このように、弥生会計に興味を持っていて、利用者の評価や感想、ソフトの特徴を把握した上で導入を検討したい方は多いのではないでしょうか。
弥生会計は、業務ソフトウェア分野で長年の実績を持つ弥生株式会社が提供している会計ソフトで、個人事業主向けから法人向けまで、幅広いラインアップがそろっています。
どのソフトも会計業務を効率化できる機能が充実しており、簿記の知識が少ない方でも操作しやすいのが魅力です。
そこで本記事では、弥生会計に関する評判や口コミ、特徴をご紹介します。
併せて、利用する際に知っておきたい注意点も解説するので、ぜひご参考にしてくださいね。

福留 正明
1.弥生会計の評判は?利用者の口コミも紹介
弥生会計を導入する前に、実際のユーザーからの評判や口コミをチェックしておきたい方も多いのではないでしょうか。
弥生会計は、2025年1月時点で登録ユーザー数が累計350万人を超える実績を持つ人気の会計ソフトです。
2025年にメディア事業やデータ・調査事業を手掛ける株式会社BCNが発表した業務ソフト部門の年間販売数量ランキングでは、26年連続1位を獲得しています。
また公式サイトに掲載されている導入事例から、利用者の口コミを以下にピックアップしました。
- ・会計業務の経験がなくても、直感的に操作できた
- ・帳簿付けや仕訳業務、請求書の作成など、さまざまな作業時間を削減できた
- ・確定申告がスムーズにできた
- ・レポート機能のおかげで経営状況をしっかり確認するようになった
- ・分からないことがあっても手厚いサポートに助けられた
このように弥生会計は、操作のしやすさや業務の効率化、サポート体制の充実度など、高く評価されていることが口コミからも分かるでしょう。
なお弥生会計には、買い切りタイプの「インストール版」と、サブスクリプションタイプの「クラウド版」があり、近年ではクラウド版の利用が増えています。
2025年にICT(情報通信技術)市場調査コンサルティングのMM総研が実施した、クラウド版の会計ソフトを利用する個人事業主を対象に行った調査では、弥生会計がシェア1位を獲得し、10年連続でトップを維持しています。
このような結果から、会計ソフトを新規で導入するなら、クラウド版の弥生会計がおすすめですよ。
なおクラウド版の弥生会計には、個人事業主向けの「やよいの白色申告 オンライン
」「やよいの青色申告 オンライン
」、法人向けの「弥生会計 Next
」があります。
それぞれの機能に違いがあるため、必ずご自身の事業形態に合ったものを選びましょう。
2.クラウド版「弥生会計」の特徴を徹底解説
このようにクラウド版の弥生会計が自分に合っているかどうかを判断するために、特徴を知りたい方もいらっしゃるでしょう。
この章では、クラウド版の弥生会計の特徴について詳しく解説します。

特徴1 年払い・月払いの料金プランがある
クラウド版の弥生会計には、年払い・月払いの料金プランがあります。
またサポートの内容によって各ソフトに3通りのプランがありますよ。
以下に個人事業主向けのやよいの白色申告 オンラインとやよいの青色申告 オンライン
の料金プランをそれぞれまとめました。
プラン | 初年度価格(税抜) | 2年目以降(税抜) | 無料トライアル期間 | 主な機能 |
---|---|---|---|---|
フリープラン | 0円 | 0円 | ずっと無料 | ・確定申告書の作成・提出 ・仕訳・記帳の自動化 ・帳票・レポートの作成 ・金融関連サービスとの連携 ・クラウド請求書作成ソフトMisoca(ミソカ) ・POS(販売時点情報管理)レジとの連携 ・スマホアプリ |
ベーシックプラン | 0円 | 11,500円/年 | 1年間 | ・フリープランの全ての機能 ・メールサポート ・チャットサポート ・電話サポート ・画面共有(オペレーターからの提案時のみ) ・福利厚生サービス |
トータルプラン | 10,500円/年 | 21,000円/年 | – | ・ベーシックプランの全ての機能 ・仕訳相談 ・経理業務相談 ・確定申告相談 |
プラン | 初年度価格(税抜) | 2年目以降(税抜) | 無料トライアル期間 | 主な機能 |
---|---|---|---|---|
セルフプラン | 0円 | 10,300円/年 | 1年間 | ・確定申告書の作成・提出 ・仕訳・記帳の自動化 ・帳票・レポートの作成 ・金融関連サービスとの連携 ・クラウド請求書作成ソフトMisoca ・POS(販売時点情報管理)レジとの連携 ・税理士・会計事務所との連携 ・スマホアプリ ・福利厚生サービス |
