白色申告のために会計ソフトを使いたいけれど、どれを選んで良いか分からず困っているという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
また費用の問題から手を出すことを躊躇っているという方もいらっしゃるかもしれませんね。
白色申告は青色申告に比べ手続きが簡単な傾向にありますが、自力で行うより会計ソフトを導入することで効率良く正確に作業を進められます。
実は白色申告専用のプランなら他のプランに比べてコストが低く、無料のものもあります。
福留 正明
1.白色申告とは?青色申告との違いや提出書類を解説
「そもそも白色申告って何かよく分かっていないかも……」
という方も多くいらっしゃるでしょう。
確定申告には白色申告と青色申告の2種類があります。
まずは白色申告と青色申告の違い、白色申告に必要な書類について解説します。
1-1.白色申告と青色申告の違い
白色申告は職業に関係なく、事前の申告なしに行うことができる申告方法です。
一方青色申告を行えるのは事業所得や不動産所得、山林所得を得ている方のうち、事前に開業届および青色申告承認申請書を提出した方だけです。
- ・事業所得……農業や漁業、製造業やサービス業、その他の事業などを通じて得た所得(譲渡所得と山林所得を除く)
- ・不動産所得……土地や建物などの不動産の貸付け、船舶や航空機の貸付けによって得た所得
- ・山林所得……山林を譲渡したり、取得日から5年以上経過した後に伐採して譲渡したりして得た所得
また白色申告では「簡易簿記(単式簿記)」と呼ばれる簡単な帳簿付けが認められていますが、青色申告では「複式簿記」で記帳をしなければなりません。
複式簿記とは一つの取引を複数の科目で記載する帳簿の作成方法のことです。お金の出入りと同時に財産の増減を把握することができます。
記帳方法が面倒であるというデメリットがある反面、青色申告では白色申告にないメリットを享受することができます。
1-2.白色申告の提出書類
白色申告の際は以下の3種類の書類を提出します。
- ・確定申告書B
- ・収支内訳書
- ・確定申告書に添付する控除に関する書類
確定申告書、収支内訳書は国税庁のサイトから入手できます。
保険料控除、医療費控除など各種控除を受けたい場合は、生命保険の控除証明書や医療機関の領収書などを忘れずに添付しましょう。
2.白色申告ソフトにまつわる2つの疑問を解決!
「白色申告は手続きが簡単なのに、わざわざ会計ソフトを使う必要があるのかな?」
「高額な利用料金がかかるんじゃないの?」
このような疑問を持たれた方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、会計ソフトは確定申告だけではなく日々の帳簿付けの作業も楽にしてくれます。
また白色申告ソフトは比較的コストが安く、無料で使えるものもありますよ。
疑問1 白色申告に会計ソフトは必要?
青色申告よりも簡単な白色申告なら、わざわざ会計ソフトを導入する必要はないのでは……と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし記帳の方式は違えど、白色申告を行う方であっても帳簿の作成は義務付けられています。
会計ソフトを導入すれば、お使いの法人口座やクレジットカードと連携して帳簿付けを自動化することができます。
手作業で帳簿を付けているとミスが生じてしまう可能性もありますが、会計ソフトならヒューマンエラーを防ぐこともできるのです。
正直に申告していたとしても、帳簿がなければ費用や損失を証明することができません。
推定課税は必要以上に高額である場合が多いため、帳簿は必ず作成しましょう。
会計ソフトを導入し、クレジットカードや銀行口座を連携すれば記帳が格段に楽になりますよ。
疑問2 利用料金は高くない?
