#50 有効な相続対策とは?不動産・生命保険・生前贈与を徹底比較

2021.09.10

 

相続税を納める人や額は年々増加しており、「相続対策にマンションを購入した」「毎年子供に生前贈与を行っている」など相続対策を行う方も急増しています。

相続対策としてマンションなどの不動産、生命保険、現金の生前贈与などがありますが、一体どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

この記事では、相続対策を行う人が増えた背景、不動産・生命保険・生前贈与のメリット・デメリットをお伝えしていきます。

相続対策に興味のある方、有効な相続対策が知りたい方はぜひご覧ください。

 

相続対策はもはや必須?相続税を納める人は年々増加している

少子高齢化の影響で、相続財産を遺して亡くなる被相続人の数は年々増加しています。
加えて相続税制が2015年に改正され、基礎控除額が引き下げられたことから実質増税となり、「課税対象被相続人数」も増加の一途を辿っています。

出典:国税庁「平成30年分の相続税の申告状況について」より

 

相続税として算定される価額(課税価格)と相続税額も上昇しています。
もはや相続対策は一部の富裕層が行うものではなく、子孫に財産を遺したい方、相続する側に負担をかけたくない方にとって欠かせないものとなっています。

出典:国税庁「平成30年分の相続税の申告状況について」より

 

相続対策には一体どんな方法があるのでしょうか?
代表的なものとしては、マンション購入などの不動産・生命保険・生前贈与などが挙げられます。

3つの中でも生前贈与は現金で将来相続人となる方に贈与ができ、比較的手間がかからない方法ですので相続対策として行う方は数多いです。一方でマンション購入は物件探しや運営などの手間がかかるものの節税効果が高い事で知られています。

不動産・生命保険・生前贈与、それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。

不動産・生命保険・生前贈与のメリット・デメリット

不動産・生命保険・生前贈与による相続対策の仕組み、メリット・デメリットは以下の通りです。

1.生命保険による相続対策のメリット・デメリット

亡くなった時に保険会社から支給される生命保険金、本来退職時に貰えるはずであった退職金を死亡時に受け取る死亡退職金などは「みなし相続財産」と呼ばれています。
みなし相続財産とは、被相続人が所有していた財産ではないものの、亡くなったことによって受け取れる財産を指します。

生命保険金は被保険者や保険料負担者、受取人の関係によって相続税、所得税、贈与税と課される税金が変わってきます。

 

被保険者 保険料負担者 保険金受取人 税金
被相続人 被相続人 被相続人 相続税(非課税枠なし)
被相続人 被相続人 被相続人以外の方 相続税
被相続人 保険金受取人 保険料負担者 所得税
被相続人 上記以外の方 被相続人以外の方 贈与税

 

非課税となる生命保険金の額は「500万円×法定相続人の数」となります。

例えば、夫婦2人と子供2人の家庭で夫が亡くなり保険料負担者が夫、受取人が妻である場合、相続税が課されますが500万円×3(法定相続人の数)=1500万円までは税金が控除されます。

生命保険による相続税対策のメリットは、申請する際に受取人が手続きを行うだけで保険金を受け取ることが可能である点です。他の相続財産の場合、相続人全員の合意が必要であるものもありますが、生命保険金は上記のケースで言えば妻だけで手続きができます。

また受取人に指定されている際には相続放棄を行っても遺産を受け取ることができます。

一方で、受取人が法定相続人である相続人でない場合は税金が控除されません。
法定相続人とは民法で定められた被相続人の配偶者や子で、法定相続人以外の方が相続する際には全額相続税の課税対象となります。

また受取人を複数の人数で指定した場合、遺言書などで分配割合を定めていない場合にはトラブルが起こる可能性があります。
受取人を複数の方にする際は、遺言書であらかじめ割合を指定しておきましょう。

生命保険による相続対策のデメリットは、生命保険金の非課税となる金額は、いくつ生命保険金に入ったとしても、相続人全体で、上記の非課税限度額の金額のみで、相続対策としては限度額ある点です。

