終活はいつから始めるべき?最適なタイミングと進め方、注意点を解説

そろそろ終活を始めるべきなのかな?
何歳頃から終活を始めればいいのだろう?

このような疑問や不安を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

終活とは「人生の終わりのための活動」を略した言葉です。

具体的には身辺の整理や相続の対策、お墓や葬儀の手続きなど人生の最期を迎えるための準備を行います。

一般的に終活を始める時期として適切だといわれるタイミングもありますが、早いうちから人生のエンディングについて考え準備をすることにも大きなメリットがあります

この記事では、いつから終活を始めたら良いのかという目安や、終活で行うべき作業や終活をするメリットなどを詳しく解説します。

お金のプロ
この記事を読めば終活を始める時期や具体的な作業が分かりますよ。

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1.終活はいつから始めるべき?

終活っていつまでに始めれば良いのだろう?
早く始めても問題はないのかな?

このように、終活を始める時期について疑問を持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

一般的に、終活を始める適切な時期は60歳ごろからであるといわれています。

仕事を定年退職して、老後をどのように生きるかということについて考える機会が多くなるということが大きな理由です。

働き盛りだといわれている20代から50代のうちは終活について全く考えなくても良いのかな?

このように思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、いつ不測の事態が起きてもおかしくないため、早い時期から終活を始めるのも一つの手です。

お金のプロ
最近では若いうちから終活について考えたり、準備を始めたりするという方も増えています。

終活について考えてみようと思ったときが一番の始めどきだといえるでしょう。

2.そもそも終活とは

そもそも、終活ってどんなことをすればいいんだろう?
なんとなくイメージは湧くけど、実際に何から始めればいいのか分からないな……。

このように終活がどのようなものか、具体的には知らないという方もいらっしゃるかもしれませんね。

終活では人生のエンディングに向けての準備を行います。

具体的には介護や保険について考え、お墓やお葬式、相続などの手続きを円滑に進めるための準備をすることなどが挙げられます。

人生の終わりについて考えると聞くと、死と向き合うことをイメージしてしまい、終活に対してネガティブなイメージを持ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、今までの人生を振り返るとともに未来を思い、整理することができるという点で、終活とは自分の人生を自分らしく終えるための前向きな準備だといえるのです。

3.終活の種類

終活の大まかな内容は理解したけど、具体的にはどんなものがあるのだろう?
終活を行うのに決まった順番はあるのだろうか?

具体的な終活の内容や順序について疑問を持っている方もいらっしゃるでしょう。

終活の内容は大きく分けて以下の五つに分類されます。

終活の内容
【終活の内容】

終活を始める順番に決まりはありませんが、この章では比較的スムーズに始められる作業から順に解説していきます。

お金のプロ
自分のペースで取り掛かりやすい作業から始めてみましょう。

3-1.生前整理

生前整理とは自分の死後のことを考えて、生きているうちに身の回りの整理を行う作業です。

生前整理で行うことは大きく分けて二つあります。

まず一つ目は身の回りの品の整理です。

家具や寝具など普段使用しているものから、古い絵や昔に撮影した写真、かつて思い入れがあったけれど現在はほとんど使っていないといったものまで、全てを必要なものと不要なものに分けていきます。

その際に重要なのは、残すものと捨てるものを線引きする基準を決めておくことです。

取捨選択の判断基準を設けることによって、悩み過ぎることなくスムーズに生前整理を行うことができるでしょう。

さらに家族に共有しておけば、自分の死後に所有物が残っている場合にも遺族がスムーズに対処できるはずです。

そして二つ目は財産の整理です。

メモ
ここでいう財産とは、主に預金・借金・資産や有価証券・不動産・自動車・骨董(こっとう)品などを指します。

財産を整理する際には「財産目録」を作成するのがおすすめです。

財産目録とは
それぞれの財産が現在どのような状況なのかをリスト化したものです。被相続人にとって財産目録の作成は義務ではありませんが、相続財産を把握するのに役立ちます。また相続人が遺産分割調停の申し立てをする際に、家庭裁判所に提出する必要があります。

