#79 不動産小口化商品とは? REIT(不動産投資信託)との違いも解説

2022.08.19

「不動産投資には巨額の資金が必要」は過去の常識に

通常、投資にはまとまった資金が必要となってくるものです。たとえば株式にしても、最小売買単位で数十万円の投資額になるケースが少なくありませんし、複数の銘柄に分散投資を行ってリスクの軽減を図ろうとすれば、さらに多くの資金が求められます。

そこで、大勢の投資家から資金を集めて一つにまとめ、幅広い対象に分散投資を行う投資信託という金融商品が生まれました。投資によって得られた収益は、各々の投資家の出資額に応じて分配されます。

言い換えれば、まとまった資金がない投資家でも投資信託なら株式投資のメリットを享受できるわけです。具体的な仕組みには違いが見られるものの、そういった意味で投資信託と不動産小口化商品は共通する部分があるでしょう。

不動産小口化商品は、不動産を小口化して複数の投資家に販売するものです。各々の投資家は自分の出資額に応じて、投資対象となっている物件から得られた家賃収入などの分配を受けられます。

不動産の購入には株式よりも多額の資金が必要となってくるため、投資が可能な人はおのずと限られてきます。しかし、不動産小口化商品なら100万円といった金額から購入できるので、投資家の裾野が大幅に広がります。

古くから資産運用の世界では、「資産三分法」と呼ばれる分散投資が理想とされてきました。特定の資産に集中していると何らかのショックが発生した場合にダメージが大きくなりがちなため、現金と株式、不動産に分散投資を図っておくのが安全だと言われてきたのです。不動産小口化商品を活用すれば、誰もが気軽に「資産三分法」を実践できるとも言えるでしょう。

同じく少額から投資できるREIT(不動産投資信託)との違い

同じく不動産に少額から投資できるものとして、REIT(リート=不動産投資信託)と呼ばれる金融商品もあります。投資信託の一種ですが、株式のように証券取引所において時価で売買が行われています。

REITが投資しているのは、オフィスビルやホテル、商業施設、居住用マンション、物流施設、介護施設などといった不動産物件です。それらの家賃収入をはじめとする利益は、分配金としてREITの購入者に還元されます。

小口の投資でも分配金を期待できるという点は共通しているものの、不動産小口化商品とは大きく異なっている点もあります。不動産小口化商品の中には相続税や贈与税の軽減に結びつくタイプが存在しているのに対し、REITはそういった節税効果は期待できません。

取引時間中であればいつでもすぐに売買できるという手軽さではREITのほうが勝っていますが、相続発生時には株式などと同様に時価で資産の評価が行われます。これに対し、不動産小口化商品は目先の収益(分配金)のみならず、相続対策として有効活用できるのが大きな魅力だと言えます。

新築一棟マンションのメリットが享受できる不動産小口化商品

これまで不動産投資と言えば、一棟マンション(一棟アパート)や区分所有マンションを連想する人が多かったことでしょう。そして、それらの中で新築と中古のどちらを選ぶべきかについて、予算面も踏まえて頭を悩ませるというケースが主流だったかと思われます。
「新築は入居者に人気だが、投資額が大きくなるのは悩ましい」
「中古は価格的に手を出しやすい反面、修繕のことも念頭に置くべきだろう」「予算的には区分所有マンションが最も手頃だが……」

確かに、区分所有マンションは一棟ものと比べて投資額はかなり抑えられますが、空室が発生すると家賃収入はまったく得られません。次の入居者がなかなか見つからないと、そのダメージは深刻になっていきます。

その点、一棟マンションはすべての入居者がいっせいに退去しない限り、そういった事態には陥りません。ただ、一棟マンションの中でも中古物件は個々の物件によって事情がかなり異なり、老朽化が目立ったり立地条件が悪かったりすると、複数の空室が常態化する恐れも出てきます。また、物件取得後に大規模な修繕費が発生するリスクもあります。

やはり、空室が出にくい(発生してもすぐに埋まりやすい)のは新築一棟マンションで、それは投資額に見合ったメリットであるとも言えるでしょう。賃貸需要の高いエリアでデザインや間取りにこだわった新築物件を取得すれば、末長く着実に家賃収入を期待できそうです。

実は、こうした新築一棟マンションのメリットを少額の投資で享受できるのが不動産小口化商品だと言えます。新築もしくは好立地で高い入居率の実績がある築浅の物件に投資している不動産小口化商品なら、おのずと空室も発生しにくく、安定的な分配金を期待できるのです。

ただし、全ての不動産小口化商品が有望であるとは言えないでしょう。個々の商品ごとに投資対象となっている物件は異なっているので、しっかりと精査することが重要です。

 

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