、相続があることを知った日から3か月以内に家庭裁判所に申し立てをする必要があります。

ただ、相続放棄をするとすべての財産を放棄することになり何も相続することができなくなります。そのため、借金の範囲内でプラスの財産を受け継ぐという“限定承認”という方法もあります。

限定承認とは、相続人が相続した財産の額を限度に借入金の負担を受け継ぐものです。受け継いだプラスの財産の範囲で借入金を返済するので、相続人に新たな負担は生じません。借入金がどの程度あるかわからず、財産が残る可能性がある場合に、限定承認を選択することがあります。

しかし、裁判所の司法統計によると、相続放棄が年間約18万件あるのに対し、限定承認は年間800件程度にとどまります。あまり活用されているとはいえないのが現状ですが、その理由には、手続きの煩雑さがあります。

限定承認は、相続人全員が共同で家庭裁判所に申し立てなければならないほか、公告や競売が必要になるなど、煩雑な手順を踏まなければなりません。これらの手続きを自力で進めることは難しく、専門家に依頼することになります。

2. 手続き別必要書類一覧

預貯金や不動産の相続手続き、相続税の申告、相続放棄の手続きに応じた必要書類をご紹介します。これらの書類は原本の提出を求められることが多いので、あらかじめ必要な部数を取得しておくとよいでしょう。

2-1. どの手続きでも共通で必要な書類は3つ

どの手続きでも共通して必要になる書類は、“被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本”、“相続人全員の戸籍謄本”、“相続人全員の印鑑証明書”の3つです。3つの書類がどういうものなのか、またその取得方法について説明していきますので参考にしてください。

・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本は、被相続人が死亡したことを確認し、相続人を確定させるために必要になります。被相続人しか知らない相続人がいる可能性もあるため、出生から死亡までの戸籍の記録から、誰が相続人にあたり、相続人が何人いるのかを確認します。

被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本は、被相続人の本籍地の市区町村役場で取得できます。ただし、結婚や転籍などで本籍地が異動している場合は、前の本籍地の市区町村からも取り寄せなければなりません。なお、相続税の申告に使用する場合は、「被相続人の死亡から10日を経過した日以後に作成されたもの」という条件があります。葬儀が終わって少し落ち着いてから取得するほうがよいでしょう。

被相続人の戸籍謄本を取得できるのは、被相続人と同じ戸籍に入っている人と、被相続人の配偶者、直系尊属(両親や祖父母)、直系卑属(子や孫)だけです。直系の親族がいない場合などは、市区町村役場の窓口で相談したほうが良いでしょう。

戸籍謄本を取得するときは、所定の手数料のほか、戸籍謄本を取得する人の本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)が必要です。郵送で取得する場合は、返信用封筒を忘れないようにしましょう。

なお、“被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本”に、除籍謄本や改正原戸籍というものも含まれますが、役所に行って請求すると特にこれらの名称を覚えていなくても取得することが可能です。

1通あたりの手数料は、戸籍謄本は450円、除籍謄本・改製原戸籍(古い戸籍)は750円です。出生から死亡までの戸籍謄本は、移籍や法令の改正によって何通かに分かれることが多いので、その数だけ手数料が必要になります。

・相続人全員の戸籍謄本
被相続人が亡くなった時点における相続人全員の戸籍謄本も、相続人を確定させるために必要になります。それぞれの相続人の本籍地の市区町村役場で取得できますが、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本で内容が確認できれば、新たに取得する必要はありません。例えば、被相続人の配偶者や未婚の子の場合等は通常、被相続人と同一の戸籍に記載されていますので、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を取得すると相続人の情報もそちらに記載があるということです。

・相続人全員の印鑑証明書
相続人全員の印鑑証明書は、それぞれの相続人の居住地の市区町村役場で取得できます。相続人が印鑑登録をしていない場合は、新たに印鑑登録をします。登録できる印鑑には大きさや材質などの決まりがあるので、あらかじめ確認しておいた方がいいでしょう。
外国に住んでいる相続人は印鑑登録ができませんが、在外公館で署名証明を取得して印鑑証明書に代えることができます。

これらの書類のうち、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本の取得は、場合によっては非常に手間のかかるものになります。例をあげると、被相続人に配偶者や子がおらず、両親もすでに亡くなっている場合は、被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。このとき、兄弟姉妹が相続人であることを確認するために、被相続人の両親の出生から死亡までの戸籍謄本を取得する必要があります。