ベーシックプラン | 0円 | 17,250円/年 | 1年間 | ・セルフプランの全ての機能 ・メールサポート ・チャットサポート ・電話サポート ・画面共有(オペレーターからの提案時のみ) |
トータルプラン | 15,000円/年 | 30,000円/年 | – | ・ベーシックプランの全ての機能 ・仕訳相談 ・経理業務相談 ・確定申告相談 |
やよいの白色申告 オンラインには、フリープラン、ベーシックプラン、トータルプランが、やよいの青色申告 オンライン
には、セルフプラン、ベーシックプラン、トータルプランが用意されていて、いずれも年払いに対応しています。
プランが違っても同じ機能を使用できますが、受けられるサポート内容に違いがあります。
操作に関するサポートが不要で白色申告をする方は、やよいの白色申告 オンラインのフリープラン、青色申告をする方は、やよいの青色申告 オンラインのセルフプランがおすすめです。
またどちらのソフトでもメールやチャット、電話で操作に関する質問をしたい方はベーシックプランを、操作の質問だけでなく仕訳や経理業務、確定申告の相談も行いたい方は、トータルプランを選ぶと良いでしょう。
法人向けの弥生会計 Nextの料金プランには、以下の三つが用意されています。
プラン | 価格(税抜) | 無料トライアル期間 | 主な機能 |
---|---|---|---|
エントリープラン | 年払い:34,800円(2,900円/月) 月払い:3,480円 |
3カ月間 | ・帳簿・決算書の作成 ・見積書・納品書・請求書・領収書の作成 ・証憑(しょうひょう)の保存・管理 ・会計機能:3人まで無料 ・請求機能:3人まで無料 |
ベーシックプラン | 年払い:50,400円(4,200円/月) 月払い:5,040円 |
・エントリープランの全ての機能 ・部門管理 ・経費精算 ・メールサポート ・チャットサポート ・会計機能:3人まで無料 ・請求機能:3人まで無料 ・経費精算機能:3人まで無料 |
|
ベーシックプラスプラン | 年払い:84,000円(7,000円/月) 月払い:8,400円 |
・ベーシックプランの全ての機能 ・電話サポート(画面共有サポートを含む) ・仕訳相談 ・会計機能:3人まで無料 ・請求機能:3人まで無料 ・経費精算機能:5人まで無料 |
エントリープランは会計や請求業務、取引書類の管理を効率的にしたい方に、ベーシックプランは経費精算や部門管理などを含めたバックオフィス業務をさらに効率化したい方に、ベーシックプラスプランは電話サポートや仕訳相談など、より手厚いサポートを受けたい方におすすめです。
また弥生会計 Nextでは、年払いか月払いかを選択できます。
年払いは月払いよりも2カ月分お得なので、長期的に利用する予定のある方や、導入コストを抑えたい方にうってつけですよ。
対して、一度に大きな出費をするのを避けたい方や、まずは数カ月間利用したい方は、月払いを選択すると良いでしょう。
特徴2 取引データの自動取得・自動仕訳ができる
クラウド版の弥生会計 Nextでは、取引データの自動取得・自動仕訳ができます。
銀行口座やクレジットカードなどの金融サービスと連携するだけで、取引のデータが自動で取り込まれ、AI(人工知能)による自動仕訳が行われます。
日々の取引を手入力する手間が大幅に減るため、会計業務の効率化につなげることが可能です。
なお連携できる金融サービスの数は2,500以上(2024年8月時点)もありますよ。
特徴3 確定申告や決算に必要な書類を簡単に作成できる
確定申告や決算に必要な書類を簡単に作成できるのも、クラウド版の弥生会計 Nextの特長です。
やよいの白色申告 オンラインとやよいの青色申告 オンライン
の場合、画面の案内に従って必要な情報を入力していくだけで、確定申告に必要な書類が完成します。
また国税庁が提供する「国税電子申告・納税システム(e-Tax)」に対応しているため、自宅から確定申告書類を提出することが可能ですよ。
弥生会計 Nextの場合、日頃から仕訳作業を行っていれば、データが集計され、決算書を自動で作成することができます。
完成した決算書はPDFで保存したり、税務ソフト用にデータの形式を変換したりすることも可能です。
特徴4 帳票やレポートを出力して経営状況を可視化できる
クラウド版の弥生会計では、帳票やレポートを出力して、経営状況を可視化できます。
入力した取引データをもとに、さまざまな帳票やレポートが自動で作成され、リアルタイムで経営状況を把握することが可能です。
ただし、出力可能な帳票・レポートの内容は、ソフトの種類によって異なる点に注意しましょう。