財産目録を作ることで、現在の自分の財産状況を再確認できます。

また相続の際に必要になるケースもあるため、終活で用意しておけば遺された家族にとってのメリットも大きいといえるでしょう。

3-2.エンディングノートの作成

終活の一つに、エンディングノートの作成があります。

エンディングノートとは自分の過去や現在に関する情報、これからの余生や亡くなった後の意向などをまとめたノートです。

エンディングノートを作るメリットは、万が一自分の身に何か起きてしまっても、遺族が自分の情報や死後の意向を把握することができるということです。

具体的には、以下のような事項をエンディングノートに記します。

【エンデイングノートに記載する主な内容】
  • ・自分の基本情報(生年月日・住所・本籍地など)
  • ・財産・資産(預金通帳・年金手帳・クレジットカード情報など)
  • ・身の回りのこと(介護を頼む人や施設・入りたい老人ホームなど)
  • ・家族・親族について(家族の名前・生年月日・電話番号など)
  • ・親しい友人・知人について(名前・住所・電話番号など)
  • ・葬儀・お墓について(葬式の有無・お墓の場所・葬祭関連の費用など)

エンディングノートには書き方や内容が特に決められておらず、自由に書くことができます。

ただし法的な効力を持たない点には注意が必要です。

相続のように法的手続きが必要なものについては、エンディングノートに記載するだけでなく財産目録や遺言書にきちんと明文化しておきましょう。

3-3.遺言書の執筆

遺言書の執筆も終活の代表的な作業として知られています。

遺言書とエンディングノートって何が違うの?

と思っている方も多いのではないでしょうか。

エンディングノートは法的効力を持たないのに対して、民法で規定された方式にのっとって書かれた遺言書は法的効力を持ちます

法的効力の有無がエンディングノートと遺言書の大きな違いだといえるでしょう。

遺言書に記載する主な内容は以下のとおりです。

【遺言書に記載する主な内容】
  • ・相続分の指定
  • ・遺言書の執行に関する効力
  • ・相続人の廃除
  • ・遺産分割方法の指定と分割の禁止
  • ・相続財産の処分

遺言書の方式は民法でいくつか規定されていますが、「自筆証書遺言」または「公正証書遺言」の方式で作成されるのが一般的です。

自筆証書遺言は、執筆から印鑑の押印まで全て自分で行い、第三者は執筆には関わらないというものです。

これに対して、公正証書遺言は執筆した内容が法的効力を持つかを確認するために、公証役場という機関が執筆に関わり、最終的な押印も公証役場が行うというものです。

このように遺言書は自分一人で執筆したり、第三者と相談して書いたりと、書く人の意向によって方式を自由に選ぶことができるのです。

3-4.葬儀の準備

ご自身が亡くなったとき、葬儀の手配が行われていないと、遺された人たちは悲しみに暮れながら準備もしなければならず、大変な思いをすることになるでしょう。

そのため元気なうちに葬儀の準備を進めておくことは、家族の負担を減らすためにも重要だといえます。

準備にあたって、まず葬儀を行うかどうかを親族に相談することから始めましょう。

自分で葬儀の内容や形式を決めたいという方の場合、主に以下の手順で準備しておくことがおすすめです。

【葬儀の準備の主な手順】
  • STEP1 葬儀に参列して欲しい人をリスト化する
  • STEP2 葬儀を行う形式・宗派を考える
  • STEP3 依頼する葬儀業者を決める
  • STEP4 葬儀に関わる費用の見積もりを行う

最初に行うべきことは葬儀に参列してほしい人のリスト化です。

参加者の人数規模を最初に設定することで、葬式の会場の大きさや費用の見積もりをすることができますよ。

参列者をリスト化したら、葬儀の形式について考えましょう。

具体的には葬儀を執り行う宗派、お通夜や告別式の様式などを決めなければなりません

もし自分で検討するのが難しい場合は、葬儀業者に相談してみるのも一つの手です。

数々の葬儀を行ってきたプロに相談することで、万一の際にも遺族が円滑に葬儀の準備をすることができるでしょう。

3-5.お墓の準備

お墓の準備をすることも、終活において大切なことの一つです。

自分自身で入るお墓を決めたい場合には、「生前墓」を用意しておくのがおすすめです。

生前墓とは
自分や家族が亡くなる前(=生前)に建てるお墓のことをいいます。

生前墓を準備する際には主に以下の項目についてリスト化し、検討すると良いでしょう。

【生前墓の準備の内容】
  • ・入りたいお墓を決める
  • ・墓地・霊園などを決める
  • ・納骨する場所を決める
  • ・墓地・墓石の購入費用を見積もる