「自分でもできることにわざわざお金を出すのは抵抗がある……」という方もいらっしゃるでしょう。
しかし、会計ソフトの導入コストはそれほど高くありません。
それどころか、無料で使用できるソフトもあるのです。
例えば「やよいの白色申告 オンライン」は永年無料で利用することができます。
3.白色申告が簡単にできる会計ソフト3選
ここからはいよいよ白色申告が簡単にできる会計ソフトについて見ていきましょう。
ご紹介する会計ソフトは以下の三つです。
- 会計ソフト1 freee
- 会計ソフト2 マネーフォワードクラウド確定申告
- 会計ソフト3 やよいの白色申告オンライン
三つの会計ソフトの白色申告に使えるプランを表にしたものが以下です。
ソフト名 | プラン | 利用料金 | 特徴 |
---|---|---|---|
freee | スタータープラン | 月額1,480円(税込) | 確定申告書の作成が簡単にできる |
スタンダードプラン | 月額2,680円(税込) | 枚数無制限で写真からの領収書読み込みができる | |
プレミアムプラン | 年額39,800円 | 税務調査のサポートが受けられる | |
マネーフォワードクラウド確定申告 | パーソナルミニ | 1カ月無料 月額1,280円 |
確定申告書の作成が簡単にできる |
パーソナル | 1カ月無料 月額1,680円 |
月次推移のレポートが確認できる | |
パーソナルプラス | 1カ月無料 年額35,760円 |
電話サポートが受けられる | |
やよいの白色申告オンライン | フリープラン | 無料 | 永年無料で確定申告書類を作成できる |
ベーシックプラン | 初年度:0円 2年目以降:11,500円(税抜) |
電話・メール・チャットサポートを受けられる | |
トータルプラン | 初年度:10,500円(税抜) 2年目以降:21,000円(税抜) |
操作の質問、業務相談ができる |
それぞれの会計ソフトについて詳しく解説します。
会計ソフト1 freee
freeeの強みはスマホアプリで確定申告書類を作成することができることです。
銀行口座・クレジットカードと連携できるのはもちろん、領収書やレシートをスマホのカメラで撮影するだけで自動的に記帳してくれますよ。
会計の知識が全くないという方でも画面の案内に従って質問に答えるだけですぐに確定申告書類が完成します。
もっとも安価な月額980円のスタータープランにもチャット・メールサポートがつくので分からないことがあっても安心ですね。
会計ソフト2 マネーフォワードクラウド確定申告
マネーフォワード クラウド確定申告では、同社が提供するさまざまな他サービスと連携して細々とした作業をすべて自動化することができます。
他サービスとはマネーフォワードクラウド経費、マネーフォワードクラウド給与、家計簿アプリ「マネーフォワードクラウドME」などです。
初心者向けの解説記事や、使い方動画も充実しています。
それでも不安だという方のために年額35,760円とやや高価ですが電話サポートを受けられるパーソナルプラスプランの用意もあります。
さらに、今後スマホアプリで確定申告書類を提出するサービスの提供も予定しています。
会計ソフト3 やよいの白色申告オンライン
やよいの白色申告 オンラインはなんといっても全ての機能を永年無料で使用できるのが長所です。
やよいの白色申告 オンラインは16年連続売上ナンバーワンを誇る「弥生」が提供するサービスであり、信頼性についても申し分ありません。
2024年に行われた「クラウド会計ソフトの利用状況調査」では、弥生は個人事業主が使用するソフトの53.6%を占めています。
会計ソフトの利用に不安があるという方はベーシックプランを選択すれば電話・メール・チャットでのサポートが受けられます。
困ったときには業界最大規模の弥生のカスタマーセンターが必ず助けになってくれますよ。
4.まとめ
白色申告は青色申告より手続きが簡易であるとはいえ、帳簿の作成が義務付けられているため会計ソフトを導入した方が日々の労力を減らすことができるでしょう。
この記事では簡単に白色申告ができる三つの会計ソフトをご紹介しました。
初めての方にも自信を持っておすすめできるのが「freee」です。
freeeなら操作が簡単な上、ちょっとした空き時間を利用してスマホアプリで確定申告作業を済ませることができます。
また今後事業を拡大する予定のある方は確定申告だけではなくいろいろな業務を自動化できる「マネーフォワード クラウド確定申告」を導入してはいかがでしょうか。
「やよいの白色申告 オンライン」なら永年無料で全ての機能を使うことができるため、導入コストがゼロで済みますよ。