2-2. 銀行・農協(JA)・証券会社等の名義変更に必要な書類一覧

これから、銀行・農協(JA)・証券会社等、金融機関の名義変更に必要な書類をご紹介します。「2-1. どの手続きでも共通で必要な書類は3つ」でご紹介した書類が含まれていても再掲します。

ここでご紹介する書類が用意できれば、多くの場合は問題ありません。しかし、遺産の内容や取引している金融機関によっては、追加で書類の提出を求められる場合もあります。

2-2-1.遺言書がある場合

遺言書がある場合の必要書類は次のとおりです。

・遺言書

・検認調書または検認済証明書(自筆証書遺言の場合のみ必要)
検認調書または検認済証明書は、遺言書が検認されていることを証明するものです。検認とは、その時点での遺言の内容を明確にして、遺言書の偽造や変造を防ぐための手続きです。遺言書が自筆証書遺言や秘密証書遺言である場合、家庭裁判所で遺言書の検認をしなければなりません。検認のためには遺言書のほか、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本や相続人全員の戸籍謄本などが必要です。遺言書が公正証書遺言の場合には、これらの検認調書または検認済証明書は必要ありません。

・被相続人の戸籍謄本
被相続人が死亡したことを確認します。被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を取り寄せていれば、それを提出します。

・預金を相続する人と遺言執行者の印鑑証明書
遺言では遺言執行者を定めますが、相続人以外の人が指定される場合があります。そのときは、遺言執行者の印鑑証明書も必要です。

・遺言執行者の選任審判書謄本
遺言で遺言執行者が定められておらず、裁判所で遺言執行者を定めた場合に必要です。

2-2-2. 遺言書がない場合(遺産分割協議書がある場合)

遺言書がなく、相続人どうしで遺産分割について話し合って遺産分割協議書を作成した場合の必要書類は次のとおりです。

・遺産分割協議書
遺産分割協議書は、相続人全員で遺産分割について協議した結果を記録したものです。相続人全員の署名捺印が必要です。一緒に提出する印鑑証明書と照合するため、印鑑登録した印鑑で捺印します。
円滑な手続きのために、遺産分割協議書には、誰が何を相続するかをできるだけ細かく記載しましょう。預貯金であれば、銀行名、支店名、預金種別、口座番号を記載し、その預金を誰が相続するかを記載します。

・相続人全員の印鑑証明書
遺産分割協議書の捺印と照合して、遺産分割協議が成立していることを確認します。

・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
被相続人の死亡の事実と、被相続人と相続人の関係を確認します。

・相続人全員の戸籍謄本
被相続人と相続人の関係を確認します。被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本で内容が確認できれば、不要になる場合もあります。

2-2-3. 遺言書がない場合(遺産分割協議書がない場合)

遺言書がなく、遺産分割協議をしていない場合の必要書類は次のとおりです。遺産分割協議書がない以外は、「2-2-2. 遺言書がない場合(遺産分割協議書がある場合)」と同じです。

・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の印鑑証明書

2-2-4. 家庭裁判所による調停調書・審判書がある場合

相続人どうしの話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所による調停や審判によって解決を図ります。家庭裁判所では、まず調停を申し立て、調停が成立しなかった場合に審判に移行します。家庭裁判所による調停や審判があった場合の必要書類は次のとおりです。

・調停調書謄本または審判書謄本
審判書に確定表示がない場合は、さらに審判確定証明書も必要となります。

・預金を相続する人の印鑑証明書

2-3. 不動産の名義変更(相続登記)に必要な書類一覧

被相続人が土地や家屋などの不動産を所有していた場合は、不動産の名義変更(相続登記)が必要になります。相続登記はその不動産がある場所を管轄する法務局で申請します。郵送による申請や、登記・供託オンライン申請システムを使って申請することもできます。

相続登記には期限がありませんが、登記しないまま放っておくことはおすすめできません。将来、不動産を売却することになった場合、まず相続の登記をしてから、次に売買の登記をするので手間がかかります。また、年月を経て、子から孫へというように相続人の世代が変わると、相続人の人数が増えて収拾がつかなくなる事例もみられます。

次のとおり必要書類をそろえれば、自分でも相続登記をすることができます。具体的な手続きは法務局の窓口でも教えてもらうことができるので、面倒がらずに早めに手続きをしましょう。

2-3-1. 必要書類

・相続登記申請書
必要事項を記載して法務局に提出します。法務省のホームページに書式があるので、活用するとよいでしょう。文字の消えない筆記具であれば、手書きでも受理されます。
(法務省:新不動産登記法の施行に伴う登記申請書等の様式について(お知らせ):「8.相続(法定相続)による所有権移転登記申請書」、「9.相続(遺産分割)による所有権移転登記申請書」、「10.相続(遺言)による所有権移転登記申請書」)