自分が生きているうちに生前墓の準備を行うメリットはいくつかありますが、特に遺族の心理的・金銭的負担を減らすことができるという点が挙げられます。

もし亡くなったときにお墓がなければ、遺族は悲しみを抱えながら早急に準備をしなければいけません。

また家族や親族の間で、どのように葬儀を執り行うのか、誰がお墓や葬儀の費用を負担するのかということでもめてしまうケースも多くあります。

しかし生前墓を用意しておけば、ご自身が亡くなった後でも遺族が落ち着いて葬儀や納骨を進められるでしょう。

お墓を建てる際には墓地の永代使用料と墓石代・工事費など合わせて150万~500万円程度かかるといわれていますが、あらかじめ用意しておけば家族が費用を負担する必要はありません。

また通常の財産とは異なり、相続税法第12条・民法897条「祭祀財産」によって相続人にお墓の所有権が移っても相続税は課されないため、税金の負担も減ります

お金のプロ
生前墓を用意することで家族の精神的な負担、経済的な負担を減らすことができるのです。

4.終活を行うメリット

終活をした方が良いとは思うけれど、なかなか気が進まないなあ……。
終活には具体的にどんなメリットがあるのかな?

もしかしたら終活をして人生のエンディングについて考えることで、憂鬱(ゆううつ)な気分になる方もいらっしゃるかもしれませんね。

しかし終活をすることでご自身だけでなく、家族にとってもさまざまなメリットがあるのです。

【終活を行うメリット】
終活を行うメリット】

ここでは終活を行う三つのメリットをご紹介します。

メリット1 自分と向き合うことで気持ちが整理できる

終活を行うことで、自分が生きてきた過程を振り返り、これからの生き方について考えることができます

例えば、先ほどご紹介した生前整理は、今の自分にとって必要なものか不要なものかを取捨選択する作業です。

これからの人生において本当に必要なものは何なのか、何が不要になるのかを考えることで、今まで自分が生きてきた過去に思いをはせ、これからの自分らしい余生の生き方が見えてくるでしょう。

また、エンディングノートの作成では、自分の死後に残したいことを言語化することで、人生に対する率直な想いが明確になり、気持ちを整理することができます。

このような自分と向き合う作業によって、最期を迎える時にやり残したことや後悔がないようにしようと考え、前向きに過ごしていくことができるはずですよ。

メリット2 相続のトラブルを防ぐことができる

相続におけるトラブルは、家族間におけるトラブルのなかでも多い事例の一つであるといわれています。

自分の家族は仲が良いから、もし自分が亡くなっても相続のトラブルは起きないだろう。

このように思っていても、相続人が複数いる場合にはあらかじめ対応しておくのがおすすめです。

家族間のトラブルを避けるためにもなるべく早いうちから終活をはじめ、財産目録や遺言書を作成し、どのような財産をどれだけ持っているか、そして誰に相続させたいのかを明確にしておきましょう

相続について事前に対処しておくことで、遺族の負担を軽減することにつながります。

メリット3 家族との絆を深めることができる

終活の際に自分の考えを家族に伝えること、また家族の考えを聞くことは、家族との絆を深めることにもつながります

終活について話し合っておくことで、葬儀やお墓の準備だけでなく、いざというときの心の準備もできるでしょう。

亡くなった後、自らの意向をくみ取ってもらうためには、家族に自分の考えを話し、理解を得ておくことが必要です。

お互いの考えを共有しておくことで、ご自身と家族の不安や精神的・経済的な負担を軽減することができるのです。

5.終活を行う上での注意点

終活をするときには、どんなことに気をつける必要があるの?

