[相続対策50の新常識] #33 知っておきたい相続の常識【相続対策6カ条】

2021.05.06

相続対策を考える場合、所有している資産の規模にかかわらず、場当たり的な対策は避けるべきで、財産を受け継いだ後の相続人の暮らしのことも踏まえたプランニングが求められてきます。では、そういったプランを導き出すにはどうすればいいのか?この記事では、相続で資産を守り、さらに増やしていくための6カ条を紹介します。

(本記事は、税理士法人チェスター監修 株式会社フェイスネットワーク蜂谷二郎著書『不動産活用で資産を守る 相続対策50の新常識』の中から一部を抜粋・編集した記事です)

相続で資産を守り、さらに増やしていくための6カ条

次の6カ条を実践すれば、先々を見据えた資産移転と資産形成が進められていくことになるでしょう。

【相続で資産を守り、さらに増やしていくための6カ条】

その1.早いうちから「生前贈与」を進める

その2.控除枠の範囲で生命保険に加入する

その3.節税効果の大きい不動産を大いに活用

その4.節税とともに「資産を増やす」の発想で臨む

その5.利回りだけに目を奪われない

その6.出口戦略も最初から視野に入れておく

 

その1.早いうちから「生前贈与」を進める

自分が亡くなってから財産を渡すことになる相続に対し、「生前贈与」はその名の通り、存命中に財産を渡す(贈与する)という行為です。無制限にこうした行為を認めると、相続税が課されるのを避ける目的で「生前贈与」が活発化してしまいます。

そこで、所定の非課税枠を超えた贈与については、贈与税が課されるようになっています。相続対策で注目するのは、この非課税枠(基礎控除)です。

基礎控除の金額は、贈与を受ける者1人につき年間110万円となっています。たとえば、毎年110万円ずつ10年間にわたって「生前贈与」を続ければ、1100万円の所得移転が非課税で可能となるため、早いうちから計画的に実行していきましょう。

その2.控除枠の範囲で生命保険に加入する

財産を遺す人(被相続人)の逝去で死亡保険金が支払われると、そのうちの「500万円×法定相続人の数」に該当する金額まで相続税が課されないという税制上の措置にも注目です。生命保険の活用については、この枠をフルに生かすまでで十分です。

その3.節税効果の大きい不動産を大いに活用

節税対策を進めていくうえで特に有効となるのは、「生前贈与」とともに、節税効果の大きい不動産への投資です。

不動産の「相続税評価額」は実勢価格などと比べてかなり割安になり、その分だけ相続税の負担を抑えられます。しかも、賃貸に回している物件はさらに「相続税評価額」が下がるので、賃貸マンションや賃貸アパートなどへの投資が有効です(詳しくはこちらの記事で)。

その4.節税とともに「資産を増やす」の発想で臨む

賃貸需要の高いエリアで魅力的な物件を取得できれば、相続税の節税だけでなく、安定的かつ継続的な家賃収入を見込めることから、さらに資産を増やしていくことも可能となってきます。そして、代々にわたってより繁栄を求めていくうえでは、この「増やす」という発想が重要です。

その5.利回りだけに目を奪われない

資産を「増やす」という発想で投資対象を絞り込む際に失敗しがちなのは、利回りの高さばかりに目を奪われて物件を選んでしまうことです。いたずらに利回りの高い物件には落とし穴がつきもので、着実に家賃収入が得られる(満室状態が続く)ことにフォーカスを当てるのが賢明です(詳しくはこちらの記事で)。

その6.出口戦略も最初から視野に入れておく

長期的に安定的なキャッシュフロー(家賃収入)をもたらす物件を相続できれば、次代を担う家族からも感謝されることでしょう。代々にわたって、資産形成を支えていく存在となってくるわけです。

もっとも、末永く所有し続けられる資産であっても、転売して別のプランに乗り換えたほうが有効であったり、家族内で環境や事情の変化が生じたりすることがあります。こうしていつか手放すことも想定されるため、最初から出口戦略を念頭に置くのが堅実です。

見かけのうえでの利回りの高さではなく、長く安定的なキャッシュフローが得られるという意味での高収益物件に的を絞れば、自然とその資産価値が低下しにくくなります。そうなれば、いつどのようなタイミングで出口が見えてきたとしても、有利な価格で売却することが可能となります。

まとめ

相続対策を行う際、相続税の負担を抑えることに目を向けがちですが、次世代を担う家族に末永くゆとりある生活を提供すること、そして、資産を増やせるような環境を準備してあげることが重要です。今回紹介した6カ条を参考にして、相続対策を賢く進めていきましょう。