ソフト別に出力できる帳票・レポートを以下にまとめました。
ソフト名 | 帳票 | レポート |
---|---|---|
やよいの白色申告 オンライン |
・取引帳簿 | ・日別取引レポート ・損益レポート ・科目別損益レポート ・取引先別損益レポート ・科目別消費税額の確認 ・消費税納付見込み額の確認 ・消費税設定別金額の年間推移 |
やよいの青色申告 オンライン |
・仕訳帳 ・総勘定元帳 ・簡易帳簿 |
・日別取引レポート ・残高試算表 ・残高推移表 ・損益レポート ・科目別損益レポート ・取引先別損益レポート ・貸借レポート ・科目別消費税額の確認 ・消費税納付見込み額の確認 ・消費税設定別金額の年間推移 |
弥生会計 Next |
・仕訳帳 ・総勘定元帳 ・固定資産台帳 |
・残高試算表 ・貸借対照表 ・損益計算書 ・製造原価報告書 ・消費税集計 ・科目別税区分表 ・消費税納付予測額の確認 ・資金予測β版 |
やよいの白色申告 オンラインとやよいの青色申告 オンライン
では、取引先別や勘定科目別のレポートがグラフで表示されるので、分析に慣れていない方でも視覚的に分かりやすくなっています。
弥生会計 Nextでは、部門別に損益計算書や製造原価報告書の試算表をチェックできる他、直近3カ月のデータをもとにAIが3カ月後までの現預金残高を予測する資金予測β版機能も備わっています。
資金不足が予測される場合にメッセージが届いたり、資金調達が必要と予測される場合に手段を提案したりするので、事業の安定化や資金繰りの改善をしたい方におすすめですよ。
特徴5 請求や経費精算の業務を効率化できる
クラウド版の弥生会計には、請求や経費精算の業務を効率化できる機能も備わっています。
やよいの白色申告 オンラインとやよいの青色申告 オンライン
では、クラウド請求書作成ソフトのMisoca
と連携することで、見積書や納品書、領収書、請求書を簡単に作成することが可能です。
請求データは自動で取得されて、仕訳も行われるので、作業や入力ミスを減らせますよ。
また弥生会計 Nextを契約すると、請求業務ができる「弥生請求 Next」、経費精算が可能な「弥生経費 Next」、証憑の保存や管理が行える「弥生証憑 Next」のサービスを基本料金内で利用できます。
弥生会計 Nextとこれらのサービスを併せて使うとデータが自動で連携されるため、一元管理することができて便利ですよ。
特徴6 スマホアプリで仕訳業務や経費精算ができる
スマートフォン専用のアプリで仕訳業務や経費精算ができるのも、クラウド版の弥生会計の特長の一つです。
やよいの白色申告 オンラインとやよいの青色申告 オンライン
では、スマホアプリから仕訳入力をしたり、レシートを撮影して自動仕訳を行ったりすることが可能です。
弥生会計 Nextの場合、ベーシックプランまたはベーシックプラスプランを利用中の方であれば、スマホアプリを使って経費の申請や承認、精算ができます。
また領収書や交通系ICカードを読み取るだけで、経費精算ができるのもポイントです。
特徴7 税理士とデータをスムーズに共有できる
クラウド版の弥生会計は、税理士のソフトと利用者のソフトを連携する機能があり、設定しておけば会計データをスムーズに共有することが可能です。
直接データにアクセスして確認や編集ができるので大変便利ですよ。
また会計データをリアルタイムで共有できるため、都度データを出力して送ったり、直接受け渡したりする必要がありません。
インターネットに接続できる環境さえあれば場所を選ばずに利用できるので、ご自身も税理士も、自宅や外出先などどこからでもデータを共有することが可能です。
ただし、この機能を利用するには、会計事務所や税理士が会計事務所組織「弥生PAP(ぱっぷ)」に入会している必要があるため、確認しておきましょう。
特徴8 サポート内容が充実している
クラウド版の弥生会計の特長には、サポート内容が充実している点も挙げられます。
やよいの白色申告 オンラインとやよいの青色申告 オンライン
の場合、ベーシックプラン以上を契約していれば、メールや有人のチャット、電話でソフトの操作方法を質問することが可能です。
またオペレーターの判断となりますが、状況によっては画面を共有して操作方法を教えてもらうこともできますよ。
トータルプランでは、仕訳や経理業務、確定申告の相談まで対応してもらえますよ。
また弥生会計 Nextの場合、全てのプランでAIによるチャットボットでのやりとりができます。
ベーシックプラン以上を契約していれば、操作方法についてメールや有人のチャットで質問することが可能です。
