#55 収益物件を購入するときはローンを活用すると良い理由

2021.10.22

 

相続対策としてマンションを購入しようと考えている方は、不動産投資ローンを借り入れると良いでしょう。不動産投資ローンを利用すると、より高額な物件を購入し、高い収入を得られる可能性があります。また現金を残して相続税の納税資金を確保しやすくなるのも、不動産投資ローンの借り入れによる代表的なメリットです。

今回は、不動産投資ローンを組むメリットや、投資をするとよい物件の種類、借り入れるときの注意点などをわかりやすく解説します。

不動産投資ローンを組むとより高額な物件に投資できる

自己資金に不動産投資ローンという他人の資本を加えることで「レバレッジ効果」が働いて、投資効率を高められます。

いくら利回りが高くても、投資した資金が少ないと高い収入は得られません。例えば、手持ち資金が3,000万円であるとしましょう。価格が3,000万円、利回りが5%の物件を購入すると年間の収入は150万円です。しかし7,000万円の不動産投資ローンを借り入れて1億円の物件を購入すると、利回りが同じ5%であっても年間収入は500万円に増えます。

不動産投資ローンの利息額を差し引いても、実質の年間収入は292万円となり、142万円の収入増となるのです。

ファミリータイプよりもワンルームタイプに投資する

マンションには、大きくわけて「ファミリータイプ」と「ワンルームタイプ」の2種類があります。これから不動産投資ローンを組んで収益物件を購入しようと考えている方は、リスクが低く高い収益が期待できるワンルームタイプを選ぶと良いでしょう。

ファミリータイプとは、2人以上世帯向けのマンションです。専有面積が大きい分家賃がワンルームタイプよりも割高である一方、1つのフロアに設けられる部屋数が少ないというデメリットがあります。

ワンルームタイプは、単身者向けのマンションです。専有面積が小さいため家賃はファミリータイプよりも少なくなりますが、1つのフロアで多数の部屋を設けられます。

ファミリータイプは、1部屋あたりの家賃が高いため、空室が発生すると家賃収入が大きく下がる可能性があります。しかしワンルームタイプであれば、建物内に部屋数を多く確保できるため、1部屋で空室が発生しても家賃収入が大きく下がる心配はないでしょう。

築古よりも新築マンションへの投資が良い理由

不動産投資ローンの借入額を少なくしたいという思いから、築古のマンションを選ぶ方は少なくありません。しかし築古のマンションを購入すると、かえって投資効率が低くなったり、融資してもらえなかったりするケースがあります。

たしかに築古の物件は、購入価格をはじめとした初期費用が手頃であるため、少ない自己資金で不動産投資を始められるでしょう。しかし築古物件は、建物や設備の修繕費や交換費用が発生しやすいため、ランニングコストが高くなって収益性が低下しやすいのです。

給湯器やエアコンなどの電気設備は、5〜10年に1度のタイミングで交換が必要です。築古物件を購入してから、1年後に交換費用が発生するケースは少なくありません。

また日本は、新築や築浅のほうが人気であるため、築古のマンションを購入すると、退去者が発生したあとに次の入居者が見つからず、家賃収入が減ってしまう可能性が高くなります。

不動産投資ローンの融資の承認が下りにくいのも、築古物件のデメリットです。銀行をはじめとした金融機関は、不動産投資ローンの審査時に物件の担保価値を確認します。担保価値が低いと、ローンの返済を滞納されたときに、競売にかけても融資金を回収できないためです。

築古の物件は、売買価格よりも担保価値が大幅に低くなるケースが珍しくありません。あまりにも担保価値が低いと、不動産投資ローンの融資が承認されなかったり、融資額を減額されたりする場合があります。

以上の点から不動産投資ローンを活用して不動産投資をするのであれば、収益性が高い傾向にあり、融資の審査に通過しやすい新築物件や築浅物件の方が良いと考えられます。

区分所有は非効率

区分所有は、1棟所有よりも安価で購入できます。また相続時に分けやすいため、相続人の数だけ部屋を購入した方が良いと考えて、区分所有を選択する方は少なくありません。

しかし区分所有は、安価である一方で1棟マンションと比較すると割高です。また区分所有で得られる家賃収入は数万円程度であり、退去者が発生すると0円になるため、収益性が低く空室リスクは高いといえます。

さらに区分所有の場合、建物の外観が経年劣化によって損傷や汚れが目立っていても、自身の判断だけで外壁や屋根、廊下などの共用部分を修繕できません。

マンションの損傷や汚れが目立つと、入居者が入りにくくなったり、家賃の引き下げが必要となったりする場合があります。しかし区分所有では、マンションの管理組合の一員として修繕を提案したうえで、他の組合の同意を得なければ共用部分は修繕できないのです。

その一方で、1棟所有であれば、月に100万円以上の家賃収入を得ることも可能です。空室が1つ発生しても、他の部屋の家賃収入でカバーできるため、収益が大きく低下する可能性は低いといえます。加えて1棟所有であれば、オーナーの判断で共用部分の修繕が可能であるため、長期間の空室発生や家賃の引き下げなどの発生に対策しやすいです。

