#29 2021年にチョイスすべき最適な「不動産小口化商品」とは?

2021.03.10

ある意味、2021年は「不動産小口化商品」が本格普及のフェーズに入る元年と位置づけられるかもしれません。詳しくは後述しますが、法律の改正が進められてこの分野に参入する事業者が増え、投資家が選択できる商品のラインナップが充実してきたからです。

今回は、「不動産小口化商品」に関わる法律のどういったところが見直され、この商品に注目する投資家にとってどのようなメリットがもたらされるのかについてスポットを当ててみたいと思います。また、その反面として、注意を払うべきポイントについても言及します。

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新型コロナ感染拡大に出鼻を挫かれるも、いよいよ「不動産小口化商品」が本格普及へ!

直近の規制緩和が2019年なので、本来なら2020年が「不動産小口化商品」本格普及の元年となっていたかもしれません。ところが、図らずも新型コロナウイルスの感染が世界中に拡大し、日本でも緊急事態宣言が出て経済活動がマヒ状態に陥りました。

不動産業界においても工事の中断が発生し、対面の商談にも成約が生じたことなどから、2020年に募集が行われた「不動産小口化商品」はその数がまだ限られていたと言えるでしょう。2021年も再度の緊急事態宣言発せられるという不安の幕開けとなったものの、前回とは違って経済活動の成約は限定的で、いよいよ数多くの「不動産小口化商品」がお目見えすることになりそうです。

そもそも「不動産小口化商品」とは、不動産の所有権を小口化して複数の投資家に販売したものです。投資家は出資額に応じて、投資対象となっている物件から得られた家賃収入などの分配が受けられます。

通常ですと不動産への投資には多額の資金が必要となるのに対し、「不動産小口化商品」なら100万円といった金額から可能です。同じようにREIT(不動産投資信託)も少額から投資できますが、「不動産小口化商品(任意組合型)」のように不動産を所有する形態にはなりません。

では、「不動産小口化商品」本格普及の“呼び水”となる規制緩和とは具体的に何なのでしょうか?それは、「不動産特定共同事業法」と呼ばれる法律の改正です。

そもそも「不動産特定共同事業」とは? どんな規制緩和が実施された?

不動産特定共同事業法
不動産を小口化して複数の投資家から出資を募り、物件の運用を通じて得られた収益を分配するというビジネス

 

「不動産特定共同事業法」はこのビジネスの健全な運営と投資家の保護を目的に制定され、1995年から施行されている法律です。

実は、1980年代後半のバブル期にも、不動産の小口化ビジネスは存在していました。しかし、バブル崩壊とともに経営破綻に陥る事業者が続出して投資家が損害を受けたことから、それを教訓に法整備が行われたわけです。

施行後も同法律は何度となく改正が行われており、2017年には「不動産特定共同事業」に携わる事業者に関する規制が緩和され、国による許可制から登録・更新制へと変更されるとともに、資本金の要件もハードルが引き下げられました。また、従来は認められなかった規模の「不動産特定共同事業(小規模特定共同事業)」も運営可能となりました。

さらに2019年にも改正があり、インターネットを通じた取引のガイドラインが策定された一方、新たに設立された法人もこの事業に参入しやすくなりました。それまでは「直前3期分の計算書類の提出」が不可欠だったのですが、新設法人でもこの事業の許可を得られる事例が明示されたのです。

併せて、登録免許税・不動産取得税の軽減措置が2年間延長されたり、一定の要件を満たす特例事業者の加入を認められたりするなどの規制緩和が実施され、「不動産特定共同事業」の活性化が促されました。コロナ感染拡大が水を注す格好になったものの、こうした法改正を機に多数のプロジェクトが立ち上がり、2021年には相次いで募集が開始されることになりそうです。

同じ「不動産小口化商品」に該当しても中身は千差万別。しっかりと選び抜くことが肝心!

数々の「不動産小口化商品」が出回るようになればおのずと選択肢が広がるので、投資家にとってはまさに朗報だと言えます。ただ、当然ながら個々に投資対象としている物件は異なっており、その中には安定的な家賃収入を期待できるかどうかに関して懐疑的なものも混じっているのも確かでしょう。

コロナ禍でも不動産市況は比較的堅調に推移してきましたが、全国一律でそのような状況が続いているわけではありません。国土交通省が発表している「新設住宅着工戸数(貸家)」は2017年6月からほぼ一貫して前年同期比でマイナスが続いています。

結局、好調なのは東京のような大都市に限定されたことなのです。しかも、賃貸需要の多くは都心の人気エリアに集中しているのが現実だと言えます。

こうしたことから、「不動産小口化商品」を選ぶ際には投資対象となっている物件をしっかりと吟味することが求められてきます。また、投資家にとって有利に働くスキームを用いているか否かというポイントも、重要な判断材料となってくるでしょう。

具体的にどういった点に目を向ければいいのかについては、「元本の保全性が高い『不動産小口化商品』の条件」という記事を参照してください。

まとめ

2019年に関連法が改正され、コロナ感染拡大にいくらか足を引っ張られたものの、ついに2021年には「不動産小口化商品」が本格普及のフェーズを迎えます。多数の事業者がより多くの選択肢を提供することが予想されるものの、個々にその商品性やリスクは異なってくるので、シビアな目で見定める必要があります。

 

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