終活はご自身のこれからの生活やエンディングに向けての大切な作業です。

そのため後悔しないように取り組みたいと考える方が多いのではないでしょうか。

そこでこの章では、終活を行う際に留意しておきたいポイントについて以下の三つを取り上げながら解説していきます。

【終活を行う際の注意点】
終活を行う際の注意点
【終活を行う際の注意点】

注意点1 焦らず計画を立てて行う

終活をする際には自分にとって取り掛かりやすいものから優先順位をつけ、焦らず計画的に取り組むことが重要です。

終活にはたくさんの分野があり、それぞれを検討する必要があるため、短期間で簡単にできるものではありません。

もし焦ってしまえば、一つ一つの作業がおろそかになってしまうリスクもあります。

特に相続などで誤った対応をすれば、家族間でのトラブルの原因になりかねません。

また何も考えず行っていると、途中で手をつけにくい作業に直面してうまく進められなかったり、本来やるべきことが抜けてしまったりという事態が起こる可能性もあります。

最初はどんなに小さなことから始めても構わないので、自分がどのような順番で終活を行っていくのかを始める前に考えておきましょう

終活は自分自身を総決算する作業ですから、余裕を持ってゆっくりとできるだけ間違いのないように進めることが大事です。

注意点2 一人で抱え込まず、家族に相談する

終活は「死」と直面することになるため、どうしてもネガティブな気持ちになりがちです。

そのため自分一人で抱え込むのではなく、自分のことを理解してくれる家族に相談しながら取り組むことが重要です。

終活で生じた不安を話すことによって、自分も家族もお互いに気持ちを理解することができ、精神的な負担が軽減される可能性があります。

また、終活を進めるにあたって、相続をはじめ葬儀やお墓については、自分が亡くなった後に家族が行うものであるということを考慮しなければなりません。

家族に自分の意向を伝えることで、自分が亡くなった後にも家族がスムーズに準備を進められることができます。

このように、家族と終活について話すことは自分自身だけでなく、家族の精神的負担も軽減することができるのです。

注意点3 専門家に相談する

終活を進めていく上で専門家の力を借りることも重要です。

遺言書の作成など、法的な知識が必要な作業を自力でこなすのには限界がありますよね。

また誤った対応をしてしまえば、自分が亡くなった後に遺族間でトラブルが発生してしまうこともあります。

少しでも迷ったり悩んだりしたときは、終活に詳しい専門家に相談してみると良いでしょう。

なお相談する専門家は、終活の内容によって異なります。

例えば、相続トラブル対策の場合は相続に詳しい司法書士や弁護士に、相続税対策の場合は相続に詳しい税理士に、葬儀の準備を行いたい場合は葬儀会社にというように相談していくと良いでしょう。

また最近では県や市などで終活支援事業を行っている自治体もあります。

このように専門家に相談したり自治体の制度を利用したりすれば、明確なアドバイスを受けることができスムーズに準備を進められるでしょう。

6.お墓の準備におすすめのサービス

生前墓を用意したいのだけどどうやって探せば良いだろう?
自分一人でお墓を探すのは大変だな……。

お墓を準備するにあたって、このように考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

お墓選びは多くの人にとって初めての経験で、どうやって始めればいいのか迷ってしまいますよね。

そこで、ここではお墓の準備をスムーズに行う上で手助けになるおすすめのサービス三つをご紹介します。

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と考えてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。

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いいお墓はサイト内のサービスも充実しており、サービス内容に関する質問だけでなく、お墓全般に関する質問にも回答してもらえます。

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7.まとめ

終活とは、「人生の終わりを迎えるための活動」のことです。

終活を始める時期としては、定年退職後、余生について考えはじめる60歳~80歳ごろが一般的であるといわれています。

しかし、人生はいつ何があるか分からないものなので、終活を始めたいという考えが少しでも生まれたら準備に取り掛かってみることが重要です。

終活で行うことには、主に生前整理、エンディングノートの作成、遺言書の執筆、葬儀やお墓の準備などが挙げられます。

終活を行い人生のエンディングに向けた準備をしておけば、自分にとっても家族にとっても安心感が生まれるでしょう。

終活を行う際には、まず何から手をつけるのか計画を立てたうえで、難しい問題に直面したときには家族や終活の専門家といった周りの人間と相談しながら進めていくことが大切です。

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