不動産投資ローンを組んで収益物件を購入するメリット

不動産投資ローンを組むメリットは、高額な物件に投資できることだけではありません。ここでは、不動産投資ローンを組んで収益物件を購入するメリットを紹介します。

現金を残せる

不動産投資ローンを組むと、手元に現金を残すことができ、相続税の納税資金を確保しやすくなります。

例えば、2億円ある預貯金のうち、1億8,000万円を使って1棟マンションに投資をしたとしましょう。資産構成は、収益物件と2,000万円の現金となります。収益物件を相続したほうは、自分自身の貯蓄や相続したマンションの売却で得たお金から相続税の支払いが必要となるかもしれません。

また相続人が子ども2人であった場合、収益物件と2,000万円の現金を平等に分割するのは困難でしょう。

1億円の不動産投資ローンを借り入れて、1億8,000万円のマンションを購入すると、1億2,000万円が残るため、相続人は引き継いだ現金で相続税を納められます。また現金を多く残せると、相続が発生したときに相続人のあいだで遺産を分けやすくなります。

団体信用生命保険に加入できる

団体信用生命保険とは、不動産投資ローンを組んだ人が亡くなったり、保険会社の定める重い障害状態になったりした場合に、残債が0円となる保険です。不動産投資ローンを組むオーナーの多くが、団体信用生命保険に加入しています。

団体信用生命保険に加入していると、病気やケガで亡くなったり重い障害状態となったりした場合に、ローンの返済義務がなく家賃収入が得られる物件を家族に引き継げます。

収益物件を引き継いだ家族は、家賃収入を得ることでより豊かな生活が送れるでしょう。また収益物件が不要であれば、売却してまとまった現金に変えることも可能です。

不動産投資ローンを借り入れるときの注意点

ここでは、不動産投資ローンを借り入れるときに注意すべき点を3つご紹介します。

頭金を入れる必要がある

2021年8月現在、フルローンで不動産投資を始めるのは困難であり、基本的に物件価格の2〜3割程度の頭金が必要となるでしょう。金融機関によっては、5割程度の頭金を求められる場合があります。

以前は不動産投資の経験が浅い方でも、会社員や公務員など安定した収入を得ていれば、フルローンを組める可能性がありました。しかし銀行の不正融資問題や建築会社の偽装建築問題などの影響により、金融機関の審査基準は厳しくなってきています。

そのため相続対策を目的に収益物件を購入するときは、頭金の支払いで預貯金が減ると想定して、相続発生時の遺産の分け方を考える必要があります。

審査時に相続人の状況を確認されることがある

不動産投資ローンを組んで相続対策のために収益物件を購入しようとすると、融資の審査時に金融機関から相続人の状況を確認されることがあります。相続人に賃貸経営の意思がない場合や、賃貸経営を引き継ぐ相続人が明確でない場合、融資したローンがきちんと返済されない可能性があるためです。

不動産投資ローンを借り入れる際は、物件を相続する人をあらかじめ決めたうえで、賃貸経営を引き継ぐ意思があることを確認しておくと良いでしょう。

複数の金融機関に融資を相談する

金融機関によって、不動産投資ローンの審査基準や金利、借入限度額などの条件が異なります。最初に相談した金融機関に融資を断られても、ほかの金融機関が融資を承認してくれるケースは決して珍しくありません。

また金融機関によって、ローンの返済額計算に用いる金利や、融資をする金融機関に支払う事務手数料、保証会社に対して支払う保証料などが異なります。

複数の金融機関に相談し、もっとも有利な条件で融資してもらえるところで、不動産投資ローンを借り入れることが大切です。

借金を負いたくない人は「不動産小口化商品」を検討しよう

不動産投資ローンに複数のメリットがあるとはいえ、一切の借金を負いたくない方や、借金を家族に残したくないと考える方もいらっしゃいます。そのような方は「不動産小口化商品」を検討してみてはいかがでしょうか。

不動産小口化商品とは、商業ビルやマンションなどの不動産の所有権が、1口数万〜1,000万円程度に小口化された金融商品です。少額の資金から投資できるため、現物の不動産投資のように多額のローンを背負うことはありません。なお不動産から生じた家賃収入や売却金などの収益は、投資家が出資した金額に応じて分配されます。

また「任意組合型」と呼ばれるタイプの不動産小口化商品は、相続税の計算時に現物の不動産と同じ方法で価値が評価されます。都市部にある収益物件では、相続税評価額が時価の3割程度となるケースもあります。現金を任意組合型の不動産小口化商品にシフトすると、ローンを組んで収益物件を購入せずとも相続税の節税効果が期待できるのです。

口数単位で販売されているため、贈与税がかからない範囲で家族に贈与しやすいのも不動産小口化商品のよい点です。加えて贈与税の計算時に、不動産小口化商品の価値は相続税評価額と同じ額となるため、現金よりも多くの財産を短期間で贈与できる可能性があります。

まとめ

不動産投資ローンを活用することで、手元に現金を残しつつ1棟マンションをはじめとした高額な物件へ投資できます。

築古の物件や区分所有は、少ない金額で始められるものの、1棟マンションよりも安定した収益を得にくいというデメリットがあります。相続対策を考えている方は、不動産投資ローンを活用して安定した収益が期待できる新築1棟マンションへの投資を検討してみてはいかがでしょうか。

 

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