このようにfreeeの会計ソフトを導入したいと考えていて、評判が気になっている方は多くいらっしゃるでしょう。
freeeの会計ソフトはインターネット環境があればどこでも利用でき、簿記の初心者でも扱いやすく設計されている点や、入力や仕訳の自動化により会計業務を効率良く行える点などが魅力です。
とはいえ「初心者でも本当に簡単に使える?」「サポートはしっかりしている?」などと不安を感じ、導入に踏み切れない方もいらっしゃるでしょう。
そこで本記事では、freeeを実際に利用している人の評判や口コミをご紹介するとともに、freee
のメリットやデメリット、向いている利用者の特徴などを解説します。

福留 正明
1.freeeとは?基本情報を分かりやすく解説
このようにfreeeが具体的にどのような会計ソフトで、どのような特徴があるのかを知らない方も多くいらっしゃるでしょう。
freeeは「スモールビジネスを、世界の主役に」をミッションに掲げる、フリー株式会社が開発・提供する会計ソフトです。
インターネット環境があれば場所を問わずに使えるクラウド型である点や、記帳・仕訳の自動化ができ、簿記の知識が少ない方にも使いやすい独自の設計になっている点が特長です。
また個人事業主や小規模法人、従業員が300人を超える企業まで、さまざまな事業規模に対応していて、会計・経理業務全体の効率化を図れる点も魅力といえるでしょう。
以下はfreeeの料金プランを個人事業主・法人別にまとめたものです。
プラン名 | 基本料金(税抜) | 主な機能 | 無料期間 |
---|---|---|---|
スターター | 11,760円/年(980円/月)または1,780円/月 | ・確定申告書の作成、出力(青色・白色) ・確定申告書の提出(電子申告対応) ・銀行口座やクレジットカードとの同期 ・見積書・請求書・納品書の作成 ・レポートの作成(損益レポート、現預金レポート、貸借対照表・損益計算書) ・電子帳簿保存法、インボイス制度に対応 ・メール、チャットサポート |
30日間 ※一部機能制限あり |
スタンダード | 23,760円/年(1,980円/月)または2,980円/月 | ・スターターの全ての機能 ・農業所得の確定申告 ・消費税の申告 ・レポートの作成(損益レポート、現預金レポート、入金管理・支払いレポート、資金繰りレポート、貸借対照表・損益計算書) ・メール、チャットサポートの優先対応 |
|
プレミアム | 39,800円/年(3,316円/月) ※月契約なし |
・スタンダードの全ての機能 ・組織管理機能(経費精算、カスタム権限管理、仕訳承認、部門階層、配賦計算) ・仮締め・月締め ・税務調査サポート補償 ・電話サポート ・まるごと導入サポート |
プラン名 | 基本料金(税抜) | 主な機能 | 無料期間 |
---|---|---|---|
ひとり法人 | 35,760円/年(2,980円/月)または3,980円/月 | ・利用人数1人(2人まで追加可能) ・決算書の作成 ・受発注書類の作成、管理 ・受発注書類の送付(別途95円/件) ・銀行やクレジットカードなどとの連携 ・自動仕訳 ・損益/資金繰りレポート ・部門数は2つまで ・電子帳簿保存法、インボイス制度に対応 ・チャット、メールサポート |
30日間 ※一部機能制限あり |
スターター | 65,760円/年(5,480円/月)または7,280円/月 | ・ひとり法人プランの全ての機能 ・利用人数3人(追加可能) ・経営ダッシュボード、収益/費用レポートなど ・部門1階層まで(個数無制限) ・電話サポート |
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スタンダード | 107,760円/年(8,980円/月)または11,980円 | ・スタータープランの全ての機能 ・カスタムレポート ・部門数無制限、階層2段階 ・共通費の部門配賦 ・カスタム権限、グループ管理、月締めなどの統制機能 |
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アドバンス | 477,360円/年(39,780円/月)または51,980円/月 | ・スタンダードプランの全ての機能 ・利用人数5人(追加可能) ・部門数無制限、階層5段階 ・債権、債務管理 ・ワークフロー機能 ・予実管理など |
|
エンタープライズ | 要問い合わせ | ・アドバンスプランの全機能 ・上場水準の内部統制 ・セキュリティーの強化 ・高度な固定資産管理 ・IPアドレス制限など |
なおfreeeには30日無料で使用できるトライアル期間があります。
一部の機能に制限はありますが、実際に使った上で、どのプランが合っているか確かめることができますよ。
2.freeeの評判は?口コミも紹介
freeeを導入する前に、評判や利用者の口コミなどもしっかり確認しておきたいものですよね。
まずfreeeの公式サイトでは2025年3月末時点で約62万の個人事業主を含む企業に導入されていることが発表されています*1。
さらに2025年3月に株式会社MM総研が個人事業主向けに実施した調査では、クラウド会計ソフトにおけるfreeeのシェアは24%で、弥生
に次いで2位という結果が出ています*2。