ベーシックプラスプランでは、電話や画面共有でのサポートを受けたり、仕訳の相談をしたりすることができますよ。
なおやよいの白色申告 オンラインのフリープラン、やよいの青色申告 オンライン
のセルフプラン、弥生会計 Next
のエントリープランには、有人のサポートは付いていません。
サポート内容は使用するソフトと契約プランによって異なるため、操作に不安がある方や会計業務の相談をしたい方は、より手厚いプランを選ぶのがおすすめですよ。
特徴9 法令改正に対応している
クラウド版の弥生会計は、法令改正に対応しています。
法令が改正された際は、利用者の業務に支障が出ないように、ソフトが自動でアップデートされる仕組みになっています。
ご自身で更新作業を行う必要がないため、安心して日々の業務に集中することが可能です。
また「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」「電子帳簿保存法」といった大きな制度改正にも、クラウド版の弥生会計では対応済みですよ。
特徴10 無料トライアル期間が長い
無料トライアル期間が長い点も、クラウド版の弥生会計の魅力です。
やよいの白色申告 オンラインとやよいの青色申告 オンライン
には1年間、弥生会計 Next
には3カ月間のトライアル期間が設けられています。
さらにやよいの白色申告 オンラインのフリープランの場合は、ずっと無料で利用することが可能です。
他社のクラウド会計ソフトのトライアル期間は1カ月程度が一般的なので、違いは明らかですよ。
3.クラウド版「弥生会計」を利用する際の注意点
クラウド版の弥生会計は多くの人に利用されている会計ソフトですが、注意することがあれば知っておきたいものですよね。
そこでこの章では、クラウド版の弥生会計を利用する際の注意点について解説します。
- 注意点1 定期的にコストが発生する
- 注意点2 インターネット環境が必要
- 注意点3 給与計算や年末調整などには別サービスとの連携が必要
注意点1 定期的にコストが発生する
クラウド版の弥生会計の料金プランはサブスク形式なので、定期的にコストが発生します。
やよいの白色申告 オンラインとやよいの青色申告 オンライン
の利用料金は年払い、弥生会計 Next
は年払いまたは月払いです。
なお長期間利用する場合には、買い切りタイプのソフトと比べるとトータルコストが高くなる可能性があるため、事前に確認しておきましょう。
注意点2 インターネット環境が必要
クラウド版の弥生会計を利用する際は、インターネット環境が必要です。
クラウド会計ソフトは、インターネットを通じてサーバー上のデータにアクセスする仕組みのため、オフラインの状態では利用することができません。
またインターネット環境が不安定だと、ソフトの動作が重くなったり、データ連携がスムーズにできなかったりする可能性があり、かえって作業効率が落ちる場合があります。
快適に利用するために、自宅や職場のインターネット環境が安定しているかどうかをチェックしておきましょう。
注意点3 給与計算や年末調整などには別サービスとの連携が必要
クラウド版の弥生会計では、給与計算や年末調整、勤怠管理、労務管理などのバックオフィス業務に対応していません。
クラウド上で一元管理したい場合には、「弥生給与 Next」と契約する必要があります。
追加コストは発生しますが、弥生の会計ソフトとデータの連携が可能になるので、業務全体の効率化につながりますよ。
4.まとめ
弥生会計は、登録ユーザーが累計350万人(2025年1月時点)を超える実績を持つ会計ソフトです。
2025年に発表された、クラウド版の会計ソフトを利用する個人事業主を対象とした調査では、弥生会計が10年連続でシェア1位を獲得していて、クラウド版の支持が高まっていることが分かります。
クラウド版の弥生会計には、個人事業主向けのやよいの白色申告 オンライン
とやよいの青色申告 オンライン
、法人向けの弥生会計 Next
が提供されていますよ。
初めて確定申告を行う方や経理の経験が少ない方でも、会計業務を効率化できる機能がそろっているのが特長です。
また実際の利用者の口コミでは、「会計業務の経験がなくても、直感的に操作できた」「確定申告がスムーズにできた」などが寄せられていて、高い評価を得ています。
とはいえ、弥生会計が自分に合っているかどうか確かめてから導入を決めたい方もいらっしゃるでしょう。
やよいの白色申告 オンラインとやよいの青色申告 オンライン
には1年間、弥生会計 Next
には3カ月間の無料トライアル期間が設けられていますよ。