#19 相続対策を提案できる不動産会社とは?

2020.10.23

節税効果の大きい賃貸不動産は相続対策の有効な手段ですが、長く安定的な家賃収入が得られることも重視しておかなければ、マイナスの収支が続いてむしろ資産を減らしてしまう結果にもなりかねません。相続対策に関して、相応のノウハウや実績を有する不動産会社と手を組まなければ、なかなか満足できる結果を期待しづらいと言えるでしょう。

今回は、広い視野で万全の相続対策を提案できる会社の条件について考えてみたいと思います。

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賃貸物件への投資では、不動産会社の「提案力」を4つの視点からチェック!

冒頭でも指摘したように、相続対策で追求したいのは、物件購入価額に対して「相続税評価額」が低くなる賃貸不動産を所有することで期待できる節税効果とともに、空室が発生しにくい優良な物件を手に入れることです。後者の視点が欠けてしまうと、相続発生時に納税額を抑えられたとしても、期待していたような家賃収入が得られないばかりか、修繕などのメンテナンス費用が出ていくばかりの不良資産を抱えてしまう恐れが出てきます。

そうなると、売却するにしても、購入価格を大きく下回る値段でしか交渉に応じてもらえそうにありません。そのような“お荷物”を相続しても、喜ぶ人はまずいないでしょう。

では、節税安定的な家賃収入という2つの目標を適えるためには、どういった不動産投資の知恵を借りればいいのでしょうか?これまでの実績や提案内容など、4つの視点からチェックすれば、個々の不動産会社の力量を見定めることが可能です。

視点①【これまでの開発実績】区分所有物件偏重のケースには要注意!

まず、最初に確認しておきたいのは、これまでの開発実績です。どういったエリアで、どのようなタイプの物件を開発してきたのかをしっかりと見ておきましょう。

たとえば、価格が安くて計算上の利回りが高くなる地方都市の物件を積極的に取り扱っている不動産会社も散見されます。しかし、需要が進学・異動のシーズンなどに偏りがちで、空室が発生すると長期化しやすいという傾向がうかがえるだけに要注意でしょう。

また、同じく価格が手頃な中古物件にリノベーションを施して販売しているケースも見受けられます。ただ、賃貸物件は中長期的なスパンで所有するのが前提であるだけに、先々で大掛かりな修繕が必要となってくる可能性を念頭に置くべきです。

年間を通じてコンスタントに賃貸需要が見込まれるのは、やはり東京23区の人気エリアに絞られてくるでしょう。入居者のターゲットは、その数が増加の一途を辿っている単身世帯とするのが堅実かと思われます。

特に人気エリアのワンルームは、安定的な家賃収入を期待できる物件だと言えます。ただし、どれだけ手を出しやすい価格帯であっても、ワンルームの区分所有は考えものです。

なぜなら、1棟丸ごと購入するケースと比べて、区分所有の物件は1室当たりの価格設定が割高になっています。しかも、空室が発生するとまったく家賃収入が得られず、かなり不安定なキャッシュフローになってしまうからです。

視点②【提案内容その1】もともと所有していた土地の活用一辺倒なら考えもの

具体的な提案内容からは、その不動産会社の姿勢が浮き彫りになってきます。すでに所有している土地の有効活用として賃貸物件の建設を勧めるケースも多いようですが、その提案が奏功する人は限られてきそうです。

所有していた土地が高い賃貸需要を見込めるエリアに位置していなければ、安定的な家賃収入を期待しづらいからです。新築時には入居者を確保できたとしても、その後は空室が目立つようになって、ついには空き家同然と化すパターンも珍しくありません。

安定的な家賃収入を第一に考えている不動産会社なら、提案内容はかなり変わってくるはずです。もともと所有していた土地をしっかりと吟味したうえで、賃貸物件には不向きと判断すれば、資産の組み替え(所有地を売却して賃貸需要が見込まれる場所で物件を購入)を進言するというのがその一例です。

視点③【提案内容その2】相続税の節税効果しかアピールしないプランにも疑問符

一方、相続税の節税効果をアピールすることに終始する不動産会社も少なくないようです。裏返せば、それは肝心の賃貸不動産経営のことを軽視している証左とも言えそうです。

相続税の納税は相続発生時にのみ関わってくることですが、購入した賃貸不動産はその資産を遺す人(被相続人)のみならず、受け継ぐ人(相続人)の生活にも深く関わっていくものです。二世代にわたって安定的な家賃収入を見込めるか否かは非常に重要なテーマであり、その点について真剣に考えている不動産会社なら、当然ながら提案時にも強く訴求してくるはずです。

また、相続税のみならず所得税の節税対策として、あえて賃貸不動産経営の赤字化を提案する不動産会社も存在するようです。賃貸不動産で生じた赤字を他の所得と損益通算して節税を図るというものですが、こちらも首を傾げてしまうプランです。

ローンの返済などで結果的に収支がマイナスとなってしまう時期があるならまだしも、当初から赤字を前提に賃貸不動産経営に取り組むというのは、本末転倒の発想だと言えるでしょう。

視点④【アフターフォロー体制】物件の購入がゴールではなく、それから先が肝心

相続対策として賃貸不動産に投資するなら、いつか訪れる相続というイベントのみならず、さらにその先のこと(相続人が受け継いだ後の賃貸不動産経営)まで展望しておく必要があります。つまり、物件の購入はスタート地点にすぎず、それから先が肝心なのです。

にもかかわらず、相続対策を提案する不動産会社の多くは、物件の販売が完了すればその地点がゴールとなって、顧客との関係がほとんど途絶えてしまいがちです。その意味でも、販売した物件の管理業務を手掛けるなど、アフターフォロー体制を整えて末永く寄り添っていく姿勢を打ち出しているか否かという視点でも判断したいところです。

まとめ

先々まで見据えた効果的な相続対策を提案できる不動産会社は限られてくるのが現実で、全幅の信頼を寄せられるところをシビアな目で選りすぐる必要があります。過去の実績具体的な提案内容アフターフォロー体制をしっかりとチェックし、これぞと思う不動産会社に相談を持ちかけてみましょう。

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