上記より、freeeは多くの事業者に利用され、高い支持を集めていることが分かりますね。
また以下は公式サイトに掲載された、実際にfreeeを利用している方の口コミの一部をまとめたものです。
- ・簿記の知識があいまいでも経理業務を問題なくこなすことができた
- ・新しく入社した人でも短期間で操作方法を習得することができた
- ・自動仕訳により、確認にかかっていた作業時間を短縮できた
- ・データの取り込みから仕訳まで自動で完了するため、手作業が減りヒューマンエラーが軽減した
- ・法改正に伴う対応をシステムが自動で行うので、法務部門の負担を軽減できた
利用者の口コミから、簿記の知識が少ない初心者でも操作しやすい点や、自動化の機能により作業にかかる負担が減ったり、ミスの軽減につながったりする点などが高く評価されていることがうかがえますね。
3.freeeの6つのメリット
評判や口コミだけでなく、freeeの機能面やサービス面などのメリットについて、しっかり把握しておきたいと考える方もいらっしゃるでしょう。
そこでこの章では、freeeのメリットを六つ解説します。

メリット1 簿記の専門知識がなくても使いやすい
freeeの大きなメリットは、簿記や会計の専門知識がなくても使いやすく、直感的に操作しやすい仕様になっている点です。
freeeでは「取引」という形式で記帳したものが複式簿記の形に自動で変換されます。
そのため簿記に慣れていない方や初めて会計ソフトを使う方でも、迷うことなく作業を進められるでしょう。
また個人事業主の場合、○×形式の簡単な質問に答えていくだけで、確定申告に必要な書類を作成することも可能ですよ。
メリット2 経営状況をリアルタイムで把握できる
経営状況をリアルタイムで把握できる点もfreeeのメリットです。
プランによりますが、取引先や商品ごとの売り上げ推移や売上代金の入金予定一覧などを、気になったタイミングですぐにチェックすることが可能ですよ。
さらに入力したデータを基に、以下のレポートを即時に作成できます。
- ・試算表(貸借対照表・損益計算書)
- ・消費税区分別表・消費税集計表
- ・入金管理レポート
- ・支払管理レポート
- ・収益レポート
- ・費用レポート
- ・損益レポート
- ・現預金レポート
- ・資金繰りレポート
- ・カスタムレポート
最新の経営状況をすぐに把握できるので、意思決定が必要な場面でも役立つでしょう。
メリット3 入力や仕訳などを自動化できる機能が充実している
freeeのメリットには、入力や仕訳などを自動化できる機能が充実している点も挙げられます。
freeeでは取引を一度入力するだけで、仕訳やその取引に関連する請求書の発行など、複数の処理を同時にできます。
同じ取引の情報を別々に入力する必要がないので大変便利ですよ。
また銀行口座やクレジットカード、販売時点情報管理(POS)などの外部サービスと連携すれば明細を自動で取得できます。
さらに取得したデータから人工知能(AI)が勘定科目を推測して自動で仕訳しますよ。
スマートフォンでレシートを撮影して取引の内容を自動で読み取る機能もあり、入力の手間を省くことが可能です。
作業時間の短縮はもちろん、ヒューマンエラーの軽減にもつながるでしょう。
メリット4 スマホで幅広い作業を行える
スマホで幅広い作業を行える点もfreeeの魅力です。
freeeが提供するスマホアプリを活用すれば、好きな時間・場所で気軽に会計業務ができます。
外出が多い方でも、待ち時間や移動中の時間などを有効活用できますよ。
また個人事業主の場合、PCを使わずスマホ一つで確定申告書の作成から提出までを行うことが可能です。
法人の場合、スマホを使って仕訳やレポートの確認といった基本的な作業を行うことはできますが、決算書の作成はPCで行う必要があるため注意しましょう。
メリット5 法改正に自動で対応してくれる
freeeは法改正があった際に自動でアップデートされるため、常に最新のバージョンで安心して使うことができます。
常に最新の法令に準拠した状態で会計ソフトを使用できるので、古い法令のままで間違った処理をしてしまう心配はないでしょう。
またアップデートに追加料金がかからない点もうれしいポイントです。
さらに「インボイス制度」「電子帳簿保存法の改正」にも対応していますよ。
メリット6 サポートが手厚い
サポートが手厚い点も、freeeのメリットとして挙げられます。
freeeではチャット、メール、電話による充実したサポート体制が整っています。
導入前の設定から導入後の運用に関する悩みまで、経験豊かなスタッフが迅速に対応してくれますよ。
なお電話サポートは予約制で、指定の日時に担当者から電話がかかるので、「電話が混雑していてつながらない」「長時間待たされる」などの心配はありません。
スムーズにサポートを受けることができるでしょう。
ただし電話サポートが利用できないプランもあるため事前に確認が必要です。
チャット、メールのサポートは全プランで利用できますよ。
4.freeeの3つのデメリット
このように導入前にメリットだけでなく、デメリットもきちんと把握しておきたいと考える方は多くいらっしゃるでしょう。
そこでこの章では、freeeの三つのデメリットについて詳しく解説します。