2.生前贈与(暦年)による相続税対策のメリット・デメリット

生前贈与にも様々な方法がありますが、今回は相続対策として行う方が多い「暦年贈与」についてメリット・デメリットをお伝えしていきます。

贈与財産は1月1日~12月31日までに1人につき110万円までが控除され、税金が課されません。この仕組みを利用して生前に非課税で贈与を行うことを「暦年贈与」と言います。

相続対策としては手続きを行う必要が無く手間がかからない、現金をそのまま相続人に残せるというメリットがあります。

ただし、あらかじめ、2,200万円を20年かけて贈与することを約束した場合には、毎年の振込額は110万円ですが、約束した年で2,200万円が贈与税の対象となってしまいます。

また、贈与財産のうち相続開始前3年以内に贈与されたものは相続財産とみなされ 、相続税の対象となります。そのため贈与後3年以内に贈与した方が亡くなった場合は贈与された方に相続税が課されてしまいます。

現金による贈与の問題点として贈与額が大きい場合、多くの税金が課されてしまうため一定額を現金で贈与した結果、「贈与財産を預金する」ケースが多い事が挙げられます。
贈与された現金を預金しておくことで、物価の上昇(インフレ)に対応できなくなる事例に繋がる事例が多く見られます。

2021年6月時点、日本銀行の公表資料 によると普通預金の平均利回りは0.001%、定期預金は1千万円以上を10年預けた場合でも0.002%となっています。

一方で物価 の目安となる「消費者物価指数」は、2020年の新型コロナ感染拡大までは上昇傾向にありました。

出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)「2020年(令和2年)平均消費者物価指数の動向」より

 

日本銀行は年に2%の物価上昇を目標と しており、今後も物価が上がり貨幣の価値が下がるインフレ傾向は続くと言われています。

インフレが進むとインフレ率に預金の利率が追いつかないため、現金による贈与を預金しておくことで、インフレにより目減りしてしまうリスクがあります。

不動産による相続税対策のメリット・デメリット

マンションや土地などの不動産は「評価額」によって相続税が算定されます。
建物は固定資産税評価額という時価の約7割、土地は主に路線価方式で時価の約8割で評価されますので、現金を不動産に換えるだけでも2~3割程度、相続税の対象となる価額を減らす事が出来ます。

さらに事業用・居住用で一定の条件を満たす土地には「小規模宅地等の特例」が適用され、評価額から50~80%が減額されます。

また不動産を貸し出すことで家賃収入が手に入りますが、家賃 の変動率は2001~2020までの20年、以下のように推移しています。

出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)「2020年(令和2年)平均消費者物価指数の動向」より作成

 

最も変動率が高かった年は2001年の東京都区部で-1.6%ですが、2019年には東京都区部は+0.4%、2020年には+0.2%と近年は上昇傾向にあります。
全国的にも2019年は0%、2020年は+0.1%と安定しています。

デメリットとしては、賃貸経営業であるため空室の際には家賃収入が減少又はゼロになる時期があることや、経年劣化に伴い修繕費がかさむリスクがあることなどがあげられます。

ただし賃貸需要の高い東京の不動産を購入する、新築物件を購入するなどの方法でリスクが回避できる可能性がありますので、まずは不動産会社に相談してみることが重要となります。

不動産投資と小口化商品で相続対策を

生前贈与・不動産・生命保険による相続対策のメリット・デメリットを解説してきました。

それぞれにメリット・デメリットはあるものの、最も大きな効果を得られるのは不動産の活用になります。

賃貸住宅の家賃はここ20年大きく変動する事なく安定していますので、相続対策を検討している方は不動産投資を視野に入れてみましょう。

「不動産を購入するのは不安」「まずは少額から試してみたい」という方には不動産小口化商品をおすすめします。

不動産小口化商品は数万円から購入が可能で、商品の中には相続税評価額(時価の約8割)で評価されるものがありますので検討してみてはいかがでしょうか。

不動産投資と不動産小口化商品で、効果的な相続対策を行っていきましょう。

 

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