・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
被相続人と相続人の関係を確認します。相続関係説明図を提出すると、手続終了後に被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本は返してもらえます。

・相続人全員の戸籍謄本または抄本
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本で内容が確認できれば、提出する必要はありません。抄本とは、戸籍のうち特定の人の部分だけを抜粋したものです。

・相続関係説明図
家系図のような様式で被相続人と相続人の関係を図示したものです。相続関係説明図を提出すると、手続終了後に被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本は返してもらえます。

・固定資産税評価証明書
固定資産税評価証明書は、市区町村役場(東京23区は都税事務所)で取得することができます。登記を書き換えるときの登録免許税の算出に使います。登録免許税は固定資産税評価額の0.4%で、収入印紙を購入して納めます。

・不動産を相続する人の住民票の写し
相続登記申請書に住民票コードを記載した場合は不要です。

・遺言書(遺言書がある場合)
他の手続きで遺言書の原本が必要となる場合は、写しを提出します。自筆証書遺言や秘密証書遺言の場合は、家庭裁判所で検認をして検認済証明書を添付します。

・遺言執行者の印鑑証明書(遺言執行者がいる場合)
遺言で遺言執行者が定められている場合は、遺言執行者の印鑑証明書を提出します。

・遺産分割協議書と相続人全員の印鑑証明書(遺産分割協議をした場合)
遺産分割協議書は、相続人全員で遺産分割について協議した結果を記録したものです。相続人全員の署名捺印が必要です。一緒に提出する印鑑証明書と照合するため、印鑑登録した印鑑で捺印します。
円滑な手続きのために、遺産分割協議書には誰が何を相続するかを、できるだけ細かく記載しましょう。不動産の場合、土地については所在、地番、地目、地積を、家屋については所在、家屋番号、種類、構造、床面積を、登記簿のとおりに記載します。また、その不動産を誰が相続するかも記載します。

・調停調書または審判書(確定証明書つき)の謄本(調停または審判があった場合)
相続人どうしの話し合いがまとまらず、家庭裁判所による調停や審判があった場合は、調停調書または審判確定証明書つきの審判書を提出します。

2-4. 相続税申告手続きに必要な書類一覧

遺産が一定額以上ある場合、具体的には、遺産総額が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の金額を超えた場合は、相続人に相続税がかけられます。相続税の納期限は10か月後なので、早めに手続きをすることが重要です。

2-4-1. 必要書類

相続税の申告書は、被相続人の住所を管轄する税務署に提出します。相続人の住所を管轄する税務署ではないので注意しましょう。相続税申告手続きに必要な書類は次のとおりです。
 
・相続税の確定申告書
確定申告書の用紙は最寄りの税務署でもらうことができます。国税庁ホームページからダウンロードすることもできます。
(国税庁ホームページ:相続税の申告手続

申告書の記載方法は、国税庁ホームページに説明があるほか、パンフレットなどをダウンロードすることもできます。
(国税庁ホームページ:相続税・贈与税・事業承継税制関連情報

・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
被相続人の死亡の事実と、被相続人と相続人の関係を確認します。被相続人の死亡から10日を経過した日以後に作成されたものを提出します。

・遺言書の写し(遺言書がある場合)

・遺産分割協議書の写しと遺産分割協議書に押印した相続人全員の印鑑証明書(遺産分割協議をした場合)
遺産分割協議書には、相続人全員が署名し、印鑑登録された印鑑で押印します。遺産分割協議書に押印された印影を印鑑証明書と照合して、遺産分割協議が成立していることを確認します。

小規模宅地等の特例などを受ける場合は、これら以外にも必要な書類があります。

2-5. 相続放棄の手続きに必要な書類一覧

相続放棄をするときは、相続があることを知った日から3か月以内に被相続人の住所を管轄する家庭裁判所に申し出る必要があります。

2-5-1. 必要書類一覧

・相続放棄の申述書
必要事項を記載したうえ、800円分の収入印紙を貼って提出します。裁判所のホームページに書式があるので、活用するとよいでしょう。
(裁判所ホームページ:相続の放棄の申述「8. 申立書の書式及び記載例」)

・被相続人の住民票除票または戸籍附票
住民票除票は居住地の市区町村役場で、戸籍附票は本籍地の市区町村役場で取得します。

・相続放棄する人の戸籍謄本

・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本

被相続人と相続人の関係を確認するためのものです。相続放棄する人が被相続人の配偶者または子である場合は、被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本でも構いません。