導入後に「こんなはずじゃなかった……」と後悔しないように、しっかり確認しておきましょう。

デメリット1 サブスク型なので継続して料金がかかる
freeeは「サブスクリプション(サブスク)型」のサービスなので、一定の期間ごとに継続して支払いが発生します。
サブスク型では初期費用が少なく済むことが利点ですが、利用期間が長くなるほどトータルの料金がかさむ点には注意しましょう。
長期的に利用する場合、一度購入すれば継続して料金を支払う必要のない「インストール型」の会計ソフトよりもトータルの出費が増える可能性があります。
ただし会計ソフトによっては、インストール型でも法改正などでアップデートが必要な場合に追加料金が発生したり、定期的に買い替えが必要になったりすることもあります。
なおfreeeでは事業規模や必要な機能に応じて選べる複数のプランが多数用意されているので、ご自身や会社に合ったものを選べば無駄な費用をかけずに利用できるでしょう。
デメリット2 簿記の知識がある方には使いにくい可能性がある
会計初心者でも使いやすいように設計されている点がfreeeの魅力ですが、簿記の知識がある方が使うと「独自の仕様がかえって使いにくい……」と感じる可能性があります。
しかしfreeeでは表示形式や入力方法を切り替えることが可能です。
一般的な会計ソフトと同様に、複式簿記に基づいた入力もできるなので、操作性が合わないと感じた場合は、設定を見直してみてくださいね。
デメリット3 インターネット環境によって操作性が左右される
freeeはクラウド型の会計ソフトなので、インターネット環境によって操作性が左右される点に注意が必要です。
インターネットの環境が整っていないと、処理のスピードが低下したり、データの連携がスムーズにできなかったりして、かえって作業の効率が悪くなる可能性があります。
freeeを導入する際には、快適に操作が行える通信状況かどうか確認しておくことが大事ですよ。
5.freeeについてよくある疑問
freeeについて、このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
この章では、freeeに関してよくある三つの疑問にお答えします。
- Q1 freeeに向いている利用者は?
- Q2 freeeとマネーフォワード、弥生との違いは?
- Q3 他のソフトからfreee
に移行する方法は?
Q1 freeeに向いている利用者は?
freeeは、以下のような利用者に向いているといえます。
- ・会計業務に不慣れな方
- ・会計業務をなるべく自動化して効率良く行いたい方
- ・スマホを使って手軽に会計業務を行いたい方
- ・会計データを細かく分析して経営に活かしたい方
freeeは難しい仕訳の知識がなくても使えるよう設計されていることから、会計業務に不慣れな方にぴったりです。
また、金融、物販、業務系などのサービスとの連携や、スマホによるレシートの読み取り機能などで、入力作業の手間を減らせるので、効率良く会計業務をしたい方にも向いているでしょう。
さらに経営分析に役立つレポートをリアルタイムに確認できるため、スピーディーな経営判断を求める方にも合っていますよ。
Q2 freeeとマネーフォワード、弥生との違いは?
マネーフォワードと弥生
も人気のある会計ソフトなので、freee
との違いが気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
例えば操作性でみると、freeeは簿記の知識のない初心者に使いやすい設計になっていますが、マネーフォワード
は仕訳の形式がそのまま反映されているため、会計業務に慣れている方に向いているでしょう。
また提供している会計ソフトの種類でみると、freeeはクラウド会計ソフトにのみ対応していますが、弥生
はクラウド型に加えて、インストール型にも対応しています。
他にもfreeeと、マネーフォワード
、弥生
では、料金プランやサポートの内容など、さまざまな点が異なります。
詳しくは「マネーフォワード・freee・弥生の会計ソフトを徹底比較!個人事業主・法人別に紹介」で解説しているので、気になる方はぜひご覧くださいね。
Q3 他のソフトからfreeeに移行する方法は?
現在、他のソフトを使用していても、簡単にfreeeに移行することができます。
例えばExcelや販売管理ソフトを使用している方なら、freeeにデータを取り込むだけですぐに会計業務を始められますよ。
またマネーフォワードや弥生
など、他社の会計ソフトからもデータを移行することが可能です。
ただし移行するデータは決められた形式にのっとっている必要があること、移行できるデータには制限があることなどに注意が必要です。
6.まとめ
freeeは多くの事業者に選ばれているクラウド会計ソフトで、初心者でも使いやすいように設計されていて、入力や仕訳の自動化で会計業務を効率化できるのが特長です。
実際の利用者の口コミでも「短期間で操作方法を習得できた」「自動で仕訳してくれるので時短になった」など、高い評価を得ていますよ。
しかしご自身や会社に合うかどうか判断できず、利用をためらっている方もいらっしゃるかもしれませんね。
そのような方のために、freeeには30日間の無料トライアルが用意されています。