相続人の中に亡くなった人がいて、相続の順位が変動している場合は、それを証明するために亡くなった相続人の戸籍謄本が必要です。

2-5-2. 3か月を経過した場合でも相続放棄ができる可能性

相続放棄は、相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に申し出るのが原則です。ただし、相続財産の状況を調査しても、3か月以内に放棄するか否かを判断できない場合は、「相続の承認又は放棄の期間の伸長の申立て」をすることができます。

相続財産に借入金があることを知らずに相続から3か月が経過して、「相続の承認又は放棄の期間の伸長の申立て」もしていない場合で、後になって借入金があることがわかるケースがあります。

3.遺産相続の手続きを専門家に依頼するという選択肢

必要書類を揃える時間が取れない方や、処理が煩雑なものについては専門家に頼むという手もあります。
多少費用がかかるものの、必要書類を収集するだけでなく、必要な手続きまですべてお任せでやってくれるため、場合によっては専門家に依頼する方がオススメです。

 

3-1.銀行口座等の名義変更は、行政書士等に依頼

 
 被相続人の預金口座や証券口座が多数ある場合や、相続人が多数いる場合などは、対応するのは多くの時間と労力が必要です。ただ、手続き自体は難しいものではありませんので日中お時間のとれる方でしたら金融機関の店舗に何度か出向けば手続きは可能です。

 ただ、お仕事等で日中になかなか時間がとれない方、金融機関に出向くのが難しい方については、専門家に依頼するという選択肢もあります。

この口座の名義変更は総称で、遺産整理業務と言い、信託銀行や、司法書士、行政書士等がサービスを行っています。費用については預金額や口座の数などによってことなりますが、司法書士や行政書士については1口座あたり数万円という金額となっています。信託銀行の遺産整理業務については、最低費用が100万円からとなっているところが多いです。

 

3-2.不動産の名義変更(相続登記)は、司法書士に依頼

前述の預貯金や証券口座の名義変更とは異なり、不動産の名義変更(相続登記)については、ご自身で行われる方は非常に少数です。前述の2-3の項目で説明した、“相続登記申請書”や“相続関係説明図”といった書類を作成するのが難しいためです。

専門家に依頼する場合、不動産の相続登記は司法書士が行います。報酬は事務所によって異なりますが、1件あたり5万円から10万円程度が相場となっています。

 

3-3.相続税申告は、税理士に依頼

相続税申告については、前述の預貯金の名義変更や相続登記よりも手続きの難易度は非常に高くなっています。
国税庁が、公開している相続税申告のしかたというマニュアルがありますが、これを理解しご自身で申告手続きを完了される方はあまりいないと思います。

特例等の適用で最終的に相続税の納税額がゼロ円になる方については中にはご自身で申告手続きをされる方もいらっしゃいます。ただ、納める税額がある場合には、計算を間違えば、過少申告や過大申告でペナルティが課せられる可能性もありますので注意が必要です。

相続税申告が行えるのは、税理士という国家資格保有者に限られています。費用については、相続税専門の税理士に依頼すれば、20万円程度から依頼することが可能です。

 

3-4.相続放棄は、司法書士等に依頼

相続放棄の手続きについては、前述の2-5で解説した必要書類を準備することができれば、通常の場合であればご自身で手続きを行うことが可能です。
但し、こちらも口座の名義変更と同じく日中に裁判所に出向くことが難しい方については、専門家に依頼するという方法もあります。

また、3か月を経過した場合の相続放棄の手続きについては、手続きが複雑ですし、申請の仕方によって、認められる場合、認められない場合がありますので、専門家に依頼されることをお勧めいたします。

手続きの依頼先は、司法書士となり、3万円から10万円程度の報酬が相場となっています。

4. まとめ

以上、相続手続きを自分でするときの必要書類をご紹介しました。なるべくわかりやすく、かつ漏れのないようにご紹介してきましたが、必要書類の種類が多いのは事実です。

ここまでの説明で「よし、わかった」と感じていただければ、ご自身で遺産相続の手続きをすることができるでしょう。労力はかかりますが、実費のみで手続きが完了します。しかし、途中で行き詰まった場合は、早めに専門家に依頼するようにしましょう。

特に、相続税の申告手続きについては、手続きや計算を誤ると予想もしなかったペナルティが降りかかってくる可能性があります。

早目に遺産相続の手続きを終えることは、残された家族の重要な務めでもあります。滞りなく済ませることができれば、亡くなった人も安心して旅立てることでしょう。

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